色のインテリア効果:コミュニケーションと団らんに最適な「オレンジ色」
インテリアに色を取り入れる際、その色が視覚や感情に及ぼす効果を知っていると、自分らしい快適な部屋づくりの大きな助けに。色別にその効果や使い方、適した部屋を解説します。今回は温かく躍動感があり、食欲や会話を促す「オレンジ色」について。
カツウラアキツ
2016年10月12日
街の中にも秋の気配が色濃く漂う季節になってきました。この季節に似合う色のひとつとして思い浮かぶのが「オレンジ」。ユニセックスなイメージがあり、さまざまな場面で取り入れやすく、コミュニケーションを円滑にしてくれるオレンジ色の効果や、インテリアへの取り入れ方をチェックしてみましょう。
食欲の秋を象徴する色
日本でも北の地方では紅葉の季節になってきました。黄色~オレンジ色~赤へと色を変えていく紅葉を見かけると、つい足を止めて眺めてしまいます。色のグラデーションには人に安心感をもたらす効果があるので、思わず目を向けてしまうのかもしれません。
そもそも農耕民族だった私たちの先祖は、果実の熟す色の移り変わりを見て収穫の判断をしていました。まだ食べ頃ではない青い色でもなく、食べ頃を逃した茶色でもなく、いちばん熟していておいしいのがオレンジ色だと、その頃から身体と頭にインプットされてきたのでしょう。オレンジ色に食欲を促進する効果があるのは、そういったことも関連しているのです。
日本でも北の地方では紅葉の季節になってきました。黄色~オレンジ色~赤へと色を変えていく紅葉を見かけると、つい足を止めて眺めてしまいます。色のグラデーションには人に安心感をもたらす効果があるので、思わず目を向けてしまうのかもしれません。
そもそも農耕民族だった私たちの先祖は、果実の熟す色の移り変わりを見て収穫の判断をしていました。まだ食べ頃ではない青い色でもなく、食べ頃を逃した茶色でもなく、いちばん熟していておいしいのがオレンジ色だと、その頃から身体と頭にインプットされてきたのでしょう。オレンジ色に食欲を促進する効果があるのは、そういったことも関連しているのです。
食空間にぴったり、おいしそうに見せる色
オレンジ色をした食べ物を連想してみると、柿、みかん、かぼちゃ、人参、パプリカなど食べ頃の果物や野菜、またシナモンのようなスパイスなどが次々に浮かんできます。また、試しに今度、スーパーに並ぶ食品のパッケージを観察してみてください。調味料からラーメン、お菓子のパッケージまで、オレンジ色が多用されていることがわかるでしょう。
おいしさのイメージと強く結びついているという理由から、オレンジはキッチンやダイニングに使うのにぴったりの色といえます。壁はもちろん、椅子にこの色を使ったり、ランチョンマット、テーブルランナーに取り入れてみるだけでも、食欲を刺激する効果があります。
オレンジ色をした食べ物を連想してみると、柿、みかん、かぼちゃ、人参、パプリカなど食べ頃の果物や野菜、またシナモンのようなスパイスなどが次々に浮かんできます。また、試しに今度、スーパーに並ぶ食品のパッケージを観察してみてください。調味料からラーメン、お菓子のパッケージまで、オレンジ色が多用されていることがわかるでしょう。
おいしさのイメージと強く結びついているという理由から、オレンジはキッチンやダイニングに使うのにぴったりの色といえます。壁はもちろん、椅子にこの色を使ったり、ランチョンマット、テーブルランナーに取り入れてみるだけでも、食欲を刺激する効果があります。
コミュニケーションを促すにぎやかな色
オレンジは色そのものに躍動感があるので、鮮やかならば少量でも十分、華やかなアクセントとして空間を彩ってくれる色です。陽気でにぎやか、開放的な印象があり、楽しく会話が弾む雰囲気をつくり出すので、まさにコミュニケーションに適したカラーといえます。家族だけではなく、たくさんのお客さまも集う可能性のあるリビングに取り入れると、そこにいる人を楽しい気分にさせ、コミュニケーションを促すことができるでしょう。
オレンジは色そのものに躍動感があるので、鮮やかならば少量でも十分、華やかなアクセントとして空間を彩ってくれる色です。陽気でにぎやか、開放的な印象があり、楽しく会話が弾む雰囲気をつくり出すので、まさにコミュニケーションに適したカラーといえます。家族だけではなく、たくさんのお客さまも集う可能性のあるリビングに取り入れると、そこにいる人を楽しい気分にさせ、コミュニケーションを促すことができるでしょう。
家庭的なブラウン、ベージュ系の「親戚」
