見た目も美しく機能的で使いやすい、オープンキッチンの収納スペースとは?
収納スペースは天井までつくる? 見せる収納を楽しみたい? 扉の中にすべてしまいたい? 3つのニーズ別に、オープンキッチンの収納スペースを考えます。
ブラッキン・ヘザー
2016年11月25日
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
著書「ふつうの住まいでかなえる外国スタイルの部屋づくり(文藝春秋)
Interior decoration and storage space planning in Tokyo, Japan. English/Japanese bilingual, with interior design and decoration experience in Europe and Japan.
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
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オープンキッチンが増えた昨今、キッチンの収納方法も、吊り戸棚や置き家具の食器棚が主流だったひと昔前とは大きく変わってきました。設置する場所やデザインのバリエーションも豊富になり、個人のニーズに合わせた収納も可能に。収納するアイテムの種類も出し入れの回数も多く、入れ替えも激しいキッチンだからこそ、機能的で使いやすい収納を計画したいもの。加えてオープンキッチンでは、リビングやダイニングからの見た目も大切です。今回は、スペースの条件や収納方法の好みなどのニーズに合わせた、オープンキッチンの機能的な収納例をご紹介します。
1. 高い位置に収納は不要、という人に
最近多くなってきたキッチン収納の傾向として、「使いやすい位置だけに収納をつくる」という考えがあります。まずは、その例を見てみましょう。
キャビネットの天井近くは空ける
天井まで収納をつくったものの、手の届かない位置だとまったく使わず、結局何が入っているか忘れてしまうことはありませんか? 収納スペースは単にたっぷりあればよいわけではありません。むしろ、使いやすい位置だけをフルに活用すれば、無駄なものも置かなくなり、効率のよい収納ができます。こちらのキッチンのように収納は背丈が届く高さまでにし、その上をオープンにすると、開放感もあり、空間も広くすっきり見えます。
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キャビネットの天井近くは空ける
天井まで収納をつくったものの、手の届かない位置だとまったく使わず、結局何が入っているか忘れてしまうことはありませんか? 収納スペースは単にたっぷりあればよいわけではありません。むしろ、使いやすい位置だけをフルに活用すれば、無駄なものも置かなくなり、効率のよい収納ができます。こちらのキッチンのように収納は背丈が届く高さまでにし、その上をオープンにすると、開放感もあり、空間も広くすっきり見えます。
吊り戸棚は使いやすい位置に限定
写真右手の窓の上に設置されているのは、シンプルな横長デザインの吊り戸棚。手の届く位置までの高さに限定したことで、使いやすい収納スペースになっています。ここでも棚の上から天井までを広くあけてあり、すっきりした印象。収納の扉がガラスで中が見えるので、しまうアイテムを厳選し、色や並べ方のバランスも意識するようになります。
写真右手の窓の上に設置されているのは、シンプルな横長デザインの吊り戸棚。手の届く位置までの高さに限定したことで、使いやすい収納スペースになっています。ここでも棚の上から天井までを広くあけてあり、すっきりした印象。収納の扉がガラスで中が見えるので、しまうアイテムを厳選し、色や並べ方のバランスも意識するようになります。
収納はキッチンカウンターの下だけに
窓があるキッチンなら、吊り戸棚を取り付けられない場合もあるでしょう。高い位置に収納をつくらないなら、カウンター下をフルに活動しなければなりません。引き出しにしたり、棚を組み込んだり、扉もスライド式や観音開き式など、選択肢がたくさんあるので、どの形が最も使いやすいか検討してみましょう。
写真のキッチンでは、カウンター下にオープンスペースや大小の引き出しを組み合わせています。おしゃれでいて、見た目も軽く仕上がっている好例です。
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このように、収納は基本的にカウンター下のキャビネットだけ、というのは、最近のキッチンによく見られるスタイルです。リビングやダイニングから見えることを意識し、カウンター上の壁はきれいな色のアクセントウォールにしたり、写真のキッチンのように、オープンシェルフを設置して厳選されたアイテムを飾ると、素敵なフォーカルポイントになります。
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2. クローズドが基本、たくさん収納量が欲しい人に
ものを出しっぱなしにしたくないなら、扉付きの収納にしまいこむのがいちばん。空間を最大限に使った壁面収納が向いています。
壁一面、天井までの扉付きトール収納
