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世界のHouzzから:ブルータリズム建築の名作《バービカン・エステート》の住み心地
ロンドンの中心地にある、ブルータリズム建築の名作《バービカン・エステート》には、今もクリエイティブな人びとが数多く暮らし、コミュニティができています。
Egon Walesch
2016年10月31日
ロンドンのアイコン的な住宅建築、《バービカン・エステート》に暮らす写真家のアントン・ロドリゲスさんは、2015年から住人たちの生活空間を写真に記録するプロジェクトを開始。その集大成として10月10日に出版された『住民たち:バービカン・エステートの暮らし (Residents: Inside the Iconic Barbican Estate) 』では、ロンドンの中にある最も個性的な「村」の生活を垣間見せてくれる作品集だ。そこでこの記事では、本に収録された写真やストーリーを通して、このランドマーク的建築を解説していきたい。
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1982年3月3日の英BBCの報道によると、エリザベス女王は新装オープンした《バービカン・エステート》を「世界に誇る現代技術の奇跡」と讃えたという。ラフなコンクリート壁面、空中庭園、そして3つの高層タワーが特徴的な複合建築バービカンは、学校、店舗、飲食店、さらには世界トップクラスの文化施設を高密度の住宅地に組み合わせるという、新しい住環境のありかたを提案したのだ。
アパートメントの人気は一時期低迷したものの、今やロンドン中心地でもっとも人気の高い物件となっている。当然ながら、クオリティの高いデザイン、オーセンティックなミッドセンチュリースタイルの内装、ディテールの素晴らしさも人気の要因だ。
アパートメントの人気は一時期低迷したものの、今やロンドン中心地でもっとも人気の高い物件となっている。当然ながら、クオリティの高いデザイン、オーセンティックなミッドセンチュリースタイルの内装、ディテールの素晴らしさも人気の要因だ。
《バービカン・エステート》は、第二次世界大戦の空爆の焼け跡に、1960~70年代にかけて建設された。2001年には、イギリスのブルータリズム建築の最たる例として、指定建造物グレードⅡ(重要文化財級に相当)に登録されている。
建築事務所〈チェンバレン・パウエル&ボン〉が手がけた設計には、ル・コルビュジェとモダニズム理論からの強い影響が見える。大きな文化センターと、ギルドホール音楽演劇学校も併設されている。
プロジェクトの施主はロンドン市自治体で、シティで働く人たちを中心に多様な住民層が混ざり合って暮らすコミュニティづくりを想定していた。アパートメントは売却されないはずだっただが、「right to buy(購入する権利)」と呼ばれる公営住宅払い下げ推進政策によって事情が変わり、現在はすべて民間所有になっている。
建築事務所〈チェンバレン・パウエル&ボン〉が手がけた設計には、ル・コルビュジェとモダニズム理論からの強い影響が見える。大きな文化センターと、ギルドホール音楽演劇学校も併設されている。
プロジェクトの施主はロンドン市自治体で、シティで働く人たちを中心に多様な住民層が混ざり合って暮らすコミュニティづくりを想定していた。アパートメントは売却されないはずだっただが、「right to buy(購入する権利)」と呼ばれる公営住宅払い下げ推進政策によって事情が変わり、現在はすべて民間所有になっている。
《バービカン・エステート》は、3つの高層住棟、13の中層住棟、小さな2階建ての家が並ぶ棟が2つ、タウンハウス(ガレージ付きアパートメント)の棟が1つで構成されている。高層住棟(写真には写っていない)は、コンクリートパネルが格子状になった外壁でロンドンのスカイラインの中でもひときわ目立つ。水平方向のコンクリートのラインを突き抜けるように垂直方向にラインが伸び、高層タワーの高さを強調している。
