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フランク・ロイド・ライト生誕150周年! 記念イベントがアメリカ各地で開催に
アメリカが誇る、20世紀最高の建築家の1人、フランク・ロイド・ライト。6月8日の生誕150周年を記念して、全米各地の美術館やライト建築で、重要なイベントが開催されます。
Anne Colby
2017年6月8日
2017年は、20世紀最高の建築家のひとり、フランク・ロイド・ライトの生誕150周年。ウィスコンシン州で生まれたライトは、延々と広がるアメリカ中西部の平原(プレーリー)地帯のランドスケープからヒントを得て、プレーリースタイルという独自の住宅デザインを生み出した。また、建物、住まい手、自然環境の調和を目指した「オーガニック建築(有機建築)」でも知られている。建築家としては多作で、1000作の建築を設計し、うち数百作の建築が実現した。
6月8日のライトの誕生日を祝って、これから数多くの展覧会や住宅見学ツアー、レクチャー、パーティーなどが催される。その一部をご紹介しよう。(見学や観覧に際しては、チケットの入手方法などをご確認ください。)
6月8日のライトの誕生日を祝って、これから数多くの展覧会や住宅見学ツアー、レクチャー、パーティーなどが催される。その一部をご紹介しよう。(見学や観覧に際しては、チケットの入手方法などをご確認ください。)
1959年、建設中の《グッゲンハイム美術館》のバルコニーで粋なポーズを決めたライト。Photo by William H. Short; from the Solomon R. Guggenheim Museum Archives
ニューヨーク《グッゲンハイム美術館》
1940年代半ばにライトが設計を手掛けたニューヨークの《グッゲンハイム美術館》では、建築ツアーも行われている。この作品は1959年に竣工したが、ライトはその数ヵ月前に91歳で他界。個別階を設けず、空間がスパイラル・スロープでつながれており、訪問者はエレベータで最上階に登り、そこからゆっくりとスロープを降りながら、アートを楽しむ。
ニューヨーク《グッゲンハイム美術館》
1940年代半ばにライトが設計を手掛けたニューヨークの《グッゲンハイム美術館》では、建築ツアーも行われている。この作品は1959年に竣工したが、ライトはその数ヵ月前に91歳で他界。個別階を設けず、空間がスパイラル・スロープでつながれており、訪問者はエレベータで最上階に登り、そこからゆっくりとスロープを降りながら、アートを楽しむ。
2008年の改修工事後の《グッゲンハイム美術館》Photo by David Heald; from the Solomon R. Guggenheim Foundation
ライトの誕生日を記念して、6月8日は入場料が特別割引料金の1.5ドルに。建築史家がライトに扮して来場者とコミュニケーションし、ギャラリーのエデュケーターが建築ツアーを行う。6月中には、「Art in the Round」と題した建築ツアーが日曜午後2時から行われる他、毎週日曜には家族向けの建築プログラムも開催。6月10日には、《グッゲンハイム美術館》スケッチワークショップも行われる。詳しい情報(英語)はこちら。
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ライトの実験農場《ウォルター・V・デヴィッドソンのための小さな農場ユニット》(1932-33)の模型。大恐慌時代、ライトが「大地に帰れ」という信念をもち、人々が自然に支えられた自立した生活を送れる環境づくりを目指していたことがわかる。From the Frank Lloyd Wright Foundation Archives
ニューヨーク、ニューヨーク近代美術館(MoMa)
ニューヨーク近代美術館は、6月12日より、「Frank Lloyd Wright at 150: Unpacking the Archive(フランク・ロイド・ライト生誕150周年:アーカイブを紐解く)」と題した展覧会を開催する。10月1日まで続く展覧会は、1890年代から1850年代に至るまで400点以上の作品について、設計図、模型、建築の一部、映像、テレビ番組、出版資料、家具、テーブルウェア、テキスタイル、絵画、写真、スクラップのほか、これまで一度も、あるいはほとんど展示されたことのないアイテムも含めた展示となる。
ライトの人生の大きな転機を紹介するほか、装飾への情熱、自然、ランドスケープ、建築の関係への理解や、アメリカ独自の未来の建築を求める中でとりくんだネイティブ・アメリカンのデザインへの深い関わりといったテーマを掘り下げる。
