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19世紀の教会を別荘に!荘厳で現代的なリノベーション
使われなくなった教会をインテリアデザイナーが購入。湖畔の別荘にリノベーションしたビフォーアフターです。
Mitchell Parker
2018年8月18日
ここはカナダの小さな町、カムラチー。1877年に建てられた町の礼拝堂は数年前に手狭になり、通っていた人たちは町の大きな教会に移った。教会はその後売りに出されたため、取り壊されてしまうのではないか、と心配する声が上がっていた。
だから、インテリアデザイナーのジェン・ハノッテさんがこの教会を購入し、外装の修繕を行い、元々のインテリアの要素を残して住むことになった時、地元の人は大歓迎した。ハノッテさんは美しいステンドグラスの窓、木の長椅子、説教壇を残しながら、歴史ある礼拝堂を週末滞在の家に作り替えた。
だから、インテリアデザイナーのジェン・ハノッテさんがこの教会を購入し、外装の修繕を行い、元々のインテリアの要素を残して住むことになった時、地元の人は大歓迎した。ハノッテさんは美しいステンドグラスの窓、木の長椅子、説教壇を残しながら、歴史ある礼拝堂を週末滞在の家に作り替えた。
Photos by Lauren Kolyn
どんなHouzz?
住まい手:デザイナーのジェン・ハノッテさんと2人の娘(13歳と8歳)
所在地:カナダ、オンタリオ州カムラチー
規模:102平方メートルにベッドルーム×3、バスルーム(トイレ含む)、トイレ
デザイナー:〈ハノッテ・インテリアズ〉のジェン・ハノッテさん
礼拝堂は、米国とカナダの国境にあるヒューロン湖の南端に面して立っている。トロントから車で約2時間半の距離だ。2014年、信徒たちが町の教会へ引っ越してから空き家になって売りに出されていたところに、ハノッテさんはやって来た。デザイナーとして、自分のスキルをいかせそうな面白い物件がこの湖の近くにないか、ずっと探していたハノッテさんの目に、この教会はその条件にぴったりに見えた。「まったく手つかずの状態から改装を始めました」
ハノッテさんは、外装に新しくひさしと融雪装置を設置した。金属製の屋根から滑り落ちた雪で人が怪我するのを防ぐためだ。
教会には以前は真っ白なペンキが塗られていたが、ハノッテさんは寒々としすぎていると感じた。建物の外装も内装も〈シャーウィン・ウィリアムズ〉の《インクレディブルホワイト》という、少しグレーの混ざった柔らかい白に塗り直すことにした。塗装業をしている父親のレオンさんを飛行機で呼び寄せ、3週間かけて作業をしてもらった。「塗装が一番大きな変更でした」と話すハノッテさんの見積りでは、190リットル近いペンキを使ったのではないかという。
どんなHouzz?
住まい手:デザイナーのジェン・ハノッテさんと2人の娘(13歳と8歳)
所在地:カナダ、オンタリオ州カムラチー
規模:102平方メートルにベッドルーム×3、バスルーム(トイレ含む)、トイレ
デザイナー:〈ハノッテ・インテリアズ〉のジェン・ハノッテさん
礼拝堂は、米国とカナダの国境にあるヒューロン湖の南端に面して立っている。トロントから車で約2時間半の距離だ。2014年、信徒たちが町の教会へ引っ越してから空き家になって売りに出されていたところに、ハノッテさんはやって来た。デザイナーとして、自分のスキルをいかせそうな面白い物件がこの湖の近くにないか、ずっと探していたハノッテさんの目に、この教会はその条件にぴったりに見えた。「まったく手つかずの状態から改装を始めました」
ハノッテさんは、外装に新しくひさしと融雪装置を設置した。金属製の屋根から滑り落ちた雪で人が怪我するのを防ぐためだ。
教会には以前は真っ白なペンキが塗られていたが、ハノッテさんは寒々としすぎていると感じた。建物の外装も内装も〈シャーウィン・ウィリアムズ〉の《インクレディブルホワイト》という、少しグレーの混ざった柔らかい白に塗り直すことにした。塗装業をしている父親のレオンさんを飛行機で呼び寄せ、3週間かけて作業をしてもらった。「塗装が一番大きな変更でした」と話すハノッテさんの見積りでは、190リットル近いペンキを使ったのではないかという。
