コメント
海に連なるプールがある、南仏の白い別荘
家からプールを経てそのまま海につながる、コンテンポラリーな南仏のサマーハウスです。
Christine Gaspard
2022年7月1日
南仏・コートダジュールの海に面した細長い敷地に、避暑用の別荘を自由に設計してほしいと依頼された建築家のフレデリック・ピラさん。パリに住むクライアントのために、ニュートラルな色彩と「ナチュラルでありながら高貴な雰囲気の素材」を使って、コンテンポラリーなインテリアを作ろうと考えました。
「3階建てで、敷地の奥から海に向かって直線的に伸びる家のイメージが浮かびました。その構成のいちばん先端にあたるのがスイミングプールです。プールが最終到達地点で、そこからはもう、海しかないんです」
「3階建てで、敷地の奥から海に向かって直線的に伸びる家のイメージが浮かびました。その構成のいちばん先端にあたるのがスイミングプールです。プールが最終到達地点で、そこからはもう、海しかないんです」
どんなHouzz?
居住者:パリ在住の一家が夏を過ごす別荘
所在地:フランス南東部のヴァール県
竣工年:2010規模:延床面積350平方メートル
駐車場に到着したら、そこからヤシの木立を抜けてパティオへ。
「パティオの壁は、以前ここにあったコテージの壁なんです。ランダムで幾何学的な形の穴を開けています。この敷地に足を踏み入れた瞬間から、モダンな印象を与えたかったんです」とピラさんは話します。
建築家を探す
居住者:パリ在住の一家が夏を過ごす別荘
所在地:フランス南東部のヴァール県
竣工年:2010規模:延床面積350平方メートル
駐車場に到着したら、そこからヤシの木立を抜けてパティオへ。
「パティオの壁は、以前ここにあったコテージの壁なんです。ランダムで幾何学的な形の穴を開けています。この敷地に足を踏み入れた瞬間から、モダンな印象を与えたかったんです」とピラさんは話します。
建築家を探す
こちらは、家の北側にあるエントランスとパティオの眺めです。「3つの階が層になって伸びているような形の家なんです。玄関は2階にあり、子ども部屋、ゲスト用の寝室、書斎も2階にあります」とピラさんは説明します。最上階には両親のマスターベッドルームとテラスがあります。リビングルームやキッチンなどの共用の空間はいちばん下の階にあります。
階段は白いコンクリート素材で、ワックス処理をしたチョコレート色のコンクリートを表面に使っています。ガラスブロックとアルミニウムの回転式扉を使い、自然光を最大限に取り入れながらも室内のプライバシーを守る工夫がされています。
階段は白いコンクリート素材で、ワックス処理をしたチョコレート色のコンクリートを表面に使っています。ガラスブロックとアルミニウムの回転式扉を使い、自然光を最大限に取り入れながらも室内のプライバシーを守る工夫がされています。
上の2つの階にはそれぞれテラスがあります。2階の子どもたちの寝室からつながるテラスは、下にあるリビングルームの天井部分にあたります。マスターベッドルームからつながる最上階のテラスは、子どもたちの寝室の天井部分となっています。
海を望むベッドルームとテラス
ベッドルームの床はフローリングで、イペ材のウッドテラスとつながりを演出しています。
ベッドルームの床はフローリングで、イペ材のウッドテラスとつながりを演出しています。
テラスの手すりはスチール製で、ステンレスのケーブルを張っています。頑丈なガラス板で覆われている部分は、階下のリビングに自然光を取り入れる採光シャフトです。
ディスプレイ棚が壁面を彩る2階の書斎
2階の屋内パティオからは、自然な光がゲスト用寝室とエントランスホールに流れ込みます。
最上階のマスターベッドルームからも海が見えます。隣接するバスルーム(左の写真)では、海を眺めながらシャワーを浴びることもでき、なんともぜいたくな空間です。壁と床には、石のタイルと「タデラクト」と呼ばれる磨き仕上げの耐水性漆喰を使っています。
この仕上げは、「うねりのような陰影が出て、装飾的で、耐水性もあるという、とても優れた性質を持っています。大理石にも似た印象ですね」とピラさん。
この仕上げは、「うねりのような陰影が出て、装飾的で、耐水性もあるという、とても優れた性質を持っています。大理石にも似た印象ですね」とピラさん。
キッチンとつながるリビングルーム
インテリアは黒と白がメインで、外にはテラスとスイミングプールが見えます。イームズのラウンジチェア(写真)など、家具はクライアントが念入りに選んだものばかりです。
このスペースの天井は、木目コンクリート打ち放しですが、「木目コンクリートを自分のプロジェクトに取り入れるのは初めてでした」と語るピラさん。当初クライアントは乗り気でなかったものの、ピラさんの自由にさせてくれたのだそう。「その結果、信頼してよかったと言ってもらえました」(ピラさん)
