ペットが安全で快適に夏を過ごすためのポイント
夏真っ盛りの時期、愛犬や愛猫が暑さを上手にしのげるように家や暮らしまわりの工夫をしましょう。今、おさらいしておくと安心ですよ。

ブラッキン・ヘザー
2016年7月12日
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
著書「ふつうの住まいでかなえる外国スタイルの部屋づくり(文藝春秋)
Interior decoration and storage space planning in Tokyo, Japan. English/Japanese bilingual, with interior design and decoration experience in Europe and Japan.
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
... もっと見る
いよいよ夏本番です。私たち人間がまもなくやってくる夏休みを楽しみにしているいっぽう、ペットたちにとって真夏はかなり辛い時期。人間以上に暑さに弱く、自分でコントロールができない犬や猫にとって、熱中症のリスクが高まる非常に危険な季節でもあります。愛犬や愛猫を守るために、家の中の工夫、そして暮らし全般の場面で、熱中症対策を早めに、万全に整えておきましょう。
人間とは体のしくみが違う
犬も猫も、人間のように汗をかきません。汗は、体内の水分を皮膚から蒸発させて熱を逃がし、体温調整をするためのものですが、犬猫の場合、肉球というほんの小さな部分でしかそれが行われないため、人以上に熱中症を起こしやすいことも。犬などはおもに、口を開けて舌を出し、荒く呼吸しながら体温調整を行います。そんな姿を見かけたら、すでに相当暑がっていると判断して、早めに過ごしやすく涼しい環境をつくってあげましょう。
犬も猫も、人間のように汗をかきません。汗は、体内の水分を皮膚から蒸発させて熱を逃がし、体温調整をするためのものですが、犬猫の場合、肉球というほんの小さな部分でしかそれが行われないため、人以上に熱中症を起こしやすいことも。犬などはおもに、口を開けて舌を出し、荒く呼吸しながら体温調整を行います。そんな姿を見かけたら、すでに相当暑がっていると判断して、早めに過ごしやすく涼しい環境をつくってあげましょう。
- 普段、家の中の環境で気をつけるべきは
まず大切なのはもちろん、エアコンを使って部屋を涼しくしてあげることです。ただ、ペットは温度だけではなく、湿気にもとても弱く、部屋の温度がそれほど高くなくても、湿度で熱中症になることもあります。エアコンをドライに設定して温度に加えて湿度の調整もしてあげると、より快適に過ごせるはずです。ペットにとって過ごしやすい環境とは、部屋の温度は高くても25℃、湿度は50%以下といわれています。
湿度を下げるためには、部屋の風通しをよくするのも効果的です。家にいるときは、窓やドアを開けて風を通すようにしてあげると、ペットだけではなく人間にとっても気持ちがいいもの。ピレネー犬を飼っている私の友人は、玄関のドアにも網戸を取り付け、常に風か通るようにしています。夏場は網戸の前の玄関タイルのひんやりした場所が、その子のお気に入りスポットのようです。
飲み水を切らさないように
常に新鮮な飲み水があることも、何よりも大事なこと。脱水症状を起こさないように、お水はいつも以上にたっぷり、できれば玄関やキッチンなど、数か所に置いてあげるといいですね。また、気温が高い夏は水も温まり、雑菌が繁殖しやすくなるため、頻繁に取り換えましょう。
ところでこちらのシンク、男性用のトイレではありません(笑)。わんちゃん専用の水飲み場です。センサーで水が出るのでしょうか? いつでも新鮮な水が飲める、安心で斬新なアイデアですね。
