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コントラストと質感が魅力。海を感じるシドニーの部屋
退屈だった部屋がインテリアデザイナーの手腕で大変身。今すぐ真似できる棚のスタイリングのポイントは「3」です。
Rebecca Gross
2019年1月8日
シドニーにある1970年代の建物の中にあるこのアパートメント。ディテールも個性も欠けていた2ベッドルームの部屋でしたが、インテリアデザイナーの手によって、住まい手が家の中でくつろいだり楽しんだりできる贅沢で快適な場所に生まれ変わりました。
「クライアントのスティーブは、自分の求めるもののアイデアやビジョンを多く持つプロのクリエイターです。でも、多忙であるがゆえに、それを現実のものにするための時間はあまりありません。私はスティーブのアイデアをプロジェクト全体に取り入れ、特注の建具や家具選び、スタイリングをしました」と、インテリデザインを手がけたジリアン・ディンケルは話します。「この家に生き生きとした魂を吹き込むことが必要だと考え、それを一番に考えて進めました」
「クライアントのスティーブは、自分の求めるもののアイデアやビジョンを多く持つプロのクリエイターです。でも、多忙であるがゆえに、それを現実のものにするための時間はあまりありません。私はスティーブのアイデアをプロジェクト全体に取り入れ、特注の建具や家具選び、スタイリングをしました」と、インテリデザインを手がけたジリアン・ディンケルは話します。「この家に生き生きとした魂を吹き込むことが必要だと考え、それを一番に考えて進めました」
写真:Hannah Blackmore
どんなHouzz?
住まい手:クリエイティブ・ディレクターのスティーブ・リードと時々やってくるフレンチブルドッグのブルース
所在地:シドニーのクイーンズクリフ地区
広さ:70平米、寝室2部屋、バスルーム1か所
デザイナー:ジリアン・ディンケル・デザインズ
建物の1階にあるこのアパートメントには、リビング兼ダイニングエリア、独立式キッチン、寝室が2部屋とバスルームが1か所あります。さらに、このエリアにある典型的なレンガ造りの集合住宅には珍しく、屋外スペースにも恵まれています。
ディンケルは海の側という立地の光や、まぶしい軽やかさを取り入れながらも、暗くてムードのある空間のドラマを感じさせるような住まいをつくりたいと考えました。手づくりの品、ビンテージ家具、素朴な木と洗いざらしのリネンといった質感と、白と黒のバランスを生かしました。
どんなHouzz?
住まい手:クリエイティブ・ディレクターのスティーブ・リードと時々やってくるフレンチブルドッグのブルース
所在地:シドニーのクイーンズクリフ地区
広さ:70平米、寝室2部屋、バスルーム1か所
デザイナー:ジリアン・ディンケル・デザインズ
建物の1階にあるこのアパートメントには、リビング兼ダイニングエリア、独立式キッチン、寝室が2部屋とバスルームが1か所あります。さらに、このエリアにある典型的なレンガ造りの集合住宅には珍しく、屋外スペースにも恵まれています。
ディンケルは海の側という立地の光や、まぶしい軽やかさを取り入れながらも、暗くてムードのある空間のドラマを感じさせるような住まいをつくりたいと考えました。手づくりの品、ビンテージ家具、素朴な木と洗いざらしのリネンといった質感と、白と黒のバランスを生かしました。
第一印象は玄関で決まる
家の印象は玄関で決まります。玄関はディンケルにとって、最もデザインするのが好きな空間のひとつです。「大きさにかかわらず、誰でも玄関の整理整頓は真面目にやる必要があります」と彼女は言います。
インテリアデザイナー・コーディネーターを探す
家の印象は玄関で決まります。玄関はディンケルにとって、最もデザインするのが好きな空間のひとつです。「大きさにかかわらず、誰でも玄関の整理整頓は真面目にやる必要があります」と彼女は言います。
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長さのある空間に置いた木製のベンチは、かばんを置いたり、靴を履いたりする場所として、壁の皮製フックはコートやジャケットをかける場所として使います。
「ここに大きくて丸い鏡を加え、スティーブが玄関を出る前に自分の姿をチェックできるようにしました」とディンケルは言います。
おしゃれな玄関収納の写真をみる
「ここに大きくて丸い鏡を加え、スティーブが玄関を出る前に自分の姿をチェックできるようにしました」とディンケルは言います。
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特注のキャビネットには、郵便、鍵、小銭を入れるための引き出しがあります。
