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落ち着ける空間をつくりたい? それなら、日本の「旅館」をお手本にしよう!
日本が大好き、というハウズ・オーストラリア編集部の編集者が、日本の旅館のインテリアをお手本にして心落ち着く空間をつくる方法をご紹介します!
Deirdre Avenell
2017年1月3日
1年の中でもとくに慌ただしいこの時期だからこそ、無理をしすぎないように、あえて休む時間を取って、心静かにリラックスすることも大切です。でも、瞑想体験に出かける時間もないし、日本へひとっ飛びしてお寺めぐりをするようなお金もない……というあなたは、日本の伝統的な宿泊施設「旅館」ふうのインテリアをおうちで再現してみてはいかがでしょう? うっすらと明かりを通す障子や、美しい仏像のある空間をイメージしてみてください。瞑想的とも言えるような、ミニマルなスタイルです。
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リビングルーム
日本のおもてなしの素晴らしさは世界に知られていますが、その理由のひとつと言えるのが、日本の伝統的な宿、旅館にみられるおもてなしの心です。旅館で大切にされているのは、何よりも宿泊客の居心地の良さ。やって来たお客さんは、靴を脱いで肌触りのよい畳に触れた瞬間から安らぎの雰囲気に包まれるのです。そんな効果をさらに強めているのが、自然素材でできたシンプルな調度や、感覚を落ち着かせてくれる控えめな色使い。そして、窓の外に見える美しい自然の景色も大事なポイントです。
日本のおもてなしの素晴らしさは世界に知られていますが、その理由のひとつと言えるのが、日本の伝統的な宿、旅館にみられるおもてなしの心です。旅館で大切にされているのは、何よりも宿泊客の居心地の良さ。やって来たお客さんは、靴を脱いで肌触りのよい畳に触れた瞬間から安らぎの雰囲気に包まれるのです。そんな効果をさらに強めているのが、自然素材でできたシンプルな調度や、感覚を落ち着かせてくれる控えめな色使い。そして、窓の外に見える美しい自然の景色も大事なポイントです。
実践するには?
こちらは、コンテンポラリーなジャパニーズスタイルのリビングルーム。床、天井、家具のすべてに明るいトーンのナチュラルな木材を使って、自然とのつながりと安らぎを感じられる空間に仕上がっています。すっきりとしたラインとニュートラルな色使いでまとめた、シンプルで控えめなスタイルで、壁、ソファの白と、片隅に置かれた端正な盆栽がフレッシュな印象をプラスしています。やわらかな色合いのラグと藍色のクッションを組み合わせが、壁に飾られた法被ともマッチして、個性を感じさせるディテールに。
大きな窓とクリアストーリー窓、そして半透明の障子から、部屋じゅうに自然光が行きわたります。明るい光が清廉な雰囲気をさらに引き立て、この部屋を使う人みんなをポジティブな気持ちにしてくれるような、穏やかでリラックスした空間を作り出します。
こちらは、コンテンポラリーなジャパニーズスタイルのリビングルーム。床、天井、家具のすべてに明るいトーンのナチュラルな木材を使って、自然とのつながりと安らぎを感じられる空間に仕上がっています。すっきりとしたラインとニュートラルな色使いでまとめた、シンプルで控えめなスタイルで、壁、ソファの白と、片隅に置かれた端正な盆栽がフレッシュな印象をプラスしています。やわらかな色合いのラグと藍色のクッションを組み合わせが、壁に飾られた法被ともマッチして、個性を感じさせるディテールに。
大きな窓とクリアストーリー窓、そして半透明の障子から、部屋じゅうに自然光が行きわたります。明るい光が清廉な雰囲気をさらに引き立て、この部屋を使う人みんなをポジティブな気持ちにしてくれるような、穏やかでリラックスした空間を作り出します。
キッチン
こちらのひろびろと爽やかなキッチンでは、何よりシンプルさがデザインのカギ。ここでも印象的なのは、すっきりとしたラインとナチュラルな素材使いで、木の板で仕上げた天井の梁、造作家具、そしてオープンシェルフに堂々とディスプレイされた日本の陶磁器や食器類などにも、それが表れています。旅館の台所では一度に大勢のお客さまの食事を用意しますから、調理スペースをたっぷり確保することはマスト。こちらのような特大アイランドなら、大人数分の食事を作るときでも安心ですね。
こちらのひろびろと爽やかなキッチンでは、何よりシンプルさがデザインのカギ。ここでも印象的なのは、すっきりとしたラインとナチュラルな素材使いで、木の板で仕上げた天井の梁、造作家具、そしてオープンシェルフに堂々とディスプレイされた日本の陶磁器や食器類などにも、それが表れています。旅館の台所では一度に大勢のお客さまの食事を用意しますから、調理スペースをたっぷり確保することはマスト。こちらのような特大アイランドなら、大人数分の食事を作るときでも安心ですね。
実践するには?