ニューヨーク、ニューヨーク近代美術館(MoMa)
ニューヨーク近代美術館は、6月12日より、「Frank Lloyd Wright at 150: Unpacking the Archive(フランク・ロイド・ライト生誕150周年:アーカイブを紐解く)」と題した展覧会を開催する。10月1日まで続く展覧会は、1890年代から1850年代に至るまで400点以上の作品について、設計図、模型、建築の一部、映像、テレビ番組、出版資料、家具、テーブルウェア、テキスタイル、絵画、写真、スクラップのほか、これまで一度も、あるいはほとんど展示されたことのないアイテムも含めた展示となる。
ライトの人生の大きな転機を紹介するほか、装飾への情熱、自然、ランドスケープ、建築の関係への理解や、アメリカ独自の未来の建築を求める中でとりくんだネイティブ・アメリカンのデザインへの深い関わりといったテーマを掘り下げる。
ライトの《落水荘》(カウフマン邸)の鉛筆と色鉛筆によるスケッチ(1934-37)。From the Frank Lloyd Wright Foundation Archives
展覧会にあわせて、他にもイベントは行われる。6月15日には、ライトがサンフランシスコで手がけたプロジェクトや施主についてのレクチャーと座談会を開催。6月と7月の平日夜のクラスでは、ライトとモダニズムの誕生を考察する。グラフィックデザインのワークショップでは、ライトの装飾言語を探究。なお、この展覧会は、コロンビア大学エイヴリー建築・美術図書館の協力を得て開催される。詳しい情報はこちら(英語)。
関連展覧会として、ニューヨーク、コロンビア大学のミリアム&アイラ・D・ウォラック・アートギャラリーは9月8日から12月17日まで、「Living in America: Frank Lloyd Wright, Harlem and Modern Housing(アメリカに生きる:フランク・ロイド・ライト、ハーレム、モダン住宅」を開催する。詳しくはこちら(英語)。
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Portrait of Frank Lloyd Wright by Vlad Zabavskiy; from the National Building Museum
ワシントンDC、国立建築美術館
国立建築美術館では、6月10日を「フランク・ロイド・ライトの日」とし、来場者はライトのシグネチャーであるステンドグラスの装飾や、SCジョンソンリサーチタワーのペーパー模型の制作、Google Cardboardを使ったライト建築の「見学」、カンチレバーの荷重実験などを行うことができる。キュレーターや建築史家、作家などによるレクチャーも開催される。詳しくはこちら(英語)。
また、展覧会「Wright on the Walls (ライトと壁)」が、6月10日から9月4日まで開催され、展示室の1つは、ライトの作品にインスパイアされた特大のインタラクティブな「カラーブック」に変貌する予定。詳しくはこちら(英語)。
ワシントンDC、国立建築美術館
国立建築美術館では、6月10日を「フランク・ロイド・ライトの日」とし、来場者はライトのシグネチャーであるステンドグラスの装飾や、SCジョンソンリサーチタワーのペーパー模型の制作、Google Cardboardを使ったライト建築の「見学」、カンチレバーの荷重実験などを行うことができる。キュレーターや建築史家、作家などによるレクチャーも開催される。詳しくはこちら(英語)。
また、展覧会「Wright on the Walls (ライトと壁)」が、6月10日から9月4日まで開催され、展示室の1つは、ライトの作品にインスパイアされた特大のインタラクティブな「カラーブック」に変貌する予定。詳しくはこちら(英語)。
Photo from The Western Pennsylvania Conservancy
ペンシルベニア州、《落水荘》
大胆なカンチレバーが特徴の《落水荘》は、おそらくライト建築のなかで最も有名で人気の高い作品だろう。ペンシルベニア州のあるゲニー山脈にあるベア・ラン自然保護区の深い森の中に立つ週末用の別荘は、1938年に竣工し、現在では美術館となっている。ガイド付き見学ツアーも催されている(要事前予約)。
《落水荘》では、12月まで、「Wright for Wright: The Experimental Architecture of Frank Lloyd Wright’s Homes (ライトのためのライト:フランク・ロイド・ライトの住宅に見る実験的建築)」と題した展覧会が開催中だ。生誕150周年企画であるこの展覧会では、イリノイ州オークパーク、ウィスコンシン州タリアセン、アリゾナ州のタリアセン・ウェストの3つの自宅兼自邸に焦点をあてて、ライトのデザインの鍵となる要素を読み解き、さらにそれらがライトの人生や後進に与えた影響を読み解いていく。
