コメント
リビングにY字階段がある、白く明るい賃貸アパートメント
階段、むき出しの梁、明るい日差し。そして、部屋の持つポテンシャルを引き出すインテリアのセンス。スペインのファッションプロデューサー夫妻の、自分たちらしい賃貸暮らしとは?
Rafael F. Bermejo
2017年5月15日
ドミンゴ(ミンゴ)・クルス・リュイさんとカロリーナ(カロル)・バルセロさんが暮らすのは、明るい光があふれる賃貸アパートメント。ラスティックな梁やドラマチックな白い階段といったユニークなつくりが印象的な住まいだ。空間の特徴を生かしながら、住まう家族の個性をプラスして、素敵なインテリアに仕上がっている。
Photos by Alfredo Arias
どんなHouzz?
住まい手: PR会社を共同運営するドミンゴ(ミンゴ)・クルス・リュイさんとカロリーナ(カロル)・バルセロさんのカップル、娘のセリアちゃん。
所在地:スペイン、マドリッド中心部
注目ポイント:Houzzスペイン版で制作したビデオ(スペイン語)では、クルスさんとバルセロさんが自宅を紹介してくれます。
クルスさんとバルセロさんは、この賃貸住宅に暮らして16年になる。「じつは、以前ここに住んでいた友人から引き継ぐかたちで住み始めたんです。彼が出ることになったので、私が借りることにしたというわけです」とクルスさん。
しかし10ヵ月前、クルスさんとバルセロさんの生活にちょっとした変化が起きる。娘のセリアちゃんの誕生だ。それがきっかけで、ここから引っ越すことを考えるようになったという。「娘が歩き始めたら、こんな階段がある生活は危ないですからね。でも本当のところを言うと、ここで暮らしたあとでは、満足できる家がなかなか見つからなかったのです」
どんなHouzz?
住まい手: PR会社を共同運営するドミンゴ(ミンゴ)・クルス・リュイさんとカロリーナ(カロル)・バルセロさんのカップル、娘のセリアちゃん。
所在地:スペイン、マドリッド中心部
注目ポイント:Houzzスペイン版で制作したビデオ(スペイン語)では、クルスさんとバルセロさんが自宅を紹介してくれます。
クルスさんとバルセロさんは、この賃貸住宅に暮らして16年になる。「じつは、以前ここに住んでいた友人から引き継ぐかたちで住み始めたんです。彼が出ることになったので、私が借りることにしたというわけです」とクルスさん。
しかし10ヵ月前、クルスさんとバルセロさんの生活にちょっとした変化が起きる。娘のセリアちゃんの誕生だ。それがきっかけで、ここから引っ越すことを考えるようになったという。「娘が歩き始めたら、こんな階段がある生活は危ないですからね。でも本当のところを言うと、ここで暮らしたあとでは、満足できる家がなかなか見つからなかったのです」
クルスさんは、自宅のインテリアについて「北欧スタイルがベースで、少しエクレクティック」と表現する。
一方、バルセロさんは「かなり北欧的なスタイルだけど、とくにエクレクティックじゃない」という意見。「リビングは、梁と階段のデザインが、山小屋っぽい雰囲気ですよね」
室内のつくりは複雑だが、シンプルな家具を取り入れることでバランスをとっている。たとえば、こちらの洋服用ハンガーラック。クルスさんがプロデュースしたファッションブランド「プロノビアス」の撮影で使ったものをもらい受けた。
住まいの専門家を探す
一方、バルセロさんは「かなり北欧的なスタイルだけど、とくにエクレクティックじゃない」という意見。「リビングは、梁と階段のデザインが、山小屋っぽい雰囲気ですよね」
室内のつくりは複雑だが、シンプルな家具を取り入れることでバランスをとっている。たとえば、こちらの洋服用ハンガーラック。クルスさんがプロデュースしたファッションブランド「プロノビアス」の撮影で使ったものをもらい受けた。
住まいの専門家を探す
モノに対する強いこだわりはないというふたりだが、絵画は例外のようだ。特に、クルスさんが子どものころに亡くなったお父さまが描いた作品は大切にしている。
