家でお月見を楽しむ準備をしよう!
一年のうちで月が最も美しく見える「中秋の名月」。ご自宅の庭や窓辺でお月見を楽しみましょう。
舩村佳織
2016年9月15日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
十五夜の月は「中秋の名月」と言われ、秋の澄んだ空の中で一際美しく輝く月が見られます。月見の歴史はとても長く、中国では約3000年前から月見の宴があったといわれています。日本でも月を詠んだ歌は多く、さらに17世紀に八条宮智仁親王が建設し、ドイツ人建築家ブルーノ・タウトが日本的美を象徴する建築として絶賛した桂離宮は月見を楽しむために設計されたと言われており、日本人がいにしえの時代から月にたくさんの思いを込めていたことがわかります。
悠久の時間に思いを馳せながら、一年に一度の名月をゆっくり眺めてみませんか? 多忙な毎日の中で忘れてしまう、自然の大きなパワーを感じてリラックスしましょう。
悠久の時間に思いを馳せながら、一年に一度の名月をゆっくり眺めてみませんか? 多忙な毎日の中で忘れてしまう、自然の大きなパワーを感じてリラックスしましょう。
日本でいつから月見が始まったかは、はっきりとわかってはいませんが、平安時代に中国から伝わったとされる説が有力です。平安時代では貴族が月を見ながら宴を楽しむものでしたが、江戸時代に庶民に伝わり、現在知られるような月見の形になっていったと言われています。
ちょうど十五夜のころは秋の収穫と時期が重なるため、豊穣のシンボルである満月を愛でながら収穫に感謝する行事という側面も生まれました。
現代では他の季節の行事と比べると少し影が薄いような気がする月見ですが、秋の風を感じながらしっとりと月を眺める夜は、晴れやかな行事にはない風流な趣があります。そんな月見を楽しむための準備をご紹介します。
ちょうど十五夜のころは秋の収穫と時期が重なるため、豊穣のシンボルである満月を愛でながら収穫に感謝する行事という側面も生まれました。
現代では他の季節の行事と比べると少し影が薄いような気がする月見ですが、秋の風を感じながらしっとりと月を眺める夜は、晴れやかな行事にはない風流な趣があります。そんな月見を楽しむための準備をご紹介します。
月見台を決める
ご自宅の中で最も月がよく見える場所を探してください。そこを月見台にします。
満月は太陽が沈む頃、東から上り、南中を経て、太陽が昇る頃に西へと沈んでいきます。つまり日当たりの良い場所に作ったウッドデッキやテラスは、月見台として最適ということがわかります。
ご自宅の中で最も月がよく見える場所を探してください。そこを月見台にします。
満月は太陽が沈む頃、東から上り、南中を経て、太陽が昇る頃に西へと沈んでいきます。つまり日当たりの良い場所に作ったウッドデッキやテラスは、月見台として最適ということがわかります。
設計初期から月見台を計画に入れて、照明をプランニングしてはいかがでしょうか。リビングの照明を落としても、手元の灯りが確保できるようにすれば、月見酒もすすみます。
庭の使い方を考えるときは、明るい時間帯をメインにすることが多いですが、しっかりと夜の計画もしておくと楽しみが広がります。
庭や風景と一体になったテラスのすすめ
庭の使い方を考えるときは、明るい時間帯をメインにすることが多いですが、しっかりと夜の計画もしておくと楽しみが広がります。
庭や風景と一体になったテラスのすすめ
広いデッキやベランダがなくても、月が見えればどこでも月見台になります。小さな出窓でも、お供え物を飾れば立派な月見台。ちょうどよい場所がないから…… なんて諦めないで、部屋の中からでも月が眺められる場所を探しましょう。
お供え物
収穫への感謝の気持ちを込めて、お団子や里芋、秋の果物を月へのお供え物として、月がよく見える場所に用意しましょう。私たちが月を「お月様」と呼ぶように、月は信仰の対象の一つでもあったのです。
代表的なお供え物である月見団子は満月を見立てており、物事が結実することを表しています。
お供え物は下げた後においしくいただきましょう。お供え物を口にすることで、神様との結びつきが強くなると考えられています。
収穫への感謝の気持ちを込めて、お団子や里芋、秋の果物を月へのお供え物として、月がよく見える場所に用意しましょう。私たちが月を「お月様」と呼ぶように、月は信仰の対象の一つでもあったのです。
代表的なお供え物である月見団子は満月を見立てており、物事が結実することを表しています。
お供え物は下げた後においしくいただきましょう。お供え物を口にすることで、神様との結びつきが強くなると考えられています。
ススキ
