色のインテリア効果:エネルギーが湧き上がる生命の色「赤」
インテリアに取り入れる色が視覚や感情に及ぼす効果を知り、快適な部屋づくりに役立てましょう。今回は情熱的でパワフルで注意を喚起する色、また神聖でおめでたい色でもある「赤」について解説します。
カツウラアキツ
2016年12月14日
今回注目するインテリアの色は、エネルギーや情熱を感じさせる赤。強さがあり、派手で目立つカラーなので、信号機や標識、消火器など、危険や緊急を示す、あるいは注意を喚起する色としてもよく使われています。血の色でもあり、夜明けや生命の始まりをイメージさせる色でもある赤は、古来、信仰の場などでも象徴的に使われていました。使う場面によって、あるいはトーンによって、さまざまな表情を見せてくれる赤ですが、インテリア空間ではどのような効果を与えてくれるのか、チェックしてみましょう。
クリスマスの色、気分が高揚する色
クリスマス直前のこの時期、街中のディスプレイでよく見かける赤。クリスマスカラーの赤は、キリストが流した血を意味し、愛と寛大さを表すとされています。緑や白にも意味がありますが、この3色を見るとやはり、クリスマスの季節を実感してウキウキしてきますね。
でも、クリスマスのディスプレイを見ているだけでも単純にワクワクと気分が高揚してくるのは、赤という色に交感神経を刺激する効果があることも深く関係しています。ほかにも、スポーツグッズや速さの出る乗り物、闘牛士の使う布(ムレータ)など、感覚に刺激を与え、興奮させる目的のあるものには、鮮やかな赤がよく使われています。
クリスマス直前のこの時期、街中のディスプレイでよく見かける赤。クリスマスカラーの赤は、キリストが流した血を意味し、愛と寛大さを表すとされています。緑や白にも意味がありますが、この3色を見るとやはり、クリスマスの季節を実感してウキウキしてきますね。
でも、クリスマスのディスプレイを見ているだけでも単純にワクワクと気分が高揚してくるのは、赤という色に交感神経を刺激する効果があることも深く関係しています。ほかにも、スポーツグッズや速さの出る乗り物、闘牛士の使う布(ムレータ)など、感覚に刺激を与え、興奮させる目的のあるものには、鮮やかな赤がよく使われています。
暖色系の視覚効果を最も強く持つ色
赤は暖色系を代表する色でもあります。前回の記事「色の使い方の基本:色で温度を感じる暖色と寒色の効果」でも触れたとおり、赤、オレンジ色、黄色の暖色系は青や青紫などの寒色系に比べ、前に進出して見える効果があるのですが、赤はその中でもひときわ強く主張する色です。もうひとつ暖色系の特性として、「誘目性」と呼ばれる、目を惹く効果がありますが、赤はやはり暖色の中で最も誘目性が高い色になります。部屋に見せ場をつくる際、こうした効果を利用して赤を取り入れることで、ドラマチックなコーナーを演出することができるでしょう。
赤は暖色系を代表する色でもあります。前回の記事「色の使い方の基本:色で温度を感じる暖色と寒色の効果」でも触れたとおり、赤、オレンジ色、黄色の暖色系は青や青紫などの寒色系に比べ、前に進出して見える効果があるのですが、赤はその中でもひときわ強く主張する色です。もうひとつ暖色系の特性として、「誘目性」と呼ばれる、目を惹く効果がありますが、赤はやはり暖色の中で最も誘目性が高い色になります。部屋に見せ場をつくる際、こうした効果を利用して赤を取り入れることで、ドラマチックなコーナーを演出することができるでしょう。
アクセントに最適な明るく鮮やかな赤
赤の中にもたくさんのトーンがあるので、それらを使い分けることで多彩な印象のインテリアを楽しむことができます。たとえば、明るくポップで鮮やかな赤は、少しの分量でモダンな住まいの刺激的なアクセントになるでしょう。写真のようにドアや鏡の縁などに使うのも効果的ですし、階段の手すりに取り入れるのもいいでしょう。平坦な色合わせになりがちなインテリア空間の中でアクセントとなったり、視線を導く流れが描かれることで、空間に奥行きを感じさせることができます。
