世界で広がる「コンテナハウス」とは?
輸送用コンテナを使ったコンテナハウスが世界各地で増えている。 施工性が高く、頑健で、コストも比較的低く、インダストリアルでスタイリッシュな魅力があります。でも、冷暖房や居住性は? ハウズのドイツ版編集部が詳しくレポートします。
モジュラー建築は、コンテナメーカーによって発明されたわけではない。振り返ってみれば、ル・コルビュジエの考案したモデュロールがあり、第二次大戦後の東ドイツではコンクリートパネルを使ったプラッテンバウと呼ばれるプレハブ団地がつくられていた。平等主義的な理想にもとづくこれらの近代モジュラー建築は、1世紀ほど前から私たちの住環境をかたちづくってきたと言えるだろう。そして最近では、この流れの延長として、個人の住宅としてもコンテナを使った家づくりが大きな注目を集めている。
根強いモジュラー住宅の人気には、いくつか理由がある。第1に、プレハブモジュールでも従来の住宅と同じようにスタイリッシュな家づくりが可能であること。第2に、コンテナを使ったプレハブ住宅は通常の工法に比べて3分の1も安くなり得ること。そして第3に、工期がずっと短くて済むことである。今回は、コンテナを使ったモジュラー建築ならではのメリットについて、ドイツのメーカー〈コンハウス〉のペーター・デュッセルさんにお話をうかがった。それでは、現在のコンテナハウス事情についてご紹介していこう。
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根強いモジュラー住宅の人気には、いくつか理由がある。第1に、プレハブモジュールでも従来の住宅と同じようにスタイリッシュな家づくりが可能であること。第2に、コンテナを使ったプレハブ住宅は通常の工法に比べて3分の1も安くなり得ること。そして第3に、工期がずっと短くて済むことである。今回は、コンテナを使ったモジュラー建築ならではのメリットについて、ドイツのメーカー〈コンハウス〉のペーター・デュッセルさんにお話をうかがった。それでは、現在のコンテナハウス事情についてご紹介していこう。
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写真
コンテナを家づくりに使うというアイデアは、コンテナの誕生と同じくらい昔から存在していた。海上輸送用コンテナを家に改造するプロジェクトは、個別の事例としては以前から見られるもので、アメリカでタイニーハウスが流行すると、コンテナを使った手づくりのタイニーハウスも登場している。しかし、このコンセプトを専門に商業化するトレンドは近年になって出てきたものだ。
それも、コンテナハウスが現代社会に求められているからだろう。コンテナは移動可能で、積み重ねたり自由に組み合わせることもでき、そして低価格。ドイツではとくに、2015年に移民の受け入れ数が急増したことで、コンテナハウスが公共部門から歓迎され、積極的に取り入れられるようになった。そこから、一般市民のあいだでも、住宅不足への現実的で即効性のある解決策として広まっていったのだ。
コンテナ暮らしは極端なミニマリストや世捨て人のためのもの、という印象はすでになくなっている。
それも、コンテナハウスが現代社会に求められているからだろう。コンテナは移動可能で、積み重ねたり自由に組み合わせることもでき、そして低価格。ドイツではとくに、2015年に移民の受け入れ数が急増したことで、コンテナハウスが公共部門から歓迎され、積極的に取り入れられるようになった。そこから、一般市民のあいだでも、住宅不足への現実的で即効性のある解決策として広まっていったのだ。
コンテナ暮らしは極端なミニマリストや世捨て人のためのもの、という印象はすでになくなっている。
使うのは本物の輸送用コンテナ? それとも専用プレハブモジュール?