ブルータリズムという言葉は、フランス語で生コンクリートを意味する「ベトン・ブリュット(béton brut)」に由来している。バービカンで2015年に開催された企画展「バービカン:ランドマークができるまで」によると、住宅棟だけでも20万平方メートルを超すコンクリート面を仕上げなければならなかったが、職人が手持ち式のピックハンマーで表面を削り、内部にある花崗岩の粗骨材を露出させていったそうだ。その点では、通常のブルータリズム建築で用いられるコンクリート打ちっ放しとは対照的であった。
あまり知られていないことだが、実は、コンクリート外壁は当初の基本計画には含まれていなかった。ウェブサイト「バービカン・リビング」によると、建物はすべて白い大理石で覆われるはずだったのだが、費用がかかりすぎるため変更されたそうだ。
あまり知られていないことだが、実は、コンクリート外壁は当初の基本計画には含まれていなかった。ウェブサイト「バービカン・リビング」によると、建物はすべて白い大理石で覆われるはずだったのだが、費用がかかりすぎるため変更されたそうだ。
建築家たちが思い描いたのは、快適で便利な住宅区だった。1959年に発表した報告書「バービカン再開発計画」で述べているように、歩く人が車の交通に邪魔されず「家並みや芝生、木々や花の風景を楽しみながら」また「新しくできた建物が人工池に映るようすを眺めながら」自由に動き回れるような、静かな歩行者用スペースを含む空間を目指していた。
その中で、《バービカン》の歩行者道路システムのモデルとして挙げられているのが、「業務用の輸送交通と歩行者の交通が完全に分離されている街として最良の例である」というベネチアの、運河・橋・歩道のシステムだ。
「ベネチアの分離型交通システムは何世紀ものあいだ見事に機能してきた。この手法がロンドン市にも同様の効果をもたらさないと考える根拠はない」と述べている。
その中で、《バービカン》の歩行者道路システムのモデルとして挙げられているのが、「業務用の輸送交通と歩行者の交通が完全に分離されている街として最良の例である」というベネチアの、運河・橋・歩道のシステムだ。
「ベネチアの分離型交通システムは何世紀ものあいだ見事に機能してきた。この手法がロンドン市にも同様の効果をもたらさないと考える根拠はない」と述べている。
ベッドルームや書斎、リビングルームから突き出たバルコニーが、タワー住棟にユニークな輪郭を与えている。
それぞれのバルコニーからは、緑の美しい広場と噴水のある池が見下ろせる。《バービカン・エステート》の建物群は、シティ中心部の喧騒から離れた場所にあり、道路よりも一段高いところに作られた歩行橋を通って中にアクセスする。3つのタワー住棟は、ロンドンでもっとも高い住宅用ビルのうちに数えられる。
エステートに住んで2年になる建築家のソフィーさん(写真)はこう語っている。「《バービカン》は、あの時代にしかできなかった唯一無二のものなんです。才能と、意思を貫く強さを持っていた建築家グループが、人生をかけて作り上げた作品です。」
「こんな建物が作られることは二度とないでしょうし、似たようなものを建てようとする人も現れないでしょうね」とソフィーさんは言う。「美しくて、大胆で、ディテールも信じられないほど凝っている。毎週のように何かしら新しい部分を発見します。エステート全体がまるでひとつの丘の町のようで、探検するところが尽きません。」
それぞれのバルコニーからは、緑の美しい広場と噴水のある池が見下ろせる。《バービカン・エステート》の建物群は、シティ中心部の喧騒から離れた場所にあり、道路よりも一段高いところに作られた歩行橋を通って中にアクセスする。3つのタワー住棟は、ロンドンでもっとも高い住宅用ビルのうちに数えられる。
エステートに住んで2年になる建築家のソフィーさん(写真)はこう語っている。「《バービカン》は、あの時代にしかできなかった唯一無二のものなんです。才能と、意思を貫く強さを持っていた建築家グループが、人生をかけて作り上げた作品です。」