鮮やかで大胆なオレンジにはちょっと抵抗がある方もいらっしゃると思います。そんな方は、鮮やかなオレンジ色より、少し濁った感じのオレンジ色をチョイスしましょう。オレンジ色は暗くしていくと茶系に近づき、明るく淡くしていくとベージュ系の色になっていきます。どちらもとても落ち着く、より家庭的な色合いなので、家族の団らんに最適な空間を演出することができます。
鮮やかで大胆なオレンジにはちょっと抵抗がある方もいらっしゃると思います。そんな方は、鮮やかなオレンジ色より、少し濁った感じのオレンジ色をチョイスしましょう。オレンジ色は暗くしていくと茶系に近づき、明るく淡くしていくとベージュ系の色になっていきます。どちらもとても落ち着く、より家庭的な色合いなので、家族の団らんに最適な空間を演出することができます。
スポーティーでユニセックス
現代ではユニセックスな色として認識されているオレンジ色。スポーティーなファッションからアウトドア用品まで、活動的でアクティブな印象を持たせたいものには、強めのオレンジ色がよく使われています。
インテリアに取り入れるなら、写真のようにアウトドア用のチェアやサーフボード、ロードバイクなど、趣味のアイテムをオレンジ色にして、部屋のアクセントにするのもいいですね。現代的でスマートなインテリアを演出したいなら、白、黒、グレーといった無彩色を組み合わせるとうまくいきます。
現代ではユニセックスな色として認識されているオレンジ色。スポーティーなファッションからアウトドア用品まで、活動的でアクティブな印象を持たせたいものには、強めのオレンジ色がよく使われています。
インテリアに取り入れるなら、写真のようにアウトドア用のチェアやサーフボード、ロードバイクなど、趣味のアイテムをオレンジ色にして、部屋のアクセントにするのもいいですね。現代的でスマートなインテリアを演出したいなら、白、黒、グレーといった無彩色を組み合わせるとうまくいきます。
体感温度を上げる効果
さて、オレンジにはもうひとつ大切な効果が。それは「暖色」であること。「暖色・寒色」というように、色の中には温度を感じさせる働きのあるものがあります。部屋が寒くて暖を取りたいときは、ヒーターの温度を上げる代わりに、身の周りにオレンジ色のアイテムを増やし、目から暖をとってみるのも一案です。
最近はベルベットのような光沢のある素材が改めて注目されていますが、シャイニーなベルベットなどのクッションカバーに強めのオレンジ色を取り入れるのもいいですね。ファブリックの光の濃淡で、思った以上にナチュラルな表情を楽しめそうです。また、寒くなったら壁をオレンジ系に、暑くなったらブルーなどの寒色系にと、季節に合わせて壁も「衣替え」するのも、色の温度感を上手に使うひとつのアイデアです。
さて、オレンジにはもうひとつ大切な効果が。それは「暖色」であること。「暖色・寒色」というように、色の中には温度を感じさせる働きのあるものがあります。部屋が寒くて暖を取りたいときは、ヒーターの温度を上げる代わりに、身の周りにオレンジ色のアイテムを増やし、目から暖をとってみるのも一案です。
最近はベルベットのような光沢のある素材が改めて注目されていますが、シャイニーなベルベットなどのクッションカバーに強めのオレンジ色を取り入れるのもいいですね。ファブリックの光の濃淡で、思った以上にナチュラルな表情を楽しめそうです。また、寒くなったら壁をオレンジ系に、暑くなったらブルーなどの寒色系にと、季節に合わせて壁も「衣替え」するのも、色の温度感を上手に使うひとつのアイデアです。
あえて寝室に使い、目覚めをよくする手も
一般的に寝室では、パープルやブルー系などの、心身を癒してくれる色が向くとされています。でも、それは眠りにつくときのお話。寝室でどう過ごすかはその人次第です。就寝前のリラックス時間を大切にしたい場合は、やはりパープルやブルー系がおすすめですが、寝つきがよい人や、逆に朝が苦手な人は、いっそのことオレンジ色を取り入れてみては。ぱっと目を覚まさせてくれる快活なビタミンカラーのオレンジ色のパワーを目からたっぷり吸収して、フレッシュな一日をスタートさせるのもいいですね。
一般的に寝室では、パープルやブルー系などの、心身を癒してくれる色が向くとされています。でも、それは眠りにつくときのお話。寝室でどう過ごすかはその人次第です。就寝前のリラックス時間を大切にしたい場合は、やはりパープルやブルー系がおすすめですが、寝つきがよい人や、逆に朝が苦手な人は、いっそのことオレンジ色を取り入れてみては。ぱっと目を覚まさせてくれる快活なビタミンカラーのオレンジ色のパワーを目からたっぷり吸収して、フレッシュな一日をスタートさせるのもいいですね。
