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Houzzツアー:田園風景になじむ、心地よいモダンハウス
ゆったりとした空間に光があふれる家。モダンでありながら、のどかな田園地帯の自然にもなじむ、新築の家をご紹介します。
Lara Sargent
2017年2月3日
伝統的な家並みが残る小さな集落のなかに、家族向けの現代的な家を新築するというのは、なかなか勇気がいる仕事だ。しかし〈メイレン・デザイン〉の設計チームは、持ち前のクリエイティビティを発揮して新旧の絶妙なバランスを実現。昔ながらの素材とコンテンポラリーなフォルムを組み合わせたモダンな住まいが、イギリス、バッキンガムシャー州ロング・クレンドンの村に完成した。
「スタイリッシュな都会の住宅を、歴史あるこの地域ににそのまま再現してしまうのは避けたかったんです」と言うのは、〈メイレン・デザイン〉で建築ディレクターを務めるキエラン・ホーキンスさんだ。「目標は、農業用建築のような力強さとシンプルさを備えた家のなかに、家族のための明るく楽しい住まい環境を作りだすことでした。」
都市部から引っ越してくるオーナー家族の希望は「ヴァイキングが住んでいたロングハウスと、ニューヨークのロフトアパートメントをかけ合わせたようなデザイン」だったとホーキンスさんは言う。「このプロジェクトではどんな決定をするにも、それによって生活がよりシンプルになるかどうかを基準に考える、というのがオーナーたちの方針でした。」
「スタイリッシュな都会の住宅を、歴史あるこの地域ににそのまま再現してしまうのは避けたかったんです」と言うのは、〈メイレン・デザイン〉で建築ディレクターを務めるキエラン・ホーキンスさんだ。「目標は、農業用建築のような力強さとシンプルさを備えた家のなかに、家族のための明るく楽しい住まい環境を作りだすことでした。」
都市部から引っ越してくるオーナー家族の希望は「ヴァイキングが住んでいたロングハウスと、ニューヨークのロフトアパートメントをかけ合わせたようなデザイン」だったとホーキンスさんは言う。「このプロジェクトではどんな決定をするにも、それによって生活がよりシンプルになるかどうかを基準に考える、というのがオーナーたちの方針でした。」
どんなHouzz?
住まい手:夫婦と5歳の息子さん、ペットの犬
所在地:バッキンガムシャー州ロング・クレンドン
規模:ベッドルーム×3、バスルーム(トイレ含む)×2
建築事務所:〈メイレン・デザイン〉
施工:〈リンク・デベロップメント・アンド・グラウンドワークス〉
伝統的な納屋のような外観だが、中に入るとあくまで現代的で、オープンな広がりのあるレイアウトになっている。屋内は壁やドアによる仕切りがほとんどなく、吹き抜け空間に明るい光があふれている。
「地域の計画規制のほか、時間や予算の制限もあり、かなりきつい条件のなかで設計が進みました」とホーキンスさんは語る。「ありがたかったのは、こういった制限のなかでも、常にクライアントの希望が明確だったことですね。家族のためのユニークで楽しい家、オープンで明るくすっきりとした作りだけど、同時にイギリスの田園地帯という土地柄にも合った家、というのを求めていたんです。」
住まい手:夫婦と5歳の息子さん、ペットの犬
所在地:バッキンガムシャー州ロング・クレンドン
規模:ベッドルーム×3、バスルーム(トイレ含む)×2
建築事務所:〈メイレン・デザイン〉
施工:〈リンク・デベロップメント・アンド・グラウンドワークス〉
伝統的な納屋のような外観だが、中に入るとあくまで現代的で、オープンな広がりのあるレイアウトになっている。屋内は壁やドアによる仕切りがほとんどなく、吹き抜け空間に明るい光があふれている。
「地域の計画規制のほか、時間や予算の制限もあり、かなりきつい条件のなかで設計が進みました」とホーキンスさんは語る。「ありがたかったのは、こういった制限のなかでも、常にクライアントの希望が明確だったことですね。家族のためのユニークで楽しい家、オープンで明るくすっきりとした作りだけど、同時にイギリスの田園地帯という土地柄にも合った家、というのを求めていたんです。」
「クライアントが土地を購入した時点ですでに、伝統的な納屋スタイルの建物を作るということでおおまかな承認が下りていました。でも、クライアントの好みや理想は、もっとコンテンポラリーなものだったんです」とホーキンスさんは言う。
伝統的な建物のかたちを残しながら、シャープで現代的なデザインを取り入れて、昔ながらの素材と新しい素材をミックスして使うことが必要になった。
