庭で紅葉を楽しみませんか?
ふと気がつけば植物達が色づく季節。ご自宅に季節を感じさせてくれる、紅葉が美しい植物はいかがですか?
舩村佳織
2016年10月21日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
秋の景色の主役といえば紅葉。名所で紅葉狩りも良いですが、お庭に紅葉が楽しめる植物はいかがでしょうか。秋の深まりとともに毎日変化していく葉の色を眺めながら、季節の移ろいを感じましょう。紅葉は気候の影響を受けて、毎年微妙に色合いや時期が変わります。今年の紅葉はどうかな? と思いながら植物を観察すると、私たちが自然と共に生きていることを再認識させてくれるでしょう。
紅葉のメカニズム
葉には光合成を行うための葉緑素が含まれています。普段目にする緑色は葉緑素の色なのです。秋になって日照時間が少なくなると、葉緑素の活動が少なくなり、葉数が減っていきます。では、なぜ葉が黄色く色づいたり、赤く色づいたりするのでしょうか? 両者の違いはどこにあるのでしょうか?
イチョウなどの樹木の中には、もともと葉に黄色い成分が含まれています。葉緑素が減ることで、黄色の成分が相対的に増加し、葉が黄色く見えてきます。これが黄葉の仕組みです。
モミジなどの樹木では、葉緑素で作られた糖分が赤く見える成分に変わり、それとともに葉緑素が減ることで赤く見えていきます。これが紅葉の仕組みです。
昼と夜の寒暖差が激しいほど、葉緑素の減少や糖分の変化が活発に行われ、紅葉はきれいに色づいていきます。
それではここから、おすすめの紅葉が美しい植物をご紹介します。
葉には光合成を行うための葉緑素が含まれています。普段目にする緑色は葉緑素の色なのです。秋になって日照時間が少なくなると、葉緑素の活動が少なくなり、葉数が減っていきます。では、なぜ葉が黄色く色づいたり、赤く色づいたりするのでしょうか? 両者の違いはどこにあるのでしょうか?
イチョウなどの樹木の中には、もともと葉に黄色い成分が含まれています。葉緑素が減ることで、黄色の成分が相対的に増加し、葉が黄色く見えてきます。これが黄葉の仕組みです。
モミジなどの樹木では、葉緑素で作られた糖分が赤く見える成分に変わり、それとともに葉緑素が減ることで赤く見えていきます。これが紅葉の仕組みです。
昼と夜の寒暖差が激しいほど、葉緑素の減少や糖分の変化が活発に行われ、紅葉はきれいに色づいていきます。
それではここから、おすすめの紅葉が美しい植物をご紹介します。
イロハモミジ
紅葉といえば、やはりモミジ。イロハモミジはモミジの中でも一番よく見かける品種です。葉は小ぶりでかわいらしい印象。自然に美しい樹形になるため、剪定は要らない枝を整える程度にすると良いでしょう。きれいに整えすぎるより、野趣を感じさせる樹形が魅力の樹木です。趣のある樹形に紅葉が色づくと、わびさびを感じさせる独特の風情を漂わせます。
夏に強く西日が当たる場所では、弱ることがあるため、日当たりが良すぎる場所は避けましょう。半日陰でも生育できるので、中庭やしっとりとした和の庭にも向いています。
紅葉といえば、やはりモミジ。イロハモミジはモミジの中でも一番よく見かける品種です。葉は小ぶりでかわいらしい印象。自然に美しい樹形になるため、剪定は要らない枝を整える程度にすると良いでしょう。きれいに整えすぎるより、野趣を感じさせる樹形が魅力の樹木です。趣のある樹形に紅葉が色づくと、わびさびを感じさせる独特の風情を漂わせます。
夏に強く西日が当たる場所では、弱ることがあるため、日当たりが良すぎる場所は避けましょう。半日陰でも生育できるので、中庭やしっとりとした和の庭にも向いています。
