DESIGNART 2017報告:日々の暮らしをエモーショナルに彩るデザインとアート
この10月、東京で初開催されたデザインとアートの新しいイベント「DESIGNART 2017(デザイナート2017)」。注目のトピックをご紹介しながら、今回の展覧会を振り返ります。
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2017年10月28日
2017年10月16日(月)〜22日(日)、都内72カ所で開催された、今年スタートのイベント「DESIGNART 2017(デザイナート2017)」。天候に恵まれない1週間ではあったが、多数の来場者で賑わいを見せた。「Emotional Life〜感動のある暮らし〜」をコンセプトに、世界中から集めたデザイン、アート、ファッション、テクノロジーなど、ほぼすべての「DESIGNART」には値段がついており、期間中は展示作品をその場で見るだけでなく、購入することも可能という新しい試みだった。
値段がついていることが大きな特色。トップブランドのコンセプトアートでも、世界的に活躍するクリエイターのプロトタイプでも、若手デザイナーのアートワークでも隔たりなく、誰もがバイヤーやコレクターのように、自分の美意識で日々の暮らしをエモーショナルに彩ることができる仕掛けとなっていた。
(記事中のデザイナー、アーティスト名は敬称略)
値段がついていることが大きな特色。トップブランドのコンセプトアートでも、世界的に活躍するクリエイターのプロトタイプでも、若手デザイナーのアートワークでも隔たりなく、誰もがバイヤーやコレクターのように、自分の美意識で日々の暮らしをエモーショナルに彩ることができる仕掛けとなっていた。
(記事中のデザイナー、アーティスト名は敬称略)
デザイナーやアーティストの思いを繋げる
”東京からクリエイティブ産業を活性化させる” という強い想いを抱く、業界で活躍中の5組6人の発起人により、自発的に立ち上がったDESIGNART。すでに活躍している発起人たちが、得意な分野で自由に力を発揮することで、デザイナーやアーティストの思いを繋げていけるよう尽力したのは、若き実行委員長、池田隆大。ロンドンから帰国したばかりの池田は、かつて東京でデザインイベントが盛り上がっていた時期を知らない世代、というのも興味深い。
写真左から、永田宙郷(EXS)、川上シュン(ARTLESS INC.)、青木昭夫(MIRU DESIGN)、Astrid Klein(Klein Dytham architecture)、Mark Dytham(Klein Dytham architecture)、小池博史(NON-GRID/IMG SRC)。
”東京からクリエイティブ産業を活性化させる” という強い想いを抱く、業界で活躍中の5組6人の発起人により、自発的に立ち上がったDESIGNART。すでに活躍している発起人たちが、得意な分野で自由に力を発揮することで、デザイナーやアーティストの思いを繋げていけるよう尽力したのは、若き実行委員長、池田隆大。ロンドンから帰国したばかりの池田は、かつて東京でデザインイベントが盛り上がっていた時期を知らない世代、というのも興味深い。
写真左から、永田宙郷(EXS)、川上シュン(ARTLESS INC.)、青木昭夫(MIRU DESIGN)、Astrid Klein(Klein Dytham architecture)、Mark Dytham(Klein Dytham architecture)、小池博史(NON-GRID/IMG SRC)。
充実の公式ブックレット
各展示会場、インフォメーションセンター、オフィシャルカフェでは、新聞大のオフィシャルガイドブックが配布された。ガイドブック中央にあるマップは、抜き出して持ち歩けるデザイン。エリアごとに紹介され、会期中は限られた時間内で見たい会場の集中するエリアを把握するのに、最も適した媒体だった。
マップの他にも、参加する展示内容の紹介を中心に、特集としてデザイナート2017フィーチャー・アーティストに選ばれたピエール・シャルパンや、建築家・伊東豊雄へのインタビューを掲載。 発起人たちが立ち上げに至るまでの想いを語った座談会のリポートなど、読みごたえのある内容。アーカイブとしても価値のある一冊だ。
DESIGNART公式ブックレットは、オンライン版をReader Storeで限定配信中(こちらからダウンロード可能)。
