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ニュアンスのある白が美しい、街中のオアシスのような家
観葉植物の緑に癒される、真っ白だけれど、ぬくもりのある空間。ミラノ中心部にある、4人家族が暮らす、明るく心地よいメゾネットです。
Ilaria Pagnan
2016年11月3日
イタリア・ミラノの中心部にある白をメインカラーにしたこの家は、すっきりとして明るく、緑に囲まれている。街の中にあるにもかかわらず、通りからの物音もまったく聞こえてこない。家の中には光があふれていて、ユニークなデザインがたくさん散りばめられている。
どんなHouzz?
住まい手:ラウラ・ドラゴッティさんとロベルト・ピストレシさん夫婦、10代の子ども2人、猫のアルセニオ
所在地:イタリア、ミラノ
物件のタイプ:メゾネット
規模:ベッドルーム×3、バスルーム(トイレ含む)×3
リノベーション時期:2010年
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住まい手:ラウラ・ドラゴッティさんとロベルト・ピストレシさん夫婦、10代の子ども2人、猫のアルセニオ
所在地:イタリア、ミラノ
物件のタイプ:メゾネット
規模:ベッドルーム×3、バスルーム(トイレ含む)×3
リノベーション時期:2010年
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ドラゴッティさんのアパートメントに入るには、アールヌーヴォー様式の建物のエントランスから中庭に入り、そこからエレベーターで2階の屋外通路へと上がる。
すると緑の生い茂る小さなジャングルのような場所があり、その周囲にいくつかアパートメントが並んでいる。そこから小さな門をくぐり、いちばん奥にある、いちばん大きなアパートメントへと向かう。
すると緑の生い茂る小さなジャングルのような場所があり、その周囲にいくつかアパートメントが並んでいる。そこから小さな門をくぐり、いちばん奥にある、いちばん大きなアパートメントへと向かう。
入り口は美しい観音開きの扉。デスクに座っているドラゴッティさんさんは、リアド・フードガーデンのオーナー。植物とおいしい料理、そしてあたたかいおもてなしを愛する人たちのためのカフェレストランだ。
白いインテリアをみる
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ドラゴッティさんがこのアパートメントに出会ったのは、まったくの偶然だった。その日、通りを挟んで、この物件の向かいにある友人の家を訪れたドラゴッティさんは、窓の外を見て、改装中だったこの建物に気付いた。元はローンボウルズの会員クラブだった建物に、一目惚れしたのだという。
「改装が終わる前の状態で購入できたのはラッキーでした。間取りから素材選びまで、すべて自分で決めることができましたから」と彼女は言う。「キッチンとリビングエリアは、ほぼ完全につないでしまうことにしました。間にあるアイランドキッチンは90センチしかないので、視界が開けて空間が広く感じられます。明るくしたかったので、床から天井の梁まで、すべて白くペイントして仕上げることにしました」
白で統一したインテリアこだわったのはなぜかと尋ねると、「だってミラノは曇り空ばかりだから!」との答え。
「改装が終わる前の状態で購入できたのはラッキーでした。間取りから素材選びまで、すべて自分で決めることができましたから」と彼女は言う。「キッチンとリビングエリアは、ほぼ完全につないでしまうことにしました。間にあるアイランドキッチンは90センチしかないので、視界が開けて空間が広く感じられます。明るくしたかったので、床から天井の梁まで、すべて白くペイントして仕上げることにしました」
白で統一したインテリアこだわったのはなぜかと尋ねると、「だってミラノは曇り空ばかりだから!」との答え。
ミラノのブレラ美術学院を卒業し、アートにも詳しいドラゴッティさんは、みずからリノベーションと内装を監修した。
アパートメントは、さまざまなエリアをゆるやかにゾーニングしているが、全体としては大きなひとつながりの空間だ。エントランスを入ると、テラスが見えるダイニングエリアがある。ホルムの白くてつやのある「カプリアータ」テーブルは奥行が伸長でき、友達を招いてのディナーにぴったりだ。
ダイニングエリアからつながっているキッチンは、唯一、ダークなフローリングを残した部分。ふたつの空間を仕切っている壁は高さが90センチで、使い勝手の良いアイランドと一体化している。キッチンで料理をしているあいだも、ゲストとのコミュニケーションが途切れない工夫だ。
鍋から電化製品まで、すべてが白かオフホワイトで統一されている。スメグの冷凍冷蔵庫も、そのひとつ。
暖炉に向かうかたちでリビングエリアを配置している。最初の写真に写っているジェルバゾーニの「ゴースト」シリーズのソファがあるのもこの場所だ。
「これまで家に置きたいと思ったのは、このソファだけですね」とドラゴッティさん。「床に座るのが好き」なのだそうで、モロッコ製ラグの上にはいくつかクッションが並んでいる。
