シンプルとコントラスト。部屋ごとに異なる体験をつくるデンマークの家
色と素材のコントラストを最大のテーマにした建築家夫妻の家をご紹介します。
Kasper Iversen
2018年10月11日
Photos by Mia Mortensen
教えてHouzz
住まい手:共に建築家のメッテ・ヴェインベルさん(ヴェインベル・アーキテクツ)とマーチン・ヴェインベルさん(フリース&モルトケ)、10歳の息子オスカー君
所在地:デンマーク、オーフスのホイビュルク地区
規模:182㎡
メッテ・ヴェインベルさんとマーチン・ヴェインベルさん夫妻の家は、デンマーク、オーフスの中心から南に5キロほど行ったところにある。この1942年築の家をリノベーションする間、ふたりは数々の独創的なアイデアを取り入れた。例えば、オーク材の板材を張ったアシンメトリーなリビングルームは限定版のシガーボックスを思い出させ、ベッドルームは床から天井まで真っ白、家の中心には自然光を取り込む小さな中庭がある。さらに印象的なのは、明確な色彩設計に沿って各部屋がデザインされた結果、家のさまざまな場所にコントラストを生じさせてその効果を最大限引き出し、家全体での体験をわかりやすく表現している点だろう。
教えてHouzz
住まい手:共に建築家のメッテ・ヴェインベルさん(ヴェインベル・アーキテクツ)とマーチン・ヴェインベルさん(フリース&モルトケ)、10歳の息子オスカー君
所在地:デンマーク、オーフスのホイビュルク地区
規模:182㎡
メッテ・ヴェインベルさんとマーチン・ヴェインベルさん夫妻の家は、デンマーク、オーフスの中心から南に5キロほど行ったところにある。この1942年築の家をリノベーションする間、ふたりは数々の独創的なアイデアを取り入れた。例えば、オーク材の板材を張ったアシンメトリーなリビングルームは限定版のシガーボックスを思い出させ、ベッドルームは床から天井まで真っ白、家の中心には自然光を取り込む小さな中庭がある。さらに印象的なのは、明確な色彩設計に沿って各部屋がデザインされた結果、家のさまざまな場所にコントラストを生じさせてその効果を最大限引き出し、家全体での体験をわかりやすく表現している点だろう。
マーチンさんとメッテさん(写真)は、広さ約80㎡の休暇用コテージを自分たちで設計し、適正な予算に抑えることを優先事項にしながら10年をかけて、約182平方メートルの広々とした家に増築した。
「単位面積あたりの建設コストを抑えられました。その理由のひとつは、単体では特に見栄えがしたり素晴らしかったりはしないけれど、正しく、広い面積で使うと驚くほど良く見える素材を見つけたことです」とマーチンさんは話す。
「単位面積あたりの建設コストを抑えられました。その理由のひとつは、単体では特に見栄えがしたり素晴らしかったりはしないけれど、正しく、広い面積で使うと驚くほど良く見える素材を見つけたことです」とマーチンさんは話す。
考え抜かれた照明計画が、その効果に大いに貢献している。「高価な素材は必要ありません。一般的に光は最も重要な役割を果たすので、床が高価な木材か、安いものか、生コンクリートかは大した問題ではなくなります」
優先順位を付け、慎重に選択することができるかも重要だ。「すべての場所に高価な素材を使う必要はありません。最初からディテールにいちいちこだわるのをやめるのです。もしこだわれば費用はかさむばかりです。全体を捉え、各部屋でいちばん大切なことは何かを考えましょう」
小さな中庭がこの家の中心だ。「中庭は実際、実用的なスペースではありません。家に空いた “穴”ですから。でも、光を取り込み、風を通してくれます」とマーチンさん。元はコの字型に建てられた家に3方を囲まれた庭だった。
ガラスで囲まれた正方形の中庭を通して、信じられないほどの光が屋内に流れ込む。「中庭が家の視覚的な中心になっています。向こう側まで見通せるので、家の中のほかの場所で何が起こっているのか、何となくわかります。それは私にとっては大きな利点です」
