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リノベーションの失敗から学ぶ、4つの教訓
リノベーションを手掛けたプロが教える「失敗談」からは、これから家づくりやリノベーションを考える人にとって学べることがたくさんあります。

Pauline Morrissey
2022年5月23日
完成した家を見ただけでは、住宅のリノベーションにともなう苦労はわからないもの。実際に経験した人に聞けば、ひとつ失敗すれば台無しになることだってあるんだから、と口を揃えます。そこで、今回はリノベーションのプロに、これまでに自宅や請け負った仕事で体験した最大の失敗と、そんな失敗をしないためのアドバイスについてうかがいました。(ここで紹介する写真は、もちろんどれも成功したプロジェクトのものです!)
1. 将来のことを考えて設計しなかった
バスク・インテリアズのオーナー、ミシェル・ハートさんは、「急いては事を仕損じる」を身をもって体験したと話します。「リノベーションで私がした最大の失敗は、増築したダイニングキッチン。家族が増えると、狭すぎる設計でした」
「最初から広さとレイアウトが間違っていたので、使いにくく、満足できない空間になってしまいました。7年ほど我慢したあげく、結局は、再度増築することになってしまいました」
バスク・インテリアズのオーナー、ミシェル・ハートさんは、「急いては事を仕損じる」を身をもって体験したと話します。「リノベーションで私がした最大の失敗は、増築したダイニングキッチン。家族が増えると、狭すぎる設計でした」
「最初から広さとレイアウトが間違っていたので、使いにくく、満足できない空間になってしまいました。7年ほど我慢したあげく、結局は、再度増築することになってしまいました」
失敗から学んだ教訓とは:「時間をかけること。そして、部屋の広さ、形、機能性、家具の配置について慎重に考えること」とハートさん。「この家に住むのは何人で、個室はどのようにつかうのか。今だけでなく、将来のことも考えること。また、細部にはこだわりすぎないほうが、完成後の失望も小さくなります」
2. 製品の調査が足りなかった
バスルームで化学製品の使用する場合は慎重に、と話すのはバブルズ・バスルームズのゼネラルマネージャー、オーエン・バーンズさんです。
「15年前、まだメンブレン防水が比較的新しく、アスファルト系の製品を使うのが普通だったころ、300パーセントの弾力性があるという非アクリル系のポリウレタン塗膜防水材を見つけて、使うことに。厚く塗った方がよいだろうと考え、推奨の2倍の厚さで塗りました。
4年後に、家のオーナーから、タイルがぐらぐらすると電話がありました。調べてみると、この製品は、厚く塗るとある種のガスが発生することが分かりました。ガスとタイルの接着剤が反応して、はがれてきたのです。結局、私たちが費用を負担し、バスルームはすべて壊して工事をし直すことになってしまいました」
バスルームで化学製品の使用する場合は慎重に、と話すのはバブルズ・バスルームズのゼネラルマネージャー、オーエン・バーンズさんです。
「15年前、まだメンブレン防水が比較的新しく、アスファルト系の製品を使うのが普通だったころ、300パーセントの弾力性があるという非アクリル系のポリウレタン塗膜防水材を見つけて、使うことに。厚く塗った方がよいだろうと考え、推奨の2倍の厚さで塗りました。
4年後に、家のオーナーから、タイルがぐらぐらすると電話がありました。調べてみると、この製品は、厚く塗るとある種のガスが発生することが分かりました。ガスとタイルの接着剤が反応して、はがれてきたのです。結局、私たちが費用を負担し、バスルームはすべて壊して工事をし直すことになってしまいました」
失敗から学んだ教訓とは:「バスルームのリフォームでは、化学物質がたくさん使われるので、いっしょに使うと化学反応が起こる可能性がないかをしっかりと確認する必要があります。そのことをあらためて認識しました」とバーンズさんは話します。
「バスルーム関連の製品を選ぶときには、徹底的に調査し、化学反応の問題が起こらないことを保証した、完璧な防水システムを使うこと。それが私が学んだ教訓です」
「バスルーム関連の製品を選ぶときには、徹底的に調査し、化学反応の問題が起こらないことを保証した、完璧な防水システムを使うこと。それが私が学んだ教訓です」
3. 予算のかけ方を間違えた
非現実的な予算を立ててしまうのは、リノベーションにまつわる失敗でいちばん多いものかもしれません、と話すのは、ザ・リトル・デザイン・コーナーのディレクター、クレア・ルロイさんです。
「たとえていえば、ビールの予算でシャンパンを期待するクライアントとどう折り合いをつけるのか、ということです」とルロイさん。「金に糸目をつけなくていいクライアントでない限り、手元の予算でできることとできないことを見極め、優先順位をつけなければなりません」
非現実的な予算を立ててしまうのは、リノベーションにまつわる失敗でいちばん多いものかもしれません、と話すのは、ザ・リトル・デザイン・コーナーのディレクター、クレア・ルロイさんです。
「たとえていえば、ビールの予算でシャンパンを期待するクライアントとどう折り合いをつけるのか、ということです」とルロイさん。「金に糸目をつけなくていいクライアントでない限り、手元の予算でできることとできないことを見極め、優先順位をつけなければなりません」
失敗から学んだ教訓とは:「リノベーションにお金をかけ始めるまえに、専門家に加わってもらうこと」とルロイさんはアドバイスします。「建築家でも、インテリアデザイナーでも、あるいは信頼できる工務店でも構いません。プロは、リノベーション全体の計画を見通してくれますし、素人では気づけないことを教えてくれます。確かに、初期費用は多少増えますが、結果的に何千ドルもの損失を防ぐことができます」
4. 立地についての考えが足りなかった
リノベーションが始まる前に、失敗をおかしてしまうこともある、と話すのはリノベーティング・フォー・プロフィットの創設者、シェリー・バーバーさんです。「私自身、幹線道路に面した家を買って失敗しました。それもただの幹線道路ではなく、6車線道路だったのです」とのこと。
「引っ越してすぐに、物件購入を思いとどまるべき物件の条件というものを知りました。うるさい幹線道路もまさにその1つ。どんな素晴らしいリノベーションをしても、資産価値は高まりません。幹線道路沿いの物件は買い手が非常に限られてしまうため、売却価格を低く設定せざるを得なくなります」
リノベーションが始まる前に、失敗をおかしてしまうこともある、と話すのはリノベーティング・フォー・プロフィットの創設者、シェリー・バーバーさんです。「私自身、幹線道路に面した家を買って失敗しました。それもただの幹線道路ではなく、6車線道路だったのです」とのこと。
「引っ越してすぐに、物件購入を思いとどまるべき物件の条件というものを知りました。うるさい幹線道路もまさにその1つ。どんな素晴らしいリノベーションをしても、資産価値は高まりません。幹線道路沿いの物件は買い手が非常に限られてしまうため、売却価格を低く設定せざるを得なくなります」
失敗から学んだ教訓とは:「立地については事細かな調査を行い、慌てて決めないこと。不動産ならどんなものでも利益を生む訳ではありません」とバーバーさんは言います。「周囲の環境や買い物の場所、敷地そのものの状態など、徹底的に調査すべきことは山のようにあります。大きなマイナス要因がなく、プラス要因が多い物件だけが、利益を生む資産になります」
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