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建築事務所のホームオフィスは庭に建てた小屋!
仕事や趣味に集中できる自分だけの空間が必要なら、小さな小屋を建てる、という選択もあります。
Annie Thornton
2016年8月25日
建築家のクリス・ファインさんにとってのサンクチュアリは、裏庭にある11.1平方メートル(3.05×3.66メートル)の小屋。「中に入ると、まるで別世界にいるみたいなんです」とファインさんは言う。当初は設立したばかりだった設計事務所のオフィスとして使うために建てたのだが、じきに手狭になり、今ではもっぱら、カンザス州立大の建築学部で担当する授業の準備の場所として使っている。
写真:Bob Greenspan
どんな小屋?
所在地:カンザス州プレーリー・ヴィレッジ(カンザスシティ近郊)
規模:11.1平方メートル(3.05×3.66メートル)
建築家:フォワード・デザイン/アーキテクチャーのクリストファー・ファイン
3年前に開業するにあたり、家族で暮らす家のどこにオフィスを設けるべきか、ファインさんはじっくり検討した。余っている部屋はなかったので、未完成のままだった地下室を事務所にすることも考えのだが、地下を使える状態にするには大掛かりな工事が必要だと判明。そこで、裏庭に小屋を作ることを思いつき、アイデアと予算を練り始めた。当時の社員はファインさんだけだったが、いずれ人を増やす予定もあった。
母屋とは別に建物を作るのは、地下の改造よりもお金がかかる計算になったが、より自由に使えることと、窓から庭の景色が見えて自然光が入る点が魅力的だった。
「家にいながら、家庭生活から抜け出して仕事ができる場所がほしいという人は多くいますが、ここはまさにそういう場所で気に入っています」と語る。
どんな小屋?
所在地:カンザス州プレーリー・ヴィレッジ(カンザスシティ近郊)
規模:11.1平方メートル(3.05×3.66メートル)
建築家:フォワード・デザイン/アーキテクチャーのクリストファー・ファイン
3年前に開業するにあたり、家族で暮らす家のどこにオフィスを設けるべきか、ファインさんはじっくり検討した。余っている部屋はなかったので、未完成のままだった地下室を事務所にすることも考えのだが、地下を使える状態にするには大掛かりな工事が必要だと判明。そこで、裏庭に小屋を作ることを思いつき、アイデアと予算を練り始めた。当時の社員はファインさんだけだったが、いずれ人を増やす予定もあった。
母屋とは別に建物を作るのは、地下の改造よりもお金がかかる計算になったが、より自由に使えることと、窓から庭の景色が見えて自然光が入る点が魅力的だった。
「家にいながら、家庭生活から抜け出して仕事ができる場所がほしいという人は多くいますが、ここはまさにそういう場所で気に入っています」と語る。
小屋の設計は、経済性の追求でもあった。「どれだけ安く建てられるかを試すプロジェクトだったともいえます」とファインさんはいう。シンプルな長方形のかたちを選び、ドアと窓を同じ壁面に配置することでコストを削減。「全体的なフォルムやデザインは予算の関係で決まったといえます」とファインさん。
外壁の仕上げには、安価なハーディーのセメントサイディングボードを使い、その上にシダー材の小角材を縦に張った。こうして、すべて木でできているかのような印象の外壁が完成した。
外壁の仕上げには、安価なハーディーのセメントサイディングボードを使い、その上にシダー材の小角材を縦に張った。こうして、すべて木でできているかのような印象の外壁が完成した。
小屋の前面は鮮やかなオレンジ色。これも、お金をかけずにわかりやすく入口を演出する工夫の1つだ。写真の手前に見える母屋では、屋内のドアがすべて同じオレンジ色に塗られており、2つの建物に統一感を出している。その一方で、コントラストも大切にしているとファインさんは言う。「小屋が独立したユニークな建物として受け止められるように、家とは対照的なデザインにしました。」
事務所の内部はシンプルだが、そっけないという印象はない。快適な1人用の作業デスクがあり、ファインさんの集めた豊富な建築・デザイン関連の本が収容されている。インテリアデザインの中心となったのは、ジョージ・ネルソンデザイン、オムニ社製作のシェルフシステム。長年かけてコレクションしてきたものだ。デスクはファインさん自身のデザインで、棚に組み込めるかたちになっている。
高さ2.1メートル強の壁には本が並び、ぬくもりを感じる雰囲気を作り出す。母屋や裏庭のサイズ感に合わせ、「こぢんまりとまとめることを意識しました」とファインさんはいう。
室内の床は、土間コンクリートの上にコルク材を敷いた。「コルク床が大好きなんです。安くて、耐久性も高く、コンクリートスラブの上にも置くことができます」とファインさん。
デスクチェア:ヴィトラ、明るい青のデスクチェア:ノル
高さ2.1メートル強の壁には本が並び、ぬくもりを感じる雰囲気を作り出す。母屋や裏庭のサイズ感に合わせ、「こぢんまりとまとめることを意識しました」とファインさんはいう。
室内の床は、土間コンクリートの上にコルク材を敷いた。「コルク床が大好きなんです。安くて、耐久性も高く、コンクリートスラブの上にも置くことができます」とファインさん。
デスクチェア:ヴィトラ、明るい青のデスクチェア:ノル
小屋があるのは、庭の奥の角。通りから入れる専用のエントランスもある。塀に隣接しており、土地の境界線からは60センチしか離れていない(この地域で許される最小限の距離だ)。小屋の入口には幅4.5メートル、高さ1.8メートルの壁が突き出しており、入口付近を隣家の裏庭から目隠しする役目を果たしている。
窓からは、裏庭のマグノリアの木が見える。
設計事務所にはフルタイムの従業員が2名増えたため、半年ほど前から新しいオフィスに移転した。それ以来、この小屋はファインさんのプライベートな空間になっている。小型壁掛け(スプリット)タイプの冷暖房エアコンを取り付けるなど、完成時からいくつか設備的な改良を加えている。
このようなアップグレードを含めると、小屋づくりのコストは合計約18,000ドルと、地下室改造の推定額の約2倍になってしまったものの、おかげで1年中快適に過ごせる居心地の良い空間ができあがった。「お金を使った価値は十分にあります」とファインさんは言う。
サイドチェア:ノル、スツール:ヴィトラ
設計事務所にはフルタイムの従業員が2名増えたため、半年ほど前から新しいオフィスに移転した。それ以来、この小屋はファインさんのプライベートな空間になっている。小型壁掛け(スプリット)タイプの冷暖房エアコンを取り付けるなど、完成時からいくつか設備的な改良を加えている。
このようなアップグレードを含めると、小屋づくりのコストは合計約18,000ドルと、地下室改造の推定額の約2倍になってしまったものの、おかげで1年中快適に過ごせる居心地の良い空間ができあがった。「お金を使った価値は十分にあります」とファインさんは言う。
サイドチェア:ノル、スツール:ヴィトラ
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