建築学生たちがDIYで小屋作りに挑戦! 断熱タイニーハウスプロジェクト
「家の性能は大事だ」と感じる体験と価値観を広めるために、学生たちがはじめての小屋作りにチャレンジしました。どんなタイニーハウスができたのか? 学生たちの取り組みをご紹介します。
渡辺安紀 |Aki Watanabe
2017年12月19日
9月20日から30日の10日間、建築を勉強する学生たちが中心となって小屋が建てられた。その小屋とは、断熱材をしっかりと入れて、トリプルガラスの樹脂窓を使い、組み立てと解体ができる小屋だった。学生たちはこのプロジェクトをどのように進めたのか、各工程の写真とともにレポートする。
このプロジェクトを中心となって進めたのは、千葉大学の工学研究科で建築都市を学び、住環境について研究している大学院生の沼田汐里さん。〈HEAD研究会エネルギータスクフォース〉に参加している。建築を学んでいても、模型制作ばかりで実寸で作る機会がほとんどないなか、アメリカの若者たちのタイニーハウスのムーブメントに憧れてもいた。HEAD研究会の活動のなかで、「タイニーハウス作りたいね」と話題になったとき、「小さい小屋なら私も仲間とできるかもと、手をあげていました。」と沼田さん。
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このプロジェクトを中心となって進めたのは、千葉大学の工学研究科で建築都市を学び、住環境について研究している大学院生の沼田汐里さん。〈HEAD研究会エネルギータスクフォース〉に参加している。建築を学んでいても、模型制作ばかりで実寸で作る機会がほとんどないなか、アメリカの若者たちのタイニーハウスのムーブメントに憧れてもいた。HEAD研究会の活動のなかで、「タイニーハウス作りたいね」と話題になったとき、「小さい小屋なら私も仲間とできるかもと、手をあげていました。」と沼田さん。
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イラスト:沼田汐里
沼田さんは、プロジェクトに参加する人たちと一緒に、これからの暮らしをもっと豊かにするきっかけになる企画にしたいと考えた。
企画の核となったのが、〈HEAD研究会エネルギータスクフォース〉の視察ツアーで訪れた《経堂の杜》※で「断熱」を体感した経験だった。「実際に体で感じてはじめて断熱の効果を実感しました。そして多くの人に快適な住まいづくりに興味を持ってほしいという思いが強くなりました。そこで、解体して組み立て直すことが可能な断熱タイニーハウスを作ることにしました」。
沼田さんは、プロジェクトに参加する人たちと一緒に、これからの暮らしをもっと豊かにするきっかけになる企画にしたいと考えた。
企画の核となったのが、〈HEAD研究会エネルギータスクフォース〉の視察ツアーで訪れた《経堂の杜》※で「断熱」を体感した経験だった。「実際に体で感じてはじめて断熱の効果を実感しました。そして多くの人に快適な住まいづくりに興味を持ってほしいという思いが強くなりました。そこで、解体して組み立て直すことが可能な断熱タイニーハウスを作ることにしました」。
仲間集合とプロジェクト発足
最初は一人で企画書や図面を作っては、わからないことを周りの人に聞いてまわっていた沼田さん。そうするうちに参加したいと言ってくれた仲間が現れた。同じ千葉大学の後輩や、HEAD研究会で活動する明治大学の学生たちだ。こうして「断熱タイニーハウスプロジェクト」が発足し、みんなで図面を持ち寄り、どんな小屋を作るか繰り返しミーティングが行われた。
このプロジェクトのいちばんの目的は「家の性能は大事だ」と感じる体験と価値観を広めること。組み立てと解体が可能な造りにして、ゆくゆくは日本中に持ち運び、組み立て、訪れた人に体感してもらい、また解体できる小屋にする必要があった。
最初は一人で企画書や図面を作っては、わからないことを周りの人に聞いてまわっていた沼田さん。そうするうちに参加したいと言ってくれた仲間が現れた。同じ千葉大学の後輩や、HEAD研究会で活動する明治大学の学生たちだ。こうして「断熱タイニーハウスプロジェクト」が発足し、みんなで図面を持ち寄り、どんな小屋を作るか繰り返しミーティングが行われた。