きれいに紅葉したモミジは、枝を少しだけ切り取って、食卓の飾りにも。お庭にモミジがあれば、こんな演出が簡単に出来てしまいます。来客時はもちろんですが、日常の食卓にもおすすめです。
秋色を取り入れて、インテリアに季節感をプラスする方法
秋色を取り入れて、インテリアに季節感をプラスする方法
カツラ
庭に植えられる樹木として、黄葉するものはあまり多くありません。秋の日差しに黄金色に輝くカツラは、その中でも人気のある樹種です。
カツラは大木になりますので、広いスペースがあるお庭に。株立ちのものを選べば、更新を行うことで大きさがコントロールできるので、スペースが心配な方は株立ちを選びましょう。
カツラの葉は丸みを帯びたハート形をしていて、優しげな雰囲気があります。また、葉が甘い香りを漂わせるのも特徴。とてもロマンチックな、愛らしい樹木です。
庭に植えられる樹木として、黄葉するものはあまり多くありません。秋の日差しに黄金色に輝くカツラは、その中でも人気のある樹種です。
カツラは大木になりますので、広いスペースがあるお庭に。株立ちのものを選べば、更新を行うことで大きさがコントロールできるので、スペースが心配な方は株立ちを選びましょう。
カツラの葉は丸みを帯びたハート形をしていて、優しげな雰囲気があります。また、葉が甘い香りを漂わせるのも特徴。とてもロマンチックな、愛らしい樹木です。
秋はリースに使える材料がたくさん拾える季節です。このリースはポプラの黄葉を利用したもの。カツラの葉でも同じようなイメージで作れそうですね。インテリアにも秋を取り入れて、室内でも秋色を楽しみましょう。
シラカバ
黄葉する樹木の中で、もう一つのおすすめがシラカバ。白い木肌は他には無い魅力があります。白い木肌と輝く黄葉は、秋の日差しのもと素晴らしい調和を見せてくれます。
もともと冷涼な地域に自生するため、暑さには弱い種類です。関東以南の場合は、近縁種であるシラカバ・ジャクモンティーを選びましょう。暑さに強く、若いころから白い木肌がはっきりと表れるため、人気の品種です。
黄葉する樹木の中で、もう一つのおすすめがシラカバ。白い木肌は他には無い魅力があります。白い木肌と輝く黄葉は、秋の日差しのもと素晴らしい調和を見せてくれます。
もともと冷涼な地域に自生するため、暑さには弱い種類です。関東以南の場合は、近縁種であるシラカバ・ジャクモンティーを選びましょう。暑さに強く、若いころから白い木肌がはっきりと表れるため、人気の品種です。
ドウダンツツジ
落葉性のツツジの中で、特に紅葉が美しいのがドウダンツツジ。低木なので、ベランダや小さなお庭に向いています。紅葉は驚くほど鮮やかな赤。他の樹木と一緒に庭に植えこみ、紅葉のグラデーションを楽しんでも面白いでしょう。
春の新緑、初夏のすずらんのような小さな白い花など、見所がたくさんある樹木です。花屋さんでも枝ものとして、とても人気のある花材なので、枝を切って部屋に飾っても楽しめます。
自然樹形も美しいですが、刈り込みにも強いため、生垣として仕立てることもできます。
落葉性のツツジの中で、特に紅葉が美しいのがドウダンツツジ。低木なので、ベランダや小さなお庭に向いています。紅葉は驚くほど鮮やかな赤。他の樹木と一緒に庭に植えこみ、紅葉のグラデーションを楽しんでも面白いでしょう。
春の新緑、初夏のすずらんのような小さな白い花など、見所がたくさんある樹木です。花屋さんでも枝ものとして、とても人気のある花材なので、枝を切って部屋に飾っても楽しめます。
自然樹形も美しいですが、刈り込みにも強いため、生垣として仕立てることもできます。
ガマズミ
こちらも低木の庭木です。ビバーナムという名前でも出回っているガマズミは、たくさんの品種があります。常緑と落葉がありますが、紅葉を楽しむならば落葉のものを選びましょう。日本に自生しているものも多く、環境に適していて育てやすい植物です。
