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高齢犬のいる暮らし、快適に過ごすためのヒント
飼い主として高齢の大型犬の介護をした体験と、インテリアのプロの知識の両面から、シニア犬と暮らすための心得とヒントをご紹介します。
ブラッキン・ヘザー
2017年11月11日
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
著書「ふつうの住まいでかなえる外国スタイルの部屋づくり(文藝春秋)
Interior decoration and storage space planning in Tokyo, Japan. English/Japanese bilingual, with interior design and decoration experience in Europe and Japan.
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
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我が家には、11歳になったメスのビアデッドコリー、ボニーがいます。ボニーは我が家で飼った2匹目のビアデッドコリー。5歳上のお兄ちゃんのベイリーは、4年前に「虹の橋」を渡って天国へ行きました。それまでの7年間は2頭飼いだったので、ボニーはベイリーに比べて子供っぽく、子犬のような仕草や表情が抜けませんでした。11歳の今も、私たち家族は彼女が「老犬」になったことをつい忘れてしまい、子犬扱いをしてしまいます。とはいえ、ほんの最近までかなり活発だったボニーも、加齢に伴い少しずつ耳も遠くなり、通院の回数も増え、ベイリーで経験した考えさせられる問題もいろいろ出てきました。認めたくはなくても、11歳の大型犬といえばもうとっくに「おばあちゃん」になっているのが現実です。
犬は大きさや種類によって老犬、高齢犬、シニア犬と呼ばれる年齢が異なりますが、一般的には7歳から10歳ごろからといわれています。高齢になれば、飼い主と犬、ともに暮らし方を調整することが必要になります。ベイリーの闘病や介護生活の体験から得たことを踏まえ、これからボニーの老後の生活をいかに快適にしてあげるかを考えながら、今回はシニア犬のケアについて注意したいことを挙げたいと思います。
犬は大きさや種類によって老犬、高齢犬、シニア犬と呼ばれる年齢が異なりますが、一般的には7歳から10歳ごろからといわれています。高齢になれば、飼い主と犬、ともに暮らし方を調整することが必要になります。ベイリーの闘病や介護生活の体験から得たことを踏まえ、これからボニーの老後の生活をいかに快適にしてあげるかを考えながら、今回はシニア犬のケアについて注意したいことを挙げたいと思います。
高齢犬が住みやすい住環境をつくる
いきなり家の中に入れるのに抵抗があるなら、玄関など土間のスペースに愛犬のコーナーをつくってあげては。突然の環境の変化は犬にとってストレスになることもあるので、元気なうちに少しずつ室内でも過ごせるように慣らしておくとよいでしょう。
- 基本的に室内で面倒をみる
いきなり家の中に入れるのに抵抗があるなら、玄関など土間のスペースに愛犬のコーナーをつくってあげては。突然の環境の変化は犬にとってストレスになることもあるので、元気なうちに少しずつ室内でも過ごせるように慣らしておくとよいでしょう。
- 床の滑り止め対策
ペットが歩く場所や寝る場所に、クッションタイルやタイルカーペットを敷くのはよい方法です。タイルカーペットは色も豊富にあるので、インテリアに合わせやすく、アクセントにもなります。
フローリングを滑りにくくするためのコーティング剤も出回っています。塗布するとグリップ性が強化されるので滑りにくくなり、ペットの足腰の負担を軽減してくれます。市販の愛犬グッズにも、滑り止めマットや、滑り止めつき靴下など便利なものもあるので、探してみるとよいでしょう。
- 階段の安全対策
友人の愛犬で、ぎっくり腰を繰り返し、軽い散歩は問題ないけれど階段の上り下りが難しくなった子がいました。友人は愛犬のために、ホームセンターで木材を買ってきて、玄関前の階段にスロープを作ったそうです。
上り下りが辛そうなら、できるだけ階段を避けるよう、ゲートを取り付けるのも一案。我が家のボニーは10歳のときに腰痛になり、獣医師から階段の上り下りを極力避けるように言われました。大型犬は抱きかかえるわけにもいかず、常に家族と一緒にいられないのも寂しいですが、限られたスペースでの生活に慣らす必要もありました。
足腰に問題がなくても、留守中や夜間、飼い主が見ていられないときの事故を予防するためにも、階段まわりの対策を考えることは大切です。
犬用ゲートの写真を見る
足腰に問題がなくても、留守中や夜間、飼い主が見ていられないときの事故を予防するためにも、階段まわりの対策を考えることは大切です。
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- 十分な温度管理
夏も冬も部屋の温度設定に注意しましょう。また、夏には冷却グッズを使ったり、冬は床に温かいマットを敷き、ウェアなど防寒グッズを使うと快適に過ごせます。
犬用ベッドの写真を見る
こちらもあわせて
ペットが安全で快適に夏を過ごすためのポイント
身体の健康や衛生的なケアを心がける
また、何かが起きたときだけではなく、定期的に健康診断を受けるのもおすすめです。若いうちは少なくても年に一度、高齢になってからは半年に一度は健康診断を受けるとよいと言われています。
歯周病も体調に影響しますし、口臭の原因ともなるので、歯磨きも定期的に続けることを心がけましょう。
