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インテリア ライフスタイル 2017から、注目のブランド&アイテム
6月半ばに3日にわたり開催された、インテリアデザインの見本市「インテリア ライフスタイル - Interior Lifestyle Tokyo」。照明や家具、インテリア商材の注目の作り手やプロダクトをレポートします。

Dobashi Yoko
2017年6月16日
6月14日(水)から16日(金)まで、東京ビッグサイトで開催された「インテリア ライフスタイル - Interior Lifestyle Tokyo」は、ドイツ、フランクフルトで開催されている世界最大級の国際消費財専門見本市「アンビエンテ」、 家庭用・業務用テキスタイルの国際見本市「ハイムテキスタイル」の2つを母体とする、インテリアデザイン市場のための商談型国際見本市です。今年は22の国と地域から、788社が出展しました。
インテリア ライフスタイル展では、特徴のあるゾーニングで多角的にハイデザイン商材を発表。日本の伝統やものづくりを世界に発信するゾーン、エッジの効いた最新のデザインが集結するゾーン、 若手支援プログラムゾーンをはじめ、日常の生活スタイルをもう一歩充実させるアイテム、見た目も味も優れ、ギフトにも最適な食材、機能美を備えたキッチンツール、世界各国のブランドや人気の北欧ブランドが集まるゾーンなど、見どころがいっぱい。
初日のアトリウムの様子。今年のテーマは「WANTED!」。
ディレクターに、ブックショップ〈UTRECHT〉(ユトレヒト)や〈THE TOKYO ART BOOK FAIR〉(アートブックフェア)を立ち上げた江口宏志氏を迎えた今回。バイヤーをはじめ、一緒に働く仲間、デザイナー、出資先を見つけるなどの各企業の持つ潜在的なニーズや可能性を秘めた出会いを、西部劇風のお尋ね者の貼り紙をイメージした「WANTED!」のポスターで表現。買い付けに留まらない業界のさまざまなニーズに応える、新たな企画展開が注目されました。
この記事では、それぞれのゾーンで注目の展示やアイテム、そしてデザイナーをご紹介します。
ディレクターに、ブックショップ〈UTRECHT〉(ユトレヒト)や〈THE TOKYO ART BOOK FAIR〉(アートブックフェア)を立ち上げた江口宏志氏を迎えた今回。バイヤーをはじめ、一緒に働く仲間、デザイナー、出資先を見つけるなどの各企業の持つ潜在的なニーズや可能性を秘めた出会いを、西部劇風のお尋ね者の貼り紙をイメージした「WANTED!」のポスターで表現。買い付けに留まらない業界のさまざまなニーズに応える、新たな企画展開が注目されました。
この記事では、それぞれのゾーンで注目の展示やアイテム、そしてデザイナーをご紹介します。
照明
創業180年の京都の漆器の老舗〈井助〉で見かけた、着物を着ているような照明《URUSHI LAMP》。フランスのデザイナー、Laurent Corio氏の「漆に光の当たった様子が美しい」との思いから実現しました。着物の合わせのように巻かれた和紙の上から漆を塗っています。
創業180年の京都の漆器の老舗〈井助〉で見かけた、着物を着ているような照明《URUSHI LAMP》。フランスのデザイナー、Laurent Corio氏の「漆に光の当たった様子が美しい」との思いから実現しました。着物の合わせのように巻かれた和紙の上から漆を塗っています。
日本・デンマーク外交関係樹立150周年を記念してつくられた、印象的なピンクの《Sakura on Mount Fuji》。《Antoni lamp by LE KLINT》シリーズのひとつで、デンマークの有名なグラフィックデザイナー、Ib Antoniの絵本にインスパイアされたカラーリングで〈スキャンデックス〉から新発売。優しくもれる灯りと、点灯していないときもオブジェのように愛らしい形が魅力的。
2016年のミラノサローネでも話題となった《Coppelia》(コッペリア)は、古いチェコのシャンデリアをモチーフにしています。〈トーヨーキッチン スタイル〉が展開する〈moooi〉(モーイ)では初めての日本人デザイナー、三宅有洋氏による照明で、軽やかな素材感ながら空間を華やかに彩ります。