秋に熟す小さな実も、紅葉とともに秋を彩ります。ガマズミの紅葉は、モミジやドウダンツツジのハッとするような赤に比べて、無骨な印象を与える自然味のある色合い。その色味がアンティーク調の雰囲気を持ち、秋の庭に深みを与えてくれます。
こちらも低木の庭木です。ビバーナムという名前でも出回っているガマズミは、たくさんの品種があります。常緑と落葉がありますが、紅葉を楽しむならば落葉のものを選びましょう。日本に自生しているものも多く、環境に適していて育てやすい植物です。
秋に熟す小さな実も、紅葉とともに秋を彩ります。ガマズミの紅葉は、モミジやドウダンツツジのハッとするような赤に比べて、無骨な印象を与える自然味のある色合い。その色味がアンティーク調の雰囲気を持ち、秋の庭に深みを与えてくれます。
ブドウ
つる性のブドウは、実だけでなく葉もとても魅力的な植物です。葉は絵画にも描かれるほど、デコラティブな形をしています。夏には爽やかな緑だった葉が、秋にはグラデーションのように紅葉をしていく様は、まさに絵画のような美しさです。
ブドウを育てるとなると、やはり収穫を期待したいですね。デラウェアやスチューベンという品種は比較的育てやすいと言われています。
収穫よりも鑑賞用に、ということならば日本に自生するヤマブドウが丈夫でおすすめです。
つる性のブドウは、実だけでなく葉もとても魅力的な植物です。葉は絵画にも描かれるほど、デコラティブな形をしています。夏には爽やかな緑だった葉が、秋にはグラデーションのように紅葉をしていく様は、まさに絵画のような美しさです。
ブドウを育てるとなると、やはり収穫を期待したいですね。デラウェアやスチューベンという品種は比較的育てやすいと言われています。
収穫よりも鑑賞用に、ということならば日本に自生するヤマブドウが丈夫でおすすめです。
ヘンリーヅタ
名前の通り、つる性の植物。吸着根を出し壁面を上っていきます。性質が丈夫なので、放任しがちでも育ってくれますが、伸びすぎには注意が必要です。冬は落葉するので、そのときに切り戻しをしておくと整理しやすいでしょう。
日当たりが良い場所だと紅葉がはっきりと美しいですが、半日陰でも生育可能。壁面に目が覚めるような紅葉が伸びている様は、樹木の紅葉とは違った美しさがあります。壁面の色と合わせてコーディネートすると、ますます魅力が引き立つでしょう。
名前の通り、つる性の植物。吸着根を出し壁面を上っていきます。性質が丈夫なので、放任しがちでも育ってくれますが、伸びすぎには注意が必要です。冬は落葉するので、そのときに切り戻しをしておくと整理しやすいでしょう。
日当たりが良い場所だと紅葉がはっきりと美しいですが、半日陰でも生育可能。壁面に目が覚めるような紅葉が伸びている様は、樹木の紅葉とは違った美しさがあります。壁面の色と合わせてコーディネートすると、ますます魅力が引き立つでしょう。
紅葉が美しい植物をいくつかご紹介いたしました。お庭のスペースやシチュエーションに合わせて、ぴったりの植物を探していただけたらと思います。
落葉する植物は掃除が大変だから……と避けてしまう方も多いですが、地面を赤く染める様子も秋ならでは。季節の風物詩として掃除まで楽しむような気持ちで、秋のお庭を満喫してください。
造園・ガーデニングの専門家を探す
美しい紅葉を楽しむ家50選!
欧米でも人気! 美しい紅葉を楽しめる、日本のカエデ11種
落葉する植物は掃除が大変だから……と避けてしまう方も多いですが、地面を赤く染める様子も秋ならでは。季節の風物詩として掃除まで楽しむような気持ちで、秋のお庭を満喫してください。
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