コメント
浴衣の季節。着る前も着た後も丸ごとたっぷり楽しんで、四季折々を装う喜びを
今年の夏は浴衣を着ませんか? 収納用品の企画販売を行なっている筆者が、浴衣の準備や洗い方、収納の方法まで伝授します!
宇野由紀子
2017年7月7日
株式会社テンネット代表
impress & organize 店主
ライフテクスチャリスト
質感研究室室長
企画プロダクション勤務を経て、収納用品メーカーで商品開発を手がけ役員も務める。2002年に整理収納用品のWEBショップ「収納の巣」を立ち上げ、2012年に運営会社である株式会社テンネットの代表取締役に。暮らしにスムーズをもたらす収納はもとより、自分の“好き”を探求し、自分らしくモノを持つことも収納の役割と考え、研究・企画・創作。2016年にスタートした収納レーベル「VIVIDEEP」では好きとつながり深める装置としての収納ツールを追求している。2017年に収納の巣本店の名称を「impress & organize」に改め、同時に新プロジェクト「質感研究室」もスタート。モノゴトを好きと感じる理由に質感が関係しているとの自論をベースに、好きを手繰り寄せるセンサーを研ぎ磨くことをテーマにしている。
嵯峨美術大学 デザイン学科 生活プロダクト領域 非常勤講師
株式会社テンネット代表
impress & organize 店主
ライフテクスチャリスト
質感研究室室長
企画プロダクション勤務を経て、収納用品メーカーで商品開発を手がけ役員も務める。2002年に整理収納用品のWEBショップ「収納の巣」を立ち上げ、2012年に運営会社である株式会社テンネットの代表取締役に。暮らしにスムーズをもたらす収納はもとより、自分の“好き”を探求し、自分らしくモノを持つことも収納の役割と考え、研究・企画・創作。2016年にスタートした収納レーベル「VIVIDEEP」では好きとつながり深める装置としての収納ツールを追求している。2017年に収納の巣本店の名称を「impress... もっと見る
夏は浴衣の季節です。絹の着物と違って洗える素材のものも多く、着付けも比較的簡単。気軽に袖を通せるのがいいところです。でも気づいたら一度も着ないまま9月になっちゃった、なんてことはありませんか? 四季折々を装う喜びを知っているわたしたち日本人。今年の夏は思う存分浴衣を楽しめるように、準備のこと、着たあとのこと、収納のこと、コーディネートのこと、楽しく向き合って、モチベーションUPといきましょう。
ようこそ! 今日は大阪は土佐堀のわたしたちのショールームからご案内していきます。
収納用品の企画・販売をしているオンラインストア〈impress & organize〉の拠点がこちら〈ROOM10〉。靴を脱いで上がっていただく大きなリビングルームのようなスペースで、お客様に商品をお試しいただくことはもちろん、わたしたち自身、家にいるような感覚でいろいろなアイデアを育てています。
収めることだけが収納でなく、モノを活かし楽しめてこそ収納。そんな思いをお伝えしたくて「ココロとモノのハッピーな関係づくり」をテーマにしたワークショップなどを行なっているのもこのスペース。箪笥の肥やしになりがちな着物を活かして楽しむためのコーディネートの勉強会や、着る機会をつくるためのイベントなども「イカスキモノ」という活動名で行なっています。
こちらもあわせて
涼しさを呼ぶ、日本の夏の風物詩17選
収納用品の企画・販売をしているオンラインストア〈impress & organize〉の拠点がこちら〈ROOM10〉。靴を脱いで上がっていただく大きなリビングルームのようなスペースで、お客様に商品をお試しいただくことはもちろん、わたしたち自身、家にいるような感覚でいろいろなアイデアを育てています。
収めることだけが収納でなく、モノを活かし楽しめてこそ収納。そんな思いをお伝えしたくて「ココロとモノのハッピーな関係づくり」をテーマにしたワークショップなどを行なっているのもこのスペース。箪笥の肥やしになりがちな着物を活かして楽しむためのコーディネートの勉強会や、着る機会をつくるためのイベントなども「イカスキモノ」という活動名で行なっています。
こちらもあわせて
涼しさを呼ぶ、日本の夏の風物詩17選
今日のテーマは浴衣を満喫する! です。浴衣は絹の着物よりも気軽に着られるとはいえ、7月と8月の2ヶ月が勝負となると「あれ、着損なっちゃった」なんてことにすぐになってしまいます。お出かけの予定がある人もまだの人も、箪笥から引っ張り出して1年ぶり(もしかしてもっと?)のウキウキの再会といきませんか?