ペンシルベニア州、《落水荘》
大胆なカンチレバーが特徴の《落水荘》は、おそらくライト建築のなかで最も有名で人気の高い作品だろう。ペンシルベニア州のあるゲニー山脈にあるベア・ラン自然保護区の深い森の中に立つ週末用の別荘は、1938年に竣工し、現在では美術館となっている。ガイド付き見学ツアーも催されている(要事前予約)。
《落水荘》では、12月まで、「Wright for Wright: The Experimental Architecture of Frank Lloyd Wright’s Homes (ライトのためのライト:フランク・ロイド・ライトの住宅に見る実験的建築)」と題した展覧会が開催中だ。生誕150周年企画であるこの展覧会では、イリノイ州オークパーク、ウィスコンシン州タリアセン、アリゾナ州のタリアセン・ウェストの3つの自宅兼自邸に焦点をあてて、ライトのデザインの鍵となる要素を読み解き、さらにそれらがライトの人生や後進に与えた影響を読み解いていく。
Photo from The Western Pennsylvania Conservancy
6月15日からは、2017年度のレクチャーシリーズも始まる。皮切りとなるのは「What Is Organic Architecture, Anyway?(有機的建築って何?)」と題したレクチャーだ。他に、家具調度やテーブルまわりのアイテム、テキスタイル、アートグラスなど、ライトのデザインと融合したインテリアのディテールをめぐるレクチャーも予定されている。
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絶対に知っておきたい名作モダン住宅:フランク・ロイド・ライトの落水荘
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イリノイ州オークパーク、自邸兼スタジオ
ライトは上司の建築家ルイス・サリヴァンに5,000ドルを借りて、イリノイ州シカゴ近郊のオークパークにあるこの敷地を購入。そして自邸兼スタジオを建てると、1889年から1909年まで、ライトはここで建築の思想や哲学を発展させていった。プレーリースタイルが生まれたのもここだ。1970年代には、フランク・ロイド・ライト・トラストがこの家を購入し、修復を実施。同トラストは、建築見学ツアーとオークパークの街並みをめぐるウォーキングツアーを行っている。詳しくはこちら(英語)。
6月24日からは、ライトスタジオにて、小学3年生から12歳までの自動を対象としたサマーデザインキャンプが行われる。子どもたちはスケッチや彫塑などの手法で、工作を楽しむことができる。詳しくはこちら(英語)。
フランク・ロイド・ライト・トラストは、「Wright Around Chicago (シカゴ近郊のライト)」と題したガイド付きバスツアーを催行しており、この家や近郊のライト建築をめぐることができる。1日ツアーで、10月までの月曜と土曜に行われている。詳しくはこちら(英語)。
シカゴ建築財団もライト建築のバスツアーを行っている。詳しくはこちら(英語)。
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名作住宅:フランク・ロイド・ライトの自邸兼スタジオ
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シカゴ《ロビー邸》
ライトの重要な建築作品を挙げるリストに必ず含まれているのが、プレーリー住宅の傑作《ロビー邸》だ。国定歴史建造物に指定されており、シカゴ大学のキャンパスに立っている。見学ツアーは木曜から月曜まで、年間を通して行われている。詳しくはこちら(英語)。
《ロビー邸》はフランク・ロイド・ライト・トラストが行うイベント「Prairie Style Passport 2017(プレーリースタイルパスポート2017」の対象作品の1つとなっている。同プログラムに参加している3つのプレーリー住宅を訪ねると、ライトのシカゴをめぐる無料ツアーに参加できる。詳しくはこちら(英語)。
生誕150年記念として、同トラストは6月8日に2つのイベントを開催する。まず、「ライトと日本の芸術」をめぐるレクチャーが午後6時からシカゴ美術館で開催され、その後、美術館向かいにある歴史的建造物シカゴ大学クラブにて祝賀ディナーが催される。詳しくはこちら(英語)。