キッチンは、家の中で最も細かいものが多いエリアです。食器以外にも、ミキサーやホットプレートのような毎日使わない家電、まとめ買いしたキッチンペーパーやラップ類など、形も大きさもさまざま。壁一面をめいっぱい使った収納なら、多様なアイテムを表に見せずにしまうことができます。
手の届きにくい高さにも収納があるときに注意したいのが、使用頻度をしっかりと意識した配置にすること。人が最も使いやすい高さは目線からおへそあたりの位置であることを知っておき、使用頻度の高いものはこの高さに収めると、高低差のある収納スペースでも使い勝手がよくなります。
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オーブンを埋め込んだ壁面収納
オールホワイトですっきりとまとめたキッチンの壁面収納。上から下までつながった扉ではなく、上、中、下と分かれているので、アイテムごとに分類してより細かく収納できます。
オーブンを壁面収納に埋め込むのは、海外のキッチンではよく見られる形。収納と一体となり、見た目もスマートです。オーブン料理が多い欧米では、料理の最中にオーブンを開けずに中を覗けるよう、人が立ったときの目線に近く、また料理が取り出しやすい高さに設置されます。
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家電を置くスペースを確保した壁面収納
クローズドが基本の収納では、キッチン家電もしまいたいのか、出しておきたいのかによってもプランが変わってきます。
写真のキッチンの壁面収納では、上下のクローズド収納を挟んで、家電などを置くための電源付きオープンスペースがあります。従来のキッチンでも見慣れた形ですね。動線を少なくし、毎日使う家電を見える場所に置きたい人に適しています。上のキャビネットをできる限り低い位置に設置すれば、手の届きやすい収納スペースが確保できます。
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この壁面収納では、家電を置くスペースにフラップ扉をつけており、収納時の見た目がすっきりしています。使っていないときに隠せるのも、オープンキッチンでは検討してみたいことのひとつです。
部分的に扉をつけた、フレキシブルな壁面収納
こちらは、見せる場所と隠す場所が選べる、おしゃれなスライド扉のついた壁面収納。収納がリビングまで一直線につながっていて、電子レンジなどキッチン家電から、オーディオ、蔵書までさまざまなものを収納しています。キッチン側には食器や食材のストック、リビング側には家族の本や書類など、そのエリアで使うものを効率よく収めることができるのも便利です。
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3. オープンが基本、楽しく「見せる収納」をしたい人に
パッと見てわかりやすく、食器類をすぐに手にとれ、扉付きのキッチンにはない「抜け感」があるオープンシェルフのキッチン収納も変わらず人気。使用頻度の高い少数精鋭の食器を使いこなしている人や、収納の扉や引き出しの開閉に制限のある狭いキッチンにも向いているスタイルです。
壁面にオープンシェルフを取り付けて
写真のキッチンでは、窓側のシンクとコンロのあるステンレスカウンターに調理道具を収納し、アイランドカウンターをはさんで、壁面いっぱいに設置したオープン棚にずらりと食器を並べています。食器を色別に揃えたり、大きさごとに並べるなど、見た目を意識していることもよくわかる収納例です。
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My Houzz:豊かな自然を取り込んだ、ゆるやかにつながる大空間の家
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適度な「見せる収納」、ガラス扉のキャビネット
大好きな食器を見せながら収納したいけれど、汚れや埃、転落が心配という人には、ガラス扉付きの収納がおすすめです。こちらはステンレスやコンクリートの質感でシンプルにまとめたダイニングキッチンですが、食器棚の中身が見えることで適度な生活感が出て、空間が生き生きして見えます。
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出し入れしやすい、ダイニング側のオープン収納
アイランドカウンターのダイニング側をオープンにして、に普段使う食器を並べています。この位置はテーブルセッティングのときにとても便利であることがわかるでしょう。どこに何があるかが誰にもわかりやすく、家族やゲストにも手伝ってもらえるうれしいスタイルです。
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こちらはさらにディスプレイ要素の多い、色や並べ方を意識したアイランドカウンターのダイニング側オープン棚。食器類を白で揃え、オレンジ色の小物を加えてアクセントに。間を適度にあけることで、ただの食器収納ではない洗練された印象になっています。
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ちなみに、うちはクローズドキッチンです(汗)