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レトロでポップ! 8ビットゲームを楽しむインテリア
《パックマン》や《スーパーマリオブラザーズ》など、80年代に登場した8ビットゲーム。最新ゲームのビジュアルがリアルに近づく一方、8ビットのピクセルなビジュアルは、インテリアに取り入れるとレトロで新鮮な魅力をつくりだしてくれます。
80年代頃に一世を風靡した〈ナムコ〉の《パックマン》や〈任天堂〉の《スーパーマリオブラザーズ》。今や世界中にファンが存在する懐かしのゲームですが、かつてゲームセンターでしか遊べなかったものがこれほどまでに広がったのは、〈任天堂〉の《ファミリーコンピュータ》や〈NECホームエレクトロニクス〉の《PCエンジン》などの家庭向け8ビットゲーム機の登場が大きかったと言えます。そのビジュアルからわかるように、この頃のゲームはどれも、ゲーム機が表示できる16×16のドット(点)で描かれたキャラクターが一般的でした。先にあげた《パックマン》などは、その形がわかりやすい作品と言えるでしょう。このドットイラストの原理を平たく言うと、例えば8×8、16×16などに区切った方眼紙のマス目を必要な部分だけ塗りつぶして形をつくる、というものです。
そして、この方眼を塗りつぶす手法は、実はインテリアアイテムと置き換えることもできます。そう、タイルを使ったモザイクのデザインです。またこの手法の面白さは、近くではガタガタの輪郭なのに、遠くから見るときちんと滑らかに見えるという、錯視の効果も併せ持つ点。そこで今回は、8ビットイラストの仕組みを用いた装飾のアイデアや、ディテールと全景の印象が変わる錯視の面白さなどを活かしたアイデアをご紹介したいと思います。
そして、この方眼を塗りつぶす手法は、実はインテリアアイテムと置き換えることもできます。そう、タイルを使ったモザイクのデザインです。またこの手法の面白さは、近くではガタガタの輪郭なのに、遠くから見るときちんと滑らかに見えるという、錯視の効果も併せ持つ点。そこで今回は、8ビットイラストの仕組みを用いた装飾のアイデアや、ディテールと全景の印象が変わる錯視の面白さなどを活かしたアイデアをご紹介したいと思います。
タイルでつくった《パックマン》
ドットイラストでおなじみのゲーム《パックマン》を、方形のタイルで再現した例です。本来のゲーム背景は黒ですが、サニタリールームということで白をメインにして爽やかに。アイテムやモンスターも本来の原色ではなく彩度を落として優しい印象に調節しています。写真のように壁はもちろん床に応用すれば違った楽しさに。水や汚れが気になるキッチンのバックラッシュにも活かせそうです。
ドットイラストでおなじみのゲーム《パックマン》を、方形のタイルで再現した例です。本来のゲーム背景は黒ですが、サニタリールームということで白をメインにして爽やかに。アイテムやモンスターも本来の原色ではなく彩度を落として優しい印象に調節しています。写真のように壁はもちろん床に応用すれば違った楽しさに。水や汚れが気になるキッチンのバックラッシュにも活かせそうです。
D.I.Yも楽しいドットイラスト
こちらは《インベーダーゲーム》や《パックマン》風のモチーフを組み合わせ、オリジナルデザインらしきウォールステッカーで再現した子ども部屋。ドットで描くキャラクターは制作が比較的簡単なだけでなく、拡大・縮小するだけで印象がかなり変化するためD.I.Yにもおすすめです。黒とオレンジでまとめれば、ポップさとシックさを併せ持つ空間になります。
こちらは《インベーダーゲーム》や《パックマン》風のモチーフを組み合わせ、オリジナルデザインらしきウォールステッカーで再現した子ども部屋。ドットで描くキャラクターは制作が比較的簡単なだけでなく、拡大・縮小するだけで印象がかなり変化するためD.I.Yにもおすすめです。黒とオレンジでまとめれば、ポップさとシックさを併せ持つ空間になります。