コンテナと言っても、建物として使われるものには2種類ある。実際に海上輸送に使うコンテナと、建設目的で専用につくられたプレハブのコンテナモジュールだ。〈トムチェック・ステュディオ・アーキテクチャー〉の手掛けた《モダンな輸送コンテナの家》(写真)のように、一戸単位のプロジェクトの場合に前者を使うことが多い。
一方、デュッセルさんはプレハブモジュールを使うことを好むと言う。「輸送用コンテナは使いません。長いあいだ研究してきたんですが、むしろ逆ですね。一見、安価で魅力的に見えるんですが、そうとも限らないんです。確かに輸送用コンテナは安いですが、建築基準を満たし、人の住める空間につくり変えるには、たいへんな時間と労力が必要なんです」。これは、構造的な特徴のせいだ。「輸送用コンテナは、四角い金属板でできた閉じられた箱の状態のときには非常に安定していますが、開口部をつくったとたんに安定性が失われます。それを強化するためには、かなり手を加えなくてはなりません」とデュッセルさんは言う。
その代わりに、〈コンハウス〉では、建設現場の仮設事務所などとして利用されるコンテナユニットの製造メーカーと協力している。モジュールには床と天井があり、それぞれの角には構造を支える柱がある。「このスチールの骨組みで、構造上必要な強さを満たしています。壁で支える必要はありません。いくつかのモジュールを組み合わせた場合にも、支える必要があるのは外側だけで、内部は自由にアレンジできます」とデュッセルさんは言う。
コンテナと言っても、建物として使われるものには2種類ある。実際に海上輸送に使うコンテナと、建設目的で専用につくられたプレハブのコンテナモジュールだ。〈トムチェック・ステュディオ・アーキテクチャー〉の手掛けた《モダンな輸送コンテナの家》(写真)のように、一戸単位のプロジェクトの場合に前者を使うことが多い。
一方、デュッセルさんはプレハブモジュールを使うことを好むと言う。「輸送用コンテナは使いません。長いあいだ研究してきたんですが、むしろ逆ですね。一見、安価で魅力的に見えるんですが、そうとも限らないんです。確かに輸送用コンテナは安いですが、建築基準を満たし、人の住める空間につくり変えるには、たいへんな時間と労力が必要なんです」。これは、構造的な特徴のせいだ。「輸送用コンテナは、四角い金属板でできた閉じられた箱の状態のときには非常に安定していますが、開口部をつくったとたんに安定性が失われます。それを強化するためには、かなり手を加えなくてはなりません」とデュッセルさんは言う。
その代わりに、〈コンハウス〉では、建設現場の仮設事務所などとして利用されるコンテナユニットの製造メーカーと協力している。モジュールには床と天井があり、それぞれの角には構造を支える柱がある。「このスチールの骨組みで、構造上必要な強さを満たしています。壁で支える必要はありません。いくつかのモジュールを組み合わせた場合にも、支える必要があるのは外側だけで、内部は自由にアレンジできます」とデュッセルさんは言う。
とはいえ、輸送用コンテナを使ったプロジェクトにも、劣らず見事なものがある。2014年、建築家のブラッド・トムチェックさんは、ある家族向けに、コロラド州南部にこちらの休暇用コンテナハウス(前の写真も同じ)を建てた。長さ12メートルのコンテナを1つ、6メートルのコンテナを6つ使っており、ベッドルームが2つ、バスルームが2つ、そしてデッキから入るゲスト用の部屋がある。端を補強して、モジュールに壁を追加し、特注した窓を設置している。
デザインも価格も優れたコンテナハウス
コンテナハウスが、従来の住宅に比べて優れているのはどんなところだろうか。「品質(あらゆるパーツが工場内の理想的な環境で正確につくられるため。後述参照)、施工期間、柔軟度の高さ、これらすべてにおいて一般的な住宅よりも優れています。さらに、価格も20~30%低く抑えられます」。もちろん、快適さが犠牲になることもない。
コンテナハウスの最終的な価格は、いくつかの要因によって決まる。「250~300平方メートルの広い住まいをつくるなら、ドイツの場合、消費税・輸送費・設置費込みで1平方メートルあたり1,000~1,100ユーロ(1,100~1,200ドル)が相場でしょう。家の規模が小さいほど、平米単価は高くなります。床面積50~100平方メートルの小さな家なら、1平方メートルあたり1,200~1,300ユーロ(1,300~1,400ドル)ほどになります」とデュッセルさんは言う。