インパクトのある組み合わせを試す際のコツ
同じオレンジ色でも、空間の中で隣り合う色によってその印象が変わってきます。たとえば、オレンジの反対色にあたるブルー。この2色を使うと、インパクトが出て、狭い空間でもいきいきとした動きを感じさせることができます。ただし、同じような明度や彩度にしてしまうと、目がチカチカするようなハレーションなどの不快な現象を起こすこともあります。
このような場合は、明度の違いが解決のポイントになってきます。どちらかが明るく、または暗くなるように調整するか、この2色をいったん分けるセパレートカラーとして、無彩色を間に挟むかしてみましょう。インテリアに大胆な印象を残しつつ、こうした現象を防ぐことができるでしょう。
明度、彩度についてはこちらもあわせて
色の使い方の基本:色の明るさと鮮やかさが空間にもたらす効果を知ろう
同じオレンジ色でも、空間の中で隣り合う色によってその印象が変わってきます。たとえば、オレンジの反対色にあたるブルー。この2色を使うと、インパクトが出て、狭い空間でもいきいきとした動きを感じさせることができます。ただし、同じような明度や彩度にしてしまうと、目がチカチカするようなハレーションなどの不快な現象を起こすこともあります。
このような場合は、明度の違いが解決のポイントになってきます。どちらかが明るく、または暗くなるように調整するか、この2色をいったん分けるセパレートカラーとして、無彩色を間に挟むかしてみましょう。インテリアに大胆な印象を残しつつ、こうした現象を防ぐことができるでしょう。
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色の使い方の基本:色の明るさと鮮やかさが空間にもたらす効果を知ろう
脇役的なスペースにこそ活躍
廊下や階段スペースというのは、各部屋に比べて無難でおとなしい印象になりがちな空間ですが、にぎやかな印象のオレンジが1色入ることで、開放的かつ躍動感のある雰囲気に大きく変わります。この色の大きなアートなどを見つけて飾ってもいいですが、階段などの場所には色を使うのもおすすめです。目につきやすいオレンジ色が描くラインは、空間の奥行きや高さを象徴的に示し、よいアクセントとなるでしょう。
廊下や階段スペースというのは、各部屋に比べて無難でおとなしい印象になりがちな空間ですが、にぎやかな印象のオレンジが1色入ることで、開放的かつ躍動感のある雰囲気に大きく変わります。この色の大きなアートなどを見つけて飾ってもいいですが、階段などの場所には色を使うのもおすすめです。目につきやすいオレンジ色が描くラインは、空間の奥行きや高さを象徴的に示し、よいアクセントとなるでしょう。
ハロウィングッズや紅葉ももちろん!
ちなみに、すぐにでもどこかにオレンジ色を取り入れたくなったなら、ディスプレイ用のかぼちゃや楓などの紅葉した葉をかごに入れて部屋に飾ってみるのもいいですね。秋らしい季節感のあるオレンジ色の植物を目につくところに置くだけで、カラーの温かさが引き立ち、その効果を実感することができるでしょう。今、何も手元になくても大丈夫、紅葉の季節はまだまだこれからです。この秋を楽しむカラーとして、さっそくオレンジ色のアイテムを探しに出掛けてみましょう!
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みなさんの家に、オレンジ色を取り入れている場所はありますか?
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堀川材木店さま、コメントをありがとうございます!オレンジの炎の揺らぎは、本当に見ていて飽きないですね。薪ストーブのあるおうちは、冬が楽しみでなりませんね^^
季節と色を考えた時に、一番に思い浮かぶのは「秋×オレンジ」ですね。
だんだん寒くなっていく中で、人も自然もオレンジ色を求めるんですかね。
オレンジ色には、同じ暖色でも赤や黄にはない落ち着きを感じます。
このような色視点の記事を読むことで、改めて身近な色について考えてみようと思いました。
また次回を楽しみにしています。
ファインさん、コメントをありがとうございます!
オレンジ色の夕焼けをみて落ち着いたりするのは、緊張感をほぐしてくれる効果もあるからだそうです。赤ほどイケイケでもなく、黄色ほどテンションも高くなく、肩ひじ張らない程度に気分を良くしてくれるというところで、ちょうどよいのでしょうね。
次回のお話しも、皆さんに色を考えてもらえるきっかけになれたら嬉しいです。頑張ります^^