各展示会場、インフォメーションセンター、オフィシャルカフェでは、新聞大のオフィシャルガイドブックが配布された。ガイドブック中央にあるマップは、抜き出して持ち歩けるデザイン。エリアごとに紹介され、会期中は限られた時間内で見たい会場の集中するエリアを把握するのに、最も適した媒体だった。
マップの他にも、参加する展示内容の紹介を中心に、特集としてデザイナート2017フィーチャー・アーティストに選ばれたピエール・シャルパンや、建築家・伊東豊雄へのインタビューを掲載。 発起人たちが立ち上げに至るまでの想いを語った座談会のリポートなど、読みごたえのある内容。アーカイブとしても価値のある一冊だ。
DESIGNART公式ブックレットは、オンライン版をReader Storeで限定配信中(こちらからダウンロード可能)。
都内各所をフラッグが彩る
展示会場の目印となったフラッグ。建築家・芦沢啓治がフラッグスタンドを、〈リトゥンアフターワーズ〉山縣良和がフラッグを手がけた。
ステンレスの無垢材を、特殊なステンレス発色技術でメッキ加工したスタンド、そして銅箔をコーティングしたポリエステル素材で、DESIGNARTのロゴからインスパイアされたバッグのフラッグは、屋外の雨風にも対応可能なアイキャッチに。
フラッグスタンドとフラッグはイベント後、出展者に寄贈され、オフィスなどでコートスタンドとして使用できるという、サスティナブルな試みだった。
展示会場の目印となったフラッグ。建築家・芦沢啓治がフラッグスタンドを、〈リトゥンアフターワーズ〉山縣良和がフラッグを手がけた。
ステンレスの無垢材を、特殊なステンレス発色技術でメッキ加工したスタンド、そして銅箔をコーティングしたポリエステル素材で、DESIGNARTのロゴからインスパイアされたバッグのフラッグは、屋外の雨風にも対応可能なアイキャッチに。
フラッグスタンドとフラッグはイベント後、出展者に寄贈され、オフィスなどでコートスタンドとして使用できるという、サスティナブルな試みだった。
スタークリエイターのアートワーク
第1回目の「DESIGNART Feature」に選出されたのは、フランス人デザイナーのピエール・シャルパン。彼の東京初個展「From the studio」の会場となった、ワールド北青山ビルのファサードと、その奥のガラス面に、巨大な新作アートワークを制作。シャルパンがカラー監修を担当した塗料《BELAY(ビレイ)》を使用した。会場には、彼の手がけたプロダクトやアートワーク、依頼を受けて仕事として描いたスケッチとともに、新作シェルフ《OPENWOOD(オープンウッド)》も本邦初公開。
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DESIGNART 2017 報告:ピエール・シャルパン東京初個展レポート
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現代アートを扱うギャラリー〈GALLERY 360°〉では、「C.K.R」の愛称で知られるデザインユニット〈クラーソン・コイヴィスト・ルーネ〉のアートワークを展示。モーテン・クラーソン(写真左)、エーロ・コイヴィスト、ウーラ・ルーネ(写真右)の3人による、スウェーデン・ストックホルムが拠点のユニットだ。
《FACIEM》と題された展示では 、アーティストたちが選んだ12棟の超高層ビルが、彼らの解釈を経て調整され、アートワークとなり、ストックホルムでの展示に先駆けて、日本で初お披露目となった。
展示アイテムの価格/¥130,000〜660,000
《FACIEM》と題された展示では 、アーティストたちが選んだ12棟の超高層ビルが、彼らの解釈を経て調整され、アートワークとなり、ストックホルムでの展示に先駆けて、日本で初お披露目となった。
展示アイテムの価格/¥130,000〜660,000
人気インテリアブランドの注目展開
〈GERVASONI(ジェルバゾーニ)〉は、イタリア北東部ウディネを本拠とする、創立1882年の老舗インテリアブランド。そのルーツは、小枝を編んで作った小物や家具の販売。パオラ・ナヴォーネをクリエイティブディレクターに迎え、世界的なブランドとなった。近年モダンなアイテム展開をしていたが、もう一度ルーツを大切に、時代に合わせて更新してきた「編む技術」の魅力あふれるコレクションを展示。