優先順位を付け、慎重に選択することができるかも重要だ。「すべての場所に高価な素材を使う必要はありません。最初からディテールにいちいちこだわるのをやめるのです。もしこだわれば費用はかさむばかりです。全体を捉え、各部屋でいちばん大切なことは何かを考えましょう」
小さな中庭がこの家の中心だ。「中庭は実際、実用的なスペースではありません。家に空いた “穴”ですから。でも、光を取り込み、風を通してくれます」とマーチンさん。元はコの字型に建てられた家に3方を囲まれた庭だった。
ガラスで囲まれた正方形の中庭を通して、信じられないほどの光が屋内に流れ込む。「中庭が家の視覚的な中心になっています。向こう側まで見通せるので、家の中のほかの場所で何が起こっているのか、何となくわかります。それは私にとっては大きな利点です」
増築部分にあるキッチンから見た既存部分。右側に玄関、左側に中庭がある。
白いベッドルームは玄関から中庭を挟んで反対側にある。
「ベッドルームは、中庭に面して掃き出し窓があるのみです。一方からしか光が入らないにもかかわらず、明るく、居心地良く見えるのは、すべてが白いからです」とマーチンさん。
「この空間のように余計なものがない場所にいると、眠りにつく前は精神的に浄化されるようです。横になって緑の植物をながめて季節や天候と深く触れ合っていると、本当に幸せな気分になります。ときどき月の光が中庭の窓を通してすべてのものを照らし出すのですが、それはとても神秘的です」
このようにシンプルなスペースになったのも、彼らの設計理念のひとつだ。マーチンさんは、家を建てるときには全体像を描き、本当に大切なディテールは何かを慎重に検討するようアドバイスする。「シンプルであることを生かし、コントラストで意外性を狙い、不必要なものは排除しましょう」
「ベッドルームは、中庭に面して掃き出し窓があるのみです。一方からしか光が入らないにもかかわらず、明るく、居心地良く見えるのは、すべてが白いからです」とマーチンさん。
「この空間のように余計なものがない場所にいると、眠りにつく前は精神的に浄化されるようです。横になって緑の植物をながめて季節や天候と深く触れ合っていると、本当に幸せな気分になります。ときどき月の光が中庭の窓を通してすべてのものを照らし出すのですが、それはとても神秘的です」
このようにシンプルなスペースになったのも、彼らの設計理念のひとつだ。マーチンさんは、家を建てるときには全体像を描き、本当に大切なディテールは何かを慎重に検討するようアドバイスする。「シンプルであることを生かし、コントラストで意外性を狙い、不必要なものは排除しましょう」
白一色のベッドルームという色使いが、家全体の基調にもなっている。ただし、それは色が同じなのではなく (実際この家で真っ白な場所はここだけだ。)それぞれの部屋に用いられている一貫したアプローチがこの部屋で表現されているという意味だ。
「この家をつくるにあたってメインとなったアイデアのひとつは、部屋によって異なる精神状態になるような、一種の緊張状態を生じさせる空間的な体験と変化をつくり出すことでした。家の外側は真っ黒ですが、ベッドルームの中はすべて白です。ベッドルームから板張りのリビングルームに行くと、空間の居心地だけでなく、素材の手ざわりもまったく違う体験ができます」とマーチンさん。
「この家をつくるにあたってメインとなったアイデアのひとつは、部屋によって異なる精神状態になるような、一種の緊張状態を生じさせる空間的な体験と変化をつくり出すことでした。家の外側は真っ黒ですが、ベッドルームの中はすべて白です。ベッドルームから板張りのリビングルームに行くと、空間の居心地だけでなく、素材の手ざわりもまったく違う体験ができます」とマーチンさん。
バスルームも既存部分にある。「バスルームはシンプルに見えるかもしれませんが、実はかなりの労力を注いでいます。実際、設計に最も時間が掛かったのはここだと思います。どうするのがベストなのか、悩んだからです」とマーチンさん。
奥行きの深い、腰掛けられる出窓を作ったのは大成功だった。ヴェインベル夫妻がこのアイデアを思いついたのは、洗面台の右手にある壁付けのトイレ(写真には写っていない)のためのスペースを作ろうとしているときだった。