プライウッド製の美しい照明《Peony》は、黒と白の2色展開。「芍薬のエレガントでコンテンポラリーなフォルムを照明にしたかった」と、〈be&liv〉デザイナーのJanne Uusi-Autti氏。存在感のあるペンダントランプとして住宅に取り入れやすい大きさ。
〈KIM DESIGN〉は台湾を拠点とする3人組のデザイナー集団。金属と和紙の素材の組み合わせがミニマルなデザインに、独特の世界観をつくり出しています。照明《The New Old Light》はドイツで行われる国際的なプロダクトデザイン賞「red dot」を受賞。特に注目したいのは写真左側の屏風のような仕切り。畳まれた紙を扇形に広げるとがらりと空間の雰囲気が変わります。
絶妙なサイズ感や使用感が秀逸な、コンパクト家具
今年の「ヤング・デザイナー・アワード」を獲得した、〈DAYS.〉西尾健史氏デザインのフレキシブルな家具《NEW ACTION》。たたんでフラットにした木枠と、シックなカラーリングの箱を組み合わせることでさまざまな機能をもちます。お気に入りをディスプレイする楽しさが伝わってきました。
今年の「ヤング・デザイナー・アワード」を獲得した、〈DAYS.〉西尾健史氏デザインのフレキシブルな家具《NEW ACTION》。たたんでフラットにした木枠と、シックなカラーリングの箱を組み合わせることでさまざまな機能をもちます。お気に入りをディスプレイする楽しさが伝わってきました。
パッと立ち上がりやすく、動かしやすいことに注力してデザインされたハイスツール《From a sheet》。一枚の板からつくられています。立ち上がるときの膝裏の感触が新しく、心地よいのが印象的でした。オイル仕上げの木部にコーティングされたスポンジの座面の素材のバランスがユニーク。ミニマルな空間にも合いそうな独特の存在感がありました。デザイン:平本知樹〈wip inc.〉
佐藤界氏と大野雄二氏による、家具の製作を中心としたチーム〈フルスイング〉が手がけた《log》。高さ595mm、ちょこっとかけられる「低めのハイスツール」の提案です。キッチンで腰掛けとして、リビングでサイドテーブルとしてフレキシブルに対応できる道具を目指したもの。足掛けに脚を置くと、ちょうどノートパソコンを膝に置いて仕事できる高さ、というのも今っぽくて秀逸なサイズ感でした。
ウレタンをコーティングする特殊な材料と技術を独自に開発し、オリジナルの家具コレクションを展開しているベルギーの家具ブランド〈sixinch〉の新作ハイスツール。室内はもちろん、アウトドアでも使用可能とのこと。脚をぶつけても痛くない素材なのがうれしい。
ミラノサローネ2017最新報告:実験的デザインが花開いた、照明の6つのトレンド
ミラノサローネ2017最新報告:実験的デザインが花開いた、照明の6つのトレンド
建材・素材・テキスタイル
〈山田木管工業所〉の《四方框扉》は、キッチン扉、玄関収納扉を一枚から1mm単位でオーダー可能。近年、伝統的な四方框タイプの扉の優れた意匠性が見直されているのを受けて、セミオーダーブランドを立ち上げたメーカー。65年以上のモノづくりで培った技術と設備で8尺(2330mm)の高さの大きな扉から小さな扉まで高品質・低価格で制作可能とのこと。5色提案しているなかでもグレー木目、ホワイト木目はシックなインテリアを演出してくれそうな上質感がありました。
〈山田木管工業所〉の《四方框扉》は、キッチン扉、玄関収納扉を一枚から1mm単位でオーダー可能。近年、伝統的な四方框タイプの扉の優れた意匠性が見直されているのを受けて、セミオーダーブランドを立ち上げたメーカー。65年以上のモノづくりで培った技術と設備で8尺(2330mm)の高さの大きな扉から小さな扉まで高品質・低価格で制作可能とのこと。5色提案しているなかでもグレー木目、ホワイト木目はシックなインテリアを演出してくれそうな上質感がありました。
〈linoo〉(リノオ)は、リトアニア発のホームテキスタイルブランド。すべての製品はリトアニア産の100%ピュアリネンで作られています。繊細な織り地と色彩が特徴で、特に立体的なワッフル生地の風合いテクスチャーが美しく印象的。
ホームアクセサリー
書類を整理するときに最もポピュラーなのはファイリング。そこに収まらない立体物やサンプル等もプロジェクトごとにひとつのファイルに収めておきたい、そんなニーズへの解決策。〈LACONIC〉の《STOCK》シリーズは、もと文房具メーカーのノウハウと、自分たちで日々感じる問題への解決策とのこと。背表紙のナンバリングシールと、モノの住所録のシステムも秀逸なデザインでした。