写真左の新作のハイバックチェアは、ラタンの中でも高級な「クブラタン」を、ジオメトリカルな編み目が特徴のソファは羊皮紙と同じ製法の革を、中央のテーブルはスチールをそれぞれ編んでいる。
展示アイテムの価格/¥137,000 〜¥488,000
〈GERVASONI(ジェルバゾーニ)〉は、イタリア北東部ウディネを本拠とする、創立1882年の老舗インテリアブランド。そのルーツは、小枝を編んで作った小物や家具の販売。パオラ・ナヴォーネをクリエイティブディレクターに迎え、世界的なブランドとなった。近年モダンなアイテム展開をしていたが、もう一度ルーツを大切に、時代に合わせて更新してきた「編む技術」の魅力あふれるコレクションを展示。
写真左の新作のハイバックチェアは、ラタンの中でも高級な「クブラタン」を、ジオメトリカルな編み目が特徴のソファは羊皮紙と同じ製法の革を、中央のテーブルはスチールをそれぞれ編んでいる。
展示アイテムの価格/¥137,000 〜¥488,000
デザイン界の貴公子、マルセル・ワンダースがアートディレクションを行う、オランダのインテリアブランド〈moooi(モーイ)〉が立ち上げたカーペット専門ブランド〈moooi carpets(モーイカーペット)〉。最新のテクノロジーを駆使して高画質なデザインをプリントした、息を飲むほどに鮮やかなアートの世界。靴とカーペットをそれとなく撮影するだけで、さながらソウル・レイターのような “インスタ映え” する写真になるので、写真をアップしてシェアする楽しさも。
会場では、マルセル・ワンダースなど、世界的に著名なデザイナーによってデザインされた《moooi Carpets Signatures Collection(モーイカーペット シグネチャーコレクション)》のほか、自分で色やパターンを決めて、自分だけのデザインが作れるモーイ・ワークスの「コンフィギュレーター」を体感できた。
自由なクリエイティビティで、インテリアを誰でも作り出せるようなシステムの提案は、個性豊かなデザイナーたちによる冒険的なコレクションを発表し続ける〈moooi〉からの招待状のようでもある。
展示アイテムの価格/¥344,000〜
会場では、マルセル・ワンダースなど、世界的に著名なデザイナーによってデザインされた《moooi Carpets Signatures Collection(モーイカーペット シグネチャーコレクション)》のほか、自分で色やパターンを決めて、自分だけのデザインが作れるモーイ・ワークスの「コンフィギュレーター」を体感できた。
自由なクリエイティビティで、インテリアを誰でも作り出せるようなシステムの提案は、個性豊かなデザイナーたちによる冒険的なコレクションを発表し続ける〈moooi〉からの招待状のようでもある。
展示アイテムの価格/¥344,000〜
通常は予約時のみ入れる〈inter office(インターオフィス)〉のショールームは、昨年独占契約した〈Knoll Studio(ノル スタジオ)〉より、ミース・ファン・デル・ローエの《バルセロナチェア》、エーロ・サーリネンの《チューリップチェア》などの永遠の名作を中心に充実したコレクションが展示し、一般公開していた。
建築家・デザイナーとしても有名な寺田尚樹が社長に就任。寺田氏は自ら〈Knoll Studio(ノル スタジオ)〉を代表するミッドセンチュリーの名作椅子の座面高を、日本仕様にデザイン性を損なうことなく20mm下げたものを、Knoll社に正式にデザインしてもらう交渉をとりつけた。また、座り心地が固めのアメリカより、日本人好みの柔らかな座り心地の、ヨーロッパ製品を取り扱う選択をした。「デザイン会社の社長はデザイナーがする」ということで、デザイナーに寄り添いつつも、消費者によりよいアイテムを提供する、ある意味真骨頂の展示でもあった。
展示アイテムの価格/¥39,000〜1,735,000
建築家・デザイナーとしても有名な寺田尚樹が社長に就任。寺田氏は自ら〈Knoll Studio(ノル スタジオ)〉を代表するミッドセンチュリーの名作椅子の座面高を、日本仕様にデザイン性を損なうことなく20mm下げたものを、Knoll社に正式にデザインしてもらう交渉をとりつけた。また、座り心地が固めのアメリカより、日本人好みの柔らかな座り心地の、ヨーロッパ製品を取り扱う選択をした。「デザイン会社の社長はデザイナーがする」ということで、デザイナーに寄り添いつつも、消費者によりよいアイテムを提供する、ある意味真骨頂の展示でもあった。