コーディネートをあれこれと考えているうちに嬉しくなってくるのはわたしだけではないはずです。写真は夏用の名古屋帯や半幅帯、帯締めや帯留などの小物を合わせて組み合わせを考えているところ。同じ浴衣でも様々な印象がつくれますね。これ! という組み合わせが決まったら箪笥には戻さずに……
コーディネートをあれこれと考えているうちに嬉しくなってくるのはわたしだけではないはずです。写真は夏用の名古屋帯や半幅帯、帯締めや帯留などの小物を合わせて組み合わせを考えているところ。同じ浴衣でも様々な印象がつくれますね。これ! という組み合わせが決まったら箪笥には戻さずに……
目に入るところに出しておけるといいですね。浴衣は着物ハンガーに吊るしておくとシワなども点検できてお出かけ前に慌てることがないですし、帯も合わせる小物類と一緒にハンガーに掛けておくことで、お出かけまでのワクワクもキープ。いざ着る時に迷うこともありません。ズボン用のハンガーを使えば掛け外しがとっても楽なので、スタンバイだけでなく、着た後の帯を風通しをする際にもわたしは活用しています。
浴衣を着物ハンガーで大きく広げるスペースがない場合は畳んだままズボン用ハンガーに吊るすことも。その時は袖がたらりと垂れ下がらないよう、袖ごと吊るしてください。
浴衣を着物ハンガーで大きく広げるスペースがない場合は畳んだままズボン用ハンガーに吊るすことも。その時は袖がたらりと垂れ下がらないよう、袖ごと吊るしてください。
少し話が戻りますが、前述の活動「イカスキモノ」は「活かす着物」という意味でもあります。例えば昔むかしに着ていた浴衣、「歳を重ね、もう着れない……かと言って手放せない……」とおっしゃる方がたくさんいます。そんな方へは「組み合わせを工夫すれば大丈夫。まだまだ活かせますよ」とお答えします。
わたしも高校生の頃に着ていたこのあじさい柄の浴衣を長年のブランクを経て救出。当時合わせていたのは真っ黄色の半幅帯ですが、今気に入っているのは次の写真のコーデです。
わたしも高校生の頃に着ていたこのあじさい柄の浴衣を長年のブランクを経て救出。当時合わせていたのは真っ黄色の半幅帯ですが、今気に入っているのは次の写真のコーデです。
落ち着いたカラーの縞の名古屋帯に、グレーの帯揚げ&帯締め、あじさいの葉の色と馴染む淡いブルーの帯留めをオン。補色(反対色)に近いようなくっきりコントラストの配色でなく、全体的に色味やトーンを落ち着かせるとぐんと大人っぽく着こなせます。これならまだまだこの浴衣、楽しめそうですよね。
もう1枚。大学生の頃に真っ赤な半幅帯と合わせていたトンボ柄の浴衣、モノトーンのアイテムを合わせるとこのような印象に。カラフルな浴衣も、白・黒・グレー・ベージュなど色味と色数を抑えたコーディネートにすると、シックで大人っぽくまとまり、箪笥の肥やしから救出できるはずです。「活かす着物」ぜひチャレンジしてみてくださいね。
では、浴衣コーデに登場した小物類の収納方法を少々。まず帯締めにオススメなのは、なんとネクタイハンガーの活用です。一覧できるので目当てのものが選びやすく、さっと取り出せて、戻すのも簡単。両端の房を気にする必要がないのも利点です。
こちらは「クーシュ」という桐の重ね箱に帯締め、帯揚げ、帯留めなどを収めている様子です。重ね箱の一番上の段には、透明アクリルのフタを乗せられるので、ホコリからは守りながらショーケースのように中身を愛でることができます。うっとり度アップの収納方法で、好きなものとより関係が深まるといいなといつも思うのです。
さて、お出かけをしたあとのことをいくつかお伝えします。
浴衣を洗濯する時は、着る前と同じ状態に畳んでから洗濯ネットに入れて手洗いモードで洗い、ゆるく脱水をします。急激に乾くと縮みやすいので、部屋干がオススメ。物干しラックなどの上に畳んで洗った浴衣を身幅まで広げて置きます。袖はたらりと下がると縫い目に負担がかかるので見頃の上に乗せるようなカタチで。7割がた乾いて軽くなったら、生地がかさなって乾きにくい部分(特に襟など)を完全に乾かすべく今度は着物ハンガーに掛けて。この手順だと型崩れがしにくいうえに、無駄なシワがよりにくくアイロンの手間いらず(あるいは最低限のアイロンがけ)で済みます。
麻のものや、繊細な絞りなど、素材によっては自分で洗うのは避けた方がいいものもあります。また色落ちなどにも注意して、どうか手洗いは自己責任で。