「トイレの背面だけ壁を外側に突き出す代わりに、壁全体を外側に広げてすっきりした一直線を作ることにしました。同時に深いニッチを作って窓台に座れるようにし、洗面台の上はニッチの奥行きをいかして鏡と棚をビルトインできたので追加の棚を設置しなくてすみました」
奥行きの深い、腰掛けられる出窓を作ったのは大成功だった。ヴェインベル夫妻がこのアイデアを思いついたのは、洗面台の右手にある壁付けのトイレ(写真には写っていない)のためのスペースを作ろうとしているときだった。
「トイレの背面だけ壁を外側に突き出す代わりに、壁全体を外側に広げてすっきりした一直線を作ることにしました。同時に深いニッチを作って窓台に座れるようにし、洗面台の上はニッチの奥行きをいかして鏡と棚をビルトインできたので追加の棚を設置しなくてすみました」
バスルーム全体に貼ったタイルは、デンマークのハードウェアストア〈スタルク〉で購入した、コンポジションタイルだ。それ自体に目を引くところはないが、「空間全体で使ったところ、とてもいい感じに見えます」とマーチンさん。
「まるで石の塊の中にいるようです。均質で、安全な感じがするからでしょう。バスタブで気持ちのいいお湯に浸かり、リラックスして外の緑を眺めるのは、最高の気分です」
「まるで石の塊の中にいるようです。均質で、安全な感じがするからでしょう。バスタブで気持ちのいいお湯に浸かり、リラックスして外の緑を眺めるのは、最高の気分です」
キッチンに向かって3段の階段を降りると、色と素材のコントラストに目がとまる。
「この部屋のメイン要素は、コンクリートの床とキッチンアイランドです」とマーチンさん。
素材が全体的な清潔感と部屋の機能を強調しているのはほかの部屋と同じだが、ここでは違った効果を生み出している。
「アイランドは〈イケア〉で、MDFボードに面材としてスチール板を全体に貼り付けただけです。スチールの反射は、打設したコンクリート床のよさを引き立てています」
素材が全体的な清潔感と部屋の機能を強調しているのはほかの部屋と同じだが、ここでは違った効果を生み出している。
「アイランドは〈イケア〉で、MDFボードに面材としてスチール板を全体に貼り付けただけです。スチールの反射は、打設したコンクリート床のよさを引き立てています」
ふたりはキッチン背面の壁を白くして、アイランドとのニュートラルなコントラストをつくり出した。
照明はアイランドの両端に置いた2つのテーブルランプだ。「妻は光にとても敏感で、私はキッチンのペンダントライトやスポットライトがあまり好きではありません。作業用の照明としてはいいのですが。このようにテーブルランプを主な光源にすると、ずっと家庭的で居心地のいいキッチンになります」
ランプ:〈アルテミデ〉
照明はアイランドの両端に置いた2つのテーブルランプだ。「妻は光にとても敏感で、私はキッチンのペンダントライトやスポットライトがあまり好きではありません。作業用の照明としてはいいのですが。このようにテーブルランプを主な光源にすると、ずっと家庭的で居心地のいいキッチンになります」
ランプ:〈アルテミデ〉
比較的広いキッチンとダイニングエリアをみると、アイランドとそのまわりのゆとりあるスペースに比べて、ダイニングエリアが不釣合いに小さいのではないかと思う人もいるかもしれない。
マーチンさんは、これは意図的だと説明する。「平日は大人数で食卓を囲みませんし、ゲストを大勢呼ぶときにはアイランドの前に大きなテーブルを出します。つまりこの部屋の配置は私たちの日常生活を考えた結果です。例えば長いテーブルに椅子を8個並べるのが標準だとしても、私たちは一般的なサイズより少し小さめで親密さを感じられるこのテーブルが気に入っています。」
マーチンさんは、これは意図的だと説明する。「平日は大人数で食卓を囲みませんし、ゲストを大勢呼ぶときにはアイランドの前に大きなテーブルを出します。つまりこの部屋の配置は私たちの日常生活を考えた結果です。例えば長いテーブルに椅子を8個並べるのが標準だとしても、私たちは一般的なサイズより少し小さめで親密さを感じられるこのテーブルが気に入っています。」
