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秋色をつくる植物を家の庭で楽しむ
涼しい風が吹き始めると、植物達はどんどん表情を変えていきます。庭を秋色に染めていく植物をご紹介します。
舩村佳織
2016年9月16日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
楽しく開放的な夏が過ぎ、秋の空気を感じる時期になってきました。涼しい風を感じると、少し切なく物憂い気持ちになるものです。庭の植物達も秋の訪れに敏感に反応し、哀愁を感じさせる秋の風景へと変わっていきます。そんな秋の風景の中で、一際魅力を放つのがシックな色合いの植物たち。庭を秋色に染める、美しい植物たちをご紹介します。
グラス類
秋になると自然とわびしさを感じさせる雰囲気に心が惹かれていきます。
夏には憎らしいほど旺盛な生命力でのびのびと成長していたグラス類も、気温が下がると休眠期に入り、緑色だった葉も穂も徐々に色あせ、本格的な実りを迎えます。実りと終わりを感じさせる、まさに秋の魅力を凝縮させた枯れ姿です。
秋になると自然とわびしさを感じさせる雰囲気に心が惹かれていきます。
夏には憎らしいほど旺盛な生命力でのびのびと成長していたグラス類も、気温が下がると休眠期に入り、緑色だった葉も穂も徐々に色あせ、本格的な実りを迎えます。実りと終わりを感じさせる、まさに秋の魅力を凝縮させた枯れ姿です。
カラーリーフを持つグラスもおすすめです。パープルファウンテングラスはブロンズ色の葉を持つイネ科の植物。落ち着いた色味でありながら、個性的な見た目で存在感があります。
寒さに弱く、露地植えで冬越しは難しいです。一年草と割り切るか、鉢植えにして室内で冬越しをさせるかのどちらかになるでしょう。ねこじゃらしのような穂とカラーリーフのコントラストが目を引く、他にない魅力を持つ植物です。
寒さに弱く、露地植えで冬越しは難しいです。一年草と割り切るか、鉢植えにして室内で冬越しをさせるかのどちらかになるでしょう。ねこじゃらしのような穂とカラーリーフのコントラストが目を引く、他にない魅力を持つ植物です。
セダム‘オータムジョイ’
ベンケイソウとも呼ばれます。夏の終わりに咲き始め、秋の深まりとともに淡い色から濃いワイン色へと変化していきます。一株の中で、淡色と濃い色が混ざりあい、グラデーションのような花色を楽しめます。名前のとおり、秋の庭にぴったりの植物です。
多肉質の葉を持ち、一見すると寒さに弱そうに見えますが、冬は宿根で冬越しをし、また来年も新しい芽を出してくれます。春夏も多肉質の葉が青々と庭を彩ってくれる万能な植物です。
ベンケイソウとも呼ばれます。夏の終わりに咲き始め、秋の深まりとともに淡い色から濃いワイン色へと変化していきます。一株の中で、淡色と濃い色が混ざりあい、グラデーションのような花色を楽しめます。名前のとおり、秋の庭にぴったりの植物です。
多肉質の葉を持ち、一見すると寒さに弱そうに見えますが、冬は宿根で冬越しをし、また来年も新しい芽を出してくれます。春夏も多肉質の葉が青々と庭を彩ってくれる万能な植物です。
ダリア
秋の代表的な花です。夏の終わり頃から、ダリアの開花時期となります。花の種類も色も豊富なダリアですが、おすすめなのは、褪せたような色合いのダリア。花の種類が少なくなってくる秋には、花壇の主役になってくれます。
秋の代表的な花です。夏の終わり頃から、ダリアの開花時期となります。花の種類も色も豊富なダリアですが、おすすめなのは、褪せたような色合いのダリア。花の種類が少なくなってくる秋には、花壇の主役になってくれます。
深みのある紫も素敵です。秋にぴったりの、こっくりとした色合い。目を引くけれども派手すぎず上品なダリアです。
ダリアは乾燥に強く、水はけが悪い場所を嫌います。水のやりすぎに注意。球根植物なので、多湿すぎる環境だと球根が腐ってしまいます。
ダリアは乾燥に強く、水はけが悪い場所を嫌います。水のやりすぎに注意。球根植物なので、多湿すぎる環境だと球根が腐ってしまいます。
チョコレートコスモス
その名のとおり、花からはチョコレートのような甘い香りがします。黒にも見えるようなビターな濃いブラウンは、シルバーリーフと合わせて寄せ植えにすると、魅力が引き立ちます。
切り花としても人気があり、大人っぽいアレンジメントにぴったりです。庭だけでなく、部屋にチョコレートコスモスを生けて、秋をインテリアに取り込んでも良いですね。
その名のとおり、花からはチョコレートのような甘い香りがします。黒にも見えるようなビターな濃いブラウンは、シルバーリーフと合わせて寄せ植えにすると、魅力が引き立ちます。