ソファの横にある植物繊維でできたチェアは、パトリシア・ウルキオラがB&Bイタリアのためにデザインした『クリノリン』チェア。ドラゴッティさんがひと目惚れした品だ。テラスには、これより少し高さが低く、背もたれの装飾が控えめな、「双子の妹のような」チェアがテラスに置かれている。
「これまで家に置きたいと思ったのは、このソファだけですね」とドラゴッティさん。「床に座るのが好き」なのだそうで、モロッコ製ラグの上にはいくつかクッションが並んでいる。
ソファの横にある植物繊維でできたチェアは、パトリシア・ウルキオラがB&Bイタリアのためにデザインした『クリノリン』チェア。ドラゴッティさんがひと目惚れした品だ。テラスには、これより少し高さが低く、背もたれの装飾が控えめな、「双子の妹のような」チェアがテラスに置かれている。
ソファの上には、ユニークなペンダントライトが見える。天井の梁にシンプルな電線を巻き付け、そこから電球を下げている。ドラゴッティさんがみずから考案・製作した照明だ。
古いカーペンターテーブル(大工が使っていた作業台)を白く塗り直したテーブルの上には、お気に入りの小物がところ狭しと並んでいる。小さな金属の缶、世界各地のマーケットで集めてきた古いハサミ、そしてもちろん、ドラゴッティさんの大好きな多肉植物もある。
古いカーペンターテーブル(大工が使っていた作業台)を白く塗り直したテーブルの上には、お気に入りの小物がところ狭しと並んでいる。小さな金属の缶、世界各地のマーケットで集めてきた古いハサミ、そしてもちろん、ドラゴッティさんの大好きな多肉植物もある。
リビングの隣のちょっと隠れた位置に、シンプルでエレガントなテレビエリアがある。ソファの代わりにミンマ・ジニ・テスーティの柔らかなウールのマットレスを使い、子供たちのお友達が泊まりにきた時には、ベッドにもなるようにしている。
上の階へと続く階段の蹴込み板は、グリーン、ブルー、ベージュ系の「トワル・ド・ジュイ」と呼ばれる布で覆われている。トワル・ド・ジュイは、1700年代に、当時流行していたインド更紗の模倣品としてヴェルサイユ近郊の村ジュイ=アン=ジョザスで作られ始めた布のこと。プリント柄の上質なファブリックだ。
いろいろな用途に使えるキャンバス地で、白かベージュ地に単色のプリントが施されているのが一般的。時代を感じさせないエレガントさで、現在も人気が高い。
いろいろな用途に使えるキャンバス地で、白かベージュ地に単色のプリントが施されているのが一般的。時代を感じさせないエレガントさで、現在も人気が高い。
上の階に出ると、明るい通路に面して、ふたつの子供部屋がある。子ども部屋に使われているのはカントーリの錬鉄製ベッドだ。残りのバスルームと、マスターベッドルームもこの階にある。
夫妻の寝室も、ほかの部屋と同じように白くシンプルだ。オリゾンティのキャノピー付きベッドには、自然素材のファブリックを合わせて。白からブルーグレーにかけてのソフトな色合いで揃えられている。ファブリックは、カーテンのようにベッド下の収納を目隠しする役目も果たしている。
高く積まれた本のおかげで、いっそう雰囲気のある部屋になっている。錬鉄製のチェアや、キャノピーから下がる魚のオブジェと一緒に、本も家具の一部のような存在感だ。
この家にある、たくさんのアイテムの中で、ドラゴッティさんのお気に入りは、この「お城」。アヴィニョンのヴォクス・ポピュリ・デコラシオンの鉄製ケージで、夫からの大切なプレゼントだ。
キッチンには、モロッコ風ランタンや、アロマティックな北アフリカの伝統料理であるタジン用の土鍋、そしてカトラリーを収納している編みかごが、随所にたくさん置かれている。
緑に囲まれたアパートメントの中を、風が自由に通り抜けていく。B&Bイタリアの屋外用クリノリンチェアが置かれている下の階のテラスのほかに、上の階にもうひとつテラスがある。こちらはマスターベッドルームと子どもたちのベッドルームに面している。
広く開放的なテラスには、たくさんの木やツタ植物のほか、ケージやペイントした鉄製の鳥のオブジェ、多肉植物用の小さな温室もある。夏は、ここで家族で過ごすことが多い。このテラスでランチを食べて、隣の家からは見えないところにあるハンモックでひと休み。
ドラゴッティさんのいちばん好きな場所は?「家族4人とも、キッチンにいることが多いのですが、私がとくに気に入っているところは、暖炉の前。冬はいつも火を絶やさないんですよ」
中庭の写真をみる
広く開放的なテラスには、たくさんの木やツタ植物のほか、ケージやペイントした鉄製の鳥のオブジェ、多肉植物用の小さな温室もある。夏は、ここで家族で過ごすことが多い。このテラスでランチを食べて、隣の家からは見えないところにあるハンモックでひと休み。
ドラゴッティさんのいちばん好きな場所は?「家族4人とも、キッチンにいることが多いのですが、私がとくに気に入っているところは、暖炉の前。冬はいつも火を絶やさないんですよ」
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家を出る前に、タイ猫(シャム猫の先祖となった種)のアルセニオくんともごあいさつ。大きな青い瞳の、5人目の家族だ。自信たっぷりにポーズを決めてから、日なたのお昼寝場所へと走り去っていった。
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