ススキは月の神様の依り代と考えられていて、月見には欠かせない植物です。月見団子とススキが揃えば、月見の雰囲気がぐっと高まります。
ススキというと、河原や土手に雑草として生えているイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、実は庭に植えても楽しめる美しい植物です。海外のガーデナーからは強健で美しい植物として好まれていて、和風にも洋風にも相性ばっちり。
花屋でススキを買っても良いですが、自宅の庭のススキを月見に飾るのも良いですね。
ススキは月の神様の依り代と考えられていて、月見には欠かせない植物です。月見団子とススキが揃えば、月見の雰囲気がぐっと高まります。
ススキというと、河原や土手に雑草として生えているイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、実は庭に植えても楽しめる美しい植物です。海外のガーデナーからは強健で美しい植物として好まれていて、和風にも洋風にも相性ばっちり。
花屋でススキを買っても良いですが、自宅の庭のススキを月見に飾るのも良いですね。
秋の七草
お供え物と一緒に秋の七草を生けましょう。
秋の七草:ハギ、ススキ、キキョウ、ナデシコ、クズ、フジバカマ、オミナエシ
上記の草花が、秋の七草と言われています。
七草を全て揃えなくても、また七草以外の花を入れても良いでしょう。写真はフジバカマ、ワレモコウ、ケイトウの3種。
お供え物と一緒に秋の七草を生けましょう。
秋の七草:ハギ、ススキ、キキョウ、ナデシコ、クズ、フジバカマ、オミナエシ
上記の草花が、秋の七草と言われています。
七草を全て揃えなくても、また七草以外の花を入れても良いでしょう。写真はフジバカマ、ワレモコウ、ケイトウの3種。
照明はOFF
お供え物の用意ができたら照明はなるべく暗く落として、月明かりを存分に浴びてください。キャンドルやランタン等の柔らかい灯りだけで過ごすと、月の美しさにびっくりするはず。
小さな子どもがいるので火を使うのは心配……ということでしたら、お手持ちのライトに和紙をかぶせるだけで、光が柔らかく変わります。月見の夜は照明にこだわりましょう。
お供え物の用意ができたら照明はなるべく暗く落として、月明かりを存分に浴びてください。キャンドルやランタン等の柔らかい灯りだけで過ごすと、月の美しさにびっくりするはず。
小さな子どもがいるので火を使うのは心配……ということでしたら、お手持ちのライトに和紙をかぶせるだけで、光が柔らかく変わります。月見の夜は照明にこだわりましょう。
水月を愛でる
水に映った月のことを水月(すいげつ)と言います。平安時代では庭に用意した手水鉢や池の水面に映る月を愛でたといいます。張り詰めた水面にはっきりと映り込む月も美しいですが、風に揺らぐ水面で幻のように漂う月もまた違った趣があります。
大きな水面でなくても、庭に少し水面を作ってみましょう。ゆらゆら揺れる月を眺めてロマンチックな時間を。
水に映った月のことを水月(すいげつ)と言います。平安時代では庭に用意した手水鉢や池の水面に映る月を愛でたといいます。張り詰めた水面にはっきりと映り込む月も美しいですが、風に揺らぐ水面で幻のように漂う月もまた違った趣があります。
大きな水面でなくても、庭に少し水面を作ってみましょう。ゆらゆら揺れる月を眺めてロマンチックな時間を。
水月をいちばん手軽に楽しめるのは盃です。なみなみとお酒を注げば、遠く空の上にあるお月様があなたの手の中に。グラスの中で輝く月を楽しんで、大人の月見を満喫しましょう。
準備ができたら後は楽しむだけ!
照明を落として、秋の風を感じながら月を眺めるとき、いつもよりゆっくり時間が流れていくような気がするはず。夏の終わりを少し切なく思いながら、ゆったりとした時間の流れに身を任せて、親しい人といつもとは違う夜をお過ごしください。
住まいの専門家を探す
照明を落として、秋の風を感じながら月を眺めるとき、いつもよりゆっくり時間が流れていくような気がするはず。夏の終わりを少し切なく思いながら、ゆったりとした時間の流れに身を任せて、親しい人といつもとは違う夜をお過ごしください。
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湯船につかりながらの お月見も 格別ですよ。あははん。
とても素敵なアイディアですね!待ちる十五夜雨が降る。十三夜に曇りなし。という昔からの言い伝え通り十五夜は雨が多いようです。十五夜は家の中でお団子や因んだ食事、花をメインに楽しみ10月の十三夜(きっと晴れるはず…)は月夜をめでる。二段階でお月見を楽しみたいです。盃で水月が気になります!