この天井には、円形の強化ガラス板がはめ込まれており、ここから採光するとともに、上階のテラスとのつながりを生み出しています。「この部屋はかなり奥行きが深いので、光を引き入れる工夫が必要だったんです」(ピラさん)。同時に、パティオから続く丸いフォルムを取り入れることで、隙なく構成されたデザインのなかに柔らかさを感じさせる効果もあります。
インテリアは黒と白がメインで、外にはテラスとスイミングプールが見えます。イームズのラウンジチェア(写真)など、家具はクライアントが念入りに選んだものばかりです。
このスペースの天井は、木目コンクリート打ち放しですが、「木目コンクリートを自分のプロジェクトに取り入れるのは初めてでした」と語るピラさん。当初クライアントは乗り気でなかったものの、ピラさんの自由にさせてくれたのだそう。「その結果、信頼してよかったと言ってもらえました」(ピラさん)
この天井には、円形の強化ガラス板がはめ込まれており、ここから採光するとともに、上階のテラスとのつながりを生み出しています。「この部屋はかなり奥行きが深いので、光を引き入れる工夫が必要だったんです」(ピラさん)。同時に、パティオから続く丸いフォルムを取り入れることで、隙なく構成されたデザインのなかに柔らかさを感じさせる効果もあります。
リビングルームの壁(上の写真)に設置されているコンクリートの板は、エタノール暖炉にもなります。左は、同じリビングの白いカウチがあるコーナー。
キッチンを担当したのは、イタリアのデザイン会社のリネアクアトロ。「私がアイデアを紙に書きだして、そこからキッチンのデザイナーが発展させていったんです。中央に配置するタイプのアイランドと、コーリアンのワークトップを選びました」(ピラさん)
クライアントの希望はオープンキッチンでした。しかし、プライバシーを考えて少しだけ壁を取り入れました。壁面には縦長の隙間が作られていて、こうすれば「料理をしている姿を見られることなく、リビングのようすに目を配ることができます」(ピラさん)
家の南側は、テラスとプールと海に面しています。「ここは、わずか幅15メートルほどの土地なんですが、家の幅がそのうち12メートルを占めているんです」というピラさん。「ですから、各階にテラスを作り、海に向かって視界を広げるという方法をとりました」
テラスに出ると、下に見えるのはプール。まるでそのまま海に流れ込んでいるようです。ビーチも近く、敷地の端にある門を抜けるとすぐ砂浜に出られます。「スイミングプールは私がデザインして、近くのカンヌにある、ディファジュールというプールを専門に扱う会社に施工してもらいました」(ピラさん)
憧れのプールがある暮らし。実現させるなら知っておきたいポイント
Houzzツアーをもっと読む
憧れのプールがある暮らし。実現させるなら知っておきたいポイント
Houzzツアーをもっと読む
おすすめの記事
Houzzツアー (お宅紹介)
軽井沢の究極の隠れ家。地元の土と木でつくった心地のよい別荘
長野と近隣の木や素材をふんだんに使った、地産地消の住まい。まるで森のような空気感を醸し出しています。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
吉村順三が手がけた箱根のマンションを、伊礼智がリノベーション
日本近代建築の巨匠の作品を、その思想を受け継ぐ現代の有名建築家がグレードアップさせました。依頼主も息をのんだ「時空を超えた共作」をご覧ください。
続きを読む
Houzzがきっかけの家(国内)
崖の上のショーケースのよう! 驚きと感動が広がる南葉山のシーサイドハウス
文/小川のぞみ
東京在住のオーナー夫妻が、週末の別荘として建てた「非日常」がテーマの家。若くて伸び盛りだと感じた建築家にHouzzで出会い、期待以上の住まいが完成しました。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
タホ湖の四季を楽しめる別荘。両親から譲り受けた築60年の家を大規模改修!
子どもの頃の思い出が詰まった別荘を、全面的にリノベーション。オーナーと旧知の建築家が、湖の景色を満喫できるバケーションホームに生まれ変わらせました。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
バルセロナに恋をして、リノベーションで手に入れた休暇用の家
木と植物とガラス。そこにポップな差し色が絶妙にあしらわれたリノベーションの中古マンション。間取りや収納の工夫により、40平米でもゆったりと過ごせる家が完成しました。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
モダニスト住宅が並ぶシーランチに建つ、建築家とデザイナーの別荘
カリフォルニアのソノマ海岸に計画された、多くのモダニスト住宅が建つ別荘地に、デザイナー夫妻が自分たちのために設計したスタイリッシュな住まいです。
続きを読む