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幾何学デザインで空間を分けて。視覚効果を利用した柔らかな色の家
フローティング家具を配置し、目の錯覚を利用して細長い部屋を最大限使えるように改造しました。
Евгения Назарова
2018年6月6日
ロシアの多くの人たちが週末を過ごす菜園付き別荘「ダーチャ」。モスクワ近郊に住むオーナー夫妻が田園地帯の小さなダーチャにやってきたのは2、3年前だったが、家づくりはまだ完成していない。リビングにどう家具を配置するか、決まらないまま時が過ぎていたのだ。家族で過ごしたり、ゲストを招いたりするときに、リビングではなくキッチンに集まるのをいい加減やめたいと思っていたところ、ロシアの人気リノベーション番組「Dachniy Otvet (ダーチャの問題を解決)」の企画で取り上げてもらうチャンスがやってきた。
夫妻のプロジェクトが滞ってしまった理由のひとつは、ふたりが重視するポイントが違っていたことだった。妻は家具を最小限に抑えたいと考えていたが、夫は机を置いて小さなオフィススペースを作りたいと思っていた。デザインを担当したヴィクトーリア・コルネーヴァさんとアンナ・ベズプロズワンニフさんは、双方の要望をかなえながら、光にあふれ視覚的効果を多用した完璧なリビングルームを作り上げた。
(Photos by Yuri Grishko)
夫妻のプロジェクトが滞ってしまった理由のひとつは、ふたりが重視するポイントが違っていたことだった。妻は家具を最小限に抑えたいと考えていたが、夫は机を置いて小さなオフィススペースを作りたいと思っていた。デザインを担当したヴィクトーリア・コルネーヴァさんとアンナ・ベズプロズワンニフさんは、双方の要望をかなえながら、光にあふれ視覚的効果を多用した完璧なリビングルームを作り上げた。
(Photos by Yuri Grishko)
どんなリビングルーム?
部屋の住まい手:夫婦と娘
所在地:ロシア、モスクワ近郊
規模:20平方メートル
設計:ヴィクトーリア・コルネーヴァ、アンナ・ベズプロズワンニフ〈SHKAFインテリア・アーキテクツ〉
コルネーヴァさんたちが手がけることになった部屋は複雑だった。天井高は2.2メートルほどしかなく、壁に木製パネルを張った細長い部屋は家具を機能的に配置するのが難しかった。
コルネーヴァさんとベズプロズワンニフさんは空間の短所を隠すため、部屋を幾何学的デザインに大胆に変えることにした。空間を視覚的に区切り非対称のふたつのエリアに分けた。壁のパネリングと樹脂素材で空間を分け、照明づかいで強調した大胆な幾何学的ゾーニングで、ひとつの空間にオフィスエリアとくつろげるリビングエリアを設けた。
ロシアの住まいの写真を見る
部屋の住まい手:夫婦と娘
所在地:ロシア、モスクワ近郊
規模:20平方メートル
設計:ヴィクトーリア・コルネーヴァ、アンナ・ベズプロズワンニフ〈SHKAFインテリア・アーキテクツ〉
コルネーヴァさんたちが手がけることになった部屋は複雑だった。天井高は2.2メートルほどしかなく、壁に木製パネルを張った細長い部屋は家具を機能的に配置するのが難しかった。
コルネーヴァさんとベズプロズワンニフさんは空間の短所を隠すため、部屋を幾何学的デザインに大胆に変えることにした。空間を視覚的に区切り非対称のふたつのエリアに分けた。壁のパネリングと樹脂素材で空間を分け、照明づかいで強調した大胆な幾何学的ゾーニングで、ひとつの空間にオフィスエリアとくつろげるリビングエリアを設けた。
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天然木に近い見た目のパーティクルボード(木質ボード)をリビングエリアの床、壁、天井に用い、ひと続きの空間に見せた。飾り気のない幾何学的な内装に、ピンク系のファブリックが柔らかさを加える。オフィスエリアは樹脂素材のフローリングでなめらかかつシームレスに仕上げ、壁も同系色の水溶性塗料でペイントした。
ふたつのゾーンの境目にはLEDのストリップライトが壁面を斜めに横切る。LEDはマットなディフューザーでカバーし、柔らかな光が拡散されるようにした。
ふたつのゾーンの境目にはLEDのストリップライトが壁面を斜めに横切る。LEDはマットなディフューザーでカバーし、柔らかな光が拡散されるようにした。
家具が場所をとって空間を狭くしたくないという妻の要望のため、リビングエリアには典型的なタイプのソファをやめ、フローティングスタイルのソファを2つ置いた。シートを支える脚部分は見えない構造になっていて、ソファの下に取り付けたLED照明で軽やかな印象に見せている。
人を招くのが好きな夫妻のもとには友人や親類が訪ねてくることも多い。幅90センチほどあるソファはゲスト用ベッドとしても使える。
人を招くのが好きな夫妻のもとには友人や親類が訪ねてくることも多い。幅90センチほどあるソファはゲスト用ベッドとしても使える。
リビングの特徴のひとつが、両端に向かい合って配置された2ヵ所の窓だ。もともと窓だったが、今回のリノベーションで既存のサイズから1.5倍大きくした。
その結果、机まわりにかなり光が入るようになった。奥行があり横に長い机はゲストが来たときはビュッフェ形式のテーブルにもなる。両側のシェルフは宙に浮いているかのよう。
その結果、机まわりにかなり光が入るようになった。奥行があり横に長い机はゲストが来たときはビュッフェ形式のテーブルにもなる。両側のシェルフは宙に浮いているかのよう。
三角形のTV台も視覚的に面白い効果を生んでいる。まるで左下の1点で支えているかのようだ。TV台の右側が玄関扉だが、扉のハンドルがなければそうとわからない。扉は隠しちょうつがいで留めてあり、ドア枠はない。壁と同じ色でペイントした。
LEDストリップライトや天井の円筒形ライト、ペンダントライトなどさまざまな種類の照明が、空間の幾何学的デザインを強調し、どんなシチュエーションにも対応した演出ができる。
リビングの照明の写真をみる
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世界の暮らしとデザイン:家族の歴史を紡ぐ美しきロシアの別荘、ダーチャ
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