ビフォー:2014年に最後の礼拝が行われたときの教会内部。家として使うには手をいれる必要があった。
壁は「手描きの文字や模様が描かれていて、ステンシルが施されていた」とハノッテさんは語る。「日曜日に1時間過ごす場所としてはいいかもしれませんが、生活する場ではありませんでした」
壁は「手描きの文字や模様が描かれていて、ステンシルが施されていた」とハノッテさんは語る。「日曜日に1時間過ごす場所としてはいいかもしれませんが、生活する場ではありませんでした」
アフター:間仕切りや壁を作らなかったため、プロジェクトは比較的簡単に進んだ。以前は祭壇があった奥の壁に沿って基本的なキッチンを設置し、長椅子が並ぶ信徒席だった場所は、ダイニングゾーンとリビングゾーンに分けた。
新しいバスルーム、洗面所、ランドリールームをつくったが、「特別なものはありません」という。「使ったのはスタンダードでシンプルな材です。基本的に、教会と神聖な場所を傷つけないよう、なるべく手をつけずに残そうと思いました」
〈シャーウィン・ウィリアムズ〉の「インクレディブルホワイト」(礼拝堂に塗るペンキにふさわしい名前!)で、壁、天井、床を再塗装した。「ステンドグラスの窓からは外が見えないので、たとえ大聖堂であっても閉塞感を覚えることがあります。そこで、あらゆるものをできる限り明るくしたいと思いました」とハノッテさん。ヴィンテージのラグが、洞窟のように音が響く空間の反響を抑え、ラグの色や模様は力強いアクセントになっている。
新しいバスルーム、洗面所、ランドリールームをつくったが、「特別なものはありません」という。「使ったのはスタンダードでシンプルな材です。基本的に、教会と神聖な場所を傷つけないよう、なるべく手をつけずに残そうと思いました」
〈シャーウィン・ウィリアムズ〉の「インクレディブルホワイト」(礼拝堂に塗るペンキにふさわしい名前!)で、壁、天井、床を再塗装した。「ステンドグラスの窓からは外が見えないので、たとえ大聖堂であっても閉塞感を覚えることがあります。そこで、あらゆるものをできる限り明るくしたいと思いました」とハノッテさん。ヴィンテージのラグが、洞窟のように音が響く空間の反響を抑え、ラグの色や模様は力強いアクセントになっている。
アフター:大量の羽目板と赤いカーペットを剥がした。一部の段差もなくし、祭壇だったスペースのレベルを下げて新しくキッチンを設置した。キッチンはシンプルにしておいて「周りに溶け込ませ、窓の存在が引き立つようにしました」。ハノッテさんは、ステンドグラスの窓は1940年代のものだろうとみている。
大理石のように見える黒いラミネートのカウンタートップが、白いキャビネット、壁、床をにコントラストを与えている。
ステンレスのキッチンアイランドと絵の具が飛び散ったスツールは、ハノッテさんが何年も前から持っていたものだ。以前は娘たちがお絵かきや工作に使っていた。「ステンレスが窓からの光を美しく反射します」
ビフォー:以前の教会の内部を、正面入口に向かって見たところ。男性が立っている場所は、聖歌隊席だった。ハノッテさんはほとんどの長椅子を隣人の納屋に移したあと、コミュニティの人たちに売っている。「今ではたくさんの長椅子が、この町の家の前に置かれています」
アフター:作り付けになっていた最後部の長椅子は、構造上の支えになっている可能性があるため、取り外さないことにした。
照明は教会のときからあったもので、1940年代に取り付けられたのだろうとハノッテさんは考えている。
照明は教会のときからあったもので、1940年代に取り付けられたのだろうとハノッテさんは考えている。
ダイニングエリアには、ヴィンテージのラグの上にコテージ風のテーブルを置いた。
ダイニングテーブル:〈イケア〉
ダイニングテーブル:〈イケア〉
後ろの長椅子のひとつは、ラウンジ兼演奏スペースにした。
聖歌隊席の下にハンモックを吊るして、デッドスペースになりそうな場所を活用している。「揺れながら大きな窓を見られる、素敵な場所です」
