1/3の時間で、3倍片づく家事動線のルールとは?
毎日の家事にかける時間を少しでも短くできたら、と思うことはありませんか? 家事の手間を省きつつ、効率よく美しく整えるための動線づくりのポイントを解説します。
Rie Horiguchi
2018年4月5日
「家の中を、見た目よく美しく整えたい。家事を効率よくしたい。家族が自分で片づけられるようになって欲しい」というイメージはあるものの、仕事や育児に追われてしまう。物を捨てたり、収納グッズを増やしたりしてみても、うまくいかないという声をよく伺います。実は住まいを効果的に整え、家族が自然と片づけ上手にするためには、人の自然な体や視線の動きを意識した仕組みづくりが重要です。仕組みを整え、家事を効率的に片づけて、心と時間にゆとりが生まれる生活を手に入れましょう。
1. 玄関は人と物が行き交う交差点だと考える
玄関は家の中でいちばん人と物が往来する場所です。そのため、置きたい物が多く、散らかりやすくなりがちです。一方で、家に帰ったときに最初に目にし、お客様をお迎えする場所でもあるため、美しさを持続させるアイデアを採用しておくことが大切です。
玄関は家の中でいちばん人と物が往来する場所です。そのため、置きたい物が多く、散らかりやすくなりがちです。一方で、家に帰ったときに最初に目にし、お客様をお迎えする場所でもあるため、美しさを持続させるアイデアを採用しておくことが大切です。
家づくりを考えるときは、靴やコート類はもちろん、ガーデニンググッズやスポーツ用品、ベビーカーなどを置く空間を設けておくとよいでしょう。普段は開けっぱなしでも、いざというとき隠せるよう扉があると便利です。
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- ガーデンニンググッズやスポーツ用品は、靴を履いたまま取れる場所に置く
- 出かけるときに忘れがちなティッシュやハンカチは、玄関に置いておく
- 紙ゴミは、捨てやすいよう玄関付近に置き場をつくる
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また、玄関にはフォーカルポイントをつくりましょう。住まいの印象がアップするのはもちろん、フォーカルポイントに視線が引き寄せられるため、見せたくない物に目線が行きにくくなるというメリットが生まれます。デザイン性の高い椅子やアート作品、季節のお花やグリーンなどがおすすめです。夜に来客が多い場合は、照明器具を活用した光の演出でお客様を迎えましょう。
2. リビングこそ収納力を確保する
家族が集うリビングは、物を置きたくないと思うものの、新聞やダイレクトメール、学校からのお知らせ、おもちゃ、子供の勉強道具、薬など、ありとあらゆる物が集まりやすい場所です。その反面、リビングに設ける収納が少ないプランが多いように感じます。
家づくりを計画されている場合には、普段何が置きっぱなしになっているかをイメージしながら、収納計画を進めましょう。具体的に見直すポイントをいくつかご紹介します。
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家づくりを計画されている場合には、普段何が置きっぱなしになっているかをイメージしながら、収納計画を進めましょう。具体的に見直すポイントをいくつかご紹介します。
書籍や生活雑貨は色やサイズがバラバラで、きちんと整理整頓していても、見た目の印象は雑然となりがちです。解決策として、本棚や収納スペースを階段脇やリビングそばの見えにくい場所に移動するのはいかがでしょう。
カラフルな物が目に入らなくなるだけでも、リビングは驚くほどすっきりした印象に生まれ変わります。
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ちなみに我が家では、PCやプリンター、書籍、文房具、雑貨などは、リビング脇のユーティリティで一括管理しています。PC作業中に来客があるときも、扉を閉めれば、作業の途中で机の上を片づける必要もないので、とても重宝しています。
子供のおもちゃ、絵本はキャスター付きの収納がおすすめです。空間を無駄なく使えるのはもちろん、子供が一人で片付けるのを手助けしてくれます。
3. 見せる収納は、魅せるを意識する
クライアントの方から「見せる収納にしたい」というご要望をいただくことがありますが、見せる収納は、色合わせを考えたり、空間に余白を持たせたりして、人を魅了するための収納です。
つまり、とにかく物をたっぷり収納したい、見た目はともかく機能性を重視したいという場合には、不向きなこともあると心得ておきましょう。
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4. キッチンは1つ1つの作業動線をイメージする
食器棚には食器を置き、シンク脇のカトラリー収納にはカトラリーを置くなど、収納に合わせて物の位置を決めてしまうことが多いと思います。でも実際は、収納に合わせ過ぎてしまうと、家事動線が長くなったり、使いにくくなるケースもあるのです。特にキッチンは、家の中でもたくさんの物を管理し、さまざまな作業をする場所ですから、収納にとらわれ過ぎないようにしましょう。