常に新鮮な飲み水があることも、何よりも大事なこと。脱水症状を起こさないように、お水はいつも以上にたっぷり、できれば玄関やキッチンなど、数か所に置いてあげるといいですね。また、気温が高い夏は水も温まり、雑菌が繁殖しやすくなるため、頻繁に取り換えましょう。
ところでこちらのシンク、男性用のトイレではありません(笑)。わんちゃん専用の水飲み場です。センサーで水が出るのでしょうか? いつでも新鮮な水が飲める、安心で斬新なアイデアですね。
タイルや石の床が気持ちいい
タイルなど、冷たい床にペタッとお腹をくっつけるのもまた、ペットの体温調整の方法のひとつです。わが家の愛犬ボニーも、涼しい玄関やバスルームが結構好きです。タイルが敷いてあるスペースがあれば、そこに自分で行けるようにしてあげるといいかもしれません。
タイルなど、冷たい床にペタッとお腹をくっつけるのもまた、ペットの体温調整の方法のひとつです。わが家の愛犬ボニーも、涼しい玄関やバスルームが結構好きです。タイルが敷いてあるスペースがあれば、そこに自分で行けるようにしてあげるといいかもしれません。
暑さ対策グッズも活用
ペット専用の冷却マットや夏用のベッドも最近よくお店で見られますので、そのようなグッズを使っても効果があるでしょう。
また、すぐに家でできるアイデアもいくつかあります。たとえば、氷水の入ったペットボトルをペットの近くに置いてあげるのもひとつの方法。凍らせたペットボトルを扇風機の前に数本置くと、冷たい空気を送ってくれて涼しくなります。ペットボトルを噛んでしまう子なら、金属製の湯たんぽに氷水を入れて、置いてみるのはいかがでしょう。
ペット専用の冷却マットや夏用のベッドも最近よくお店で見られますので、そのようなグッズを使っても効果があるでしょう。
また、すぐに家でできるアイデアもいくつかあります。たとえば、氷水の入ったペットボトルをペットの近くに置いてあげるのもひとつの方法。凍らせたペットボトルを扇風機の前に数本置くと、冷たい空気を送ってくれて涼しくなります。ペットボトルを噛んでしまう子なら、金属製の湯たんぽに氷水を入れて、置いてみるのはいかがでしょう。
- お留守番のときのポイント
お出かけの際は、ペットの過ごす部屋のエアコンを1か所だけドライ設定にしておくことをおすすめします。我が家の場合、玄関の奥にある仕事部屋のエアコンをかけっぱなしにすることにしています。ドアを開けておけば、廊下や玄関も適度に涼しくなるので、あとは愛犬が自分で、いちばん快適だと思う場所を選んで過ごしています。
長時間の外出の場合は、飲み水もなくならないよう、数か所に置くとよいです。また冷却マットや、凍らせた水の入ったペットボトルを置いておくのも効果的です。一室の中を自由に動き回れれば、自分で涼しい場所を見つけるはずです。
カーテンやシェードを閉める
日中のお留守番のときには、ペットが過ごす部屋のカーテンやシェードを閉め、日差しが入らないようにすることも効果的。部屋がより涼しくなり、冷房効率が上がるので、節電にもつながります。
日中のお留守番のときには、ペットが過ごす部屋のカーテンやシェードを閉め、日差しが入らないようにすることも効果的。部屋がより涼しくなり、冷房効率が上がるので、節電にもつながります。
サークルやハウスに入れるなら
ハウスの中でお留守番の場合は、エアコンの風が直接当たる場所に置かないように注意してください。熱がこもらないように、通気性がよい場所を選ぶことと、水もたっぷりあることを確認しておきましょう。
ハウスの中でお留守番の場合は、エアコンの風が直接当たる場所に置かないように注意してください。熱がこもらないように、通気性がよい場所を選ぶことと、水もたっぷりあることを確認しておきましょう。
真夏は熱がこもりやすい、小さなハウスの中でのお留守番はおすすめではありませんが、家の中であまり自由に動き回れるようにしたくない事情があったり、もしハウスがその子にとって安心する場所なのであれば、たとえばサークルの中にハウスを入れ、扉を開けたままにして、自由に出入りができるように工夫してあげてはいかがでしょうか?