写真:〈レゾルーション4アーキテクチャー〉による、ニュージャージー州ブルーミングデールの《レイク・イオスコ・ハウス》。輸送用コンテナを4つ使用
コンテナハウスが、従来の住宅に比べて優れているのはどんなところだろうか。「品質(あらゆるパーツが工場内の理想的な環境で正確につくられるため。後述参照)、施工期間、柔軟度の高さ、これらすべてにおいて一般的な住宅よりも優れています。さらに、価格も20~30%低く抑えられます」。もちろん、快適さが犠牲になることもない。
コンテナハウスの最終的な価格は、いくつかの要因によって決まる。「250~300平方メートルの広い住まいをつくるなら、ドイツの場合、消費税・輸送費・設置費込みで1平方メートルあたり1,000~1,100ユーロ(1,100~1,200ドル)が相場でしょう。家の規模が小さいほど、平米単価は高くなります。床面積50~100平方メートルの小さな家なら、1平方メートルあたり1,200~1,300ユーロ(1,300~1,400ドル)ほどになります」とデュッセルさんは言う。
写真:〈レゾルーション4アーキテクチャー〉による、ニュージャージー州ブルーミングデールの《レイク・イオスコ・ハウス》。輸送用コンテナを4つ使用
計画プロセスは?
〈コンハウス〉や建築家が予備計画を立てたのち、価格をクライアントに提示する。「安全に見積もり、5~10%の誤差を計算に入れています。これは建設許可を申請する時点での計算ですから、たとえばクライアントが、やっぱりPVCではなく寄せ木の床にしたい、と言い出せば、価格も変わってきます」とデュッセルさんは説明する。
「私たちの会社ではエンジニアリングのサービスも提供しています」とデュッセルさんは言う。「お客さんがこうしたいというアイデアを出せば、それを私たちがいっしょに発展させ、それからメーカーにも協力してもらって計画を練り上げます。建設許可の申請書(ドイツでは安全性と建築基準の順守を示す計算が必要)をまとめて提出したところで、デザインや技術的なプランニングを始めます。現地の状況に合わせて設計を調整するのはこの段階です。建設許可が下りるころには、すでに工場で製造が始まっていて、土地の準備も進んでいます。そして最後に、家の設置プロセスのコーディネートまで建築家がおこないます」。
〈コンハウス〉や建築家が予備計画を立てたのち、価格をクライアントに提示する。「安全に見積もり、5~10%の誤差を計算に入れています。これは建設許可を申請する時点での計算ですから、たとえばクライアントが、やっぱりPVCではなく寄せ木の床にしたい、と言い出せば、価格も変わってきます」とデュッセルさんは説明する。
「私たちの会社ではエンジニアリングのサービスも提供しています」とデュッセルさんは言う。「お客さんがこうしたいというアイデアを出せば、それを私たちがいっしょに発展させ、それからメーカーにも協力してもらって計画を練り上げます。建設許可の申請書(ドイツでは安全性と建築基準の順守を示す計算が必要)をまとめて提出したところで、デザインや技術的なプランニングを始めます。現地の状況に合わせて設計を調整するのはこの段階です。建設許可が下りるころには、すでに工場で製造が始まっていて、土地の準備も進んでいます。そして最後に、家の設置プロセスのコーディネートまで建築家がおこないます」。
〈コンハウス〉のアイデアの生みの親は、コンテナを用いたモジュラー建築をテーマに修士論文を書いたスロベニアの建築家、ユーレ・コトニックさんだ。現在、コトニックさんはデュッセルさんとともに同社のパートナーを務めている。こちらは、〈コンハウス〉がオーストリアで手掛けた150平方メートルの一戸建て住宅。
約9.1×2.4メートルのコンテナユニットが、〈コンハウス〉の基本製品だ。これらを横に4つ並べれば、外壁部分だけで構造を支える9×10メートルほどのスペースが可能になる。
約9.1×2.4メートルのコンテナユニットが、〈コンハウス〉の基本製品だ。これらを横に4つ並べれば、外壁部分だけで構造を支える9×10メートルほどのスペースが可能になる。