「父は画家として、70年代のスペインでかなり成功していたんです。父の遺産といえるものは少ないのですが、絵はそのひとつですね」。なかでも特別な1枚は、クルスさんが生まれる1か月前のお母さまの姿を描いたスケッチだ。
バルセロさんも、これまでに友人たちが描いて贈ってくれた作品をとても大切にしている。「ミンゴと私が結婚したときに描いてもらった絵は宝物です。それから、ポルトガルのバロック様式の施釉タイルをあしらったランプも気に入っています。これも結婚のお祝いプレゼントですね」
「父は画家として、70年代のスペインでかなり成功していたんです。父の遺産といえるものは少ないのですが、絵はそのひとつですね」。なかでも特別な1枚は、クルスさんが生まれる1か月前のお母さまの姿を描いたスケッチだ。
バルセロさんも、これまでに友人たちが描いて贈ってくれた作品をとても大切にしている。「ミンゴと私が結婚したときに描いてもらった絵は宝物です。それから、ポルトガルのバロック様式の施釉タイルをあしらったランプも気に入っています。これも結婚のお祝いプレゼントですね」
「引っ越して来たときから部屋自体はほぼ今の状態で、私たちが手を加えたことはひとつだけ、階段を白くペイントしたこと。家具のほかは、木の梁だけを大きく目立つ要素にしたかったんです」とクルスさん。
「この梁のおかげで、ほかの家には絶対にない魅力が生まれていますね」とバルセロさんは言う。
「階段がアイキャッチになっています」とクルスさん。階段は、リビングルームだけでなく家全体に横の広がりを感じさせてくれる存在だ。「アパートメント自体はそれほど大きくないんですが、わずかなスペースも無駄にしないレイアウトと、上階へつながる階段のおかげで、ひろびろとした印象です」
「この梁のおかげで、ほかの家には絶対にない魅力が生まれていますね」とバルセロさんは言う。
「階段がアイキャッチになっています」とクルスさん。階段は、リビングルームだけでなく家全体に横の広がりを感じさせてくれる存在だ。「アパートメント自体はそれほど大きくないんですが、わずかなスペースも無駄にしないレイアウトと、上階へつながる階段のおかげで、ひろびろとした印象です」
クルスさんとバルセロさんはふたりとも島育ち。クルスさんはテネリフェ島、バルセロさんはマヨルカ島の出身だ。首都マドリッドに出てくるため、島を去らなくてはならなかったが、「これが自分たちの選んだライフスタイル。ゴミを出しに外に出たときに誰かとばったり会うかもしれないから、いつもちゃんとした格好をしておかなきゃ、というような意識が好きなんです」とクルスさんは笑う。
バルセロさんは、この地域の暮らしが気に入っている。「子どもが生まれたらきっと気が変わるよ、とみんなに言われていたんですが、そんなことはありませんでした。すぐ近くになんでも揃っていて、いろんな選択肢がある、都心の暮らしが好きなんです。今のところ、ほかの地区に引っ越すことは考えていません」
バルセロさんは、この地域の暮らしが気に入っている。「子どもが生まれたらきっと気が変わるよ、とみんなに言われていたんですが、そんなことはありませんでした。すぐ近くになんでも揃っていて、いろんな選択肢がある、都心の暮らしが好きなんです。今のところ、ほかの地区に引っ越すことは考えていません」
階段が、ダイニングエリアを半分取り囲んでいる。「うちにはテーブルが2つあって、ダイニングのテーブルはIKEAのストックホルムコレクション。ソファ用のテーブルは、家具修繕職人の友人から買ったものです。」椅子は、いろいろなオンラインショップから購入した。いちばん最近買ったのはセリアちゃんのハイチェアで、ミクナのオーヴォモデルだ。
クルスさんとバルセロさんは、PR会社・プロジェクトルームを運営しており、手掛けている大きなプロジェクトのひとつに「MFShow」(マドリッド・ファッション・ショー)がある。「家に仕事は持ち込まないようにしているのですが、どうしても家で仕事をしなければいけないときにはダイニングのテーブルを使っています」とクルスさん。