食器棚には食器を置き、シンク脇のカトラリー収納にはカトラリーを置くなど、収納に合わせて物の位置を決めてしまうことが多いと思います。でも実際は、収納に合わせ過ぎてしまうと、家事動線が長くなったり、使いにくくなるケースもあるのです。特にキッチンは、家の中でもたくさんの物を管理し、さまざまな作業をする場所ですから、収納にとらわれ過ぎないようにしましょう。
たとえば、食洗機の前の収納を食器スペースにすることで、動かずそのまま食器をしまうことが可能になります。
- 水を入れて調理するお鍋は、コンロ下ではなく、シンク下に置く
- カトラリーは、ダイニング側に置くと、取り出しやすい
- 朝食の準備を短縮するため、食材をパン用、ご飯用などとグルーピングしておく
5. 洗濯は2つの動線を考える
洗濯は他の家事と比べ、
洗う→干す→取り込む→たたむ→クローゼットに戻す
と工程が多く、洗濯物を片付けるまでにはタイムラグが生じるため、作業の途中でほかの用事を済ませることがよくあります。洗濯物の悩みを解消するには、洗濯をするときの動線はもちろん、洗濯物を取り込んでしまう動線もしっかりイメージしておくことが大切です。
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洗う→干す→取り込む→たたむ→クローゼットに戻す
と工程が多く、洗濯物を片付けるまでにはタイムラグが生じるため、作業の途中でほかの用事を済ませることがよくあります。洗濯物の悩みを解消するには、洗濯をするときの動線はもちろん、洗濯物を取り込んでしまう動線もしっかりイメージしておくことが大切です。
洗濯をするときの動線は、洗濯機の置き場所とキッチンの距離を気にされる方が多いように感じます。でも、実際の暮らしのなかでは、キッチンと洗濯機の置き場所までの距離より、洗濯機と物干しスペースが近い方が、濡れた洗濯物を運ぶ手間も不要で、家事は断然スムーズに運びます。
さらに、物干しスペースのそばに、ファミリークローゼットを設けたり、収納を置いたりなどすると、洗濯物を運ぶ手間が省けます。空間に余裕がない場合には、タオルや下着類、パジャマなど入浴時の着替えだけ置いておくのもよいでしょう。また、衣類はハンガーに掛ける、たたまずカゴに入れるだけでOKにするなど、子供でもできるルールを採用すると、家族が協力してくれる機会も多くなります。
さらに、物干しスペースのそばに、ファミリークローゼットを設けたり、収納を置いたりなどすると、洗濯物を運ぶ手間が省けます。空間に余裕がない場合には、タオルや下着類、パジャマなど入浴時の着替えだけ置いておくのもよいでしょう。また、衣類はハンガーに掛ける、たたまずカゴに入れるだけでOKにするなど、子供でもできるルールを採用すると、家族が協力してくれる機会も多くなります。
6. 洗面室やトイレで使う物は、まるごと収納する
洗面室は顔を洗ったり、歯を磨いたり、化粧をしたり、ひげをそったりなど、グルーミングをするため、多種多様な物が集まる場所です。トイレもトイレットペーパーやサニタリー用品、掃除道具など、思いのほか収納したい物があります。
洗面室は顔を洗ったり、歯を磨いたり、化粧をしたり、ひげをそったりなど、グルーミングをするため、多種多様な物が集まる場所です。トイレもトイレットペーパーやサニタリー用品、掃除道具など、思いのほか収納したい物があります。
- 必要な物は何か?
- どこに置きたいか?
- ストックする量はどのくらいか?
など、リストアップしてみるとよいでしょう。
家事時間を短縮し、省力化する最大のポイントは、使う物は使う場所に置くことと、すぐに取り出せることです。収納付きの化粧鏡を選んだり、タオルやグルーミンググッズを置けるスペースを確保しておくだけでも、出しやすく戻しやすくなります。
毎日感じる小さなモヤモヤは、気づいたときに丁寧に取り除いておくことが大切です。「忙しいから、あとでやろう」と見て見ないふりをしてしまうと、大きなストレスになるだけでなく、自分の時間を奪う原因にもなりかねません。
今まで当たり前だったことを、ほんの少しだけ変えてみる。その小さな積み重ねこそが、日々の家事を劇的にスムーズにする源となるのです。
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ran komaさま
風通しの良い部屋を物干しスペースと兼ファミリークローゼットとして活用されているのですね。洗濯物のルーティーンが確立されているようで、暮らしの様子がありありとイメージできました。
5. のアドバイスどおりに入浴時の着替えだけ浴室の隣の洗面室兼室内物干しスペースに収納を移動させたら、動線が短くなって時短につながり、リビングに畳んだ洗濯物が一時的にある状態がなくなりました。ありがとうございます!
chamusumeさま
さっそく実践してくださり、ありがとうございます。きっと心地よさをご体感されたのではないでしょうか。こうした小さな仕組みの積み重ねが、住まいを快適にしてくれますので、これからも色々試してみて下さい。