施工期間:発注から完成まで6週間
デュッセルさんは、注文を受けてから完成までにかかる時間を6週間と見積もる。モジュールは、いちどに設置する方法と、段階的に設置する方法があると言う。コンテナモジュールを10個使った一戸建ての場合、1~2日間ですべてのモジュールを現場に届けて設置してしまい、それから室内の作業にかかることも可能だ。または段階的に、第1弾のモジュールを配達・設置して室内まで完成させ、それから次の週に第2弾のモジュールを配達する、という方法もある。
ドイツとオーストリアの同業他社でも、これに近い施工期間のようだ。〈アドリアーンス・ウント・ラウホフ〉の《キュービッグ》では契約成立から完成まで10~12週、〈リシーハウス〉では製造に6~8週・設置に7~30日、〈コンビボックス〉では受注から完成まで4~8週ほど(注文の混み具合による)という答えだった。
〈コンハウス〉では、1世帯向けの住宅の内装工事にかかる時間は1週間ほど。内装工事には以下のものが含まれる。
デュッセルさんは、注文を受けてから完成までにかかる時間を6週間と見積もる。モジュールは、いちどに設置する方法と、段階的に設置する方法があると言う。コンテナモジュールを10個使った一戸建ての場合、1~2日間ですべてのモジュールを現場に届けて設置してしまい、それから室内の作業にかかることも可能だ。または段階的に、第1弾のモジュールを配達・設置して室内まで完成させ、それから次の週に第2弾のモジュールを配達する、という方法もある。
ドイツとオーストリアの同業他社でも、これに近い施工期間のようだ。〈アドリアーンス・ウント・ラウホフ〉の《キュービッグ》では契約成立から完成まで10~12週、〈リシーハウス〉では製造に6~8週・設置に7~30日、〈コンビボックス〉では受注から完成まで4~8週ほど(注文の混み具合による)という答えだった。
〈コンハウス〉では、1世帯向けの住宅の内装工事にかかる時間は1週間ほど。内装工事には以下のものが含まれる。
- モジュールの接続
- サーマルブリッジ(熱橋)の断熱 (サーマルブリッジとは建物のなかで断熱性能が低い箇所で、ここから熱が外に逃げてしまう)
- 左官工事や塗装
- 床
- 電気配線
- 電気暖房
- 水道配管
コンテナハウスの製造プロセスは?
ほかのプレハブ建築と同様、コンテナハウスのメリットは、水に濡れることもなく一定の温度に保たれた清潔な工場のなかで生産できること。天候に左右されず、精密度の高い作業ができるため、製造・配達・設置というプロセスをかなり高速化することが可能だ。こちらの工場では、オランダの会社〈テンポハウジング〉のコンテナハウスがつくられている。
ほかのプレハブ建築と同様、コンテナハウスのメリットは、水に濡れることもなく一定の温度に保たれた清潔な工場のなかで生産できること。天候に左右されず、精密度の高い作業ができるため、製造・配達・設置というプロセスをかなり高速化することが可能だ。こちらの工場では、オランダの会社〈テンポハウジング〉のコンテナハウスがつくられている。
木、それともスチール?
コンテナのなかには、木でつくられているものもある。ハン・スラヴィク教授の手掛けるアムステルダムの学生用アパートメントのプロジェクトで使っているのも木製コンテナだ。〈キュービッグ〉のコンテナハウスも木製。一方、〈コンハウス〉ではスチールフレームを使っている(デュッセルさんによると、金属フレームでも携帯の電波受信には問題ない)。〈リシーハウス〉では一般住宅向けには木のフレームを、商業施設向けにはスチールフレームを使っている。〈テンポハウジング〉は本物の輸送用コンテナを使っている。
コンテナのなかには、木でつくられているものもある。ハン・スラヴィク教授の手掛けるアムステルダムの学生用アパートメントのプロジェクトで使っているのも木製コンテナだ。〈キュービッグ〉のコンテナハウスも木製。一方、〈コンハウス〉ではスチールフレームを使っている(デュッセルさんによると、金属フレームでも携帯の電波受信には問題ない)。〈リシーハウス〉では一般住宅向けには木のフレームを、商業施設向けにはスチールフレームを使っている。〈テンポハウジング〉は本物の輸送用コンテナを使っている。
構造上の必要条件と基礎について
コンテナは、いくつまで積み重ねられる?
