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名作デザイン:注目を集める現代の名作照明15選
この20年に誕生した美しい照明プロダクトのなかから、近い将来クラシックな名品になること間違いなしといわれている15作品のライトをご紹介します。
Rebecca Gross
2017年2月16日
すぐれたプロダクトは、世界中の家で使われるうちに傑出したデザインが世に認められて、将来にわたりデザインの名作として語り継がれていくもの。これから取り上げるコンテンポラリーな照明は、誕生から長くても20数年しか経っていませんが、まさにデザインの名作になっている、あるいはなりつつあるものばかりです。この先もきっと長く輝き続ける15点のコンテンポラリーな照明をご紹介します。
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1. 《ミルクボトル・ランプ・シャンデリエ》
オランダの個性あふれるデザイン集団〈ドローグ・デザイン〉のテヨ・レミが手がけた《ミルクボトル・ランプ・シャンデリエ》。昔ながらのミルク瓶を再利用し、かつてミルク瓶がオランダで木箱に入っていたように4本×3列、計12本を配したデザインです。瓶は表面をサンドブラスト加工し、瓶の口にクロムのパーツをつけて、長いケーブルで吊るしています。
オランダの個性あふれるデザイン集団〈ドローグ・デザイン〉のテヨ・レミが手がけた《ミルクボトル・ランプ・シャンデリエ》。昔ながらのミルク瓶を再利用し、かつてミルク瓶がオランダで木箱に入っていたように4本×3列、計12本を配したデザインです。瓶は表面をサンドブラスト加工し、瓶の口にクロムのパーツをつけて、長いケーブルで吊るしています。
2. 《85 ランプ》
同じく〈ドローグ・デザイン〉の《85 ランプ》はロディ・フラウマンスのデザイン。使っているのは電球、ワイヤー、コネクタという照明に最低限必要な要素だけ。これをいくつも集めて、天井から下がる光のマッスを作り出しています。
同じく〈ドローグ・デザイン〉の《85 ランプ》はロディ・フラウマンスのデザイン。使っているのは電球、ワイヤー、コネクタという照明に最低限必要な要素だけ。これをいくつも集めて、天井から下がる光のマッスを作り出しています。
3. 《エイム・サスペンションライト》
〈ロナン&エルワン・ブルレック〉の《エイム・サスペンションライト》は、2010年に開催された展覧会のために作られた《リアン・ハンギングランプ》をインダストリアルにアレンジした照明。長いケーブルから固定具、シェード、電球まで、照明をつくるすべての要素をひとつにつなげるというコンセプトでつくられた照明です。複数の長いケーブルがまるでインターネット回線のように絡みあっており、空間にあわせてランプの向きや配置を自由に変えられます。
〈ロナン&エルワン・ブルレック〉の《エイム・サスペンションライト》は、2010年に開催された展覧会のために作られた《リアン・ハンギングランプ》をインダストリアルにアレンジした照明。長いケーブルから固定具、シェード、電球まで、照明をつくるすべての要素をひとつにつなげるというコンセプトでつくられた照明です。複数の長いケーブルがまるでインターネット回線のように絡みあっており、空間にあわせてランプの向きや配置を自由に変えられます。
4. 《ランダム・ライト》
ベルトイアン・ポットの作品《ランダム・ライト》は、素材の実験としてスタートしたプロダクトです。技術、構造、パターン、色を追求するポットは、蜘蛛の巣のような球体の、軽やかで透ける照明を作り上げました。
ベルトイアン・ポットの作品《ランダム・ライト》は、素材の実験としてスタートしたプロダクトです。技術、構造、パターン、色を追求するポットは、蜘蛛の巣のような球体の、軽やかで透ける照明を作り上げました。
5. 《ツィギー・フロアランプ》
マーク・サドラーが〈フォスカリーニ〉のためにデザインした《ツィギー・フロアランプ》は、〈フロス〉の名作《アルコ・フロア・ランプ》からヒントを得た照明。アーチ形のアームで頭上から照らす形のフロアランプは、配線を排除したデザインです。
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6. 《ココ》
オーストラリアでデザインスタジオ〈ココ・フリップ〉を構えるケイト・ストークスが手がけた《ココ・ペンダント》。北欧と日本の美の影響を受け、現地の職人の手で1点ずつ作られたプロダクトです。なめらかで均整のとれたフォルムのシェードはコードの末端で重みを感じさせるデザイン。明るさも十分にあります。「デンマーク式スタイルをお手本に、ダイニングテーブルの上に低めに吊るすのがおすすめ」とストークスさん。
オーストラリアでデザインスタジオ〈ココ・フリップ〉を構えるケイト・ストークスが手がけた《ココ・ペンダント》。北欧と日本の美の影響を受け、現地の職人の手で1点ずつ作られたプロダクトです。なめらかで均整のとれたフォルムのシェードはコードの末端で重みを感じさせるデザイン。明るさも十分にあります。「デンマーク式スタイルをお手本に、ダイニングテーブルの上に低めに吊るすのがおすすめ」とストークスさん。
7. 《リンク》