展示アイテムの価格/¥39,000〜1,735,000
ハイブランドショップで出会う、話題のデザイナーのプロダクト
〈ルイ・ヴィトン〉 では、2017年イタリア・ミラノのフォーリサローネ国際家具見本市の開催期間中に展示され話題を呼んだ、《オブジェ・ノマド コレクション》を展示。
吉岡徳仁の《ブロッサム・スツール》や〈アトリエ・オイ〉の《ハンモック》など、世界中の著名なクリエイターたちが、旅にインスパイアされたオブジェをデザイン。〈ルイ・ヴィトン〉の卓越した職人技で具現化している。
メゾンが誇る歴代のスペシャルオーダー製品にオマージュを捧げている同コレクションは、ルイ・ヴィトン 表参道店にてオーダー可能(一部を除く)で、10月31日まで4階で展示中。
展示アイテムの価格/¥445,000〜 要お問い合わせ
〈ルイ・ヴィトン〉 では、2017年イタリア・ミラノのフォーリサローネ国際家具見本市の開催期間中に展示され話題を呼んだ、《オブジェ・ノマド コレクション》を展示。
吉岡徳仁の《ブロッサム・スツール》や〈アトリエ・オイ〉の《ハンモック》など、世界中の著名なクリエイターたちが、旅にインスパイアされたオブジェをデザイン。〈ルイ・ヴィトン〉の卓越した職人技で具現化している。
メゾンが誇る歴代のスペシャルオーダー製品にオマージュを捧げている同コレクションは、ルイ・ヴィトン 表参道店にてオーダー可能(一部を除く)で、10月31日まで4階で展示中。
展示アイテムの価格/¥445,000〜 要お問い合わせ
原宿・キャットストリートの〈District UNITED ARROWS〉では、アートと建築家・プロダクトデザイナーとして、日本のみならず海外でも高い評価を受ける板坂 諭の最新作《Amaranth chair》が展示された。日本では今なお食品に多く使われている、発がん性の高い着色料「赤色2号=Amaranth」で染め上げたファブリックを使用した、まるまると太った椅子。「この椅子に座って、日本の “食” を改めて見つめ直したいと考えています」と、板坂氏。
個人的には、映画『千と千尋の神隠し』の中で、主人公の両親がむさぼり食べているうちに豚になっていくシーンを思い浮かべた。
展示アイテムは期間中に完売
個人的には、映画『千と千尋の神隠し』の中で、主人公の両親がむさぼり食べているうちに豚になっていくシーンを思い浮かべた。
展示アイテムは期間中に完売
南青山・フロムファーストビルの裏にある、〈マッキントッシュ〉のショーウィンドウには、《akita-nda》と名づけられた美しい天然杉のわっぱと漆のオブジェが。木がこれだけの径に成長するには200年かかるのだそう。
世界的に注目を浴びるフランス人デザイナー、フィリップ・ニグロ氏がモダンに昇華させた、秋田の伝統工芸品である漆器と曲げわっぱのブランド《nda(ンダ)》。東西の融合が生み出したこの美しいコレクションのアートディレクションは、川本真人が担当。ユニークなネーミングは、秋田の方言を面白いと思ったニグロ氏によるものとのエピソードを、漆器の作り手の佐藤氏(写真)はうれしそうに話してくれた。
展示アイテムの価格/¥250,000〜
展示アイテムの価格/¥250,000〜
明治通り沿いの〈TOMORROWLAND〉渋谷本店では、テキスタイルデザイナーの香月裕子による《七変化〜Shichihenge〜》をテーマにした展示が 。和紙のシールをコラージュしたクッションは、国が重要無形文化財に指定した岩野市兵衛氏の越前和紙を使用し、宮城県の南三陸町で縫製。折り紙の形をデザインしたラグは京都で、枯山水をテーマにしたラグは山形で制作された。
日本人アーティストならではのクリエーション、増えつつある海外からの来客者にも、東京のアート・カルチャーシーンを効果的にアピールしていた。
展示アイテムの価格/¥15,000〜
日本人アーティストならではのクリエーション、増えつつある海外からの来客者にも、東京のアート・カルチャーシーンを効果的にアピールしていた。
展示アイテムの価格/¥15,000〜
明日のデザイン界のスターを見つける楽しみ
