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中古マンションのリノベーションだからこそ実現、間取りも眺望もインテリアも大満足の家
好立地に建つマンションだから手に入れられた見事な眺望と、それを活かしたオープンな間取り。コストだけでない中古マンションの魅力を、こだわりのインテリアとともにご紹介。
chihiro suzuki
2017年9月11日
青いカーペット張りの床に、センスのいいデザイナーズ家具や照明がリズミカルに配された家。〈合同会社negla設計室〉の高木剛さんが中古マンションをリノベーションして手に入れた自邸だ。「私が住んでいる地域は中古マンションや空き家が増えつつある状況でした。今後、そのような物件を活用していくことが課題になると思い、自分の家でリノベーションを試してみようと考えました」。
若いカップルを中心に、数年前から注目を集めている中古マンションのリノベーション。コスト面だけでなく、中古だからこその立地条件のよさも魅力だと高木さんは言う。「私が住まいのベースを中古のマンションにしたのは、いくつかの条件を満たしていたからでした。1つは、妻の会社から近いことや、地下鉄の駅から徒歩圏内という条件。そしてもう1つは、景色がいいということ。また、市内に土地がなかなかないのと、あっても予算からオーバーしてしまうことも、中古マンションに決めた理由の1つです」。いろいろな中古マンションを見て回り、高木さんが最も惹かれたのは、市内でも有数の森林公園を目の前に望む築22年のマンション。管理組合がしっかりしていて、20年先の修繕計画を分かりやすく教えてもらえたのも安心できたポイントだそう。
若いカップルを中心に、数年前から注目を集めている中古マンションのリノベーション。コスト面だけでなく、中古だからこその立地条件のよさも魅力だと高木さんは言う。「私が住まいのベースを中古のマンションにしたのは、いくつかの条件を満たしていたからでした。1つは、妻の会社から近いことや、地下鉄の駅から徒歩圏内という条件。そしてもう1つは、景色がいいということ。また、市内に土地がなかなかないのと、あっても予算からオーバーしてしまうことも、中古マンションに決めた理由の1つです」。いろいろな中古マンションを見て回り、高木さんが最も惹かれたのは、市内でも有数の森林公園を目の前に望む築22年のマンション。管理組合がしっかりしていて、20年先の修繕計画を分かりやすく教えてもらえたのも安心できたポイントだそう。
家にいるとき過ごす時間がいちばん長いというリビング。窓の外には緑豊かな森林公園、その向こうには夜景が美しい街並み、さらに向こうには太平洋が見える。視界を遮るものが何ひとつない、マンションの14階から最高の景色を独り占めできる幸せと言ったら!デンマークの家具ブランド〈ゲタマ〉のソファは座り心地もビジュアルもよく、マンションの規約からフローリングにできなかったカーペットの床とも好相性で気に入っているそう。
3LDKだった間取りは「間仕切りが多く、昼間でも照明なしでは真っ暗な部屋も。北側のクローゼットにはカビが生えていました。目の前には広大な森林公園が広がっているのに、それを活かせる間取りではなくて。そんな状況と、もともと間仕切りをつくりたくなかった自分の志向が重なって、オープンな間取りとなりました」。その結果、空間全体の空気の循環がスムーズになり、各スペースの温度差が解消され、ジメジメやカビともさようなら。暗い部屋がなくなり、家も気持ちも明るくなったそう。「家族との絆も、自然と強くなるような空間設計です」。
どんなHouzz?
所在地:宮城県仙台市
住まい手:高木 剛さんと奥様
専有面積:78平方メートル
築年数:22年
リノベーション竣工:2016年2月
工事費:850万円~
設計:高木 剛(合同会社negla設計室)
3LDKだった間取りは「間仕切りが多く、昼間でも照明なしでは真っ暗な部屋も。北側のクローゼットにはカビが生えていました。目の前には広大な森林公園が広がっているのに、それを活かせる間取りではなくて。そんな状況と、もともと間仕切りをつくりたくなかった自分の志向が重なって、オープンな間取りとなりました」。その結果、空間全体の空気の循環がスムーズになり、各スペースの温度差が解消され、ジメジメやカビともさようなら。暗い部屋がなくなり、家も気持ちも明るくなったそう。「家族との絆も、自然と強くなるような空間設計です」。
どんなHouzz?