このプロジェクトのいちばんの目的は「家の性能は大事だ」と感じる体験と価値観を広めること。組み立てと解体が可能な造りにして、ゆくゆくは日本中に持ち運び、組み立て、訪れた人に体感してもらい、また解体できる小屋にする必要があった。
タイニーハウスの条件
最初の設置場所はワークショップが開催できる東京都内の元中学校、〈3331〉の屋上と決まったため、以下の条件で応募を募った。
【制約】
1. 組み立て
規格化パネルを組み合わせ、六角形に拡張できる案や、屋根の形状を工夫し、上下の温度差の変化を体感できる案などが集まったが、最終的にそれぞれの案のいいところを統合して設計をまとめた。そして、図面作成に立候補した千葉大学工学部建築学科の森本天希さんと、沼田さんが話し合いを重ね、茶室をイメージした窓や扉を取り入れることにした。プロジェクトを全面的にサポートしてくれた〈みかんぐみ〉共同代表の竹内昌義さんや、〈中田製作所〉の中田理恵さんたちにアドバイスをもらいながら、図面を仕上げていった。
最初の設置場所はワークショップが開催できる東京都内の元中学校、〈3331〉の屋上と決まったため、以下の条件で応募を募った。
【制約】
1. 組み立て
- 簡単に組み立てられる
- 簡単に解体できる
- 屋上で作れる部材
- 屋上から出せる部材
- 1t 以下
- 2t トラックで運べるサイズ
- 3畳以上の広さ10平方米以内
- 壁断熱100mm
- 床断熱100mm
- 天井断熱200mm
規格化パネルを組み合わせ、六角形に拡張できる案や、屋根の形状を工夫し、上下の温度差の変化を体感できる案などが集まったが、最終的にそれぞれの案のいいところを統合して設計をまとめた。そして、図面作成に立候補した千葉大学工学部建築学科の森本天希さんと、沼田さんが話し合いを重ね、茶室をイメージした窓や扉を取り入れることにした。プロジェクトを全面的にサポートしてくれた〈みかんぐみ〉共同代表の竹内昌義さんや、〈中田製作所〉の中田理恵さんたちにアドバイスをもらいながら、図面を仕上げていった。
1日目:荷下ろし・搬入(作業人数 8人)
設計
10平方メートル以下は建築申請がいらないのと、組み立ての際の怪我のリスクをできるだけ抑えるため、小屋の広さは3畳(4.95平方メートル)とした。解体と移動ができるよう、床、壁、屋根をすべて、1畳(910mm×1820mm)サイズのパネルで構成している。
設計
10平方メートル以下は建築申請がいらないのと、組み立ての際の怪我のリスクをできるだけ抑えるため、小屋の広さは3畳(4.95平方メートル)とした。解体と移動ができるよう、床、壁、屋根をすべて、1畳(910mm×1820mm)サイズのパネルで構成している。
1日目:墨出し
材料
2×4材
合板(9mm, 5.5mm)
90mm角材
杉の羽目板(仕上げ材)
ガルバリウム鋼板
内塗装用の塗料
ウエス
防水シート《タイベック®》
防水テープ
ボルト、ナット、ビス
断熱材《ネオマフォーム》(提供:〈旭化成建材〉)
トリプルガラス窓 《APW430》(協力:〈YKKAP〉)
使った工具・道具
軍手、鉛筆、スコヤ、丸ノコ、コンベックス、インパクト、ウエス、水平器、ドライバー、タッカー、ソケット、サンダー、木材切断機、木槌、塗料用ハケ、塗料用ローラー
材料
2×4材
合板(9mm, 5.5mm)
90mm角材
杉の羽目板(仕上げ材)
ガルバリウム鋼板
内塗装用の塗料
ウエス
防水シート《タイベック®》
防水テープ
ボルト、ナット、ビス
断熱材《ネオマフォーム》(提供:〈旭化成建材〉)
トリプルガラス窓 《APW430》(協力:〈YKKAP〉)
使った工具・道具
軍手、鉛筆、スコヤ、丸ノコ、コンベックス、インパクト、ウエス、水平器、ドライバー、タッカー、ソケット、サンダー、木材切断機、木槌、塗料用ハケ、塗料用ローラー
2日目・3日目:墨出し、木材カット(2日目作業人数 5人、3日目 7人)
1畳サイズのパネルは枠を2×4材とベニヤ板で作り、断熱材は90mmの厚さの〈旭化成建材〉の《ネオマフォーム》をはめ込む。柱は90mmの角材。各パネルを10mmのボルトでつないでいく。トリプルガラスの樹脂窓は〈YKKAP〉の《APW430》。地窓と、外開き窓の2ヵ所に配置。窓の位置もパネルの組み立て方によって好きな位置に変えることができる。