もっと小さいキッチンでこのスタイルを真似したいなら、写真のキッチンのキャビネットのように、ぬくもりのある木の良さを前面に出し、装飾をそぎ落としたデザインにしてみましょう。壁や巾木などはニュートラルな色でまとめ、すっきり片付いたスペースを広く保って、光と空気の流れを良くすること。空間のエネルギーと、その中にいる人たちのエネルギーが自由に巡るようなキッチンを目指しましょう。
あなたが仏教徒でもそうでなくても、ちょっとスペースを工夫して、室内にブッダの居場所を作ってあげるのもいいかもしれません。装飾的なディテールにもなり、瞑想的なムードを高めてキッチンエリアの騒がしさを鎮めてくれそうです。
もっと小さいキッチンでこのスタイルを真似したいなら、写真のキッチンのキャビネットのように、ぬくもりのある木の良さを前面に出し、装飾をそぎ落としたデザインにしてみましょう。壁や巾木などはニュートラルな色でまとめ、すっきり片付いたスペースを広く保って、光と空気の流れを良くすること。空間のエネルギーと、その中にいる人たちのエネルギーが自由に巡るようなキッチンを目指しましょう。
あなたが仏教徒でもそうでなくても、ちょっとスペースを工夫して、室内にブッダの居場所を作ってあげるのもいいかもしれません。装飾的なディテールにもなり、瞑想的なムードを高めてキッチンエリアの騒がしさを鎮めてくれそうです。
バスルーム
ベーシックながら美しいジャパニーズスタイルでは、装飾を重視するよりも、素材の質の良さと匠の技を生かすことで印象的なインテリアが作り出されます。こちらのバスルームでは、ミニマルなラインと飾り気のないデザインが、壁、タイル、洗面台、床の深い色合いを強調して、これらの要素をいっそう美しく見せています。シンプルなスタイルに加え、ダークな色合いが明るい障子やトイレの白とコントラストを生み出すことで、さらにドラマチックなインパクトを生み出します。
ベーシックながら美しいジャパニーズスタイルでは、装飾を重視するよりも、素材の質の良さと匠の技を生かすことで印象的なインテリアが作り出されます。こちらのバスルームでは、ミニマルなラインと飾り気のないデザインが、壁、タイル、洗面台、床の深い色合いを強調して、これらの要素をいっそう美しく見せています。シンプルなスタイルに加え、ダークな色合いが明るい障子やトイレの白とコントラストを生み出すことで、さらにドラマチックなインパクトを生み出します。
実践するには?
もちろん、ジャパニーズスタイルでも装飾は用いられますが、やりすぎないことが肝心。こちらは日本各地の旅館のお風呂で見られるようなシンプルな木製の浴槽ですが、背景の素材感があるダークトーンの壁と、棚の背板に見えるかわいらしい模様、そして2面の壁に飾られたナチュラルな木の枝のような装飾とが、うまくバランスをとっています。ライオンの頭をあしらった吐水口は、いわゆる日本的なものではありませんが、目を引くポイントに。そして、紫色のアリウムの花が全体を引き締めます。
もちろん、ジャパニーズスタイルでも装飾は用いられますが、やりすぎないことが肝心。こちらは日本各地の旅館のお風呂で見られるようなシンプルな木製の浴槽ですが、背景の素材感があるダークトーンの壁と、棚の背板に見えるかわいらしい模様、そして2面の壁に飾られたナチュラルな木の枝のような装飾とが、うまくバランスをとっています。ライオンの頭をあしらった吐水口は、いわゆる日本的なものではありませんが、目を引くポイントに。そして、紫色のアリウムの花が全体を引き締めます。
寝室
こちらは、ジャパニーズスタイルの真骨頂とでもいうべきインテリア。最高級旅館にもふさわしい寝室が、丸窓(月見窓)の障子越しに覗いています。丸窓は、日本や中国の伝統的な庭園によく見られるものですが、こちらはそれを屋内に活用したもの。飾り気のない寝室の片側にある引き戸からは板張りの縁側につながり、その向こうには自然の風景を生かして仕上げた庭園が広がっています。ここに来れば誰だって、穏やかな休息のひとときを過ごせるに違いありません。
こちらは、ジャパニーズスタイルの真骨頂とでもいうべきインテリア。最高級旅館にもふさわしい寝室が、丸窓(月見窓)の障子越しに覗いています。丸窓は、日本や中国の伝統的な庭園によく見られるものですが、こちらはそれを屋内に活用したもの。飾り気のない寝室の片側にある引き戸からは板張りの縁側につながり、その向こうには自然の風景を生かして仕上げた庭園が広がっています。ここに来れば誰だって、穏やかな休息のひとときを過ごせるに違いありません。
実践するには?