所在地:宮城県仙台市
住まい手:高木 剛さんと奥様
専有面積:78平方メートル
築年数:22年
リノベーション竣工:2016年2月
工事費:850万円~
設計:高木 剛(合同会社negla設計室)
フィンランドの照明ブランド〈セクトデザイン〉のペンダントが主役のダイニングスペース。隣には、使いやすさを重視したオリジナルのオーダーキッチンを配して。「夫婦で料理をすることが多いので、2人同時に作業ができるサイズのキッチンが欲しかったのと、自分たちが使いやすいデザインを追求すると、既製品では難しいかなと感じ、オーダーにしました」。
キッチンの壁はモルタル仕上げ、床はプラスチック樹脂のPタイルに。天井にはシナベニヤ材を張って、優しい雰囲気に仕上げている。「異素材を組み合わせて空間をつくるのが好きなので、いろいろな素材を1つの空間に多用しました。天井をあえて木材にしたのは、経年変化を楽しみたかったから。梁はモルタル系の補修材で仕上げて、その上にクリア塗装をしています」。異素材を組み合わせてもごちゃごちゃした印象にならないのはさすが。内装材に合わせて家具や照明も落ち着いたトーンで揃えているため、空間にまとまりが感じられる。
キッチンの壁はモルタル仕上げ、床はプラスチック樹脂のPタイルに。天井にはシナベニヤ材を張って、優しい雰囲気に仕上げている。「異素材を組み合わせて空間をつくるのが好きなので、いろいろな素材を1つの空間に多用しました。天井をあえて木材にしたのは、経年変化を楽しみたかったから。梁はモルタル系の補修材で仕上げて、その上にクリア塗装をしています」。異素材を組み合わせてもごちゃごちゃした印象にならないのはさすが。内装材に合わせて家具や照明も落ち着いたトーンで揃えているため、空間にまとまりが感じられる。
ダイニングからリビングを見たところ。写真左には洗面ルームがある。「暗い洗面室は嫌だったので、ガラス張りにしました。ダイニングの横にありますが、ブラインドで目線を切れるようにしているので、ゲストが訪れても大丈夫です」と高木さん。ダイニングとリビングの間には麻のシェードをつけ、シーンによって区切れるように工夫。リビングからちょうど梁の裏側にあるので、閉じているときはシェードが見えない、こまやかな配慮だ。
リビングの奥にある、作業スペース兼ゲストの宿泊スペース。限られた空間を有効活用するため、小上がりにして床下に収納をつくった。簡単に蓋を外せるよう、縁なしの畳を採用している。
間仕切りがない代わりに、使う素材によってやんわりとゾーニングしているのも真似したいテクニック。この作業スペースと、その奥の寝室の間に設けた壁はレッドシダー材の羽目板を使い、作業スペースのテーブルにはナラの集成材を使った。さらに、寝室を隠したいときには、ダイニングとリビングの間に設けたものと同じシェードを下ろせるようにしている。
間仕切りがない代わりに、使う素材によってやんわりとゾーニングしているのも真似したいテクニック。この作業スペースと、その奥の寝室の間に設けた壁はレッドシダー材の羽目板を使い、作業スペースのテーブルにはナラの集成材を使った。さらに、寝室を隠したいときには、ダイニングとリビングの間に設けたものと同じシェードを下ろせるようにしている。
寝室は、真っ白のみの空間だとつまらないので、1面だけアクセントにレッドシダー材の羽目板を張った。壁には〈ルイスポールセン〉の照明をつけて、光の反射を楽しんでいる。「この照明はシェードの内側がピンクに塗装してあって、やわらかい光を感じることができ、寝室におすすめです」。窓を飾るのは〈立川ブラインド〉の木製ブラインド。遮光性が高く、寝室に向いているのだとか。木の素材感あふれるインテリアと白いベッドリネンですっきりとまとめられた寝室は、眠りも、目覚めも心地よさそう。
構造によって難しい場合もあるが、マンションのリノベーションでも、壁や建具、設備機器などはすべて撤去して、一から自由にプランニングすることは可能だ。空っぽのスケルトン状態から設計できるので、自分好みの間取りを実現できる。もとの意匠を生かして設計できるのもリノベーションならではの醍醐味。高木さんも、マンションの規約を守りながら、壁が少ないオープンな間取りで、唯一無二の自邸を構えることができた。
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構造によって難しい場合もあるが、マンションのリノベーションでも、壁や建具、設備機器などはすべて撤去して、一から自由にプランニングすることは可能だ。空っぽのスケルトン状態から設計できるので、自分好みの間取りを実現できる。もとの意匠を生かして設計できるのもリノベーションならではの醍醐味。高木さんも、マンションの規約を守りながら、壁が少ないオープンな間取りで、唯一無二の自邸を構えることができた。
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