浴衣を洗濯する時は、着る前と同じ状態に畳んでから洗濯ネットに入れて手洗いモードで洗い、ゆるく脱水をします。急激に乾くと縮みやすいので、部屋干がオススメ。物干しラックなどの上に畳んで洗った浴衣を身幅まで広げて置きます。袖はたらりと下がると縫い目に負担がかかるので見頃の上に乗せるようなカタチで。7割がた乾いて軽くなったら、生地がかさなって乾きにくい部分(特に襟など)を完全に乾かすべく今度は着物ハンガーに掛けて。この手順だと型崩れがしにくいうえに、無駄なシワがよりにくくアイロンの手間いらず(あるいは最低限のアイロンがけ)で済みます。
麻のものや、繊細な絞りなど、素材によっては自分で洗うのは避けた方がいいものもあります。また色落ちなどにも注意して、どうか手洗いは自己責任で。
完全に乾いた浴衣はきれいに畳んで文庫紙で保管します。
無地の文庫紙で揃えると気持ちがいいですね。
引き出しとオープン棚が組み合わせられるタイプの桐箪笥があります。またすぐに出番が来るかもしれないので夏の間は身近に置いておきたい浴衣、さっとアクセスできるオープン棚に収めておくことにしましょう。
季節が終わって来年までしっかり保管するならば引き出しの方に収めましょう。防虫や除湿のケアも忘れずに。写真で広げている黄色いシートは湿気と匂い、防虫に効果があると言われる「漢方敷」です。
和室にも洋室にもフィットするすっきりデザインの桐箪笥、右は着物が収まる幅、左は帯にぴったりの幅です。左の引き出しの上に乗っているのは前述の桐の重ね箱クーシュ、左上に見えているのは、わたしたちの試作品のスリットラック。帯をスリットに掛けて、季節ごとに入れ替えて見せる収納にできたらいいなというアイデアです。
普段から着物を身近に感じながら、いつでもサッと手が伸びる、そんな着物コーナーができると「活かす着物」の機会も増えそうですよね。
こちらもあわせて
調湿・抗菌・保温に優れる桐。ジメジメした梅雨時にこそ、インテリアに取り入れたい
普段から着物を身近に感じながら、いつでもサッと手が伸びる、そんな着物コーナーができると「活かす着物」の機会も増えそうですよね。
こちらもあわせて
調湿・抗菌・保温に優れる桐。ジメジメした梅雨時にこそ、インテリアに取り入れたい
そろそろ本当にお出かけ準備にかかります。手ぬぐいに扇子に懐紙はわたしのマストアイテム。手ぬぐいを浴衣の雰囲気に合わせて選ぶのもたのしいですね。普段持ち歩いている長財布から、和の古裂のがま口に変えることもよくあります。かなり気分が変わるのでお財布のチェンジはオススメです。今日はお仕事の書類も少し持って出るので大きめのカゴバッグに詰めて……
行ってきまーす!
教えてHouzz
さっそく浴衣でお出かけの準備してみませんか? みなさんの手持ちの浴衣もコメント欄で見せてください!
教えてHouzz
さっそく浴衣でお出かけの準備してみませんか? みなさんの手持ちの浴衣もコメント欄で見せてください!
おすすめの記事
キッチンの記事
家事をストレスフリーに! キッチンカウンター下収納の使い方と収納アイデア
オープンタイプのキッチンが人気の今、キッチンカウンター下収納はその後の使いやすさを左右する重要な検討事項です。種類別カウンター下収納の特徴を参考に、家族が使いたくなるキッチンまわりをつくりましょう。
続きを読む
トイレ・洗面所の記事
家じゅうのタオルやシーツをすっきり収納。リネンクローゼットのすすめ
バスまわりやベッドまわりのリネン、ストックも含めてどこにしまっていますか? 点在させるのではなく1ヶ所にまとめる、リネン専用の収納庫があると便利です。
続きを読む
小さな住まい
幅や間口の狭い部屋を快適に使う13のアイデア
幅や間口の狭い部屋は使いにくいものと思い込んでいませんか? 家具の選び方や配置、色使いで、実際よりも広く使いやすい空間を作り出すことができます。
続きを読む
片付け・収納・家事
収納を考えるよい機会。衣替えをしながら、クローゼットの中身も見直しましょう
衣替えを済ませた方もこれからの方も、洋服の収納法やクローゼットの使い方、この機会に見直してみませんか。
続きを読む
片付け・収納・家事
調味料とスパイスの収納アイデア・実例30選
調味料やスパイスを美しく、しかも使いやすく整理整頓・収納すれば、見た目だけでなく無駄を防ぎ、調理や掃除の時短にもつながります。
続きを読む