赤の中にもたくさんのトーンがあるので、それらを使い分けることで多彩な印象のインテリアを楽しむことができます。たとえば、明るくポップで鮮やかな赤は、少しの分量でモダンな住まいの刺激的なアクセントになるでしょう。写真のようにドアや鏡の縁などに使うのも効果的ですし、階段の手すりに取り入れるのもいいでしょう。平坦な色合わせになりがちなインテリア空間の中でアクセントとなったり、視線を導く流れが描かれることで、空間に奥行きを感じさせることができます。
テンションを上げる、情熱的な赤
写真は、まるで画廊や美術館のような格調高いクラシックな雰囲気で、かつ情熱的な印象の一室です。原色の赤より少し明度を下げた黄み寄りの渋い赤を、このように書斎やホームオフィスの壁全面に塗る人が、私のお客様の中にも意外といらっしゃいます。
仕事に向き合う場所として考えると、赤はテンションを上げ、やる気をアップさせてくれる色として、そこで過ごす人を応援してくれるでしょう。ただし
同時に、つき合うのにかなりエネルギーを要する色でもあるので、長居すると疲れてしまうことも事実。部屋全体に赤を配する場合は、写真のように床や天井などに白、黒、グレーなどの無彩色を合わせて、息抜きができる場所をつくりましょう。目を休ませることができる場所が少しでもあると、全体のバランスも整います。
写真は、まるで画廊や美術館のような格調高いクラシックな雰囲気で、かつ情熱的な印象の一室です。原色の赤より少し明度を下げた黄み寄りの渋い赤を、このように書斎やホームオフィスの壁全面に塗る人が、私のお客様の中にも意外といらっしゃいます。
仕事に向き合う場所として考えると、赤はテンションを上げ、やる気をアップさせてくれる色として、そこで過ごす人を応援してくれるでしょう。ただし
同時に、つき合うのにかなりエネルギーを要する色でもあるので、長居すると疲れてしまうことも事実。部屋全体に赤を配する場合は、写真のように床や天井などに白、黒、グレーなどの無彩色を合わせて、息抜きができる場所をつくりましょう。目を休ませることができる場所が少しでもあると、全体のバランスも整います。
グラマラスでムードのあるディープレッド
原色の赤に少し青みと黒を足していくと、ボルドーのような、深くて色気のあるトーンになります。住空間以外に使われる色も含めて見回してみると、企業のロゴをはじめ、車やファブリックなど、こういった少し青み寄りの深い赤が使われることが、以前に比べて多くなりました。このトーンの赤は、クールでスマートなイメージに加え、成熟した大人の雰囲気を醸し出す色といえます。住まいでは、ひときわ個性的でムーディな空間を楽しめる色です。照明の光の陰影が描く美しいグラデーションもとても似合う色なので、あえて陽の光が入りにくい場所に使ってみては。
原色の赤に少し青みと黒を足していくと、ボルドーのような、深くて色気のあるトーンになります。住空間以外に使われる色も含めて見回してみると、企業のロゴをはじめ、車やファブリックなど、こういった少し青み寄りの深い赤が使われることが、以前に比べて多くなりました。このトーンの赤は、クールでスマートなイメージに加え、成熟した大人の雰囲気を醸し出す色といえます。住まいでは、ひときわ個性的でムーディな空間を楽しめる色です。照明の光の陰影が描く美しいグラデーションもとても似合う色なので、あえて陽の光が入りにくい場所に使ってみては。
取り入れやすい、ソフトで穏やかな赤
インテリア空間に赤を使うことに対して興味や憧れはあっても、あまりに強いイメージなので、ちょっと抵抗を感じる人もいるかもしれません。そんなときは、ほんの少し明るいグレーを混ぜたような、こんな穏やかな赤はいかがでしょう。年月が経ち、少し焼けたようなソフトな赤は、ナチュラルな空間やラスティックな空間にもよくなじみ、また、適度な変化とリズムを与えてくれるでしょう。
