体感温度マイナス3℃のインテリアカラーで、猛暑を乗り切ろう
色のインテリア効果を暑さ対策に応用してみませんか? 体感温度を下げる、涼しい配色の部屋づくりのポイントをご紹介します。
カツウラアキツ
2017年8月1日
色には温度感を感じる効果がありますが、これをインテリアに活用することで暑い夏でも体感温度が2〜3℃低く感じられる部屋をつくることができます。色のインテリア効果により、冷房の設定温度を下げ過ぎることもなくなるかもしれません。寒色を上手に取り入れた、真夏のエコな部屋づくりにチャレンジしてみませんか。
色の温度感、暖色と寒色
「涼やかな色」といえば、どんな色を思い浮かべますか? 写真のような澄んだアクアブルーから、氷のパッケージでもよく見かける原色の青まで、たくさんのブルーが思い浮かぶのではないでしょうか。以前、暖色と寒色についての記事でもご紹介したことがありますが、色には寒暖、つまり温度感を感じさせる効果があります。なかでも涼しくさせる効果をもたらすのが青緑・青・青紫などブルー系統の色が含まれる「寒色」。ちなみに、青と隣り合う緑・紫系統の色は温度を感じにくい中性色、赤・オレンジ・黄色系統の色は暖色になります。
色の使い方の基本:色で温度を感じる暖色と寒色の効果
「涼やかな色」といえば、どんな色を思い浮かべますか? 写真のような澄んだアクアブルーから、氷のパッケージでもよく見かける原色の青まで、たくさんのブルーが思い浮かぶのではないでしょうか。以前、暖色と寒色についての記事でもご紹介したことがありますが、色には寒暖、つまり温度感を感じさせる効果があります。なかでも涼しくさせる効果をもたらすのが青緑・青・青紫などブルー系統の色が含まれる「寒色」。ちなみに、青と隣り合う緑・紫系統の色は温度を感じにくい中性色、赤・オレンジ・黄色系統の色は暖色になります。
色の使い方の基本:色で温度を感じる暖色と寒色の効果
寒色がもたらす体感効果
色彩の世界ではさまざまな実験が行われていますが、赤系の暖色の部屋と青系の寒色の部屋では、被験者の体感温度が3℃も違うという実験結果があるのです。これは私たちが生まれてから積み重ねてきた記憶から連想し、感じるものです。寒色である青系の色を見ることで、海や川、プールなどの涼しい風景の記憶を思い起こすのでしょう。
体験としてわかっている方も多いと思いますが、放射熱を防ぐ効果が最も高い色は、実は白です。青や青緑はその次。反対に、熱を最も吸収するのは黒です。紫外線を防ぐ効果があるということで、黒の日傘をよく見かけますが、白の日傘の方が暑さをしのいでくれるようです。
参考文献:野村順一著『色彩効用論―ガイアの色』(住宅新報社刊)
色彩の世界ではさまざまな実験が行われていますが、赤系の暖色の部屋と青系の寒色の部屋では、被験者の体感温度が3℃も違うという実験結果があるのです。これは私たちが生まれてから積み重ねてきた記憶から連想し、感じるものです。寒色である青系の色を見ることで、海や川、プールなどの涼しい風景の記憶を思い起こすのでしょう。
体験としてわかっている方も多いと思いますが、放射熱を防ぐ効果が最も高い色は、実は白です。青や青緑はその次。反対に、熱を最も吸収するのは黒です。紫外線を防ぐ効果があるということで、黒の日傘をよく見かけますが、白の日傘の方が暑さをしのいでくれるようです。
参考文献:野村順一著『色彩効用論―ガイアの色』(住宅新報社刊)
体感温度が2〜3℃下がると
地球温暖化対策として、環境省からクールビズが提唱されて早10年以上。「夏の室温は28℃」と大勢の人が認識してはいるものの、まるで亜熱帯のような気候の日々が続くと、28℃では暑く感じてしまいます。
そんなとき、この色の効果をぜひインテリアに取り入れて、体感温度を下げてみてください。体感温度が2〜3℃下がることは、ネクタイを外したり、普段下ろしている髪をアップにしたりするのと同じくらいの効果です。28℃が26℃くらいに感じられるだけでも、過ごしやすく快適になりますね。
地球温暖化対策として、環境省からクールビズが提唱されて早10年以上。「夏の室温は28℃」と大勢の人が認識してはいるものの、まるで亜熱帯のような気候の日々が続くと、28℃では暑く感じてしまいます。
そんなとき、この色の効果をぜひインテリアに取り入れて、体感温度を下げてみてください。体感温度が2〜3℃下がることは、ネクタイを外したり、普段下ろしている髪をアップにしたりするのと同じくらいの効果です。28℃が26℃くらいに感じられるだけでも、過ごしやすく快適になりますね。
大きな面積に明るいブルー系を
ブルーの光の照明で部屋を照らすと涼しげな雰囲気になりますが、インテリアに寒色を取り入れる方法はほかにもいろいろあります。目につきやすいスペースに、効果的に使うようにしましょう。
たとえば、写真のような大面積の吹き抜けの壁一面をブルー系の色にするなら、圧迫感を感じる鮮やかな色よりも、明るめのブルーをチョイス。色は、面積が大きければ大きいほど、目の錯覚により実際の色より明るく見えます。白に近いブルーを選んだ場合、ほとんど白に見えてしまうこともあるため、小さなカラー見本だけでなく、A4サイズ程度のサンプルを実際に変える場所に貼って、確かめてみるとよいでしょう。
信頼感と落ち着きの色、心を静め集中力を高めるブルーをインテリアに!