「ちょうどいま、ダルムシュタットで6階建てのプロジェクトを進めているところです」とデュッセルさんは言う。「そのままでは3階か、最大でも4階までしか重ねられない構造なので、製造過程で1階のモジュールに手を加える必要があります。そうして補強するのが1つの方法ですが、あるいは外骨格をつくる方法もあります。いわば巨大なシェルフユニットのような構造をつくり、その中にコンテナを収容するんです」。
コンテナハウスに必要な基礎は?
「2.5メートルから3.5メートルおきに骨格を支えるポイントが必要になります」とデュッセルさんは言う。「コンテナハウスは、柱で、つまり独立基礎(柱の位置に個別に設けた基礎から地面に荷重を伝える)で支えることが可能なんですが、理想的には布基礎(線状に設けて壁や柱の列を支える基礎)がいいですね。柱で支える場合、より冷却されやすくなります。ごくたまに、地下をつくりたいというお客さんもいます」。
写真:〈テンポハウジング〉がアムステルダムにつくった学生寮《キートヴォーネ》の設置作業
コンテナは、いくつまで積み重ねられる?
「ちょうどいま、ダルムシュタットで6階建てのプロジェクトを進めているところです」とデュッセルさんは言う。「そのままでは3階か、最大でも4階までしか重ねられない構造なので、製造過程で1階のモジュールに手を加える必要があります。そうして補強するのが1つの方法ですが、あるいは外骨格をつくる方法もあります。いわば巨大なシェルフユニットのような構造をつくり、その中にコンテナを収容するんです」。
コンテナハウスに必要な基礎は?
「2.5メートルから3.5メートルおきに骨格を支えるポイントが必要になります」とデュッセルさんは言う。「コンテナハウスは、柱で、つまり独立基礎(柱の位置に個別に設けた基礎から地面に荷重を伝える)で支えることが可能なんですが、理想的には布基礎(線状に設けて壁や柱の列を支える基礎)がいいですね。柱で支える場合、より冷却されやすくなります。ごくたまに、地下をつくりたいというお客さんもいます」。
写真:〈テンポハウジング〉がアムステルダムにつくった学生寮《キートヴォーネ》の設置作業
コンテナハウスと環境
「〈コンハウス〉では、電気設備の性能や熱伝達・熱損失の基準を定めた、ドイツのエネルギー消費基準を順守しています。まったく問題なく、基準よりも低い数値を達成していますよ。今年は、通常の断熱材のほかに、防寒ブランケットのように機能してヒートロスをさらに85%減少させる層を追加する計画があります」とデュッセルさん。
〈コンハウス〉の通常仕様のコンテナには、ミネラルウール(鉱物繊維でできた断熱材の一種)、またはポリウレタンフォーム(台所用スポンジやウレタンマットレスがさらに硬くなったような素材)の断熱材が組み込まれている。「最終的には好みの問題で、お客さんと相談しながらどの素材を使うべきか決めていきます」とデュッセルさんは言う。
「〈コンハウス〉では、電気設備の性能や熱伝達・熱損失の基準を定めた、ドイツのエネルギー消費基準を順守しています。まったく問題なく、基準よりも低い数値を達成していますよ。今年は、通常の断熱材のほかに、防寒ブランケットのように機能してヒートロスをさらに85%減少させる層を追加する計画があります」とデュッセルさん。
〈コンハウス〉の通常仕様のコンテナには、ミネラルウール(鉱物繊維でできた断熱材の一種)、またはポリウレタンフォーム(台所用スポンジやウレタンマットレスがさらに硬くなったような素材)の断熱材が組み込まれている。「最終的には好みの問題で、お客さんと相談しながらどの素材を使うべきか決めていきます」とデュッセルさんは言う。
コンテナハウスの暖房テクノロジー