コンクリートやスチールのような硬い素材が多いと、音が響き過ぎることもある。ふたりはその解決策のひとつとして、カーテンを窓枠より高い位置から掛けることにした。
「カーテンを天井から床までの長さにし、幅も部屋全体を覆えるようにしました。 例えば大晦日のように少人数のゲストを招いたときには、カーテンを全開にして、ちょっとしたライトを飾り、美しくテーブルをセッティングします。全部閉めても面白いです。まるで舞台の背景のように、まったく違うシーンが作れます。雰囲気を変えられると、部屋はもっと力強いものになります」
窓まわりはどう選ぶ? カーテンの長さとひだの決め方
「カーテンを天井から床までの長さにし、幅も部屋全体を覆えるようにしました。 例えば大晦日のように少人数のゲストを招いたときには、カーテンを全開にして、ちょっとしたライトを飾り、美しくテーブルをセッティングします。全部閉めても面白いです。まるで舞台の背景のように、まったく違うシーンが作れます。雰囲気を変えられると、部屋はもっと力強いものになります」
窓まわりはどう選ぶ? カーテンの長さとひだの決め方
この家でいちばんの見所が、増築部分にある板張りのリビングルームであることは間違いない。ここでもふたりは目を引く素材を徹底して使ってコントラストをつくり出している。
「ほかの部屋とは違う部屋を作りたいと思いました。例えば、ベッドルームとは対照的に、リビングルームはかなり外に開いています。広がりや高さがあるからだけではありません。木材を使うことで質感をつくりだし、緑が溢れる外の環境との自然な相互作用が生まれました」とマーチンさん。
「ほかの部屋とは違う部屋を作りたいと思いました。例えば、ベッドルームとは対照的に、リビングルームはかなり外に開いています。広がりや高さがあるからだけではありません。木材を使うことで質感をつくりだし、緑が溢れる外の環境との自然な相互作用が生まれました」とマーチンさん。
最初はバーチの合板のような、もっと明るい色の木にしようと考えていたという。「ところが窓を選ぼうとすると、明るい木に合うものを見つけられませんでした。オークの窓枠を見つけ、次にMDF合板を見つけました。ホームセンターで買えるごくありふれたものです。これを窓まわりに使いたいと思っていたベニヤ合板を合わせて見ると、すぐにぴったりだとわかりました。見た目にほとんど差はありませんでした」
多角形でアシンメトリーのリビングルームは部屋の機能を考慮し、高められるよう慎重に設計されている。
「リビングにいる人が必然的に一緒に座るように計画し、家具の配置を考えました。壁が並行に向き合っていると人はお互いの正面に座るでしょう。でもこのプランなら隣り合って座ります。自然と打ち解けた雰囲気になるよう、わざとそうしたのです」とマーチンさんはいう。
「リビングにいる人が必然的に一緒に座るように計画し、家具の配置を考えました。壁が並行に向き合っていると人はお互いの正面に座るでしょう。でもこのプランなら隣り合って座ります。自然と打ち解けた雰囲気になるよう、わざとそうしたのです」とマーチンさんはいう。
部屋のまわりをほぼ一周する作り付けのフローティングタイプのソファベンチは、大人も子どもも、お互いに打ち解けられる雰囲気づくりに一役買っている。
「大体、子どもたちはリビングに入るとベンチの周りを走り回り、大人はごく自然に寝転がりたくなるようです」とマーチンさん。「お客さんが寝転びたくなって、そうしてもいいだろうと思える部屋があるなんて、とてもかっこいいでしょう。それにゲストが寝転がっていたら、最初から堅苦しくなりようがありません」
作り付けのベンチは、座面の下が収納スペースになっている。大きなピローは〈ブラザー・ペーターセン〉でオーダーした。
「大体、子どもたちはリビングに入るとベンチの周りを走り回り、大人はごく自然に寝転がりたくなるようです」とマーチンさん。「お客さんが寝転びたくなって、そうしてもいいだろうと思える部屋があるなんて、とてもかっこいいでしょう。それにゲストが寝転がっていたら、最初から堅苦しくなりようがありません」