ディンケルはキッチンにある吊り戸棚を残し、低い位置にあるモダンなキャビネットにデュラックスのつや消しクラヴィーアペンキを塗って組み合わせました。「クラヴィーアは青みのある色なので、白い木の床のあたたかみと最高のバランスを生み出してくれるのです」とディンケル。
黒い電化製品はキャビネットと一体化させ、ゴールドと黒の金物類が白いキャビネットに現代的なメタリックのディテールを加えています。
シャープな黒のキャビネットはディンケルのデザインの特徴であり、ビンテージ品でもあります。「ビンテージはお部屋に魂を吹き込んでくれます」と彼女は言います。
ダイニングエリアは、ディンケルの出発点となったアーミーグリーンの金属製ダイニングテーブルをはじめ、たくさんの中古品にあふれています。彼女はそこに黒の革張りでクロムめっき仕上げの椅子を加え、柔らかい褐色のシープスキンをかけ、奥の壁にはスティーブの膨大なコンサートやロックのポスターコレクションの中から、ジミ・ヘンドリックスのポスターを選んで飾りました。
ダイニングエリアは、ディンケルの出発点となったアーミーグリーンの金属製ダイニングテーブルをはじめ、たくさんの中古品にあふれています。彼女はそこに黒の革張りでクロムめっき仕上げの椅子を加え、柔らかい褐色のシープスキンをかけ、奥の壁にはスティーブの膨大なコンサートやロックのポスターコレクションの中から、ジミ・ヘンドリックスのポスターを選んで飾りました。
「3のルール」で棚をディスプレイ
ダイニングテーブルの後ろにある壁かけ棚はリサイクルした枕木でできています。棚はスティーブの身の回り品、ビンテージアート、観葉植物のセレクションで飾られています。「棚のスタイリングは一種のアートで、プロジェクトに活気を与えてくれます」とディンケルは言います。
では、本棚はどのようにコーディネートすればいいのでしょう?「まずは新しく出直しましょう。今ある本棚から物をすべて出し、関連するものごとに分けて積み重ねましょう。たとえば、本、花瓶、雑貨、アート作品などです」
「私は、大きな物のコーディネートから始めます。たいていは大型の豪華本や雑誌の束などです。そうした品をランダムに本棚へ配置します。一歩下がってバランスを確認してから、徐々に小さい物を加えていきます。すべては色の有無、大きさ、かたちのバランスがとれていることに尽きます。質感や大きさのほどよいミックスには、グループ分けしたアイテムに効果的です。3つずつディスプレイする「3のルール」はよい出発点となります。
ダイニングテーブルの後ろにある壁かけ棚はリサイクルした枕木でできています。棚はスティーブの身の回り品、ビンテージアート、観葉植物のセレクションで飾られています。「棚のスタイリングは一種のアートで、プロジェクトに活気を与えてくれます」とディンケルは言います。
では、本棚はどのようにコーディネートすればいいのでしょう?「まずは新しく出直しましょう。今ある本棚から物をすべて出し、関連するものごとに分けて積み重ねましょう。たとえば、本、花瓶、雑貨、アート作品などです」
「私は、大きな物のコーディネートから始めます。たいていは大型の豪華本や雑誌の束などです。そうした品をランダムに本棚へ配置します。一歩下がってバランスを確認してから、徐々に小さい物を加えていきます。すべては色の有無、大きさ、かたちのバランスがとれていることに尽きます。質感や大きさのほどよいミックスには、グループ分けしたアイテムに効果的です。3つずつディスプレイする「3のルール」はよい出発点となります。
「3のルール」に従ってトリオでディスプレイすると、物がきれいに見えるようになります。このルールに従う最も簡単な方法は、大きさ、かたち、色が異なる3つの類似する物をグループ分けすることです。あるいはその逆のアプローチとして、大きさ、かたち、色で統一された3つの異なる物をグループにすることです。
「物は常に入れ替わり、動き回ることを忘れないように。完全に満足するまで、物の場所を変え続けてみましょう」とディンケルは言います。
壁かけライト:Cedar & Moss
「物は常に入れ替わり、動き回ることを忘れないように。完全に満足するまで、物の場所を変え続けてみましょう」とディンケルは言います。
壁かけライト:Cedar & Moss
住まい手のスティーブは客をもてなすのが好きなので、リビングの家具はひとりで快適に寛げる、かつゲスト用としてもふさわしいものが必要でした。ディンケルはビーチサイドの立地にふさわしい、柔らかな布製のアイテムを選びました。海のモノクロ写真も同様に、白い額縁に入れることで空間の明るさと軽やかさを保っています。