ゲームのギミックに溢れた子ども部屋
白から濃紺へのグラデーションと赤でつくられた幾何学柄壁紙、そして同系色でゲーム機が印刷された壁紙の合わせ使いで、ある種の素材勝ちとも言える子ども部屋。反対側の壁にも大きな《ゲームボーイ・アドバンス》のイラストが描かれています。ゲームのギミックにあふれた部屋として見ると、この幾何学柄がゲームソフトを突然抜いた時に稀に現れる、色が散ったようなバグ画面にも見えてきませんか。視点を変えると、この部屋の奥深さがより楽しめます。
白から濃紺へのグラデーションと赤でつくられた幾何学柄壁紙、そして同系色でゲーム機が印刷された壁紙の合わせ使いで、ある種の素材勝ちとも言える子ども部屋。反対側の壁にも大きな《ゲームボーイ・アドバンス》のイラストが描かれています。ゲームのギミックにあふれた部屋として見ると、この幾何学柄がゲームソフトを突然抜いた時に稀に現れる、色が散ったようなバグ画面にも見えてきませんか。視点を変えると、この部屋の奥深さがより楽しめます。
壁面で遊び心をアピール
こちらは建物の屋外にある壁面でドットと錯視の考え方両方を取り入れている例です。壁面をつくる際にレンガの積み方を変えて凹凸をつくり、大きな文字を描いているのがポイントです。すぐ脇を歩いている時は単なる凹凸にしか見えませんが、少し離れて見れば「HELLO」の文字だとわかります。白いレンガで街並みにはしっくりなじんでいるのに、来客に対するサービス精神はたっぷり。ゲーム的な遊び心が取り入れられたアイデアです。
こちらは建物の屋外にある壁面でドットと錯視の考え方両方を取り入れている例です。壁面をつくる際にレンガの積み方を変えて凹凸をつくり、大きな文字を描いているのがポイントです。すぐ脇を歩いている時は単なる凹凸にしか見えませんが、少し離れて見れば「HELLO」の文字だとわかります。白いレンガで街並みにはしっくりなじんでいるのに、来客に対するサービス精神はたっぷり。ゲーム的な遊び心が取り入れられたアイデアです。
ドットイラストを鏡と組み合わせて
ここからはタイルでつくられたドットイラストの例をいくつかご紹介します。まずは壁面いっぱいに描かれたポップな虹と雲。大小サイズを変えた鏡が組み合わされ、晴れ間の太陽のような輝きを加えているようです。洗面ボウルやクローゼットまで色みを揃えた、世界感ばっちりのアイデアです。
ここからはタイルでつくられたドットイラストの例をいくつかご紹介します。まずは壁面いっぱいに描かれたポップな虹と雲。大小サイズを変えた鏡が組み合わされ、晴れ間の太陽のような輝きを加えているようです。洗面ボウルやクローゼットまで色みを揃えた、世界感ばっちりのアイデアです。
和洋折衷、新旧折衷
葛飾北斎の有名な波の浮世絵を思わせるドットイラスト。同じドットの表現でも、タイルの周りにある目地を目立たせるかどうかでも印象がかなり変わるのが面白さです。この例では透明感のあるタイルを使っているため、濃青の部分で特に白い目地が際立ちデジタルアートのような雰囲気に。両サイドの古い和紙のようなタイル壁とも相まって、和洋はもとよりアナログとデジタルの折衷感がある不思議な空間になっています。
葛飾北斎の有名な波の浮世絵を思わせるドットイラスト。同じドットの表現でも、タイルの周りにある目地を目立たせるかどうかでも印象がかなり変わるのが面白さです。この例では透明感のあるタイルを使っているため、濃青の部分で特に白い目地が際立ちデジタルアートのような雰囲気に。両サイドの古い和紙のようなタイル壁とも相まって、和洋はもとよりアナログとデジタルの折衷感がある不思議な空間になっています。
大ぶりの花で迫力満点
薔薇や芍薬などのような大ぶりで華やかな花のモチーフ。色が濃いためか、グッと大人っぽい印象です。ドットイラストのよさは、タイルのサイズを小さくすればするほどリアルな描写ができるようになることです。この例では花びらや葉のグラデーションまで表現されており、ゲームのビジュアルの進化にも通じるものがあります。