1畳サイズのパネルは枠を2×4材とベニヤ板で作り、断熱材は90mmの厚さの〈旭化成建材〉の《ネオマフォーム》をはめ込む。柱は90mmの角材。各パネルを10mmのボルトでつないでいく。トリプルガラスの樹脂窓は〈YKKAP〉の《APW430》。地窓と、外開き窓の2ヵ所に配置。窓の位置もパネルの組み立て方によって好きな位置に変えることができる。
2日目・3日目:墨出し、木材カット
コストと資金集め
小屋を建てるコストは30万円(樹脂窓、断熱材費は各社から無償で提供を受けたため含まず、講師費、会場レンタル費含む)。断熱タイニーハウスを作る楽しさ、大変さを伝えるワークショップ、そして完成後の断熱体感イベントを開催するため、さらに最低でもさらに20万円は必要だとわかった。自己資金の30万円を投入しても足りないと諦めかけていたとき、プロジェクトのアドバイザーになってくれた〈中田製作所〉の中田理恵さんから、クラウドファンディングで資金を集めたらどうかとアドバイスをもらった。「最初は見知らぬ人からお金をいただくことがとても不安でした。でも自分のコミュニティじゃないところまで継続的にプロジェクトを伝えられます。自己満足で終わりにしないためにも、最適な方法でした。想定していなかった人が遠方から見に来てくれたり、一歩先の人たちまで届いていることを実感しました」と沼田さん。
コストと資金集め
小屋を建てるコストは30万円(樹脂窓、断熱材費は各社から無償で提供を受けたため含まず、講師費、会場レンタル費含む)。断熱タイニーハウスを作る楽しさ、大変さを伝えるワークショップ、そして完成後の断熱体感イベントを開催するため、さらに最低でもさらに20万円は必要だとわかった。自己資金の30万円を投入しても足りないと諦めかけていたとき、プロジェクトのアドバイザーになってくれた〈中田製作所〉の中田理恵さんから、クラウドファンディングで資金を集めたらどうかとアドバイスをもらった。「最初は見知らぬ人からお金をいただくことがとても不安でした。でも自分のコミュニティじゃないところまで継続的にプロジェクトを伝えられます。自己満足で終わりにしないためにも、最適な方法でした。想定していなかった人が遠方から見に来てくれたり、一歩先の人たちまで届いていることを実感しました」と沼田さん。
4日目・5日目:ワークショップ/壁パネル・床パネル作成、断熱材カット、内装合板塗装、土台作成、柱作成(4日目作業人数 22人・5日目 16人)
クラウドファンディングのリターンとして、制作ワークショップへの招待や関連グッズにするなどの条件を詰めた。SNSで発信すると、わずか5日間の告知で、2日間のワークショップへの参加者は38名にのぼり、イベント最終日の9月30日には目標金額の50万円を達成した。
クラウドファンディングのリターンとして、制作ワークショップへの招待や関連グッズにするなどの条件を詰めた。SNSで発信すると、わずか5日間の告知で、2日間のワークショップへの参加者は38名にのぼり、イベント最終日の9月30日には目標金額の50万円を達成した。
5日目:ワークショップ/土台作成、柱作成
ワークショップの運営
ワークショップは〈ハンディハウスプロジェクト〉に講師を依頼。実際にプロの現場でも行われているラジオ体操を終えた後、一般の方にもわかりやすく工具の正しい使い方をレクチャーした。ワークショップ2日間の工程はフレームづくりから、ビス位置の墨出しにはじまり、実際に壁パネルを立てるところまで。断熱材は接合部分のボルトに重なる部分といった細かいところも、断熱性能を下げないように丁寧に作業をした。
ワークショップの運営
ワークショップは〈ハンディハウスプロジェクト〉に講師を依頼。実際にプロの現場でも行われているラジオ体操を終えた後、一般の方にもわかりやすく工具の正しい使い方をレクチャーした。ワークショップ2日間の工程はフレームづくりから、ビス位置の墨出しにはじまり、実際に壁パネルを立てるところまで。断熱材は接合部分のボルトに重なる部分といった細かいところも、断熱性能を下げないように丁寧に作業をした。
6日目:窓パネル作成、防水シート貼り付け、床張り(作業人数 4人)