〈コンハウス〉の住宅では、火や太陽と同じように赤外線を放射して部屋を暖める、赤外線暖房を使っている。「以前は、赤外線ヒーターは電気を使いすぎると言われていて、蓄熱暖房機を選ぶことが多かったのですが、現在ではそんなことはありません。それに、モジュールにすでに引いている電気配線を使えばいいので、一石二鳥なんです」とデュッセルさんは言う。「バスルームとキッチン以外は、できるだけコンテナで水を使わないようにしています。どんな建物でも、なにか問題が起こったときに水があると大きな弱点になります。赤外線なら、暖房用の配管をする必要はありません。配管となると、コンテナ間の接続部分に穴を開けてパイプを支える構造を設置しなければならず、難しいんです」。
他社も、同じようなテクノロジーを使っているようだ。〈リシーハウス〉は赤外線暖房、床暖房、ヒートポンプエアコン(屋外の空気中の熱を集め、圧縮することで高温にして室内に放出する)を使っている。〈コンビボックス〉ではほとんどの一般的な暖房システムのなかから選ぶことができる。〈キュービッグ〉では、シンプルな電気赤外線暖房が最適としているが、温水式床下暖房やガス暖房も活用している。
〈コンハウス〉の住宅では、火や太陽と同じように赤外線を放射して部屋を暖める、赤外線暖房を使っている。「以前は、赤外線ヒーターは電気を使いすぎると言われていて、蓄熱暖房機を選ぶことが多かったのですが、現在ではそんなことはありません。それに、モジュールにすでに引いている電気配線を使えばいいので、一石二鳥なんです」とデュッセルさんは言う。「バスルームとキッチン以外は、できるだけコンテナで水を使わないようにしています。どんな建物でも、なにか問題が起こったときに水があると大きな弱点になります。赤外線なら、暖房用の配管をする必要はありません。配管となると、コンテナ間の接続部分に穴を開けてパイプを支える構造を設置しなければならず、難しいんです」。
他社も、同じようなテクノロジーを使っているようだ。〈リシーハウス〉は赤外線暖房、床暖房、ヒートポンプエアコン(屋外の空気中の熱を集め、圧縮することで高温にして室内に放出する)を使っている。〈コンビボックス〉ではほとんどの一般的な暖房システムのなかから選ぶことができる。〈キュービッグ〉では、シンプルな電気赤外線暖房が最適としているが、温水式床下暖房やガス暖房も活用している。
学生用アパートメントや幼稚園としての利用
現在、学生寮や幼稚園の建物としてコンテナシステムを活用する例が急増している。〈テンポハウジング〉は2005年、巨大なコンテナ団地のような学生用アパートメント《キートヴォーネ》をアムステルダムに建設した。ハン・スラヴィク教授によるこのプロジェクトでは、あらかじめ専用に中国で製造した輸送用コンテナを使っている。ドイツでも同様の計画が進行中のほか、難民のための新しい住宅も数多くつくられている。さらに、スタイリッシュで高品質なデザインを売りにする一戸建てのコンテナハウスもますます増えてきている。今後も、モジュラー建築からフレッシュで将来性のあるトレンドが続くにちがいない。
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現在、学生寮や幼稚園の建物としてコンテナシステムを活用する例が急増している。〈テンポハウジング〉は2005年、巨大なコンテナ団地のような学生用アパートメント《キートヴォーネ》をアムステルダムに建設した。ハン・スラヴィク教授によるこのプロジェクトでは、あらかじめ専用に中国で製造した輸送用コンテナを使っている。ドイツでも同様の計画が進行中のほか、難民のための新しい住宅も数多くつくられている。さらに、スタイリッシュで高品質なデザインを売りにする一戸建てのコンテナハウスもますます増えてきている。今後も、モジュラー建築からフレッシュで将来性のあるトレンドが続くにちがいない。
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