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初めてのアンティーク&ヴィンテージ選び、おすすめアイテム5選
アンティーク家具やヴィンテージ家具を初めて買う人のために、シンプルでコンパクトな日本のインテリアの実情に合う、おすすめの家具をご紹介。アイテム別に、選ぶときのポイントもお伝えします。
西谷典子|Noriko Nishiya
2017年4月24日
いつもの空間の中にひとつ置けば、味わい深い素敵なシーンになるアンティークやヴィンテージの家具。長い年月を経てきた木や素材の味わいが新しい空間に温かみを与え、バランスの取れた空間を作り出せるからでしょう。よいものは値段もそれなりにしますが、きちんとした作りのアンティークは長持ちするので、結局は経済的ともいえます。この記事では、初めてアンティークやヴィンテージをインテリアに取り入れる人におすすめのアイテムと、選び方のポイントをご紹介。今回は、スツール、ワインテーブル、アームチェアなど、比較的気軽に買え、コンパクト空間で上質なくつろぎシーンがつくれる小さな家具を取り上げます。
アンティークに関する基本知識はこちらを参考に
アンティークの基本的な知識、選び方や扱い方のポイント
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1. 気軽に買えて場所をとらず、多用途に使えるスツール
スツールはおそらく最も小ぶりで気軽な家具といえますが、アンティークやヴィンテージなら小さいなりに古いものならではの風格があり、置くだけで絵になります。用途も多彩で、キッチンで使う予備の椅子、花を飾る台、玄関で使う腰掛け椅子、鍵や財布などの一時置き場など、場所を選ばず活躍します。まずは一台、という人におすすめです。
スツールはおそらく最も小ぶりで気軽な家具といえますが、アンティークやヴィンテージなら小さいなりに古いものならではの風格があり、置くだけで絵になります。用途も多彩で、キッチンで使う予備の椅子、花を飾る台、玄関で使う腰掛け椅子、鍵や財布などの一時置き場など、場所を選ばず活躍します。まずは一台、という人におすすめです。
選ぶときのポイント
アンティークのスツールの多くはビーチ(ブナ)材やエルム(ニレ)材、またはパイン材で作られています。なかにはシートの部分が歪んでいるものもあり、それも味わいのひとつといえますが、何かをのせて使いたい場合はやはり、平らなものを選んだ方がいいでしょう。古くよいものほど重いのですが、脚に虫食いがあるものは折れやすく長持ちしないので避けましょう。
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2. 三本脚のエレガントなデザイン、ワインテーブル
ワインテーブル、ランプテーブルなどと呼ばれる小さなテーブルは、イギリスでは「オケージョナルテーブル」、フランスでは「サロンテーブル」と総称されます。これらのテーブルは初め、ヨーロッパの貴族の間で紅茶の文化が広まった18世紀に、ティーカップを置くためのテーブルとして流行しました。その後ワイングラスを置くためのワインテーブル、照明を置くためのランプテーブルなど、用途によって名前やサイズを変えて作られるようになりました。
もともと貴族のサロン用家具なので、上質で品のよいデザインが多く、エレガントなシーンを演出するのに最適。必要なときに必要なものをのせられ、小回りのきく便利なテーブルです。写真の三脚タイプは「トライポッド」と呼ばれ、イギリスのジョージ時代(1714〜1837)に流行したデザイン。シンプルなので現代のインテリアにも自然になじみます。
ワインテーブル、ランプテーブルなどと呼ばれる小さなテーブルは、イギリスでは「オケージョナルテーブル」、フランスでは「サロンテーブル」と総称されます。これらのテーブルは初め、ヨーロッパの貴族の間で紅茶の文化が広まった18世紀に、ティーカップを置くためのテーブルとして流行しました。その後ワイングラスを置くためのワインテーブル、照明を置くためのランプテーブルなど、用途によって名前やサイズを変えて作られるようになりました。
もともと貴族のサロン用家具なので、上質で品のよいデザインが多く、エレガントなシーンを演出するのに最適。必要なときに必要なものをのせられ、小回りのきく便利なテーブルです。写真の三脚タイプは「トライポッド」と呼ばれ、イギリスのジョージ時代(1714〜1837)に流行したデザイン。シンプルなので現代のインテリアにも自然になじみます。
選ぶときのポイント
ジョージ時代のアンティークのワインテーブルは数が少なく高価ですが、現在市場で多く出回っている1960年頃に作られたマホガニーのワインテーブルは、値段も手頃なので無理なく買えるアイテムです。素材の多くを占めるのはオークとマホガニー。どちらの素材にもいえることですが、三本脚の部分にひびが入っていないかどうかは必ずチェックしてください。
幅70cmほどのテーブルでは、天板が持ち上がり、使わないときは天板を縦にしてスペースを取らずに収納できるものがあります。この作りは「ティルトップ」と呼ばれ、ジョージ時代やヴィクトリア時代(1837〜1901)など、100年以上前に作られた古いサロンテーブルに多く見られます。
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3. コンパクトに玄関を飾る、機能的なホールテーブル
玄関先に置いて花やオブジェを飾り、入ってくる人を温かく迎え入れる家具、ホールテーブル。中には天板が開き、カードテーブル(カードゲームをするための小さなテーブル)になるタイプもあります。サイズは幅70〜80cm、奥行き30cm以下とさほど大きくないので、リビングやダイニングでサイドテーブルとしても使えます。
玄関先に置いて花やオブジェを飾り、入ってくる人を温かく迎え入れる家具、ホールテーブル。中には天板が開き、カードテーブル(カードゲームをするための小さなテーブル)になるタイプもあります。サイズは幅70〜80cm、奥行き30cm以下とさほど大きくないので、リビングやダイニングでサイドテーブルとしても使えます。
