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メゾン&オブジェ 2017 最新報告: キーワードは「自然」と「本物」。2017年、注目のインテリアトレンド10選
フランスで開催された、世界最大級のインテリアデザイン見本市メゾン・エ・オブジェをハウズのフランス版編集部が取材。会場で見つけた2017年のトレンドをいちはやくご紹介します!
Agnès Carpentier
2017年1月26日
1月20日から24日まで、今年も世界最大のデザイン見本市の1つ、メゾン・エ・オブジェがパリのヴィルパント見本市会場で開催され、世界中からインテリアやデザインのプロが集まった。ハウズのフランス編集部も会場で取材を行い、グリーンをたくさんとりいれるインテリア、美しい素材、新しい色など、2017年の流行をキャッチ。以下に紹介していこう。
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1. 植物をたくさんとりいれる
今回のメゾン&オブジェ会場の共通テーマは、「自然」。グリーンをたっぷりととりいれるのがトレンドになっており、植物を使っていない展示を探すほうが難しいほどだった。グリーンならどんなものでもいいというわけではなく、モンステラをはじめ、ヤシやサボテン、イチジク、ゴムの木などとにかく大きな観葉植物をとりいれるのが人気だ。ただし、多肉植物やエアプランツは小さな鉢に入れて並べて楽しむのがトレンドだ。
今回のメゾン&オブジェ会場の共通テーマは、「自然」。グリーンをたっぷりととりいれるのがトレンドになっており、植物を使っていない展示を探すほうが難しいほどだった。グリーンならどんなものでもいいというわけではなく、モンステラをはじめ、ヤシやサボテン、イチジク、ゴムの木などとにかく大きな観葉植物をとりいれるのが人気だ。ただし、多肉植物やエアプランツは小さな鉢に入れて並べて楽しむのがトレンドだ。
2. くすんだシックな色の組み合わせ
昨年秋のメゾン&オブジェを席巻した深いインディゴブルーはすっかり姿を消し、今回、多くの展示が、くすんだグリーンと古びたピンクを組み合わせて使っていた。世界に流行色を発信する〈パントン研究所〉は2017年の流行色に《グリーナリー》という明るい緑を選定したが、まだインテリア界の主役とはなっていないよう。くすんだグリーンと古びたピンクの組み合わせは、ヴィンテージ人気の復活を裏付けている。
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もうひとつ、今回のメゾン&オブジェの色のトレンドと言えるのが、黒と白の組み合わせ。グレーを使わず、黒と白のメリハリを見せるのがポイントだ。2017年は危機の年という時代の気分が、こうした色合わせを選ばせているのかもしれない。数年来人気だった北欧のパステル調のトライアングル模様に変わって、アフリカやネイティブアメリカンの文化を思わせる民俗的なモチーフが目を引いた。
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3. アフリカのインスピレーション
世界各地のエスニックなパターンを取り入れたデザインも勢いのあるトレンドだ。今回、メゾン&オブジェの8会場のうち1つは、エスニックスタイルを集中的に紹介。また、アフリカ的デザインは、どの会場でも強い存在感を放っていた。マスク(仮面)、手編み細工、バスケット(かご)、そしてテキスタイルがとくに注目を集めていた。オランダのメーカーが手がけた、アフリカの「ブブ」と呼ばれる伝統的民族衣装に使われるろうけつ染めを使った鮮やかな色と模様のファブリックだ。夏には、カーテンやクッションに使うのがトレンドになりそうだ。
世界各地のエスニックなパターンを取り入れたデザインも勢いのあるトレンドだ。今回、メゾン&オブジェの8会場のうち1つは、エスニックスタイルを集中的に紹介。また、アフリカ的デザインは、どの会場でも強い存在感を放っていた。マスク(仮面)、手編み細工、バスケット(かご)、そしてテキスタイルがとくに注目を集めていた。オランダのメーカーが手がけた、アフリカの「ブブ」と呼ばれる伝統的民族衣装に使われるろうけつ染めを使った鮮やかな色と模様のファブリックだ。夏には、カーテンやクッションに使うのがトレンドになりそうだ。
4. エキゾティックなカーペット
旅や外国文化への憧れをかきたてる、トルコの手織りのキリムやインドネシアのイカット織、モロッコ、アルジェリア、チュニジアなどのマグレブ諸国(北西アフリカ諸国)のカーペットも数多く登場。ボシャラウィットと呼ばれる色彩豊かなカーペットや、ベニワレンと呼ばれるアトラス山脈地方伝統のシックな色のカーペットに注目が集まっている。
旅や外国文化への憧れをかきたてる、トルコの手織りのキリムやインドネシアのイカット織、モロッコ、アルジェリア、チュニジアなどのマグレブ諸国(北西アフリカ諸国)のカーペットも数多く登場。ボシャラウィットと呼ばれる色彩豊かなカーペットや、ベニワレンと呼ばれるアトラス山脈地方伝統のシックな色のカーペットに注目が集まっている。
5. 電球色のリバイバル
「ヴィンテージが好き」と題したコーナーでは、写真のように、エジソンが発明した初期の白熱電球を思わせる電球がたくさん展示されていた。といっても、ヨーロッパでは白熱電球の廃止を義務付ける法律もすでにあり、いずれもLEDによる代替プロダクトだ。また、キャンドルや球体、スパイラルといったユニークな形の電球は、高い価格にもかかわらず都会的なインテリアでは主流に。家じゅうどこでも、シェードを使わず、あたたかい光を楽しむのが人気だ。