書類を整理するときに最もポピュラーなのはファイリング。そこに収まらない立体物やサンプル等もプロジェクトごとにひとつのファイルに収めておきたい、そんなニーズへの解決策。〈LACONIC〉の《STOCK》シリーズは、もと文房具メーカーのノウハウと、自分たちで日々感じる問題への解決策とのこと。背表紙のナンバリングシールと、モノの住所録のシステムも秀逸なデザインでした。
《Ototone》(オトトネ)は、デスクトップで気軽に睡眠を取ることができるデスクトップピロー。少しの間昼寝をすることで午後の頭のリフレッシュを促すためにデザインされました。イヤホンを本体に差し込み、クッションに顔をうずめれば、音楽を聴きながら快適な眠りに入ることができます。デスクで寝ている人を許せてしまう、ユーモラスな形状。デザイン:福定良佑〈Timbre〉
家の第一印象を決める玄関にふさわしい、小ぶりで垂直に自立する靴べらとスタンドの芯が通った美しいプロダクト《芯 SHIN shoe horn》。長めの光沢感のある取手が空間を上品に仕立ててくれそうです。世界で最も影響力のあるデザイン賞のひとつ「iF デザインアワード 2017」において「iF デザインアワード プロダクト部門」受賞。デザイン:小林幹也〈TAIYOU no SHITA〉
オーストラリア、メルボルン発のキャンドルブランド〈Scent of Home〉。オーストラリア産のソイ、ココナッツ、アーモンドオイルワックスを100%使用し、すべて手作業で作られています。マットブラック塗装のガラス入り《MR.》シリーズはハンサムな見た目ながら、寝室にも合いそうなほんのりと甘い印象の香り。パッケージも美しく、インテリアアイテムとしてラグジュアリーな雰囲気を盛り上げてくれます。
アロマで空間をデザインする、“天然の香り” を紹介するメーカー〈@aroma〉。香りの心地よさを体感できるブースでは、アプリで世界にひとつだけのエッセンシャルオイルをブレンドしてくれる機械や、快眠コンサルタントと共同開発したディフューザーも。香りの記憶が場所を思い出すきっかけになるのだとしたら、自宅をオリジナルの香りで演出するのはロマンチックな提案だと改めて感じさせてくれました。
新進ブランド
時代や流行に左右されず、真の美しさや機能性を引き出す、古びないデザインを追求する〈MOHEIM〉。洗練された利便性と、それだけではない完成度の⾼いデザインのトレイテーブルや、静かな存在感のある鏡など、素材の使い方はミニマルスタイルながら、パウダーピンクやグレーのカラーリングが響き合い、印象に残る展示でした。
時代や流行に左右されず、真の美しさや機能性を引き出す、古びないデザインを追求する〈MOHEIM〉。洗練された利便性と、それだけではない完成度の⾼いデザインのトレイテーブルや、静かな存在感のある鏡など、素材の使い方はミニマルスタイルながら、パウダーピンクやグレーのカラーリングが響き合い、印象に残る展示でした。
愛媛県にあるセミオーダーの家具ブランド〈toinen〉。片手で自転車を少し持ち上げて載せるだけの安定感のあるサイクルスタンドは、ちょこんと置かれていてもオブジェのような佇まいがキュートです。一人暮らしのマンションの玄関に置いてもじゃまにならないサイズ感で、プレゼントに向くパッケージも魅力です。
アートのある暮らしを提案
ラグジュアリーブランドのディスプレイ用アートやオブジェの卸販売から、スタイリングまでを手がける〈MOODA SOAME〉の展示は、世界中からトレンドを押さえたアイテムが並び、高い美意識が感じられ、ひときわ目立っていました。個人邸へのアートの提案も今後のインテリアのトレンドを牽引していくのではないでしょうか。
教えてHouzz
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ラグジュアリーブランドのディスプレイ用アートやオブジェの卸販売から、スタイリングまでを手がける〈MOODA SOAME〉の展示は、世界中からトレンドを押さえたアイテムが並び、高い美意識が感じられ、ひときわ目立っていました。個人邸へのアートの提案も今後のインテリアのトレンドを牽引していくのではないでしょうか。
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