薔薇や芍薬などのような大ぶりで華やかな花のモチーフ。色が濃いためか、グッと大人っぽい印象です。ドットイラストのよさは、タイルのサイズを小さくすればするほどリアルな描写ができるようになることです。この例では花びらや葉のグラデーションまで表現されており、ゲームのビジュアルの進化にも通じるものがあります。
オリエンタルな花を描く
同じ花でも、蓮や木蓮のようなぷっくりとしたオリエンタルな花のモチーフが印象的なウォールアート。ドットイラストの表現力やテイストの幅広さを感じさせる一例です。
同じ花でも、蓮や木蓮のようなぷっくりとしたオリエンタルな花のモチーフが印象的なウォールアート。ドットイラストの表現力やテイストの幅広さを感じさせる一例です。
タイルでの不揃い感を楽しむ
うってかわってシンプルなモチーフのパウダールーム。白地にゴールドやシルバーのタイルを組み合わせ、ひらひらとテープが舞うビジュアルをドット的に再現しています。タイルを用いて描くことで、プリントの壁紙などでは表現できない微妙な不揃い感が加わるのがポイントです。
うってかわってシンプルなモチーフのパウダールーム。白地にゴールドやシルバーのタイルを組み合わせ、ひらひらとテープが舞うビジュアルをドット的に再現しています。タイルを用いて描くことで、プリントの壁紙などでは表現できない微妙な不揃い感が加わるのがポイントです。
最もシンプルで最も簡単
ドットイラストやモザイクの面白さを持ち、遠近で印象が変わる要素すべてを併せ持つのが、こうした写真などのディスプレイアイデアではないでしょうか。それぞれを見ればまったく別の思い出を捉えた写真、離れて見ればハート型のウォールアートにもなる。最もシンプルで最も簡単な方法です。
ドットイラストやモザイクの面白さを持ち、遠近で印象が変わる要素すべてを併せ持つのが、こうした写真などのディスプレイアイデアではないでしょうか。それぞれを見ればまったく別の思い出を捉えた写真、離れて見ればハート型のウォールアートにもなる。最もシンプルで最も簡単な方法です。
メッシュプレートでつくるダミエ柄
最後は、まったく視点を変えたアイデアをご紹介しましょう。このインダストリアルテイストのガレージは、壁面から床まで斜めにラインが走るメッシュプレートの方向を交互に組み合わせ、新たな模様をつくり出しています。さらにプレートの色を少しずつ変えて配置することで、離れて見ると〈ルイ・ヴィトン〉の《ダミエ》柄のような方眼と、さらにタータン柄のように大きなチェック柄が浮かび上がってきます。
最後は、まったく視点を変えたアイデアをご紹介しましょう。このインダストリアルテイストのガレージは、壁面から床まで斜めにラインが走るメッシュプレートの方向を交互に組み合わせ、新たな模様をつくり出しています。さらにプレートの色を少しずつ変えて配置することで、離れて見ると〈ルイ・ヴィトン〉の《ダミエ》柄のような方眼と、さらにタータン柄のように大きなチェック柄が浮かび上がってきます。
こちらが少し離れた場所から見た写真です。距離と方向によって見え方が変わる面白い模様というだけでなく、網目から薄く奥が透けるため、何が収納されているかがすぐわかる便利さも。錯視のデザインと機能がうまく融合したアイデアと言えるでしょう。
今回はレトロゲームのビジュアルを起点にしたインテリアデザインのアイデアをご紹介しました。ゲームのイメージを子どもっぽくなくインテリアに取り入れたい方はもちろん、少し捻ったデザインをお探しの方にもおすすめです。
教えてHouzz
どのアイデアを試してみたいですか?
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世界のHouzzから:幾何学模様で人気再燃! セメントタイルの新しいトレンド
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