MCMハウスのソファは洗いざらしのネイビーのリネンで布張りされ、褐色の革張りチェアと組み合わせています。大きい素朴なコーヒーテーブルは、モロッコの市場で購入したビンテージラグの上に置かれています。
観葉植物なしでは部屋は完成しません。「大きなクワ科の観葉植物を、掃き出し窓の正面の目立つところに置いています」(ディンケル)
観葉植物なしでは部屋は完成しません。「大きなクワ科の観葉植物を、掃き出し窓の正面の目立つところに置いています」(ディンケル)
素材と質感を上手に組み合わせるのは簡単なことではありません。「気に入った組み合わせを達成する一番の方法は、控えめな色調で多くの異なる質感や素材を持って来ることです。まずはニュートラルなクリーム色、白、グレー、黒から始めます。それから、クッションや上掛け、小物などでもう少しパンチのある色を加えることができます」とディンケル。
大きなアイテムの買い物の前には、可能であればサンプルで試してみることをで神けるは勧めます。「サンプルはいろいろな素材が合わさるとどんな感じなのか、自宅の床やお部屋の自然光でどう見えるのかを知るのに役立ちます」
大きなアイテムの買い物の前には、可能であればサンプルで試してみることをで神けるは勧めます。「サンプルはいろいろな素材が合わさるとどんな感じなのか、自宅の床やお部屋の自然光でどう見えるのかを知るのに役立ちます」
スライド式のガラス扉を開けると、リビングから屋外エリアへ出れます。ここは、スティーブがこのアパートメントを購入する決め手となったスペースなので、ディンケルはこの空間を最大限に活用する必要がありました。
既存のバルコニーは現在のサイズの半分で、隣にある雑草が伸び放題の庭は見栄えの悪いものでした。ディンケルは庭を撤去し、デッキスペースを拡張することで屋外に座れる場所を確保しました。
つや消しの黒い照明が取り付けられ、サンブレラ製の布張り用ファブリックを組み込んだデザインになっています。ステップ状にすることで、ゲストが座れる場所を増やしています。この空間は友人や家族をもてなすために、定期的に利用されています。
「スティーブの寝室は小さくて暗かったので、多くの人はまず、これ以上ない明るさの白で塗りたいという衝動にかられたのではないでしょうか。でも、フィーチャーウォールを黒く塗り、黒のオープンクローゼットをつくることで、視覚的にはずっと面白くできます」とデザイナーは話します。「完成したお部屋には奥行きが生まれ、思わず引き込まれてしまいます」
リネンはイン・ベッドとポニー・ライダーのもので、このアート作品はディンケルとスティーブの共作です。「似たようなアート作品の写真から多大なインスピレーションを受け、自分たちの手でこれをつくりました」
ベッドサイドテーブル:Globe West
リネンはイン・ベッドとポニー・ライダーのもので、このアート作品はディンケルとスティーブの共作です。「似たようなアート作品の写真から多大なインスピレーションを受け、自分たちの手でこれをつくりました」
ベッドサイドテーブル:Globe West
すべてをクローゼットの中にまとめる
フィーチャーウォールとクローゼットは、キッチンで使用したペンキと同じ、デュラックスのクラヴィーアで塗りました。
既存のクローゼットは鏡のスライド式ドアのある、建てつけのありふれたものでした。「スティーブはこのかたちを壊して、もっとダークカラーでムードのあるものにしたがっていました」とディンケル。リードは彼女の提案するオープンクローゼットのコンセプトに賛成し、それがこのデザインの中で気に入っている部分になりました。
フィーチャーウォールとクローゼットは、キッチンで使用したペンキと同じ、デュラックスのクラヴィーアで塗りました。
既存のクローゼットは鏡のスライド式ドアのある、建てつけのありふれたものでした。「スティーブはこのかたちを壊して、もっとダークカラーでムードのあるものにしたがっていました」とディンケル。リードは彼女の提案するオープンクローゼットのコンセプトに賛成し、それがこのデザインの中で気に入っている部分になりました。
ディンケルはスティーブの部屋にある既存のクローゼットと、何をディスプレイし、何を隠す必要があるのかに基づいてキャビネットをデザインしました。オープンシェルフ、ハンガーパイプ、引き出し、キャビネット、さらにはランドリーバスケット、コンピューター、スツール用のスペースも含めてデザインしています。皮の取っ手はMadeMeasureのものです。
バスルームがこの家のプロジェクトの次のステージです。ここでもつや消しの黒とさわやかな白を使い、質感と観葉植物をその上に重ねていくことになりそうです。
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