猫の行動範囲にも目を配って
猫は犬よりも室内での行動範囲が広い動物です。狭い場所に入ってしまったり、常に目に届く場所にいるとは限らないので、しばらく見かけないときやお出かけ前には、どこかに閉じこめられていないかどうか確認しましょう。お出かけの際には、閉じこもってしまいやすい場所にできるだけ入らないように、ブロックしてしまうのもいいかもしれません。
猫は犬よりも室内での行動範囲が広い動物です。狭い場所に入ってしまったり、常に目に届く場所にいるとは限らないので、しばらく見かけないときやお出かけ前には、どこかに閉じこめられていないかどうか確認しましょう。お出かけの際には、閉じこもってしまいやすい場所にできるだけ入らないように、ブロックしてしまうのもいいかもしれません。
- お散歩、お出かけのときに注意したいこと
お散歩は早朝の暑くなる前や、日が沈んだ後がベストタイム。言うまでもありませんが、夏の日中は道路のアスファルトは非常に熱くなるので気をつけましょう。無理に歩かせると、肉球の火傷の原因にもなります。
体高の異なる人間と犬とでは、体に感じる温度がかなり違ってきます。高い位置にいる人間の体感温度が30℃ぐらいでも、アスファルトに近づけば近づくほど熱くなり、道路そのものは45℃を超えていることもしばしばあります。出かける前に、いったん靴を脱いで、足の裏でアスファルトの熱さのチェックをするといいと思います。人間の素足で熱いと思ったら当然、犬たちにとっても熱すぎるということです。
日中のお出かけはできるだけ避ける
愛犬を連れてのお買い物などの外出は、できるだけ避けた方がよいです。できれば夏の間はお留守番をしてもらいましょう。
日中はアスファルトが熱いだけではなく、お店やスーパーの外で長時間待たせるのも大変危険です。どうしても連れて行かなければならない場合は夕方にし、外につなぐときはリードを短くして、日陰のある場所につなぎましょう。ただ、日陰も時間が経つにつれ動きますので、長時間待たせるのは絶対に避けてください。その際には、近くに水も置いてあげるといいですよ。
愛犬を連れてのお買い物などの外出は、できるだけ避けた方がよいです。できれば夏の間はお留守番をしてもらいましょう。
日中はアスファルトが熱いだけではなく、お店やスーパーの外で長時間待たせるのも大変危険です。どうしても連れて行かなければならない場合は夕方にし、外につなぐときはリードを短くして、日陰のある場所につなぎましょう。ただ、日陰も時間が経つにつれ動きますので、長時間待たせるのは絶対に避けてください。その際には、近くに水も置いてあげるといいですよ。
車での移動で気をつけること
車でお出かけの際にも、気をつけなければいけないことがたくさんあります。ケージやペットキャリーに入れたまま移動する場合、車のエアコンの風がケージなどの中まで届いているかどうか、きちんと確認しましょう。熱がこもらないよう、しっかりと冷たい空気が通る場所に置くことを心がけることが大切です。ケージに入れない子は、直射日光が当たらないように日陰をつくってあげてください。車で遠出をする際には水をたっぷり与え、トイレにも行かせるために、頻繁に休憩を取りましょう。
また、たとえ短い時間でも、車の中でのお留守番は非常に危険なので絶対に避けること。毎年、悲しい事故が後を絶ちません。これはぜひ守ってくださいね。
車でお出かけの際にも、気をつけなければいけないことがたくさんあります。ケージやペットキャリーに入れたまま移動する場合、車のエアコンの風がケージなどの中まで届いているかどうか、きちんと確認しましょう。熱がこもらないよう、しっかりと冷たい空気が通る場所に置くことを心がけることが大切です。ケージに入れない子は、直射日光が当たらないように日陰をつくってあげてください。車で遠出をする際には水をたっぷり与え、トイレにも行かせるために、頻繁に休憩を取りましょう。
また、たとえ短い時間でも、車の中でのお留守番は非常に危険なので絶対に避けること。毎年、悲しい事故が後を絶ちません。これはぜひ守ってくださいね。
- 外飼いの場合は特に注意を
外で飼っているわんちゃんは、特に注意が必要です。最近の日本の夏は、ますます過酷なほどの猛暑が続くことが増えているので、夏の間だけでも家の中の決めた場所で生活できるようにするのもひとつの考え方です。また暑さだけではなく、ノミやダニなど、虫刺されにも十分に気をつける必要があります。
屋外で飼っている場合、犬小屋は直射日光が差し込まない、風通しのよい日陰に。葦簀を立てかけてあげるとより涼しくなります。また、犬は熱くなると地面に穴を掘り、そこに入って体温調整をしますので、コンクリートは避け、芝生や土がある場所にハウスを設置してあげてください。
水の衛生にも気を配って
屋外に置いた水はすぐ温かくなったり、汚れやすいため、頻繁に取り換えてあげることが大切です。いつでも冷たい水が飲めるように、このようなグッズもあるといいですね。
屋外に置いた水はすぐ温かくなったり、汚れやすいため、頻繁に取り換えてあげることが大切です。いつでも冷たい水が飲めるように、このようなグッズもあるといいですね。
- 夏のペットの暮らし方とケア
体のクールダウンのために、ときどき水をかけてあげたり、お庭やテラスで水遊びをさせてあげてはいかがでしょう。こちらのわんちゃんたちのように、気持ちよさそうにお水につかって楽しんでくれるかもしれません。プールの水は安全のため浅めに張り、そして必ず目を離さないようにしてくださいね。
バスルームでの冷たいシャワーもクールダウンに効果的です。湿度も高い季節は皮膚がムレたり毛玉になりやすいので、濡れた後はしっかりと乾かすことも大切です。
夏の被毛のお手入れ
夏でもアンダーコートが残っている犬猫もいますね。頻繁にブラッシングをして、余計な毛を取り除いてあげると、きっと見た目もペット自身もすっきりするはずです。
夏でもアンダーコートが残っている犬猫もいますね。頻繁にブラッシングをして、余計な毛を取り除いてあげると、きっと見た目もペット自身もすっきりするはずです。
トリミングも、熱中症予防としては効果的だといわれています。長毛種は特に、被毛の中に熱がこもりやすいので、短くカットすることで体表の熱を逃がすことができます。
ただ、犬種によってはトリミングをしないほうがいいこともあります。たとえば、私が飼っているビアデッドコリーは、長毛犬であっても夏はアンダーコートが抜け、上の長い毛が逆にすだれのような役割を果たし、暑さを軽減するといわれています。
それまでカット経験のなかった子を突然サマーカットにしてしまうと、逆に体温調整が上手にできないこともあるそうです。心配な場合は、トリマーさんや獣医師さんに相談されると安心かもしれません。
こちらの記事もおすすめ
ペットの暮らしやすさも考えたお家
犬を飼い始めると、インテリアと暮らしが変わる?