収益事業化のプラットホームと繋がった企画が新鮮だった、「プロトタイプ展」。さまざまな分野のクリエイターが創造のプロセスで制作した試作品や、クラウドファンディング「CAMPFIRE」で実現を目指すアイデアなどを展示。商品になる前の過程そのものを見せるような展示方法もユニーク。新たな出口戦略として確立できる予感のする、見応えある作品が数多くあった。
写真は、法政大学デザイン工学部システムデザイン学科の守屋輝一の作品。東京の新島と、イタリアのリパリ島だけで採掘される「抗火石」の特性を活かしたミニコンロ《KOGA Electric cooktop》。遠赤外線で600℃で調理ができ、外側は石の持つ断熱性のおかげで触れても熱くない。現在は調理の実用性アップのため温度やサイズの検証と調整の最中だとか。サイズ感や風合いもよく、高級旅館等での利用に需要があるのでは。目下一緒に製造できる企業を探している最中とのこと。
収益事業化のプラットホームと繋がった企画が新鮮だった、「プロトタイプ展」。さまざまな分野のクリエイターが創造のプロセスで制作した試作品や、クラウドファンディング「CAMPFIRE」で実現を目指すアイデアなどを展示。商品になる前の過程そのものを見せるような展示方法もユニーク。新たな出口戦略として確立できる予感のする、見応えある作品が数多くあった。
写真は、法政大学デザイン工学部システムデザイン学科の守屋輝一の作品。東京の新島と、イタリアのリパリ島だけで採掘される「抗火石」の特性を活かしたミニコンロ《KOGA Electric cooktop》。遠赤外線で600℃で調理ができ、外側は石の持つ断熱性のおかげで触れても熱くない。現在は調理の実用性アップのため温度やサイズの検証と調整の最中だとか。サイズ感や風合いもよく、高級旅館等での利用に需要があるのでは。目下一緒に製造できる企業を探している最中とのこと。
DESIGNART 2017には参加していないものの、同時期に六本木・AXISビル地下1階の〈SYMPOSIA〉では、国際経験を積んだ日本の若手デザイナーを紹介する展示会「RE-IMPORTATION 02」の第2回目が開催された。スイスにあるローザンヌ州立美術大学(ECAL)を卒業した有志4名が2016年に発起。松澤剛(E&Y)や山田遊(method)の協力を受け、南青山で開かれた第1回目の展示会に続き、非常に濃い内容の展示会となっていた。
「若いデザイナーが東京で作品を発信するイベントや、若者自体も減っている。それなら自分たちで展覧会を開こう」という想いで、同時多発的に質の高いイベントが開かれる状況は、非常に心強いものだと感じた。
写真は、極細のステンレスに、日本一薄い土佐和紙を張った、坂下 麦による影を楽しむ照明。工芸的な作品の質感と、壁に落ちるCGのような影のギャップがユニークだ。
「若いデザイナーが東京で作品を発信するイベントや、若者自体も減っている。それなら自分たちで展覧会を開こう」という想いで、同時多発的に質の高いイベントが開かれる状況は、非常に心強いものだと感じた。
写真は、極細のステンレスに、日本一薄い土佐和紙を張った、坂下 麦による影を楽しむ照明。工芸的な作品の質感と、壁に落ちるCGのような影のギャップがユニークだ。
デザインとアートで彩られた72カ所の展示会場は、とても1週間では回りきれないほどのボリューム。「明日はどんな美しいものが見られるだろう!」と、毎晩寝つけないほど楽しい1週間だった。
東京でデザイン界のスターが生まれる土壌を確実に作っているように感じた。来年の開催日もすでに決まっていて、今から非常に楽しみだ。
コメント募集中
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東京でデザイン界のスターが生まれる土壌を確実に作っているように感じた。来年の開催日もすでに決まっていて、今から非常に楽しみだ。
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画期的なコンセプトの「デザイナート」素晴らしいの一言でしたね。
74会場の展示の中から抽出した密度の濃いレポートをありがとうございます!
1週間でマラソンしても15会場?がやっとでした(笑)観たところも逃したところもこの情報はとても参考になりました^^
ヒジュンカスヤ様
大変嬉しいコメントをありがとうございます。
デザイナート、楽しかったですよね。
実は他にも素晴らしい展示や骨太な企画展が沢山ありました。
そちらも、今後ちがった切り口で是非ご紹介させて下さいませ。
土橋陽子