参加者は本気で小屋を建てたいと考えている人が多く、講師の話に熱心に耳を傾けていた。材料をすべて国産材にしたらどうか? などと今後のアイデアになるヒントがたくさん生まれる機会になった。
ワークショップの醍醐味はなんといっても「みんなで建てる」ことで得られる一体感。2日目に柱フレームを建て、壁パネルを取り付ける段階になると、参加者から、「(完成が)見える! 見える!」と声があがり、大いに盛り上がった。
参加者は本気で小屋を建てたいと考えている人が多く、講師の話に熱心に耳を傾けていた。材料をすべて国産材にしたらどうか? などと今後のアイデアになるヒントがたくさん生まれる機会になった。
ワークショップの醍醐味はなんといっても「みんなで建てる」ことで得られる一体感。2日目に柱フレームを建て、壁パネルを取り付ける段階になると、参加者から、「(完成が)見える! 見える!」と声があがり、大いに盛り上がった。
7日目:窓設置(作業人数 5人)
アドバイザーの中田理恵さんは、「技術の習得はもちろん、みんなで作ることの楽しさや大変さも味わえるのが、DIYやワークショップのよさです。こうしてプロや学生から直接伝えていくことで “住まいの質を重視する家づくり” の裾野も広がっていくと思います」と話す。
アドバイザーの中田理恵さんは、「技術の習得はもちろん、みんなで作ることの楽しさや大変さも味わえるのが、DIYやワークショップのよさです。こうしてプロや学生から直接伝えていくことで “住まいの質を重視する家づくり” の裾野も広がっていくと思います」と話す。
10日目:外壁作成、内装(10日目作業人数 13人)
完成
最終日、小屋には棚が取り付けられ、ドライフラワーを飾るなど、女子大学院生らしいシンプルでかわいらしい部屋に。無事完成した後は、プロジェクトに参加してくれた方、協力してくれたプロと一緒に完成パーティーと報告会を開催した。
完成
最終日、小屋には棚が取り付けられ、ドライフラワーを飾るなど、女子大学院生らしいシンプルでかわいらしい部屋に。無事完成した後は、プロジェクトに参加してくれた方、協力してくれたプロと一緒に完成パーティーと報告会を開催した。
完成後の内装
10日間にわたるプロジェクトが終了したあと、沼田さんは9日間この小屋で過ごした。(施設の都合上滞在は毎日夕方5時まで。)完成するとメンバーが思い思いに写真を飾ったり、余った端材で一輪挿しを作ったりと、小屋への愛着が形となっていった。
10日間にわたるプロジェクトが終了したあと、沼田さんは9日間この小屋で過ごした。(施設の都合上滞在は毎日夕方5時まで。)完成するとメンバーが思い思いに写真を飾ったり、余った端材で一輪挿しを作ったりと、小屋への愛着が形となっていった。
訪れてくれたたくさんの人たちにコーヒーをふるまう沼田さん。
その後の展開
解体してまた組み立てることができる断熱タイニーハウス。断熱から家の性能を考えてもらう体験を全国に広めるため、愛知県豊田市で出張ワークショップを開催した。現在は、千葉大学から近い〈HELLO GARDEN〉という西千葉のローカルコミュニティの発信地で、材料の重さや細かい部材の収まりの検討不足など、1回目の制作をとおして課題となった箇所を変更し、改善を続けている。さらに断熱効果の実験を行い、断熱タイニーハウスを建てることでうまれるコミュニティの変化や、参加した人たちの住まいへの意識の変化についても注目していく。
その後の展開
解体してまた組み立てることができる断熱タイニーハウス。断熱から家の性能を考えてもらう体験を全国に広めるため、愛知県豊田市で出張ワークショップを開催した。現在は、千葉大学から近い〈HELLO GARDEN〉という西千葉のローカルコミュニティの発信地で、材料の重さや細かい部材の収まりの検討不足など、1回目の制作をとおして課題となった箇所を変更し、改善を続けている。さらに断熱効果の実験を行い、断熱タイニーハウスを建てることでうまれるコミュニティの変化や、参加した人たちの住まいへの意識の変化についても注目していく。
断熱効果の実験内容と測定結果
10月1日〜9日まで東京の最高気温は18.6℃〜27.8℃ ※※と日によって大きな差があったにもかかわらず、室温は24〜26℃に保たれていた。朝は24℃、人の出入りがあると26℃まであがった。