作り付けのベンチは、座面の下が収納スペースになっている。大きなピローは〈ブラザー・ペーターセン〉でオーダーした。
暖かみのあるリビングルームから、対照的なベッドルームやキッチン・ダイニングエリアをみる。
リビングルームのウッドパネルは、2階のオフィスまで続いている。
2階の床もオークだ。「一貫してオークを使ったので、壁や床などの表面がひとまとまりになり、とても落ち着いた雰囲気になりました」
ヴェインベルさん宅にアート作品やウォールデコレーションはほとんどない。木の壁はそれ自体が装飾的というのも熟慮した選択のひとつの理由だが、それだけではない。
「ふたりとも、絵を飾る機会があればそうするつもりでいました。でもこの部屋を見たら、壁に釘を打つ気にはまずなれません。全体を見れば、ピンクの椅子や照明など、この部屋に合う豊かな表現力をもつインテリアアイテムがたくさんあります」
大きく適切な位置にある窓も、アート作品の役割を十分果たしているという。
アームチェア:〈ヘイ〉
「ふたりとも、絵を飾る機会があればそうするつもりでいました。でもこの部屋を見たら、壁に釘を打つ気にはまずなれません。全体を見れば、ピンクの椅子や照明など、この部屋に合う豊かな表現力をもつインテリアアイテムがたくさんあります」
大きく適切な位置にある窓も、アート作品の役割を十分果たしているという。
アームチェア:〈ヘイ〉
この家のデザインには、特に2つの国の美意識から大きな影響を受けているとマーチンさんはいう。
「日本には相当な回数旅行していますし、フィンランドには住んだことがあります。最もインスピレーションを受けたのは、おそらく日本の家でしょう。この家で取り入れようとした “一貫性” の源は日本で、木をつかったインテリアが多くみられます」
「日本には相当な回数旅行していますし、フィンランドには住んだことがあります。最もインスピレーションを受けたのは、おそらく日本の家でしょう。この家で取り入れようとした “一貫性” の源は日本で、木をつかったインテリアが多くみられます」
元のサマーコテージは平屋建てだった。「この家を見て、2階を増築できそうだとわかったとき、屋根に上ってみると、どの方角も地平線まで見渡せて、青々とした風景が広がっていました」
それが後押しとなってふたりはこの家を購入し、広いテラス付きの2階を増築。8メートル強の高さ制限を目一杯利用しようと考えた。
「屋上テラスがあることはあまり知られていません。外からは見えませんし、置いてあるのは背の低い椅子ですから。囲われていて、ほかの家は視界に入らず、木々しか見えません。簡単にひとりきりで森の真ん中にいる気分になれます。この上ない素晴らしさです」
それが後押しとなってふたりはこの家を購入し、広いテラス付きの2階を増築。8メートル強の高さ制限を目一杯利用しようと考えた。
「屋上テラスがあることはあまり知られていません。外からは見えませんし、置いてあるのは背の低い椅子ですから。囲われていて、ほかの家は視界に入らず、木々しか見えません。簡単にひとりきりで森の真ん中にいる気分になれます。この上ない素晴らしさです」
外観も、シンプルとコントラストというテーマに沿っている。「元の家も外壁は黒い木材でしたが、あまり手入れがされていなかったため、すべて張り替えました。増築部分も黒で塗装したパイン材を張りました。緑に囲まれた黒い木のコテージという既存住宅の特徴は変わっていないと思います」
コントラストに満ちた家を作るなんて、奇妙だと思うかもしれない。しかしマーチンさんは、ほかの人も家の新築やリノベーションをするときには創造的に考えた方が得るものは多いのではないかと考えている。
「私が人にアドバイスできるとしたら、『真っ白にしておかないと後で売れないかもしれない』なんて考えず、何が正しいか、自分の感覚を信じましょうと話すでしょう。もっと自分らしくしても大丈夫と思えれば、全体としてもっと価値のある家を作れるはずです。何がスタンダードかを気にするのではなく、勇気を出して、自分が感じ考えることは正しいと信じましょう」
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