バスケットコートがある三角屋根の家
「バスケットコートがほしい」という要望に取り組んだ、建築士の兄妹。オリジナリティ溢れる家をつくるためには、無駄のない設計が不可欠でした。
永松典子
2017年5月10日
静岡の編集プロダクションとして、冊子、パンフレット、雑誌、ウェブ、映像など各種編集に携わりながら、住宅、建築、インテリアなどの取材撮影対応も致します。オリジナルの冊子、タブロイド誌などの制作も承ります。
また、海外に向けて静岡を発信すべく、FIEJAというウェブサイトの運営、インバウンド促進のためのタブロイド誌の発行もしつつ、静岡への移住定住、文化、芸術、商業の活性化も目指しています。
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庭や車庫を利用してバスケットゴールを設置している家を見かけることはあるが、家族や友人から“コートハウス”と呼ばれるこの家には、バスケットコートそのものが屋内にある。オーナーは大学の男子バスケットボール部の監督でもある松角翔吾さん。小学生の息子さんは、週1回のミニバスケットボールクラブに参加している。「バスケットゴールのある家がほしい」という冗談のような松角さんの要望に対して、奥様で建築士の美行さんと、美行さんの兄である小泉設計室の代表、小泉秀一郎さんがとことん向き合った。住まいとバスケットコートを組み合わせた大胆な設計によって、バスケットボール一家の住まいの中心にコートができ、日々の暮らしを楽しむ無限の可能性が広がった。
どんなHouzz?
所在地:静岡県静岡市
住まい手:松角翔吾さんと美行さん+子ども3人の5人家族
延床面積:132.01平方メートル(40坪)
規模:コート、ダイニングキッチン、洗面、寝室、子ども部屋、リビング兼プレイルーム
竣工年:2016年
建築設計:小泉設計室
構造:木造2階建
写真:矢野紀行
どんなHouzz?
所在地:静岡県静岡市
住まい手:松角翔吾さんと美行さん+子ども3人の5人家族
延床面積:132.01平方メートル(40坪)
規模:コート、ダイニングキッチン、洗面、寝室、子ども部屋、リビング兼プレイルーム
竣工年:2016年
建築設計:小泉設計室
構造:木造2階建
写真:矢野紀行
写真では白く見えるが、外壁はシルバーのガルバリウム鋼板を使用。陽の当たり方や見る角度によって表情が出るのが魅力だ。屋根の下には窓が水平に配され、まるで屋根が浮いているかのように見えるシンプルでありながら斬新なデザインだ。50坪の敷地に22.5坪の建築面積は、この辺りでは一般的で、決して広いとは言えない。車が3~4台十分に停められるスペースを家の前に確保し、広々とした印象を与える。
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中央の玄関扉を開けると、目の前にはすぐにバスケットコートがある。玄関先で靴を脱ぎ、写真1階正面の収納へ。家の中に入るというより、まるで体育館に入る感覚だ。広いのか狭いのか分からない、不思議なスケール感に驚きが隠せない。
壁面は、体育館にも実際に使用される有孔ボードを用い、吸音効果も高いため、音も気にならない。
壁面は、体育館にも実際に使用される有孔ボードを用い、吸音効果も高いため、音も気にならない。
1階にはコートと洗面、ダイニングキッチンがある。実際のバスケットコートの約4分の1程の広さ、6mの天井の高さがあるスペースは、家の中心に位置する。本物のバスケットリングが、正規の高さ(3.050m)に設置され、子ども用に低い位置にも取付けることができる。ご主人と息子さんをはじめ、体を動かすことが大好きなバスケットボール一家の素敵な住まいは、暮らしの中心にコートがあった。
玄関から入って右手奥には、ダイニングキッチンがある。ダイニングとしては決して広くはないが、コートとつながっていることで開放感がある。
アメリカのストリートバスケのコートにありそうな鉄のフェンスで仕切れば、応援席のようにも見える。お子さんの友達が集まってバスケットをしているときには、フェンスを閉めれば、独立したスペースとなり、安全に、子供たちの遊ぶ姿を楽しむこともできる。
ダイニングに隣接しているキッチンは、一見造作キッチンのようにも見えるが、シンクや棚などはすべて既製品。事前にサイズを確認し、ぴったりと収まりよく、コストを抑えることもできた。〈無印良品〉の棚は、ステンレスの棚台だと費用もかかるので、間柱材の棚板を一部使用した。その結果、低コストで、木のぬくもりのある棚にカスタマイズできた。
2階には主寝室、リビング兼遊びのスペース、子ども部屋の3つの部屋がある。部屋を結ぶ廊下の代わりにキャットウォークが作られた。回遊性もあり、壁沿いに本棚をしつらえたのでライブラリーとしても活用している。このライブラリーの棚も全て既製品。設計段階で、棚に合わせて高さを決めているため全く違和感なくぴったりと収まっている。
寝室は基本的には寝るためだけの部屋。
設計者の小泉さんは家全体を大きな箱と考え、子どもたちがどの部屋で何をしているかわかる設計にした。その結果、家族の気配が感じられ、奥様も安心しているという。
設計者の小泉さんは家全体を大きな箱と考え、子どもたちがどの部屋で何をしているかわかる設計にした。その結果、家族の気配が感じられ、奥様も安心しているという。
ご主人も、近隣を気にして「静かにしなさい」と子どもたちに注意することがなくなったという。むしろ、ウォームアップのために、「走れ!シュートを打て!」と声をかける。
子どもたちは、いつでも遊びながら自由に動くことで伸び伸びと過ごせ、とても満足しているそう。
子どもたちは、いつでも遊びながら自由に動くことで伸び伸びと過ごせ、とても満足しているそう。
決してお金をかけたのではなく、ちょっとした特別なことにこだわった家。松角さんご一家は既製品を上手に使いながら、自分たちでできるところは手伝い、オリジナリティをだして素敵な暮らしを実現した。
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