選ぶときのポイント
もともとのホールテーブルはジョージ時代のもので、マホガニー製のシンプルな形が主流です。さらに高級感のあるのは、リージェンシー時代と呼ばれる1810年代に作られたローズウッド製のホールテーブル。こちらは色がもう少しダークになります。どちらも光沢のある上質素材を活かした、シンプルで美しいデザインです。
ホールテーブルは別名コンソールテーブルとも呼ばれます。コンソールテーブルはもともと脚が1本しかない、壁に装着された飾り台のようなものでした。1本から2本、3本と脚が増え、天板の形も長方形や半月形など、バリエーションが増えていきました。さまざまなタイプがあるので、じっくり好みのものを探してみてください。
もともとのホールテーブルはジョージ時代のもので、マホガニー製のシンプルな形が主流です。さらに高級感のあるのは、リージェンシー時代と呼ばれる1810年代に作られたローズウッド製のホールテーブル。こちらは色がもう少しダークになります。どちらも光沢のある上質素材を活かした、シンプルで美しいデザインです。
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4. 風格のあるくつろぎシーンをつくるアームチェア
コンパクトスペースにも置けて座り心地のよい、小ぶりのアームチェアもおすすめしたいアイテムです。フォーカルポイントになる家具なので、クッションやスローなどを組み合わせてコーディネートを楽しみましょう。
写真のようなフランスやベルギー製のアームチェアは、ロココスタイルのカブリオレレッグや、曲線を描く優雅なデザインが多く、本国では250年以上経っても定番として愛されている椅子です。100年以上前のアンティークでなくても、50年ほど前に作られたヴィンテージにもしっかりしたクオリティのものが多くあります。こちらは価格もリーズナブルなので、おすすめです。
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選ぶときのポイント
シートのスプリングがゆるく座ると沈んでしまうものは避けたほうがいいですが、いっそのことシートのスプリングを取り、平らにして新しいクッションを別に作るという手段もあります。専門のプロに相談してみましょう。
シートを張り替える場合、フレームの木材と相性のいいファブリックの色や素材を吟味しましょう。たとえば、濃い色のマホガニー材の華奢な作りの椅子なら、パステルカラーのサテン生地を選ぶとノーブルなイメージに。オーク材なら、温かな色味の厚めの生地が似合います。日頃からよく使う椅子なら、耐久性の高いベルベットなどの厚手の生地が安心です。
シートのスプリングがゆるく座ると沈んでしまうものは避けたほうがいいですが、いっそのことシートのスプリングを取り、平らにして新しいクッションを別に作るという手段もあります。専門のプロに相談してみましょう。
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5. 趣深いフォーカルポイントをつくる鏡
家具ではありませんが、限りあるスペースをより広く奥行きがあるように見せてくれる鏡も、日本のインテリアには積極的に取り入れたいアイテムです。インテリアのフォーカルポイントになる存在感のある鏡をぜひ、アンティークやヴィンテージから選んで差をつけてみてはいかがでしょう。
マホガニーやオークなどの木材のや石膏で飾り付けられたモールディングのフレームは、それだけでインパクトがあります。1930年代から流行した、フレームなしのエッチングが施されたヴィンテージのシンプルな鏡も、写真のように何枚か集めて壁に飾ると、壁を魅力的に飾ることができます。
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選ぶときのポイント
最近ではリプロダクションの鏡も多く売られていますが、やはり本物のアンティークミラーの質感にはかないません。アンティークの鏡を買うときは、まず鏡の表面をよくチェックしてみてください。ぱっと見ただけでは分からないこともありますが、曇っているものや黒い点がついているものがあります。好みもありますが、デコレーション目的であれば、このシャビー感がかえってアンティークらしい味わいになると思います。
フレンチアンティークの大きなバロック調ミラーも人気がありますが、時代の古いものではモールディングの部分の欠けを多く見かけます。これもまたアンティークの味わいといえますが、石膏で作られた華奢な飾りの部分は特に壊れやすいので、強い衝撃を与えないなど、取り扱いには注意が必要です。
最近ではリプロダクションの鏡も多く売られていますが、やはり本物のアンティークミラーの質感にはかないません。アンティークの鏡を買うときは、まず鏡の表面をよくチェックしてみてください。ぱっと見ただけでは分からないこともありますが、曇っているものや黒い点がついているものがあります。好みもありますが、デコレーション目的であれば、このシャビー感がかえってアンティークらしい味わいになると思います。
フレンチアンティークの大きなバロック調ミラーも人気がありますが、時代の古いものではモールディングの部分の欠けを多く見かけます。これもまたアンティークの味わいといえますが、石膏で作られた華奢な飾りの部分は特に壊れやすいので、強い衝撃を与えないなど、取り扱いには注意が必要です。
アンティークに興味があっても、キャビネットやチェスト、ダイニングセットなど、大きなものを買うのは勇気がいるかもしれません。ならば、まずは今回挙げたようなごく小ぶりの家具から、インテリアに少しずつ取り入れてみてはいかがでしょう。長く使われて独特の味わいを増した、世界にひとつのアンティークやヴィンテージの家具は、個性的でアットホームなインテリアを演出してくれるはずです。
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