「こんな建物が作られることは二度とないでしょうし、似たようなものを建てようとする人も現れないでしょうね」とソフィーさんは言う。「美しくて、大胆で、ディテールも信じられないほど凝っている。毎週のように何かしら新しい部分を発見します。エステート全体がまるでひとつの丘の町のようで、探検するところが尽きません。」
高層住棟も低層住棟も、アパートメントのレイアウトは、自然光をもっとも必要とする部屋に最大限に取り入れるようにデザインされている。そのため、ベッドルーム、ダイニング、リビングが外に面した側に配置され、キッチンやバスルームが建物の内側に配置されている。窓は大きく、光がアパートメント全体に流れ込む。
いちばんのお気に入りをたずねられると、ソフィーさんはこう答えている。「明るいことと、床から天井まである窓。とてもよく考えられたレイアウトになっているから、実際の床面積はわりと小さいのに、動きがあって、とても質の良い空間に感じられます。」
「ディテールの素晴らしさは涙が出るほどです。無垢材のスライド式ドアは、作られてから40年経つ今でも完璧に機能しますし、階段や手すりもいいですね。」
いちばんのお気に入りをたずねられると、ソフィーさんはこう答えている。「明るいことと、床から天井まである窓。とてもよく考えられたレイアウトになっているから、実際の床面積はわりと小さいのに、動きがあって、とても質の良い空間に感じられます。」
「ディテールの素晴らしさは涙が出るほどです。無垢材のスライド式ドアは、作られてから40年経つ今でも完璧に機能しますし、階段や手すりもいいですね。」
イームズのラウンジチェアとオットマンがとてもよく似合うバービカンの一室。とくに暖かな黄金色のハードウッド材の窓枠やドアフレームに見られるような、アパートメントに使われている自然素材は、ミッドセンチュリー家具と非常に相性が良いのだ。
モダンなコンクリート造りの住宅のもつ一般的な印象とは裏腹に、《バービカン・エステート》は子どもを育てるには理想的な場所のようだ。エステート内には保育所もあり、いい遊び場になる庭もたくさんある。当初から歩行者通路を優先した設計で、車両交通は外周付近に限られている。エステート内はどこでも徒歩で行き来できるため、子どもたちも車を気にせず外でのびのび遊ぶことができる。
《バービカン》に5年間暮らしているアイシャさんとイーゾさん夫妻はこう語る。「近所の人も親切だし、娘のエーダがほかの子どもたちと一緒に走り回って遊べる素敵な庭もあります。地域でとれた美味しい食材を売っているお店や、バービカンセンターの中には素晴らしい図書館もあります。住み始めてみてわかったことなんですが、ここは子育てをするには理想的な場所ですね。街の中のロケーションもとても便利だし、徒歩という最高の移動手段でどこにでも行くことができるんです。」
建築評論家で元住人でもあるジョナサン・グランシーさんは、《バービカン・エステート》は戦艦のようであると言う。彼が英ガーディアン紙に寄稿した文章では次のように書いている。「傾斜した出入口や、デッキ、階段、手すり、バルコニーが無数にあり、また明らかな船舶風のディテールがあしらわれているため、とくに雨に濡れて風が強い日などは、バービカンはまるでロンドン市に停泊している巨大なコンクリートの船のように感じられる。」
オリジナルの階段部分には、素材の上質さと、プロジェクト全体を通して見られる職人技の素晴らしさがよく表れている。この3階構造のアパートメントに住んでいるのは、《バービカン》に暮らして15年になるオリヴィエさんだ。いちばんのお気に入りはこの階段で、次いで同じくらい好きなのが、最上階の筒型ヴォールト天井だと言う。ほかの場所に住むなんて考えられないというオリヴィエさんは、「ひとたびバービカンに住んで、この場所を体験してしまうと、ほかのところに引っ越すなんてありえません!」と語っている。