猫を飼い始めると、暮らしとインテリアが変わる?
教えてHouzz
愛犬や愛猫の夏の暮らしで、気をつけていることはどんなことですか?
ただ、犬種によってはトリミングをしないほうがいいこともあります。たとえば、私が飼っているビアデッドコリーは、長毛犬であっても夏はアンダーコートが抜け、上の長い毛が逆にすだれのような役割を果たし、暑さを軽減するといわれています。
それまでカット経験のなかった子を突然サマーカットにしてしまうと、逆に体温調整が上手にできないこともあるそうです。心配な場合は、トリマーさんや獣医師さんに相談されると安心かもしれません。
こちらの記事もおすすめ
ペットの暮らしやすさも考えたお家
犬を飼い始めると、インテリアと暮らしが変わる?
猫を飼い始めると、暮らしとインテリアが変わる?
教えてHouzz
愛犬や愛猫の夏の暮らしで、気をつけていることはどんなことですか?
おすすめの記事
Houzzツアー (お宅紹介)
開放的な空間に生まれ変わった、クラシックなテラスハウス
ロンドンの歴史ある建物の全面リフォーム。そして大胆に変身した廊下を、ビフォー・アフターの写真とともにご紹介します。
続きを読む
Houzzがきっかけの家(国内)
杉と漆喰に包まれた健康的な家。回遊空間に愛猫も大喜び!
Houzzで見つけた建築家に設計を依頼。アイデアを出し合いながら、想像以上に満足のいく家ができました。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
新しいレイアウトと造作収納によって、狭かったアパートが広々とした空間に!
ロックダウン中、将来リタイアした後もこのアパートに住み続けようと考えるに至った住まい手は、アパートをリフォームすることにました。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
コロナ禍にリノベーションしたメルボルンの建築家の自邸
狭い通りに面した2ベッドルームのビクトリア時代のコテージ。老朽化が進んでいたため改修を計画していた最中に、新型コロナが蔓延。建築家はどのようにリノベーションを進めたのでしょうか?
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
三重県の里山に建てた太陽光・太陽熱を利用した家。高齢犬も目に見えて元気に!
スポーツカーのチーフエンジニアだったオーナーが退職後に選んだのは、環境に優しい家でのサステナブルな暮らしでした。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
フレッシュでモダンなサーフスタイルの家
家族4人と犬2頭が暮らす、サーフボードとすっきりとした直線、海にインスパイアされたくつろぎスタイルの家をご紹介します。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
人と猫と本に優しい、自然素材に包まれた住まい
グラフィックデザイナーの女性オーナーが、数学者のパートナーと2匹の愛猫と暮らす家。ご実家の思い出も息づく、温故知新を大切にしたお宅です。
続きを読む
ペットへの愛情たっぷりの優しい内容になごみました。我が家にも老犬がいるので参考になりました。
House of Potteryさん、老犬はとくに気をつけてあげないといけないですね。私も老犬の介護の経験はありますが、若い頃に比べて夏はとくに辛かったみたいで色々な対策を打ちました。愛犬にはその気持ちも伝わり、いつも感謝いっぱいの目で見られていたのが今でも忘れられません。