レイ・パワーのデザインによる〈LZF〉のランプ《リンク》は、曲線的でオーガニックなフォルムが生命力を感じさせます。特にフレッシュで燃えるようなオレンジ色はその魅力が強く現れています。薄いベニヤ素材を互いに渦を巻くように重ね合わせたデザインは、流れるようにエフォートレスな印象。彫刻的で立体的な照明です。
レイ・パワーのデザインによる〈LZF〉のランプ《リンク》は、曲線的でオーガニックなフォルムが生命力を感じさせます。特にフレッシュで燃えるようなオレンジ色はその魅力が強く現れています。薄いベニヤ素材を互いに渦を巻くように重ね合わせたデザインは、流れるようにエフォートレスな印象。彫刻的で立体的な照明です。
8. 〈プルーメン〉
写真の《プルーメン001》をはじめとする〈プルーメン〉の電球型蛍光灯は、角度によって見え方が変わる装飾的で美しい形に目を奪われます。彫刻のようなフォルムに加え、省エネルギー仕様も魅力です。
写真の《プルーメン001》をはじめとする〈プルーメン〉の電球型蛍光灯は、角度によって見え方が変わる装飾的で美しい形に目を奪われます。彫刻のようなフォルムに加え、省エネルギー仕様も魅力です。
9. 《14シリーズ》
オマー・アーベルがデザインした〈ボッチ〉の《14シリーズ》は、14のガラスの球体からなる照明。ガラスグローブの中にはフロスト加工した円筒型の空洞が。まとめてつるしても素敵ですし、1つずつ高さを変えるなど配置をアレンジすれば、ロマンチックで雰囲気のある空間も演出できます。
オマー・アーベルがデザインした〈ボッチ〉の《14シリーズ》は、14のガラスの球体からなる照明。ガラスグローブの中にはフロスト加工した円筒型の空洞が。まとめてつるしても素敵ですし、1つずつ高さを変えるなど配置をアレンジすれば、ロマンチックで雰囲気のある空間も演出できます。
10. 《ピジョン・ライト》
エド・カーペンターが美大の卒業制作展のためにデザインした《ピジョン・ライト》。大変な反響を呼び、デザインミュージアムやショップが着目し、〈トールステン・ヴァン・エルテン〉の元で製造されるようになりました。
《ピジョン・ライト》は「ロンドンを象徴する新しいみやげ品を作る」というテーマのもとで作られました。シェードはアクリルプラスチックを鳩の形に成型。シンプルな木製の洗濯ばさみの留め具がついており、棚板にも壁にもつけられます。
エド・カーペンターが美大の卒業制作展のためにデザインした《ピジョン・ライト》。大変な反響を呼び、デザインミュージアムやショップが着目し、〈トールステン・ヴァン・エルテン〉の元で製造されるようになりました。
《ピジョン・ライト》は「ロンドンを象徴する新しいみやげ品を作る」というテーマのもとで作られました。シェードはアクリルプラスチックを鳩の形に成型。シンプルな木製の洗濯ばさみの留め具がついており、棚板にも壁にもつけられます。
11. 《モード・シャンデリア》
ジェイソン・ミラーの《モード・シャンデリア》は安価な照明ショップにある既製品をヒントに、無垢のアルミ材でつくられたプロダクトです。ハブアンドスポークシステムを取り入れ、ユーザーが自由にバルブの数を選択できる仕様になっており、ラグジュリーな存在感ある照明です。
ジェイソン・ミラーの《モード・シャンデリア》は安価な照明ショップにある既製品をヒントに、無垢のアルミ材でつくられたプロダクトです。ハブアンドスポークシステムを取り入れ、ユーザーが自由にバルブの数を選択できる仕様になっており、ラグジュリーな存在感ある照明です。
12. 《スチュ・ムーン》
エンツォ・カテラーニの《スチュ・ムーン》は月へのオマージュを表現したコレクション。シェードの内側に月の表面のように加工し、明かりをともすと不規則な凹凸に光が反射します。
エンツォ・カテラーニの《スチュ・ムーン》は月へのオマージュを表現したコレクション。シェードの内側に月の表面のように加工し、明かりをともすと不規則な凹凸に光が反射します。
13. 《ヘラクレウム II ライト》
《ヘラクレウム II ライト》は 4.と同じベルトイアン・ポットのデザイン。その名が示すように、セリ科の植物ヘラクレウムをイメージしたプロダクトです。まるで天井から繊細な枝が伸びて広がるよう。先端のLED電球は葉や花のように見えます。
《ヘラクレウム II ライト》は 4.と同じベルトイアン・ポットのデザイン。その名が示すように、セリ科の植物ヘラクレウムをイメージしたプロダクトです。まるで天井から繊細な枝が伸びて広がるよう。先端のLED電球は葉や花のように見えます。
14. 《ビートライト》
〈トム・ディクソン〉の《ビートライト》は、インドの真鍮製の鍋や伝統的な水差しにインスパイアされたシンプルな造形が特徴のシリーズです。形、サイズともさまざまなシェードがあり、どれもインド北部のモラダバードの熟練職人による手作業で作られています。単独で使っても、2つ、3つ、またはそれ以上組み合わせてアレンジしても美しく決まります。
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15. 《ジョセフィーヌ》
ハイメ・アジョンといえばエレガントにして遊び心のあるデザインで知られていますが、照明《ジョセフィーヌ》シリーズも例外ではありません。存在感を主張するバロックスタイルのシャンデリアはドラマチックにしてモダンな曲線美のプロダクトです。
教えてHouzz
気になっている照明、いつか手に入れたい照明はありますか?
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