インテリア空間に赤を使うことに対して興味や憧れはあっても、あまりに強いイメージなので、ちょっと抵抗を感じる人もいるかもしれません。そんなときは、ほんの少し明るいグレーを混ぜたような、こんな穏やかな赤はいかがでしょう。年月が経ち、少し焼けたようなソフトな赤は、ナチュラルな空間やラスティックな空間にもよくなじみ、また、適度な変化とリズムを与えてくれるでしょう。
赤い柄物の壁紙でインパクトを
インパクトのある赤という色だからこそ、大胆な柄が描かれている壁紙で使うのもひとつの手。たとえば、洗面室やトイレといった狭いスペースに、あえて写真のような大胆な壁紙を全面に貼り、遊び心を表現。これは、実は人気のある方法です。こういった場所は、清潔感はもちろんキープしたいところですが、だからといって地味ではなくていいのです。プライベート性が高く、かつ面積に限りがある空間なので、主張のある赤のような色を使って、自分らしい個性を「爆発」させるには最適。ぜひチャレンジしてみましょう!
インパクトのある赤という色だからこそ、大胆な柄が描かれている壁紙で使うのもひとつの手。たとえば、洗面室やトイレといった狭いスペースに、あえて写真のような大胆な壁紙を全面に貼り、遊び心を表現。これは、実は人気のある方法です。こういった場所は、清潔感はもちろんキープしたいところですが、だからといって地味ではなくていいのです。プライベート性が高く、かつ面積に限りがある空間なので、主張のある赤のような色を使って、自分らしい個性を「爆発」させるには最適。ぜひチャレンジしてみましょう!
魔除けの色、神聖な色、おめでたい色
日本では昔から「朱=赤」は魔除けの色とされ、病気や災いを防いでくれるといわれてきました。「赤ちゃん」という言葉に「赤」がついている理由は、皮膚が薄くて赤く見える、あるいは生命の始まりを表すことから、というのが一般的ですが、その昔、今よりもずっと生存率の低かった赤ちゃんに、災いが降り注ぐことのないよう、願いを込めてつけられた、という説もあります。日本の国旗に使われている色でもあり、紅白の組み合わせは神聖でおめでたいイメージにもつながります。このように、赤は実に多様な意味や役割を持つ色といえるでしょう。
クリスマスにお正月、赤い色を見かけることの多くなる季節です。この機会にぜひ、赤のインテリア効果を意識して、壁や家具、ファブリックなどお好きなところで、インテリアに取り入れてみてください。
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みなさんの家では、赤をインテリアに使っていますか?
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クリスマスにお正月、赤い色を見かけることの多くなる季節です。この機会にぜひ、赤のインテリア効果を意識して、壁や家具、ファブリックなどお好きなところで、インテリアに取り入れてみてください。
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コメントをありがとうございます。
暖色系の中でも、やはり黄色系のインクは退色しやすいですよね。
そこを花で取り入れてカバーされているとは素敵ですね!
はじめまして、DECO-TEの松本と申します。
素敵な記事に取り上げて頂き、ありがとうございました。
私も色のもつ力に毎回驚かされています。これからもインテリアにもっともっと色をとりいれていきたいと思っています!記事楽しみにしています。
松本さま、はじめまして!
こちらこそ使わせていただき、ありがとうございます。赤のお部屋を探しているときに、渋くて色気のある書斎に思わず目を奪われてしまいました。
色って、いつも新しい表情を見せてくれるので面白いですよね!これからのプロジェクトでもぜひ取り入れて下さい。楽しみにしています。