丸いドアや窓は、コンテンポラリーな日本建築やインテリアにもよく取り入れられており、伝統的な丸窓と同様に、2つの世界の間の扉という概念を表しているものです。扉の描き出す曲線は、私たちの座っている空間を、やわらかな自然の世界へとつなぎ、より穏やかな雰囲気づくりの手助けをしてくれるのです。
こちらでは、スライド式ドアのディテールに丸窓をあしらっています。丸いソファやペンダント照明を合わせてナチュラルな色使いでまとめ、室内と外とのつながりを強く感じさせることで、リラックスすることをいちばんに考えた寝室になりました。
丸いドアや窓は、コンテンポラリーな日本建築やインテリアにもよく取り入れられており、伝統的な丸窓と同様に、2つの世界の間の扉という概念を表しているものです。扉の描き出す曲線は、私たちの座っている空間を、やわらかな自然の世界へとつなぎ、より穏やかな雰囲気づくりの手助けをしてくれるのです。
こちらでは、スライド式ドアのディテールに丸窓をあしらっています。丸いソファやペンダント照明を合わせてナチュラルな色使いでまとめ、室内と外とのつながりを強く感じさせることで、リラックスすることをいちばんに考えた寝室になりました。
ダイニングルーム日本の旅館には、美しく整えられた食事の空間が欠かせません。日本の習慣に従うなら、座椅子や座布団に座り、部屋の真ん中に低いテーブルが置かれることが多いでしょう。これは、昔から日本の家や旅館の床には畳が敷かれ、快適に床に座ることができたためです。
実践するには?自宅でこの雰囲気を作りたいなら、まずダイニングルームの装飾を最小限にして、畳を敷いてローテーブルと座椅子やフロアクッションを置くことができる広いスペースを確保しましょう。ここでも、自然素材とニュートラルカラーが鉄則。この部屋自体も、ここで食事をする人たちも、深く呼吸して静けさを取り戻せるような、すっきりとしたデザインです。
実践するには?自宅でこの雰囲気を作りたいなら、まずダイニングルームの装飾を最小限にして、畳を敷いてローテーブルと座椅子やフロアクッションを置くことができる広いスペースを確保しましょう。ここでも、自然素材とニュートラルカラーが鉄則。この部屋自体も、ここで食事をする人たちも、深く呼吸して静けさを取り戻せるような、すっきりとしたデザインです。
特別な空間 編
露天風呂宿泊客が美しい風景を楽しみながら湯につかって疲れを癒せるようにと、旅館は古くから火山性温泉の近くに建てられることが多かったのです。火山の近くに引っ越すのは無理かもしれませんが、温泉旅館の心意気を取り入れることなら可能です。美しく整えた自慢の庭や、周囲の自然が眺められるようなデッキやパティオに、日本風のお風呂を作ってみるのはいかがでしょうか?
露天風呂宿泊客が美しい風景を楽しみながら湯につかって疲れを癒せるようにと、旅館は古くから火山性温泉の近くに建てられることが多かったのです。火山の近くに引っ越すのは無理かもしれませんが、温泉旅館の心意気を取り入れることなら可能です。美しく整えた自慢の庭や、周囲の自然が眺められるようなデッキやパティオに、日本風のお風呂を作ってみるのはいかがでしょうか?
Meditation room
瞑想ルーム
さらに心穏やかな暮らしを目指すなら、究極のオプションは、専用の瞑想スペースを作ること。でも、専用スペースがなくても、ただ瞑想し、思いを巡らせるだけの部屋でも効果は十分。こちらでは、装飾をミニマルに抑えたニュートラルな空間が、引き戸や窓の障子を通して外の自然界とつながっています。ひろびろとした部屋の中にあるのは、ゆったりと座ることのできる場所と、お茶を置ける程度の小さなテーブルのみ。何もないクリアな環境のなかで、住まい手や訪れる人が、少しのあいだ現実から離れて自分の内側を見つめ、本当に大切なことは何かを考えることのできる場所です。
瞑想ルーム
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石庭
こちらは、屋内に作られた石庭ふうの庭。鮮やかな緑の苔となめらかな砂利のあいだに、天然の石をバランスよく配置しています。石庭は、とくに14世紀ごろの禅宗寺院で多く取り入れられた庭で、自然の本質を表し、瞑想を助けてくれます。静謐な雰囲気がほしい家にはぴったりの庭ですね。
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旅館的な要素をインテリアに取り入れてみたいと思いますか?
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