また、同トラストは、2018年にかけて、他にもさまざまなイベントを開催。ライトをテーマにした自転車ツアーや、ヨーロッパと日本へのツアーも開催される。詳しくはこちら(英語)。
また、日本滞在時のライトの写真を公開した「オンライン写真展」も flwright.org で開催されている。
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Photo from Wright in Kankakee
イリノイ州カンカキー郡《B・ハーレー・ブラッドレー邸》
《B・ハーレー・ブラッドレー邸》は1900年に、初期プレーリー住宅として竣工した。10年前に大規模な改修が行われた家は、カンカキー川の岸辺にある広大な敷地に立っている。3月から12月まで、「プレーリースタイルパスポート2017」の一環として、見学ツアーが開催されている。詳しくはこちら(英語)。
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Photo from Taliesin Preservation
ウィスコンシン州タリアセン
ウィスコンシン州スプリング・グリーン近郊の800エーカーの農地に、ライトが自邸、スタジオ、学校として建てたタリアセンは、彼の人生において非常に重要な作品である。後半生の大切な時期を過ごした家であり、ここの敷地や環境は設計の実験を行う場でもあった。
6月6日から8日にかけて、見学ツアーは、生誕150周年を記念して半額の料金で参加できる。ツアーは、ヒルサイドホームスクール(1時間)、タリアセンの自邸(2時間)、タリアセン全体(4時間)をめぐる。
10月末まで、ライトと20年にわたる親交があった写真家、ペドロ・E・ゲレロの展覧会が、ヒルサイドホーム・スクールのデイナギャラリーで開催されている。今年はゲレロの生誕100周年にあたる年でもある。
他にも、子供向けのイベントも開催されている。詳しくはこちら(英語)。
ウィスコンシン州タリアセン
ウィスコンシン州スプリング・グリーン近郊の800エーカーの農地に、ライトが自邸、スタジオ、学校として建てたタリアセンは、彼の人生において非常に重要な作品である。後半生の大切な時期を過ごした家であり、ここの敷地や環境は設計の実験を行う場でもあった。
6月6日から8日にかけて、見学ツアーは、生誕150周年を記念して半額の料金で参加できる。ツアーは、ヒルサイドホームスクール(1時間)、タリアセンの自邸(2時間)、タリアセン全体(4時間)をめぐる。
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Photo from Taliesin Preservation
ライトの有機建築とタリアセン農園の歴史の精神に触れる「タリアセンファーム・ディナーシリーズ」も開催されている(写真上)。ワインやビールとともに、農園のとれたての味覚を味わう屋外ディナーは8月27日、9月17日、10月8日に開催される。詳しくはこちら(英語)。
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名作建築:フランク・ロイド・ライトの田園の事務所兼自邸《タリアセン》をたずねて
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Photo from SC Johnson
ウィスコンシン州ラシーン《ジョンソン本社》
ウィスコンシン州ラシーンにあるジョンソン本社では、ライトの傑作建築2作品を見学することができる。また、ギャラリーではライトの作品展も開催されている。
ライトの設計により1939年に竣工した《SCジョンソン管理棟》(上の写真の右側の建物)は、20世紀建築の最重要作品の1つとされている。15階建ての《研究タワー棟》(左側の建物》は1950年の竣工で、カンチレバーによる建築物としては最も高い作品の一つである。どちらも米国国家歴史登録材に指定されている。詳しくはこちら(英語)。
ウィスコンシン州ラシーン《ジョンソン本社》
ウィスコンシン州ラシーンにあるジョンソン本社では、ライトの傑作建築2作品を見学することができる。また、ギャラリーではライトの作品展も開催されている。
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管理棟の巨大なオフィススペースは現在も使用されている。樹木のような柱は、上部が直径約5.6メートル、下部が約23センチ。 Photo from SC Johnson