断熱性能は外気温、室温、壁や窓などの表面温度と湿度をグローブ温度計と表面温度計で測定し、測定時に何人入っているか、その日の服装も細かくメモしていく。これから長期間設置した状態で数値を集めていく。
初回組み立て平均作業時間
5時間(休憩時間含む)×10日×平均5人(屋根の取り付け時は10人)
小屋キット完成後の組み立て時間と必要な人数
4日 6時間×5人(経験の有無による)
解体時間と必要な人数
1日 3時間×3人
10月1日〜9日まで東京の最高気温は18.6℃〜27.8℃ ※※と日によって大きな差があったにもかかわらず、室温は24〜26℃に保たれていた。朝は24℃、人の出入りがあると26℃まであがった。
断熱性能は外気温、室温、壁や窓などの表面温度と湿度をグローブ温度計と表面温度計で測定し、測定時に何人入っているか、その日の服装も細かくメモしていく。これから長期間設置した状態で数値を集めていく。
初回組み立て平均作業時間
5時間(休憩時間含む)×10日×平均5人(屋根の取り付け時は10人)
小屋キット完成後の組み立て時間と必要な人数
4日 6時間×5人(経験の有無による)
解体時間と必要な人数
1日 3時間×3人
小屋からはじまるコミュニケーションの可能性
現在の場所は、地域に開かれた広場で、週末を中心にイベントが開催されている。大人から子供まで幅広い世代が立ち寄る場所だ。そこに小屋が立ち始めるとSNSで広く情報発信をしなくても「何やってるの?」と声がかかり、そして知らない人同士の立ち話が始まる。図面作成を担当した森本さんが「魔法の箱みたいだね。」と沼田さんに言った。自分たちが想定しなかったことが起きて、見知らぬ人と人がつながり、地域に明るい話題を作っていく。未完成ながら、なんだか落ち着く空間に、今日も人が引き寄せられていく。
プロジェクトチームは新たに設定したストレッチゴール、70万円を達成した。移動するためのシャーシの購入や、小屋の改善費の資金になる。「この小屋はまだまだ発展途上です。私が卒業しても後輩たちが改善して世の中にプラスの変化をつけていってくれることを今から楽しみにしています」と沼田さんは話してくれた。
断熱タイニーハウスプロジェクトメンバー(千葉大学・明治大学学生有志):沼田汐里、小島啓輔、森本天希、前川圭介、藤崎輝之、植木嘉一
設計監修:中田理恵〈中田製作所〉
技術提供:〈HEAD研究会エネルギータスクフォース〉〈エネルギーまちづくり社〉〈ハンディハウスプロジェクト〉
実験監修:林立也(千葉大学准教授)
※《経堂の杜》:〈チームネット〉の甲斐徹郎さんが手がけた、RC造で外側に断熱パネルを入れ、日射が入らないよう設計されたコーポラティブハウス。
※※気象庁気象データ参照
教えてHouzz
タイニーハウスを作りたいと思いますか? 計画中の方はぜひコメントをお寄せください。
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プロジェクトチームは新たに設定したストレッチゴール、70万円を達成した。移動するためのシャーシの購入や、小屋の改善費の資金になる。「この小屋はまだまだ発展途上です。私が卒業しても後輩たちが改善して世の中にプラスの変化をつけていってくれることを今から楽しみにしています」と沼田さんは話してくれた。
断熱タイニーハウスプロジェクトメンバー(千葉大学・明治大学学生有志):沼田汐里、小島啓輔、森本天希、前川圭介、藤崎輝之、植木嘉一
設計監修:中田理恵〈中田製作所〉
技術提供:〈HEAD研究会エネルギータスクフォース〉〈エネルギーまちづくり社〉〈ハンディハウスプロジェクト〉
実験監修:林立也(千葉大学准教授)
※《経堂の杜》:〈チームネット〉の甲斐徹郎さんが手がけた、RC造で外側に断熱パネルを入れ、日射が入らないよう設計されたコーポラティブハウス。
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コメントありがとうございます!あれから断熱タイニーハウスプロジェクトもどんどん進んでおりまして、現在シャーシを購入できたそうです。
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