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個性を反映するテキスタイル、注目トレンドをどう取り入れる?
インテリアデコレーションに個性やトレンド感をプラスするのに重要な役割を果たすテキスタイル。気になるトレンドと取り入れ方のコツを、プロに聞きました。
田村敦子|Atsuko Tamura
2016年10月26日
Freelance Editor
インテリアデザインにおいて、その家の個性を決定し、今の空気を感じさせることもできるのがテキスタイル。今シーズン、注目のキーワードと、色、柄、テクスチャーについて、インテリアのプロに取材しました。
今らしさを感じるテクスチャーは?
- ベルベットの新しい使い方
プレーンなベルベットの人気は続く、と、海外テキスタイルの輸入やインテリアデザインの提案を行う 〈bp international tokyo〉 代表の林田典子さんも言う。「これまで革しか使っていなかったイタリアのトップブランドのソファにも、最近は無地の素敵なベルベットがよく使われています」。さらに今年から登場してきたデジタルプリントのベルベットも注目だそう。「デジタルプリントによる新しい表現のベルベットは、来年さらに増えてくるでしょう」。
- 「無地ライク」な織り柄
- メタリック、ミネラル、凹凸感
注目のカラーは?
- 優しくやわらかな、グレイッシュパステル
- 奥行きのあるトーン
「透明感のあるターコイズブルーや深みのあるディープブルー、空間を引き締めるネイビーなど、落ち着いたムードを与える色が気になります。また、酸味の効いたイエローはアクセント以外にメインカラーとしても使用でき、ブルーとの対比コンビネーションもおすすめです」。
発色のよい、エネルギッシュでスポーティなオレンジ色も注目カラー。こちらも、ブルーと相性のいい色だ。
写真は、トレンドを意識したテクスチャーとカラーを使った寝室コーディネートの例。光沢のある淡いゴールドベージュの生地を布団張りにして、ヘッドボードに。ベッドスプレッドには同じく淡いパステル調のブラウン系、ライナーとクッションには鮮やかなオレンジ色のベルベットを。エキゾチックな大柄のライナーを掛けて、ラグジュアリーなアクセントに。テキスタイルの素材感をちりばめることで、空間に個性とトレンド感をたっぷりと贅沢にまとわせることができる。
写真は、トレンドを意識したテクスチャーとカラーを使った寝室コーディネートの例。光沢のある淡いゴールドベージュの生地を布団張りにして、ヘッドボードに。ベッドスプレッドには同じく淡いパステル調のブラウン系、ライナーとクッションには鮮やかなオレンジ色のベルベットを。エキゾチックな大柄のライナーを掛けて、ラグジュアリーなアクセントに。テキスタイルの素材感をちりばめることで、空間に個性とトレンド感をたっぷりと贅沢にまとわせることができる。
注目パターンは?
- 幾何学模様
「幾何学模様でもやはり、発色のよいベルベットの、凹凸のあるテキスタイルに注目しています。質感と厚みのある生地は、クッションやチェア、ソファ、スツールなどに最適。起毛した生地の性質と、幾何学模様の織りなすパターンで、光の当たり具合による陰影が楽しめ、使い方しだいで多彩な変化を見せてくれます」と清田さんも言う。
- 抽象化された自然モチーフ
英国と日本両国にまたがる長年の活動により、英国インテリアデザイン協会(BIID)の2016年度メリット・アワードを受賞、この秋も日本で数多くの講演やセミナー、プロモーションイベントなどを予定しているインテリアデザイナー、〈NSDA LONDON〉の澤山乃莉子さんも、「自然界のモチーフを抽象化したパターン」をキーワードのひとつとして挙げてくれた。「この10年余り、ヨーロッパのインテリアトレンドを継続して見てきましたが、これはこの秋開催されたショーで目立ったテキスタイルのトレンドのひとつです。あらゆる空間になじみ、洗練された雰囲気をつくり出すことができると思います」。
その他のキーワード
- 色のぶつかり合い
インパクトのあるデザイン
澤山さんがオフィスを置くロンドンではここ数年、目立って個性的なカラーやパターンのファブリックを生み出すテキスタイルブランドが注目を浴びているそう。トレンドの最先端を行く大胆な色合わせ、インパクトの強いパターンは、取り入れるのに勇気がいるかもしれないが、だからこそ空間にスパイスとして投入し、今らしい空気を醸し出すのにはまさに最適。そんなところから、ちょっと停滞していた空気が動き出すこともよくあるもの。「ベルベットをアームチェアの張り地として、またアクセントになるよう、少しだけクッションに使うのもおもしろいと思います」。
澤山さんがオフィスを置くロンドンではここ数年、目立って個性的なカラーやパターンのファブリックを生み出すテキスタイルブランドが注目を浴びているそう。トレンドの最先端を行く大胆な色合わせ、インパクトの強いパターンは、取り入れるのに勇気がいるかもしれないが、だからこそ空間にスパイスとして投入し、今らしい空気を醸し出すのにはまさに最適。そんなところから、ちょっと停滞していた空気が動き出すこともよくあるもの。「ベルベットをアームチェアの張り地として、またアクセントになるよう、少しだけクッションに使うのもおもしろいと思います」。
トレンドとの付き合い方
とはいえ、住み手の個性や希望をもとにインテリアデザインを構築していく中で、あくまでスパイス的に、上手にトレンドを反映させていくのがインテリアデザインのプロの仕事。「時代のトレンドを取り入れることはありますが、あくまで限定的な範囲です。その年のデザインであることをクライアントに感じていただくため、アクセントとして入れる程度ですね」と澤山さんも語る。トレンドを熟知しているからこそ、住み手に(あるいは自分に)合ったものをきちんと選ぶことができる。今シーズンもさまざまなトレンドが話題になっているが、あくまでさりげなく反映させるのが、いちばん素敵で上質な取り入れ方かもしれない。
今シーズンのテキスタイルトレンド、みなさんが気になるのはどのキーワードだろうか?
Houzzからのお知らせ
10月28日(金)12:30より、JAPANTEX 2016開催中の東京ビッグサイト東4ホール内ステージAにて、BIID Japan代表の澤山乃莉子さんとHouzz Japan代表の加藤愛子によるインテリア対談が行われます。14時からは同会場で清田直美さんのセミナーも(いずれも定員100名、入場無料)。ぜひご参加ください!
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ハウズが JAPANTEX 2016 に出展します!
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