オリジナルの階段部分には、素材の上質さと、プロジェクト全体を通して見られる職人技の素晴らしさがよく表れている。この3階構造のアパートメントに住んでいるのは、《バービカン》に暮らして15年になるオリヴィエさんだ。いちばんのお気に入りはこの階段で、次いで同じくらい好きなのが、最上階の筒型ヴォールト天井だと言う。ほかの場所に住むなんて考えられないというオリヴィエさんは、「ひとたびバービカンに住んで、この場所を体験してしまうと、ほかのところに引っ越すなんてありえません!」と語っている。
《バービカン》の住人には、借りて暮らす人と、所有して住んでいる人の両方がいるが、建築家やデザイナーなど、クリエイティブな業界で働いている人の割合が多い。
今となってはアーティストやクリエイティブな人種が住む場所として作られたかのように思えるが、実際のところは、特別にデザインした照明のスイッチや、ハイスペックなドアノブまで、高品質な製品を求めるハイエンド消費者をターゲットとした住宅だった。
今となってはアーティストやクリエイティブな人種が住む場所として作られたかのように思えるが、実際のところは、特別にデザインした照明のスイッチや、ハイスペックなドアノブまで、高品質な製品を求めるハイエンド消費者をターゲットとした住宅だった。
《バービカン》に住んで2年になるエリックさん(写真)は、フランス出身の建築家兼ランドアーティストだ。気に入っているのは「ブルータリスト的な建築美によって、庭の上にそびえたつ崖の中に人が住んでいるような印象になっているところ」だと言う。
「まるで古代文明の民族が彫った岩みたいに見える建物ですよね!それに、どこをとってもディテールが素晴らしいから、近くで見てもなお美しくて、年月を経ても魅力的なんです。」
「まるで古代文明の民族が彫った岩みたいに見える建物ですよね!それに、どこをとってもディテールが素晴らしいから、近くで見てもなお美しくて、年月を経ても魅力的なんです。」
ここを訪れると、緑が多いことに驚く人も多い。大きな池のほかにも、噴水、滝、屋上庭園、木立、小さな水場、水面より下に座面が配置された休憩エリアなど、屋外がよく整えられている。ロンドンで2番目に大きい温室(キューガーデンの温室が最大)もあり、2千種以上の熱帯植物や熱帯魚が集められている。
最近作られた、カジュアルな雰囲気のかわいらしい屋上庭園もある。従来の庭よりも、植物の多様性を重視し、気候変動問題にも配慮したデザインになっている。
アパートメントには、バルコニーに沿って窓の外に植木箱が用意されている。低層住棟やタウンハウス住棟に借地権を持つ住人は、植物を育て世話をすることを契約で規定されているのだ。そのため、夏になるとコンクリートのバルコニーからあふれんばかりに咲いているジェラニウムを目にすることも多い。
敷地内の庭園のほとんどは住人専用のプライベートガーデンだが、こちらのタウンハウスの1階に見られるように個人で庭をつくっているケースは珍しく、貴重な存在だ。
最近作られた、カジュアルな雰囲気のかわいらしい屋上庭園もある。従来の庭よりも、植物の多様性を重視し、気候変動問題にも配慮したデザインになっている。
アパートメントには、バルコニーに沿って窓の外に植木箱が用意されている。低層住棟やタウンハウス住棟に借地権を持つ住人は、植物を育て世話をすることを契約で規定されているのだ。そのため、夏になるとコンクリートのバルコニーからあふれんばかりに咲いているジェラニウムを目にすることも多い。
敷地内の庭園のほとんどは住人専用のプライベートガーデンだが、こちらのタウンハウスの1階に見られるように個人で庭をつくっているケースは珍しく、貴重な存在だ。
〈チェンバレン・パウエル&ボン〉の設計において、キッチンはアパートメントの裏側に配置し、窓がある部分はリビングエリアや寝室に充てることが決定していた。1959年に基本計画が作成されて以来、この方針が大前提であり、すべてのアパートメントの配置はこれに基づいている。
しかし、1963年になって問題が発生する。当時のロンドン州議会が、すべてのキッチンには窓もしくは同等の換気口がなくてはならない、という条例を制定したのだ。《バービカン》のキッチンには、換気口がないものも多かった。そこで、規制対策のための合意が行われる。以前「キッチン」と呼んでいた場所の名称を変えて「調理エリア」とし、法律上はリビングルームの一部とみなすことになったのだ。