切り花としても人気があり、大人っぽいアレンジメントにぴったりです。庭だけでなく、部屋にチョコレートコスモスを生けて、秋をインテリアに取り込んでも良いですね。
花の枯れ姿
夏には鮮やかに花壇を彩っていた花も、秋には芯に種子を残して枯れていきます。花びらが散っても、すぐに切り戻してしまわず、枯れ姿も味わってください。ヘレニウムやルドベキアは、黒い芯がきれいに残り、花の盛りとは違った表情を見せてくれます。
花だけを楽しむのではなく、植物の様々な姿を楽しめると庭仕事がぐっとおもしろくなってきます。
夏には鮮やかに花壇を彩っていた花も、秋には芯に種子を残して枯れていきます。花びらが散っても、すぐに切り戻してしまわず、枯れ姿も味わってください。ヘレニウムやルドベキアは、黒い芯がきれいに残り、花の盛りとは違った表情を見せてくれます。
花だけを楽しむのではなく、植物の様々な姿を楽しめると庭仕事がぐっとおもしろくなってきます。
シルバーリーフ
シックな色合いのカラーリーフや花は、シルバーリーフと相性抜群。お互いの魅力を引き立てあいます。写真の植物は、パープルファウンテングラスとヘリクリサム。
シルバーリーフは、葉が毛に覆われていて白っぽく見えているため、光沢のないマットな質感をしています。この葉の質感がシャビーな雰囲気を作り出し、アンティークな庭を演出してくれます。
シックな色合いのカラーリーフや花は、シルバーリーフと相性抜群。お互いの魅力を引き立てあいます。写真の植物は、パープルファウンテングラスとヘリクリサム。
シルバーリーフは、葉が毛に覆われていて白っぽく見えているため、光沢のないマットな質感をしています。この葉の質感がシャビーな雰囲気を作り出し、アンティークな庭を演出してくれます。
カラーリーフ
花が少なくなる時期は、カラーリーフが庭を彩ってくれます。カエデのような形の葉で、たくさんの色を持つヒューケラはカラーリーフの代表的な存在です。寒さに当たると葉の色は若干の変化を見せ、渋みが増していきます。
コクリュウやシダと組み合わせて、カラーリーフだけで景色をつくっても素敵です。
花が少なくなる時期は、カラーリーフが庭を彩ってくれます。カエデのような形の葉で、たくさんの色を持つヒューケラはカラーリーフの代表的な存在です。寒さに当たると葉の色は若干の変化を見せ、渋みが増していきます。
コクリュウやシダと組み合わせて、カラーリーフだけで景色をつくっても素敵です。
ローズヒップ
秋にはバラも実を結びます。株の体力を消耗させないため、園芸作業では終わった花は切り戻すことが推奨されています。そのセオリーを無視して、咲いた花をそのままにしておくと秋にはかわいいローズヒップに。周囲の草花が色褪せていく中、だんだんと濃く鮮やかになっていくローズヒップは、まるで光り輝いているように目に飛び込んできます。
秋は実りの季節ということを思い出させてくれる、可憐な存在です。
秋にはバラも実を結びます。株の体力を消耗させないため、園芸作業では終わった花は切り戻すことが推奨されています。そのセオリーを無視して、咲いた花をそのままにしておくと秋にはかわいいローズヒップに。周囲の草花が色褪せていく中、だんだんと濃く鮮やかになっていくローズヒップは、まるで光り輝いているように目に飛び込んできます。
秋は実りの季節ということを思い出させてくれる、可憐な存在です。
ユーパトリウム
西洋フジバカマとも言われるユーパトリウム。繊細な花びらを持ち、健気で楚々とした美しさです。花茎は花の色を濃くしたような色をしており、全体を引き締めるアクセントとなります。
花が白いもの、紫のもの、銅葉のものなど、いくつかの品種が流通しています。銅葉のものは花が無い季節でもカラーリーフとしてキレイなのでおすすめ。育てやすく、初心者の方にも◎。冬は地上部は枯れ、宿根して冬越しします。
西洋フジバカマとも言われるユーパトリウム。繊細な花びらを持ち、健気で楚々とした美しさです。花茎は花の色を濃くしたような色をしており、全体を引き締めるアクセントとなります。
花が白いもの、紫のもの、銅葉のものなど、いくつかの品種が流通しています。銅葉のものは花が無い季節でもカラーリーフとしてキレイなのでおすすめ。育てやすく、初心者の方にも◎。冬は地上部は枯れ、宿根して冬越しします。
春や夏の明るさとは違った秋の庭の魅力をご紹介しました。インテリアと違って、庭の植物は自然と季節に反応して変化していきます。秋を楽しむ植物を忍ばせておけば、夏の花が終わるころ庭を少しずつ秋色に染めていってくれるでしょう。庭が無くても、寄せ植えで秋の植物を楽しめます。ぜひ植物選びの参考にしてください。
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