「ヴィンテージが好き」と題したコーナーでは、写真のように、エジソンが発明した初期の白熱電球を思わせる電球がたくさん展示されていた。といっても、ヨーロッパでは白熱電球の廃止を義務付ける法律もすでにあり、いずれもLEDによる代替プロダクトだ。また、キャンドルや球体、スパイラルといったユニークな形の電球は、高い価格にもかかわらず都会的なインテリアでは主流に。家じゅうどこでも、シェードを使わず、あたたかい光を楽しむのが人気だ。
6. 日本的センス
今回のメゾン&オブジェでも、日本的なセンスの影響があちこちにみられた。ミニマルなデザイン、仏像や唐傘、折り紙など日本的なものをとりいれたインテリアは、欧米人には、禅を思わせるものとして人気が高い。特に、昨年来、美しい色や繊細な模様が描かれた茶碗や汁椀など、テーブルまわりの小物に日本のものをとりいれるのがトレンドとなっている。
今回のメゾン&オブジェでも、日本的なセンスの影響があちこちにみられた。ミニマルなデザイン、仏像や唐傘、折り紙など日本的なものをとりいれたインテリアは、欧米人には、禅を思わせるものとして人気が高い。特に、昨年来、美しい色や繊細な模様が描かれた茶碗や汁椀など、テーブルまわりの小物に日本のものをとりいれるのがトレンドとなっている。
7. ナチュラル素材
家具については、自然素材が引き続き人気だ。木の切り株や流木をとりいれたり、竹や籐などの植物繊維を編んでつくった家具が、主役に戻ってきた。懐かしいエマニュエルチェアや、写真のようなハンギングチェアが再度注目を集めている。
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今年、新しい家具をインテリアにとりいれるなら、おすすめは木製の小さめサイズのデスク。会場でもインテリアジャーナリストや編集者たちが、このタイプの家具に注目していた。色目は淡くてもダークでもいいけれど、無垢素材のシンプルな形のものを選ぶこと。天板の下に小さなボックスがついた、学校の机みたいなタイプもたくさん出てきている。
8. リネン、ウール、編んだ素材
2017年のインテリアに欠かせないのが、ナチュラルで、少しボヘミアンな雰囲気を感じさせる、編んだ素材。リネン(麻)のベッドリネンや柔らかなウールのブランケットはマスト。ベッドの足元にはキリムやシープスキンのラグを敷き、壁には手編みやマクラメ編みのタペストリーやドリームキャッチャーを飾れば、ボヘミアンテイストに。
2017年のインテリアに欠かせないのが、ナチュラルで、少しボヘミアンな雰囲気を感じさせる、編んだ素材。リネン(麻)のベッドリネンや柔らかなウールのブランケットはマスト。ベッドの足元にはキリムやシープスキンのラグを敷き、壁には手編みやマクラメ編みのタペストリーやドリームキャッチャーを飾れば、ボヘミアンテイストに。
9. 春夏にもファーを使う
驚かれるかもしれないが、春夏の見本市でも、フェイクファーも含めたファー素材があちこちに見られた。秋冬ファッションにおけるファーの復活の影響かも? ベッドの足元やアームチェアーのアームなどに、シープスキンやゴートスキンをプラスすると、ほっこりと心地よい空間に。もっとオリジナルなインテリアにトライしたいなら、スツールのカバーにフェイクファーを使うのがおすすめ。お好みなら、自転車のサドルにも!
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10. マスキングテープ
日本から登場したマスキングテープ(和紙テープ)は、手で簡単にカットできるし、はがしてもあとがつかないすぐれもの。模様のバラエティが豊かなのはもちろん、今では幅1センチ以下の細いものから60センチにもなるものまで、サイズもさまざまなものが登場している。壁の雰囲気を変えたいときに、壁紙を張り直したりペンキを塗ったりしなくても、さっと手軽に貼れるのが何より便利。一夜限りのデコレーションも可能だ。
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結論:北欧スタイルから、新しいトレンドへ
インテリア好きの人なら、昨年までは北欧・スカンジナビアのスタイルが主流だったことはご存知のはず。明るい色をベースに、黒やグレー、ウッド(木)の質感、ジオメトリック(幾何学)模様、パステルカラーをアクセントにプラス。クリーンでたくさんの人に好かれるスタイルだ。
インテリア好きの人なら、昨年までは北欧・スカンジナビアのスタイルが主流だったことはご存知のはず。明るい色をベースに、黒やグレー、ウッド(木)の質感、ジオメトリック(幾何学)模様、パステルカラーをアクセントにプラス。クリーンでたくさんの人に好かれるスタイルだ。
だが、今年の春夏のメゾン&オブジェでは『kinfolk』的スタイルへの方向転換がはっきりと見られた。『kinfolk』とは、アメリカ、オレゴン州で2011年に創刊された雑誌で、自然なものと本物を大切にする丁寧なライフスタイルを提案している。北欧スタイルがインテリアのベースにあるなら、南の国々のあたたかい雰囲気とボヘミアンなアクセントをプラスし、植物をたくさんインテリアに取り入れよう。さらに日本の「禅」な要素を加えるのが、2017年スタイルだ。
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