ジョンソン本社敷地内にある《SCジョンソンギャラリー》は、ライトのデザインや作品の展示を通して、ライトがアメリカの家庭や住宅に与えた影響を掘り下げるギャラリーだ。
現在、生誕150周年記念企画として、「On the Wright Trail」と題した展覧会が開催されている。ライトの建築デザイン、家具、テキスタイル、建築作品を撮影した大きな写真が展示されている。展示は、ウィスコンシン州南部にある新しい「フランク・ロイド・ライト・トレイル」にある作品のほとんどをカバーしている。
320キロのトレイルに点在するライト設計の歴史的建築9ヵ所を自分で回る場合は、iPhone やGoogle Playのアプリを使って、セルフガイドツアーを楽しむこともできる。
ジョンソン本社敷地内にある《SCジョンソンギャラリー》は、ライトのデザインや作品の展示を通して、ライトがアメリカの家庭や住宅に与えた影響を掘り下げるギャラリーだ。
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Photo by Mark Hertzberg
ミルウォーキー州W・バーナム通り 2014番地《モデル住宅 B1》
小規模で手頃で革新的な住宅をつくることは、初期からライトの関心事だった。1915年から1917年にかけて、現在では「アメリカン・システムビルド・ホーム」と呼ばれている、規格住宅のシリーズを設計している。《モデル住宅 B1》は、ミルウォーキー州にあるバーナム開発地区に建てられた6軒の住宅の1つ。ガイド付きツアーあり。詳しくはこちら(英語)。
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Photo by Andrew Pielage
アリゾナ州スコッツデール《タリアセン・ウエスト》
ライトはアリゾナ州スコッツデールのマクドーウェル山脈の麓の砂漠地帯に避寒のための住宅を建設した。1937年に竣工した《タリアセン・ウエスト》は、現在、フランク・ロイド・ライト財団の本拠地であり、タリアセン・フランク・ロイド・ライト建築学校もここにある。年間を通じて見学ツアーあり。詳しくはこちら(英語)。
11月4日には、生誕150周年を祝う特別イベントが行われる。詳しくはこちら(英語)。
アリゾナ州スコッツデール《タリアセン・ウエスト》
ライトはアリゾナ州スコッツデールのマクドーウェル山脈の麓の砂漠地帯に避寒のための住宅を建設した。1937年に竣工した《タリアセン・ウエスト》は、現在、フランク・ロイド・ライト財団の本拠地であり、タリアセン・フランク・ロイド・ライト建築学校もここにある。年間を通じて見学ツアーあり。詳しくはこちら(英語)。
11月4日には、生誕150周年を祝う特別イベントが行われる。詳しくはこちら(英語)。
Photo by Christi Britten for Florence Arts and Museums
アラバマ州フローレンス《ローゼンバウム邸》
ライトが1939年に設計、1940年に竣工し、1948年にライト自身により増築が行われた《ローゼンバウム邸》は、ライトのユーソニアン住宅の傑作の1つだ。ユーソニアン住宅は、大恐慌時代に、中流階級に手の届く住宅を提供することを目的として設計された。それぞれの家族のニーズに合わせつつ、実用的かつ機能的な住宅をつくりたい、とライトは考えたのだった。この家は1999年にフローレンス市が取得し、修復を経て2000年から再度公開されている。年間を通じて見学ツアーあり。詳しくはこちら(英語)。
アラバマ州フローレンス《ローゼンバウム邸》
ライトが1939年に設計、1940年に竣工し、1948年にライト自身により増築が行われた《ローゼンバウム邸》は、ライトのユーソニアン住宅の傑作の1つだ。ユーソニアン住宅は、大恐慌時代に、中流階級に手の届く住宅を提供することを目的として設計された。それぞれの家族のニーズに合わせつつ、実用的かつ機能的な住宅をつくりたい、とライトは考えたのだった。この家は1999年にフローレンス市が取得し、修復を経て2000年から再度公開されている。年間を通じて見学ツアーあり。詳しくはこちら(英語)。
ロサンゼルス《ホリーホック邸》
《ホリーホック邸》では6月には特別イベントは予定されていないが、国定歴史建造物である建築は一見の価値がある作品である。1919年から1921年にかけて建設されたこの住宅は、モダニズムのさきがけた作品とされている。現在は、丘の上にある広大なバーンズドールアートパークとなっている。大規模な修復をへて、2015年に再公開された。
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