クルスさんとバルセロさんは、PR会社・プロジェクトルームを運営しており、手掛けている大きなプロジェクトのひとつに「MFShow」(マドリッド・ファッション・ショー)がある。「家に仕事は持ち込まないようにしているのですが、どうしても家で仕事をしなければいけないときにはダイニングのテーブルを使っています」とクルスさん。
黒板もインテリアアイテムのひとつ。「マドリッドの学校で使われていたもの。友人が処分したがっていたので、うちで引き取って、ダイニングのテーブルとリビングエリアをゾーニングしています」
あらゆる方向から室内に光が入ること――それが、ふたりにとってこの家のいちばんの魅力かもしれない。「ふたりとも島育ちなので、どこに住むにしても、明るい日差しを必要としているんです」とバルセロさん。
やっと10ヵ月になり、はいはいし始めたばかりのセリアちゃんには、家のなかを探検することはまだできない。「セリアが生まれた瞬間から、インテリアに手を加えたり、部屋の使い方を変えたりすることが必要になりました。夫婦の寝室はベビー部屋にして、私たちは以前のゲストルームとして使っていた部屋に寝ています」とクルスさん。
動画はこちら
動画はこちら
おすすめの記事
ルームツアー (お部屋紹介)
心地よい時間を楽しむ、インダストリアルでモダンな部屋
リビングダイニングを使いやすく、自分らしいインテリアにしたいと考えたオーナー。思い切ってプロにトータルコーディネートを依頼しました。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
建築途中でホテルから居住用に。曲線と土間のあるスタイリッシュな賃貸住宅
コロナ禍で竣工間近のホテル計画が白紙に。それでも、柔軟性のあるデザインによって魅力ある賃貸住宅に変身した、9階建てビルのプロジェクトです。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
パリの20㎡。機能的でおしゃれな賃貸リノベーション
ブルーの壁と賢く計算されたデザインが魅力。パリで暮らす若いプロフェッショナルにぴったりのコンパクトなお部屋です。
続きを読む
My Houzz
小さな子供がいてもおしゃれに。インダストリアルでBOHOな部屋
出産を機に引っ越しをした夫婦。お互いの好みをうまくミックスし、予算内で自分たちらしいインテリアを完成させました。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
My Houzz:日本古典文学の翻訳家マクミランさんが、3匹の愛猫と暮らす家
アイルランド出身の翻訳家・詩人・版画作家のピーター・マクミランさん。3匹の黒猫と同居する築33年の3階建ての自宅兼事務所と、その素敵な暮らしをご紹介します。
続きを読む
片付け
賃貸マンション、賃貸アパート住まいの味方「突っ張り棒」の便利な活用例
便利グッズの定番「突っ張り棒」を使いこなして、賃貸の部屋をもっと便利で快適に、そしておしゃれに変身させましょう!
続きを読む
暮らしのヒント
賃貸の部屋でも使える「壁を傷つけない」便利グッズで、インテリアを楽しもう
壁を上手に利用してインテリアを楽しみたい、でも賃貸だから……とあきらめていた人へ、便利グッズを探して使ってみた筆者のレポートをお届けします。
続きを読む
コーディネート・スタイリング
ひとり暮らし向け、コンパクトな部屋のベーシックコーディネート法
春から新生活がスタートし、初めてひとり暮らしをする人のために、広くない賃貸の部屋を快適な自分のお城にする基本4ステップと役立つヒントをご紹介します。
続きを読む
暮らしのヒント
新生活の最初のステップ、新居の物件探しと内見のポイント
春の新生活に向けて住まいを探す際、気をつけるべき点は? 満足のいく部屋を見つけるための心構えやチェックポイントをまとめました。
続きを読む