- 健康診断は定期的に
また、何かが起きたときだけではなく、定期的に健康診断を受けるのもおすすめです。若いうちは少なくても年に一度、高齢になってからは半年に一度は健康診断を受けるとよいと言われています。
歯周病も体調に影響しますし、口臭の原因ともなるので、歯磨きも定期的に続けることを心がけましょう。
- 体の変化に合わせてフードを調整
ただ、7歳になったらすぐにフードを変える必要があるかどうかは、その子によっても違います。体調や運動量など、総合的に見ながら、獣医師と相談されるのがベストです。体質や持病によっては、獣医さんから処方食をすすめられることもあります。
- 散歩も体調、体力に合わせて
ただ、若いときほど長く歩けなくなってくるので、決して無理をさせないことも大切です。歩くのが辛くなってきたとしても、小型犬なら抱っこしながら、大型犬ならカートに乗せて、ときどき外の空気に触れさせれば、犬にとって良い刺激になり、ストレス解消にもなります。
近所に住む高齢の大型犬の飼い主さんは、愛犬が歩けなくなっても、毎日欠かさずカートに乗せて公園へ連れて行き、芝生の上でのんびり過ごさせていました。大好きな芝生が気持ちよかったのでしょうか、歩けなくても、その子はいつも幸せそうな表情でした。通りがかりの人たちに尻尾を振って挨拶をしていた姿を今でも覚えています。飼い主さんは大変だったと思いますが、「貴重な時間をこうやって過ごせ、よい思い出ができたので心残りはない」と言っていたのがとても印象的でした。
トイレのケア
高齢になってくると、それまでは問題なかったトイレが上手にできなくなることもあります。私も、愛犬ベイリーの介護のときにいろいろ苦労しました。立ち上がるのがおっくうになり、外に出るまで我慢ができずに起きてしまった、家の中でのアクシデントもありました。
でもそんなときでも叱ったりせず、ネガティブな感情は出さずに、さっと床や体を拭いてあげましょう。申し訳なさそうな表情で私を見つめるベイリーを見ると、彼にとっても家でのトイレのアクシデントは辛いことなのが分かりました。彼のプライドを傷つけないよう、何事もなかったように、私は鼻歌を歌いながら床を拭いたりしたのを覚えています。
今まで外でしかトイレをしなかった子は、トイレシートに慣らすのもひとつの方法です。少しだけおしっこの臭いをつけておくと「ここでトイレをする」と認識してくれる場合もあります。おむつを使うという選択肢もありますが、汚れたままだと衛生にもよくないし、膀胱炎の原因となることもあるので、こまめに取り替えることが大切です。
高齢になってくると、それまでは問題なかったトイレが上手にできなくなることもあります。私も、愛犬ベイリーの介護のときにいろいろ苦労しました。立ち上がるのがおっくうになり、外に出るまで我慢ができずに起きてしまった、家の中でのアクシデントもありました。
でもそんなときでも叱ったりせず、ネガティブな感情は出さずに、さっと床や体を拭いてあげましょう。申し訳なさそうな表情で私を見つめるベイリーを見ると、彼にとっても家でのトイレのアクシデントは辛いことなのが分かりました。彼のプライドを傷つけないよう、何事もなかったように、私は鼻歌を歌いながら床を拭いたりしたのを覚えています。
今まで外でしかトイレをしなかった子は、トイレシートに慣らすのもひとつの方法です。少しだけおしっこの臭いをつけておくと「ここでトイレをする」と認識してくれる場合もあります。おむつを使うという選択肢もありますが、汚れたままだと衛生にもよくないし、膀胱炎の原因となることもあるので、こまめに取り替えることが大切です。
グルーミング時間をできるだけ短縮
筋力も弱ってくるので、長時間立っているブラッシングやシャンプー、ブローも犬にとってはかなりの負担です。とはいえ、高齢犬になっても清潔を保つことは重要。グルーミングの時間をできるだけ短縮する方法を考えましょう。
たとえば我が家の愛犬ベイリーの場合、だいぶ弱ってきたと感じたあるとき、思い切って毛を短くカットしてもらいました。そのおかげでお手入れの時間が短くなり、トイレの失敗があっても部分的に洗ったり、簡単に拭いたりできるようになりました。
毛玉ができるとブラッシングの時間が長くなってしまい、皮膚の蒸れにもつながるので、毎日短時間のブラッシングも欠かさないようにしましょう。
筋力も弱ってくるので、長時間立っているブラッシングやシャンプー、ブローも犬にとってはかなりの負担です。とはいえ、高齢犬になっても清潔を保つことは重要。グルーミングの時間をできるだけ短縮する方法を考えましょう。
たとえば我が家の愛犬ベイリーの場合、だいぶ弱ってきたと感じたあるとき、思い切って毛を短くカットしてもらいました。そのおかげでお手入れの時間が短くなり、トイレの失敗があっても部分的に洗ったり、簡単に拭いたりできるようになりました。
毛玉ができるとブラッシングの時間が長くなってしまい、皮膚の蒸れにもつながるので、毎日短時間のブラッシングも欠かさないようにしましょう。
心のケアもで不安を除く
- スキンシップを大切に
- プライドを傷つけず自信を持たせる
昔は車の荷台なんて簡単に飛び乗ることができたのに、失敗するようになったときには、ひょいと手を添えて支えてあげて、まるで自分で乗ったように誉めたりしました。犬は飼い主に誉められることが何よりもうれしいことです。自信を持たせるためのサポートも大切だと思っています。
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高齢犬との暮らしで気づいたこと、気をつけていることがあれば、コメント欄で教えてください。
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