ブルーの光の照明で部屋を照らすと涼しげな雰囲気になりますが、インテリアに寒色を取り入れる方法はほかにもいろいろあります。目につきやすいスペースに、効果的に使うようにしましょう。
たとえば、写真のような大面積の吹き抜けの壁一面をブルー系の色にするなら、圧迫感を感じる鮮やかな色よりも、明るめのブルーをチョイス。色は、面積が大きければ大きいほど、目の錯覚により実際の色より明るく見えます。白に近いブルーを選んだ場合、ほとんど白に見えてしまうこともあるため、小さなカラー見本だけでなく、A4サイズ程度のサンプルを実際に変える場所に貼って、確かめてみるとよいでしょう。
信頼感と落ち着きの色、心を静め集中力を高めるブルーをインテリアに!
天井や床に寒色を使う場合
壁と同じくらい面積の広い天井に寒色を使うと、おもしろい効果があります。たとえば寝室の天井にブルーを取り入れると、朝、爽快な気分で目覚められるでしょう。天井は住み始めてからほとんど手を入れない場所で、通常は明るい白のことが多いので、驚きのある空間になります。ただし、暗い青を使うと重たい印象になり、圧迫感を感じる場合もあるため、空間とのバランスをみて色をチョイスしましょう。
壁と同じくらい面積の広い天井に寒色を使うと、おもしろい効果があります。たとえば寝室の天井にブルーを取り入れると、朝、爽快な気分で目覚められるでしょう。天井は住み始めてからほとんど手を入れない場所で、通常は明るい白のことが多いので、驚きのある空間になります。ただし、暗い青を使うと重たい印象になり、圧迫感を感じる場合もあるため、空間とのバランスをみて色をチョイスしましょう。
手軽に変えやすく、比較的面積の多い場所といえば、床に敷くラグも挙げられます。夏用として寒色系の色を1枚用意しておくと、毎年使えて便利です。床に敷くものなので、こちらは多少暗めのブルーでもいいでしょう。色によって軽さ、重さの印象があり、黒に近い色は重さを感じるので、床面に使うことで空間に安定感が生まれるというメリットもあります。
涼やかさを引き立てる、ほんの少しのアクセント
寒色の中には、グレーに近いシックで穏やかなトーンもあります。こうした色はリビングや書斎などに好まれますが、1色だけだと暖色系のライトに照らされたときに混色し、グレーに見えてしまうことがあります。
そんなときは、アクセントとしてその色の前に暖色系の色をディスプレイしてみましょう。壁とは逆の鮮やかではっきりした暖色が壁の前にくることで、色の対比により背景の壁の青みが引き立ちます。暖色系の色を多くすると、暖かさが強調されてしまうので、夏の間は分量をほんの少しに抑えましょう。
色の使い方の基本:空間を引き締めるアクセントカラー
寒色の中には、グレーに近いシックで穏やかなトーンもあります。こうした色はリビングや書斎などに好まれますが、1色だけだと暖色系のライトに照らされたときに混色し、グレーに見えてしまうことがあります。
そんなときは、アクセントとしてその色の前に暖色系の色をディスプレイしてみましょう。壁とは逆の鮮やかではっきりした暖色が壁の前にくることで、色の対比により背景の壁の青みが引き立ちます。暖色系の色を多くすると、暖かさが強調されてしまうので、夏の間は分量をほんの少しに抑えましょう。
色の使い方の基本:空間を引き締めるアクセントカラー
その他、寒色の体感温度を効果的に感じるアイテムとしては、写真のような薄くて軽やかなカーテンや、透明感のあるガラス素材があります。また、ブルーのペンダントライトなら、真夏の夜を涼しげな色に照らし、心地よい雰囲気を演出してくれるでしょう。
夏には暑さを和らげる寒色が、冬には寒さを和らげる暖色が、快適に過ごす助けをしてくれます。日本の四季、それぞれの気候に合わせた色を気軽にインテリアに取り入れて、視覚効果で体感温度の調整を試してみてください。
暮らしに癒しをもたらす、リラックス効果のある配色とその使い方
ナチュラルで穏やかな万能カラー、ベージュを知って使いこなそう!
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http://hafele.com/jp/ja/external/blaetterkataloge/loox2015/?startpage=56
株式会社 ハーフェレ ジャパン様、コメントをありがとうございます!ベッドに横なった時に、ほのかに青い光が感じられると涼を感じるだけでなく、心地よい睡眠にも導いてくれそうですね。暖かい冬にも大活躍しそうな照明でよいですね!