「建材には、建設時間を短縮できて環境性能も抜群の、断熱構造パネルを使っています」とホーキンスさんは言う。「住み始めてから聞いたところでは、この家は断熱性が非常に優れているので、冬でもほとんど暖房を使わずに済んでいるそうです。家に来た友人たちには、コンクリートの床に床下暖房が入っていると思われるそうですが、実際は窓から入る太陽の熱が蓄熱されているだけなんです。」
伝統的な建物のかたちを残しながら、シャープで現代的なデザインを取り入れて、昔ながらの素材と新しい素材をミックスして使うことが必要になった。
「建材には、建設時間を短縮できて環境性能も抜群の、断熱構造パネルを使っています」とホーキンスさんは言う。「住み始めてから聞いたところでは、この家は断熱性が非常に優れているので、冬でもほとんど暖房を使わずに済んでいるそうです。家に来た友人たちには、コンクリートの床に床下暖房が入っていると思われるそうですが、実際は窓から入る太陽の熱が蓄熱されているだけなんです。」
現代的な、フラットな表面のドアは、施工業者が加工木材を使って製作したもの。ブルーグレーで塗装し、大胆でモダンなポイントになっている。
「玄関から入るとすぐに1階全体が見渡せるだけでなく、上階のベッドルームや、スカイライト越しの木や雲の眺めまで目に入ってきます」とホーキンスさんは説明する。「特別な場所にやって来た、という印象を作り出したかったんです。」
1階の壁はすべて、ごく淡いグレーで塗装している。合板材の階段と美しく調和し、コンテンポラリーでミニマルな雰囲気だ。
1階の壁はすべて、ごく淡いグレーで塗装している。合板材の階段と美しく調和し、コンテンポラリーでミニマルな雰囲気だ。
流れるような空間の効果を強めるため、内装にも外装にも、淡い色合いの自然素材を使っている。部分的に研磨加工を施したコンクリート床のキッチンとホールから、ベイマツ材をホワイトオイルで仕上げたフローリングのリビングルームへとつながっている。
ニュートラルなリビングルームは、定番のシンプルなソファ、薪ストーブ、アクセントにいくつか取り入れたシトラスイエロー、という組み合わせでやさしい雰囲気に。窓の横には天井まで届く戸棚(施工業者が制作)があり、収納スペースもじゅうぶんだ。
「クライアント夫婦は料理を作っておもてなしするのが好きで、自然光がたっぷり入るシンプルなキッチンを希望していました」とホーキンスさん。〈イケア〉のユニットに合板のワークトップを載せ、特注の合板シェルフや換気扇まわりのカバーとも統一感を出している。
キッチンの下半分をダークブルーに塗装したのは、クライアントのアイデア。「壁面に変化がつき、色彩が増えました」とホーキンスさんは言う。
サイドボードは〈マッキントッシュ・オブ・カーコーディ〉のヴィンテージで、クライアントが祖父母から受け継いだもの。
サイドボードは〈マッキントッシュ・オブ・カーコーディ〉のヴィンテージで、クライアントが祖父母から受け継いだもの。
淡いトーンの合板材は家の各所に使われている素材で、北欧風インテリアをつくりだす。こちらでは、パティオに出るドアの両側のパネルとして使われている。
「じゅうぶんなスペースを確保し、家の中の異なる部分のあいだにつながりを持たせるためには、スキップフロアを使った設計がとても重要でした」とホーキンスさんは言う。ベッドルームでは、1階とのつながりを感じられる一方、プライバシーを保てるだけの距離感もある。合板材の階段と手すりは、淡い色ですっきりと飾り気のない造作になっている。
階段を上がると合板材の踊り場で、頭上の大きなスカイライトから明るい光が射し込む。ここはワンちゃんのお気に入りスポットだ。
裸電球を使った3つの照明で、現代的でインダストリアルな雰囲気と、上下階の統一感を作り出している。「木の梁は、構造上必要だった部分です。できるだけそぎ落とされた素の雰囲気に、というクライアントの希望から、梁は露出したまま残すことにしました」とホーキンスさんは語る。
それぞれのベッドルームには、吹き抜けのホールに面した小さな室内窓がある。「最初のスケッチ段階から、この小窓はいいアイデアだと感じました」とホーキンスさん。
「この窓のおかげで、ベッドルームから吹き抜け空間を楽しむことができますし、プライバシーの必要に合わせて1階と2階のつながり具合を調整することができます。」2つのベッドルームのあいだでお互いにコミュニケーションをとることもできる。
家族用のバスルームも、合板材パネルと明るくニュートラルな色調という、家全体に共通のスタイルでそろえている。
こちらは住み始めてしばらく経ったころ。実際に暮らしている空間の味わいが出てきた。
ワンちゃんの新しいお昼寝スポットもできたようだ。
こちらはホームオフィス。大きな室内窓を通して、リビングも見渡せる。
飾っているアートも増えた。
レイアウトがよくわかる間取り図。上の図が1階、下の図が2階。
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