しかし、1963年になって問題が発生する。当時のロンドン州議会が、すべてのキッチンには窓もしくは同等の換気口がなくてはならない、という条例を制定したのだ。《バービカン》のキッチンには、換気口がないものも多かった。そこで、規制対策のための合意が行われる。以前「キッチン」と呼んでいた場所の名称を変えて「調理エリア」とし、法律上はリビングルームの一部とみなすことになったのだ。
できるだけ場所をとらず効率的なキッチンにするため、船舶のコンパクトなデザインを参考にしようと、建築家たちはヨットのデザイン事務所〈ブルック・マリン〉の助けを借りることにした。ガス公社のワトソンハウス研究所に原寸大のキッチン模型を作り、数パターンの食事を作る設定で実際に動いてみながら、使い勝手を確認したという。
基本計画にはこのように記されている。「バスルームは、そして特にこのエステートの場合はキッチンも、1日のうちごく短い時間しか使用されず、それも日没後のことが多い。そのため、こういった空間には人工照明だけでも大きな不便は起こらない。これらの部屋にはすべて、通常の窓換気よりも効率的な強制換気システムを設置する。」
基本計画にはこのように記されている。「バスルームは、そして特にこのエステートの場合はキッチンも、1日のうちごく短い時間しか使用されず、それも日没後のことが多い。そのため、こういった空間には人工照明だけでも大きな不便は起こらない。これらの部屋にはすべて、通常の窓換気よりも効率的な強制換気システムを設置する。」
その後、いくつかのキッチンは大幅に改装されているが、オリジナルの状態で残っているキッチンを見ると、コンパクトデザインのかしこい工夫がよくわかる。最新式の機能のひとつが、シンクに組み込まれたガーシー・システムと呼ばれる生ごみディスポーザーだった。現在も当時と同じ会社がメンテナンスを行っており、パーツが必要になれば新しく製造してくれる。
メインの温水システムとは別に、ほとんどのアパートメントには、サーモスタット制御の小型電気温水器がキッチンのシンク用に備え付けられている。
こちらは1列に並んだガスレンジの調整つまみ。アパートメント内の各所に見られるオリジナルの機器や金具類にも、ミッドセンチュリーデザインの魅力が表れている。
メインの温水システムとは別に、ほとんどのアパートメントには、サーモスタット制御の小型電気温水器がキッチンのシンク用に備え付けられている。
こちらは1列に並んだガスレンジの調整つまみ。アパートメント内の各所に見られるオリジナルの機器や金具類にも、ミッドセンチュリーデザインの魅力が表れている。
もう1つ、そんな美しいデザインの良い例が、こちらの手洗い器だ。アパートメントの決して大きくはないバスルームにもフィットするよう、特別にデザインされた。
設計したのは、〈チェンバレン・パウエル&ボン〉の建築家であったL・マイケル・ホーマン。1966年にバスルーム機器メーカー〈トワイフォード〉からバービカン専用に製造され、現在も製品名「バービカン」として販売されているアイコニックなデザインだ。
設計したのは、〈チェンバレン・パウエル&ボン〉の建築家であったL・マイケル・ホーマン。1966年にバスルーム機器メーカー〈トワイフォード〉からバービカン専用に製造され、現在も製品名「バービカン」として販売されているアイコニックなデザインだ。
《バービカン・エステート》に住んで1年になるアレックスさんはこう語っている。「夢がかなったようです。ここに住むという幸せな体験をしたことがない人には説明するのが難しいですが、本当に素晴らしい住み心地です。都心のロケーションから、高品質のデザイン、住人専用の緑ゆたかな屋外空間まで、便利で、文化的で、ほかにはない最高のライフスタイルがロンドンの真ん中で手に入るんです。」
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