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インテリア ライフスタイル リビングでみつけた注目アイテム
インテリアデザインの見本市「インテリア ライフスタイル リビング - Interior Lifestyle Living Tokyo」が今年も開催されました。
Natsuki Numao
2018年11月14日
美術、デザイン領域を中心に編集・執筆をしています。
11月14日(水)〜11月16日(金)の3日間にわたって東京ビッグサイトで開催されたインテリア・デザインの国際見本市「IFFT/インテリア ライフスタイル リビング(以下、IFFT/ILL)」。 照明や家具、デザイン雑貨、生活用品など日々の生活にまつわるさまざまな製品が集まりました。
今回はIFFT/ILLの玄関口でもあるアトリウムを初めて一般開放し、アトリウム特別企画「はじまりの仕事展」を開催。ディレクターは『日本仕事百貨』代表・ナカムラケンタ氏。出展している企業やブランドのアイテムが「始まりのストーリー」という軸で編集され、展示されていました。
これまではバイヤーやオーナーと出展者による商談のための場=「展示会」であったアトリウムの空間は、誰でも参加できる「展覧会」へと変容し、より多くの人に開かれた場になっていました。
今回はIFFT/ILLの玄関口でもあるアトリウムを初めて一般開放し、アトリウム特別企画「はじまりの仕事展」を開催。ディレクターは『日本仕事百貨』代表・ナカムラケンタ氏。出展している企業やブランドのアイテムが「始まりのストーリー」という軸で編集され、展示されていました。
これまではバイヤーやオーナーと出展者による商談のための場=「展示会」であったアトリウムの空間は、誰でも参加できる「展覧会」へと変容し、より多くの人に開かれた場になっていました。
アトリウムの先にある展示会場の中で、まず目立っていたのは北欧の家具。デンマーク初の家具ブランド「MOEBE」のブースでは、釘やネジなどの金属部品を使わず、好きな高さに自由自在に構築できるラック「シェルビングシステム」が展示されていました。
接合部分は左の写真のようになっており、パーツを追加することで、縦・横も好みの大きさに拡張することができます。背中合わせに2つの棚を置いたり、部屋の角に合わせて90度に配置したりを組み合わせ方法は自由自在。引っ越しや模様替えなど、理想のニーズに合わせて変化させていくことが可能です。木材部分はオークとブラックの2種類のカラーリングから選ぶことができます。
2006 年にデンマークのコペンハーゲンで創立されたブランド「Muuto」のブースでは、グリーンを中心にまとめられた美しいコレクションが並びます。
11月から日本ではインターオフィスが取り扱うことになったこのブランドは、アンデルセン&ヴォル、セシリエ・マンツ、トーマス・ベンゼンなど旬なデザイナーとコラボレーションを展開し、伝統的な北欧デザインの美しさ、機能性、クラフトマンシップに根ざしながらも、先進的な素材や技術、大胆な発想力で注目を集めています。
11月から日本ではインターオフィスが取り扱うことになったこのブランドは、アンデルセン&ヴォル、セシリエ・マンツ、トーマス・ベンゼンなど旬なデザイナーとコラボレーションを展開し、伝統的な北欧デザインの美しさ、機能性、クラフトマンシップに根ざしながらも、先進的な素材や技術、大胆な発想力で注目を集めています。
人々が集うためのアウトドア家具をコンセプトにしたブランド「extremis」からは新作チェア&テーブル「Bistroo」がお目見え。アウトドア用の家具ながらカラフルでポップなカラーリングと曲線の美しいデザインが特徴的です。この家具が一つあるだけで、コミュニケーションが生まれ、空間が華やぎそう。
「Sumida Contemporary」のブースでは、工場や手工業が盛んな墨田区内のメーカーと世界中のデザイナーとのコラボレーションによって、伝統的なエッセンスを含みながらも現代の生活に添ったプロダクトの展示が行われていました。
デザインディレクターにKARIMOKU NEW STANDARD や有田焼きのプロジェクト「2016/」のディレクションを手がけるダヴィッド・グレットリ氏を迎え、デザイナーのジャスパー・モリソン氏、藤城成貴氏、長嶋りかこ氏など注目のデザイナーと共に制作したプロダクトが並んでいました。
デザインディレクターにKARIMOKU NEW STANDARD や有田焼きのプロジェクト「2016/」のディレクションを手がけるダヴィッド・グレットリ氏を迎え、デザイナーのジャスパー・モリソン氏、藤城成貴氏、長嶋りかこ氏など注目のデザイナーと共に制作したプロダクトが並んでいました。
中でも注目は1960年代に故・柳宗理氏が描いたデザインのドローイングとまだ残っていた表面のサンプルを元に、廣田硝子が初めて商品として形にした「プレイガラス」。
最初のスケッチから50年以上経った今、ようやく製造されることになったグラスは、シンプルながらグラスのカラーとサイドのドロップラインが美しい仕上がりです。
最初のスケッチから50年以上経った今、ようやく製造されることになったグラスは、シンプルながらグラスのカラーとサイドのドロップラインが美しい仕上がりです。
新進の若いデザイナの作品を紹介する「タレント部門」ではスタッキング可能なスツール兼シェルフの展示を展開していました。
デザイナーは奈良県東吉野村に住む菅野大門さん。自らの住む土地の材料を使った、上質で長く使える家具の提案です。
デザイナーは奈良県東吉野村に住む菅野大門さん。自らの住む土地の材料を使った、上質で長く使える家具の提案です。
今回の展示会では特に、九州の家具メーカーが目立っている印象を受けました。
福岡県大川市の家具メーカーが共同で出店していた「大川家具」のブースには、なんと猫がくつろげる家具が展示されていました。その名も「ネコ家具」。なんと、人間用のサイズの家具を作るよりも難しいものもあるそうです!