ハノッテさんは、聖歌隊席に置いたベッドで寝るのが気に入っている。高いところにあるため、一番暖かいのだ。「冬の暖房は、やっかいな問題です」という。このベッドで目覚めると、キッチンのステンドグラス窓の美しい姿も楽しめる。この下には、もうひとつベッドルームがある。
リビングルームのラグはヴィンテージ。コーヒーテーブルとして使っているのは、ガレージにあったヴィンテージの大きな大理石のテーブルトップを、エメラルド色の陶器のプランターに乗せたもの。
テレビ台は、何年も前に自分でホワイトオーク材を使ってつくった家具だ。
左の〈モントーク〉ソファは、クラシファイドコミュニティサイト「クレイグズリスト」を通じてただで手に入れた。「典型的なコテージ風ソファです」
レザーのソファは地元のショップで買ったヴィンテージ、1人掛けソファは〈イケア〉だ。
テレビ台は、何年も前に自分でホワイトオーク材を使ってつくった家具だ。
左の〈モントーク〉ソファは、クラシファイドコミュニティサイト「クレイグズリスト」を通じてただで手に入れた。「典型的なコテージ風ソファです」
レザーのソファは地元のショップで買ったヴィンテージ、1人掛けソファは〈イケア〉だ。
コーナーに置かれた説教壇は、教会にあったもの。その後ろと反対側の壁に掛けられた掲示板も元からあったものだ。掲示板には祈りの言葉や、信徒たちの行事の予定やその日に教会であったことを知らせるために使った文字のカードがついていた。ハノッテさんはこの掲示板を使って、友だちと詩を作ったり、穴埋め形式の言葉遊び「マッドリブゲーム」をしたりしている。
キッチンにあるマリーゴールド色のキャビネットは、礼拝堂の裏に放置されていた。これと同じ色がステンドグラスの中にも見られる。「誰かがそれを意図してこの色に塗ったのかはわかりませんが、きれいですよね」とハノッテさん。ここにはキャンドルや小物などをしまっている。その上に丸い鏡を吊して、すぐ横の三角形をしたドアの上部と対照的なポイントにした。「これも一種の遊びです」
このドアは、マッドルームとランドリーエリア、そしてマスターベッドルーム、バスルームへと続いている。
このドアは、マッドルームとランドリーエリア、そしてマスターベッドルーム、バスルームへと続いている。
ハノッテさんは1970年代に増築された集会所スペースを、上の写真のベッドルームと一続きにしてバスルーム付きの主寝室にした。この写真はベッドルームのステンドグラスを近くで見たところ。
ベッドルームとバスルームを作るため、新たに断熱材、ドライウォール、床の工事をした。床材にビニールの厚板を選んだのは、湖畔の砂や水分が入り込んでも傷まないようにするためだ。
教会の周辺エリアは、オンタリオ州の"青い岸辺"として知られている。「入り江はカリブ海のような青さです」とハノッテさん。白い砂浜があり、この辺りではちょっとした穴場なのだ。
暖かな季節になると、ハノッテさんは娘たちと一日中パドルボードやブギーボードで遊んだり、日光浴をしたりして過ごす。冬はクロスカントリースキーをするか、水辺を散歩する。雪と砂が混じった風が吹き付けるので入り江には月面を思わせる不気味な砂丘ができるという。
何より、みんなこの教会で過ごすのが好きだ。「家に帰りたくなくなります」とハノッテさん。「一緒に夕食を作って、Netflixを見て……。いるだけで、大抵は満足なのです」
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暖かな季節になると、ハノッテさんは娘たちと一日中パドルボードやブギーボードで遊んだり、日光浴をしたりして過ごす。冬はクロスカントリースキーをするか、水辺を散歩する。雪と砂が混じった風が吹き付けるので入り江には月面を思わせる不気味な砂丘ができるという。
何より、みんなこの教会で過ごすのが好きだ。「家に帰りたくなくなります」とハノッテさん。「一緒に夕食を作って、Netflixを見て……。いるだけで、大抵は満足なのです」
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