「小さな和庭」が持つ、大きな存在感を楽しもう
和風の庭を眺めながら豊かに暮らすーーそのためには立派な日本庭園が必要、とは限りません。小さなスペースの和風の庭が大きな魅力を放っている実例を見てみましょう。
小川のぞみ
2017年5月30日
ライター/ホームステージャー。日本・湘南エリアからアメリカ・カリフォルニア生活を経て、再び湘南エリアに在住(現在、高断熱・高気密の長期優良住宅に居住中)。カタログやメディアへのライティング、インテリアや整理収納のアドバイス、住宅購入相談やホームステージング(家具に関してのご相談やコーディネート)に取り組む。
ライター・コピーライター歴は10年以上。ウェブサイトや雑誌、ECサイトや通販誌、カタログや広告媒体(商業施設の冊子やポスター、大手企業発行の会報誌など)を担当。分野は、住宅、インテリア、教育、ファッション、ランジェリー、インタビュー取材など。企画からの参画やスタイリスト経験も多数。
ライター/ホームステージャー。日本・湘南エリアからアメリカ・カリフォルニア生活を経て、再び湘南エリアに在住(現在、高断熱・高気密の長期優良住宅に居住中)。カタログやメディアへのライティング、インテリアや整理収納のアドバイス、住宅購入相談やホームステージング(家具に関してのご相談やコーディネート)に取り組む... もっと見る
日本で最初期の庭園は、庭師が有力氏族のためにつくった飛鳥時代といわれています。大きな池に小島を所どころに配し、州浜(海岸のある砂浜)と海をイメージしたもので、壮大なものだったということがわかっています。その後、池に重きを置いた寝殿造りの庭園、『作庭記』が書かれた時代の浄土式庭園、書院造りや禅僧の影響を受けた禅宗庭園、桂離宮に代表される回遊式庭園など、さまざまな様式が生まれました。
歴史と伝統がある日本庭園ですから、ともすれば特別なもの、大きな庭でこそ実現可能なものと思われがちです。確かに本格的なものを望むならそうかもしれませんが、筆者は和風の植栽や石や木の質感さえあれば、小さなスペースでも格式と癒しを得る大満足の庭が可能だと考えます。この記事では、現在の日本の住宅にある和風の小さな庭を取り上げ、その魅力をお伝えしたいと思います。
歴史と伝統がある日本庭園ですから、ともすれば特別なもの、大きな庭でこそ実現可能なものと思われがちです。確かに本格的なものを望むならそうかもしれませんが、筆者は和風の植栽や石や木の質感さえあれば、小さなスペースでも格式と癒しを得る大満足の庭が可能だと考えます。この記事では、現在の日本の住宅にある和風の小さな庭を取り上げ、その魅力をお伝えしたいと思います。
ちょっとしたスペースでも和庭はつくれます。こちらは、ウッドフェンスで囲んだ小さなスペースに、植栽、苔、石、砂利を敷き詰めてミニ日本庭園をつくった事例。とても小さいとはいえ、十二分に和風の庭の存在感を放ち、室内から見るとゆとりの空間に感じるのがすばらしい効能です。
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2.庭を兼ねたアプローチを和風でまとめる
庭の一部に長いアプローチがほしい場合、または旗竿地でのアイデアとしておすすめしたい事例です。広大な日本庭園をつくらずとも、家の顔であるアプローチで和の風景をつくれば、格調高い住まいの演出になることがよくわかります。住む人もゲストも、通るたびに和モダンな美意識を楽しんでいることでしょう。
庭の一部に長いアプローチがほしい場合、または旗竿地でのアイデアとしておすすめしたい事例です。広大な日本庭園をつくらずとも、家の顔であるアプローチで和の風景をつくれば、格調高い住まいの演出になることがよくわかります。住む人もゲストも、通るたびに和モダンな美意識を楽しんでいることでしょう。
駐車スペースと前庭を兼ねた小さめのアプローチを、和風の庭の趣にした実例です。植栽、石、左官のような塀をアクセントに、ジャパニーズテイストが表現されています。
シンプルな外構だったら、と仮定すると、こちらの方がぐっと高級感が出ていることに気がつくはずです。
狭い庭を活かすための4つのヒント
シンプルな外構だったら、と仮定すると、こちらの方がぐっと高級感が出ていることに気がつくはずです。
狭い庭を活かすための4つのヒント
3. ウッドデッキの隅に和のアクセント
こちらは端に小さな和庭をつくったことでウッドデッキと和室が繋がり、空間に連続性が生まれた好例です。都市の狭小地などで、限られたスペースに和室と庭をつくりたい場合にとても参考になります。
こちらは端に小さな和庭をつくったことでウッドデッキと和室が繋がり、空間に連続性が生まれた好例です。都市の狭小地などで、限られたスペースに和室と庭をつくりたい場合にとても参考になります。
部屋から続くウッドデッキの中庭の奥に注目です。和の趣の植栽や石を一部分にのみ施工したにもかかわらず、その存在感は大きく、フォーカルポイントとなっています。隅に和テイストがあることで奥行きを感じさせるテクニック、ぜひ真似したいものです。
狭くて小さな庭でも広く見せるテクニック
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4. 居室のための贅沢な風景
和室からしか見ることのできない、和室のための小さな和庭。景色を独占するかのような楽しみ方は、とても贅沢です。
竹垣で囲んだ庭は、コンパクトながらも光と和の風情があふれる空間となっており、お茶でも飲んでリラックスするという、何気ないけれど特別な時間を生み出してくれます。
和室からしか見ることのできない、和室のための小さな和庭。景色を独占するかのような楽しみ方は、とても贅沢です。
竹垣で囲んだ庭は、コンパクトながらも光と和の風情があふれる空間となっており、お茶でも飲んでリラックスするという、何気ないけれど特別な時間を生み出してくれます。
寝室とテラスの間につくられた小さな庭の存在は、空間と空間を繋げるクッション材のようにやわらかな印象。すぐに明るいテラスにつながるよりも心地よく目覚めることができそうです。
小さな和庭は、日々の暮らしに大きな潤いを与えてくれるすぐれもの。ぜひチャレンジしてみてください。
庭づくりの記事をもっと読む
さわやかな緑を楽しむ和風の庭、日本庭園30選
自宅に日本庭園をつくるには?烏賀陽百合さんに聞く
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