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「コト」から始める家づくり:のぼる、はねる、体当たりする
〈ブルースタジオ〉石井健による連載第4回は、「のぼる」「はねる」「体当たりする」がキーワード。子どもたちが喜ぶ家が大集合です。
Takeshi Ishii
2017年5月15日
1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの黎明期から1000件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。
1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの黎明期から1000件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。... もっと見る
発想が自由で既成概念にとらわれていない子どもにとって、家は格好の遊び場です。そこで、遊びながら創造力や体力を養える家はいかがでしょうか。「子どもは子ども部屋で遊ぶと」いう制約やメリハリも時には必要かもしれませんが、今回は、「のぼる」「はねる」「体当たりする」といったアクティビティをさまざまな場所で行えたり、体を動かせたりするユニークな空間について考えてみました。
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家は生活するところ、休息するところですが、それだけではなく家の中にエンターテイメント性を持たせる事例が増えてきました。マンションだとシアタールームを設置したり、郊外の戸建てだと、野菜を育てたり、BBQをしたりと、外の専用場でやっていたことを家でやるようになるという傾向が見られます。
家でゲームをやるのとは違う、日々の暮らしのエンターテイメント化が起きていると言えます。今後、家が複合施設化するでしょう。
家でゲームをやるのとは違う、日々の暮らしのエンターテイメント化が起きていると言えます。今後、家が複合施設化するでしょう。
前回までの連載では、家で食べるということや、収納について、外で行っていた集まりを家でやってみるということについて考えてみましたが、それらは「コト」ではあるけれども、静止画のようなものでした。今回は実際の行動の仕方ということで、「家の中で座っていないという状態をどれだけつくることができるか」ということを考えたいと思います。
ひとくちに“家で遊ぶ”と言ってもいろいろなやり方がありますが、たとえばこの写真のように、屋根の角度や窓の出っ張りをうまく利用して滑り台にしているこちらの事例は、家はくつろいだり、集まっておとなしく過ごすところという概念を覆す存在になりそうです。
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Houzzツアー:登れる三角屋根とテラスになる大きな窓が楽しい別荘
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静かに過ごすよりも、アクティブに体を動かすほうがウェイトが高い家の事例を挙げてみましょう。
キングコングのように鉄骨をよじ上ることができる、ニューヨークの《スカイハウス》です。最近よく見る室内ボルダリングを彷彿とさせますが、ハーネスを着けているあたり“本気のボルダリング”です。
キングコングのように鉄骨をよじ上ることができる、ニューヨークの《スカイハウス》です。最近よく見る室内ボルダリングを彷彿とさせますが、ハーネスを着けているあたり“本気のボルダリング”です。
屋根を滑り台にしたり、家の鉄骨を使ったボルダリングというのは大胆で難しくても、子ども部屋に登り棒を設置したり、ハンモックを取り付けたりするのは、体を動かす家の第一歩として取り入れやすそうです。
家のちょっとした段差に腰掛けるというアクションはあっても、今の家は、階段は階段、床は床としての機能に限定されてしまっていて、遊びがないのがほとんどです。
登ることを前提にしたジャングルジムのような本棚は、間仕切りがすべて棚になっていて、その隙間に子どもたちが入って遊べます。大人だと四つん這いになってくぐるのがやっとかもしれませんが、子どもにとっては立派な遊びのスペースなのです。
登ることを前提にしたジャングルジムのような本棚は、間仕切りがすべて棚になっていて、その隙間に子どもたちが入って遊べます。大人だと四つん這いになってくぐるのがやっとかもしれませんが、子どもにとっては立派な遊びのスペースなのです。
ハンモックを張り巡らせたキッズスペースは、緊張感をもたせつつリラックスできるという、不思議な感覚になりそうな空間です。
高さを生かすというのは、脳の知覚と関係します。落ちる、体を動かすということを日常的に取り入れることで、脳に適度に刺激を与え、さらに家にいながらにして三半規管も鍛えられそうです。
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8歳の双子のお絵かきから生まれた、遊び心いっぱいのタワーハウス
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脳の知覚と視覚を関連づける部屋をもうひとつ。トンネルが子ども部屋への入り口となっています。入り口の高さは1.4メートルあるものの、奥へ進んでいくとトンネルはだんだん低くなって、反対側では1.2メートルになり、大人が立って歩くのが困難に。このトンネルを抜けたら、もしかしたら違う世界につながっているかも……と『不思議の国のアリス』を読んだ記憶が蘇るでしょう。
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家の中でフィットネスをする人もいるように、家の中にいるだけで体が刺激を受けると、それに伴って当然脳も刺激を受けるようになります。この斜めの家は、体と脳の関係や、“家ってなんなんだろう”というような哲学的な解釈で作られたコンセプチュアルな作品。居住空間の可能性の多さや、家を使い倒したり、遊びの要素を探すということも考えられる「家」です。
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