福岡県大川市の家具メーカーが共同で出店していた「大川家具」のブースには、なんと猫がくつろげる家具が展示されていました。その名も「ネコ家具」。なんと、人間用のサイズの家具を作るよりも難しいものもあるそうです!
福岡を拠点に展開する家具メーカー 「酒見椅子店」はデザイナーに作道慶昭氏を迎え、和菓子に着想を得た椅子「monaca stool」を展示していました。桃、梅、椿など日本人になじみのある6種類の花をモチーフにしたフォルムは、和室や玄関にもぴったり。軽くて持ち運びしやすい設計も良いですね。
大分県日田市「日田家具工業会」のブースでは「未来」をテーマに商品を企画した商品の展示が行われていました。
コタツのようなチェアに、おがくずを積み込んだ椅子などアイデアが光る商品がたくさん並ぶブース。中でも目をひいたのが、ソファの頭の部分にシェルターがついている「コックピット」。ゲームや映画を一人で楽しみたい人向けの回転ソファーは、ヘッド部分を閉じることでパーソナルスペースへと変身します。頭部には日田杉を使用しています。
「日田家具工業会」のブースに展示されていた家具のデザイナーである仙崎雅彦さんによると、日田における植林の起源は1491年にさかのぼり、人工林は約25~40年サイクルで伐採されるとか。
温暖な気候で育てられた日田杉は他の地域の杉に比べて強度は劣るものの、成長が早く安価なのだそう。仙崎さんはそんな日田杉の利点を生かし、これからの家具業界でどう生かしていくかを考えながら商品開発を行っているそうです。
日本各地と世界からやってきたプロダクトや、その作り手と接することのできた、貴重な機会。インテリア業界の今と未来が感じられました。
(記事の写真は、特記以外Houzz撮影)
IFFT/インテリア ライフスタイル リビング (会期終了)
会期 2018年11月14日(水) – 16日(金)
開催時間 10:00 – 18:00 (最終日は 17:00まで)
会場 東京ビッグサイト(東京国際展示場) 西1・2ホール+アトリウム
主催 (一社)日本家具産業振興会 メッセフランクフルト ジャパン(株)
入場料 2,000円 * 招待状持参者およびWeb来場事前登録者は無料
コタツのようなチェアに、おがくずを積み込んだ椅子などアイデアが光る商品がたくさん並ぶブース。中でも目をひいたのが、ソファの頭の部分にシェルターがついている「コックピット」。ゲームや映画を一人で楽しみたい人向けの回転ソファーは、ヘッド部分を閉じることでパーソナルスペースへと変身します。頭部には日田杉を使用しています。
「日田家具工業会」のブースに展示されていた家具のデザイナーである仙崎雅彦さんによると、日田における植林の起源は1491年にさかのぼり、人工林は約25~40年サイクルで伐採されるとか。
温暖な気候で育てられた日田杉は他の地域の杉に比べて強度は劣るものの、成長が早く安価なのだそう。仙崎さんはそんな日田杉の利点を生かし、これからの家具業界でどう生かしていくかを考えながら商品開発を行っているそうです。
日本各地と世界からやってきたプロダクトや、その作り手と接することのできた、貴重な機会。インテリア業界の今と未来が感じられました。
(記事の写真は、特記以外Houzz撮影)
IFFT/インテリア ライフスタイル リビング (会期終了)
会期 2018年11月14日(水) – 16日(金)
開催時間 10:00 – 18:00 (最終日は 17:00まで)
会場 東京ビッグサイト(東京国際展示場) 西1・2ホール+アトリウム
主催 (一社)日本家具産業振興会 メッセフランクフルト ジャパン(株)
入場料 2,000円 * 招待状持参者およびWeb来場事前登録者は無料
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