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Houzzツアー:光と色があふれる、陶芸家の美しくて心地よいアトリエ
陶素材を使った独特の作品を生み出す女性陶芸家ローレンスさんのアトリエは、光と色彩にあふれる、クリエイティブで豊かな空間でした。
Tamara Armstrong
2016年6月23日
陶芸家のクレアリー・ローレンスさんは、陶素材を使った具象彫刻作品をすべて手作業の工程でつくるアーティスト。その多彩なテクニックは、30年にわたり彼女自身が作り上げてきたものだ。ブリスベン郊外、インドロピリーにある自宅のカーポートを改造したアトリエが仕事場で、明るく風通しの良い空間はローレンスさんにとって理想的な環境だ。ここは制作に打ち込める場所というだけでなく、ワークライフバランス的にもちょうどよい、とても便利な構造になっている。
どんなHouzz?
名前:クレアリー・ローレンス
年齢:45歳
職業:陶芸家
所在地:クイーンズランド州ブリスベン
何を作る場所?:ハンドメイドの陶芸彫刻作品と陶器
どんなHouzz?
名前:クレアリー・ローレンス
年齢:45歳
職業:陶芸家
所在地:クイーンズランド州ブリスベン
何を作る場所?:ハンドメイドの陶芸彫刻作品と陶器
インドロピリーの町の、丘を上る通り沿いにたたずむローレンスさんの自宅。併設されているのは一風変わったアトリエだ。まず出迎えてくれるのは、ローレンスさん自身が手掛けたカラフルなモザイクの壁。アトリエに改装されるまでは、この外壁も車2台を収容するカーポートの一部だった。
ローレンスさんが娘さんといっしょにこの家に引っ越してきたのが2001年。このころ、障害のある人たちを雇用する製陶会社で働き始め、スーパーバイザーとして10年間近く勤務したのち、2012年に独立を決意。「今では、フルタイムの陶芸家としての生活を満喫しています!」とローレンスさんは言う。
家の玄関からわずか数歩の場所に、アトリエの正面入口がある。このドアの向こう側は、創造のための特別なサンクチュアリだ。ここでローレンスさんは週7日、毎日作業をしている。
中は広く、制作段階に合わせ、それぞれの過程ごとに作業エリアを確保することが可能だ。床に敷いた大きなラグや、鉢植えの植物、そしていくつか壁に掛けられた大切なアート作品に、ローレンスさんらしさが表れている。
アトリエには自然光がふんだんに入る。美しいステンドグラスの窓は、母屋で使われていた間仕切りを取り壊したときに持ってきたもの。母屋の玄関脇にも同じ窓が使われているため、アトリエ正面の窓に取り入れることで、ふたつの建物につながりが生まれている。
ローレンスさんはこのアトリエで陶芸を教えるワークショップも開いている。写真は、生徒のヘザー・ブラックロックさん、リン・ロウランドさんの作品。
ローレンスさんはこのアトリエで陶芸を教えるワークショップも開いている。写真は、生徒のヘザー・ブラックロックさん、リン・ロウランドさんの作品。
アトリエの側面には、高い窓と、ガラス入りのドアがあり、日中は北東からの日差しが照らしてくれる。
いちばん上の棚に置かれた胸像は、生徒のアマンダ・ホイットローさんの作品。
いちばん上の棚に置かれた胸像は、生徒のアマンダ・ホイットローさんの作品。
アトリエの壁には棚がたくさんあり、素材の保管場所や、窯焼きや釉薬掛けのあいだに作品を冷ましたり、乾かしたりするスペースも十分だ。ローレンスさんの作品はすべて手作業で作られ、世界に一つしかない。
ユニークな人形型の作品は、「リル・ベイブズ」(「かわいこちゃん」という意味)として知られるシリーズ。アートの展覧会で何度も展示されており、ブリスベン周辺のギャラリーに置かれて販売もされている。「それぞれに人格があり、個性があるんです」とローレンスさんは語る。
ユニークな人形型の作品は、「リル・ベイブズ」(「かわいこちゃん」という意味)として知られるシリーズ。アートの展覧会で何度も展示されており、ブリスベン周辺のギャラリーに置かれて販売もされている。「それぞれに人格があり、個性があるんです」とローレンスさんは語る。
1950年代にウェッジウッド社が製造していたキャベツデザインのシリーズからインスピレーションを受け、ローレンスさんもキャベツ型テーブルウェアを作り出した。「自然の中にある思いがけないかたちを真似て、より即興性のある作品を作りたかったんです」とローレンスさんは言う。「このシリーズには、さまざまに変化する色やコントラストが見られ、流れるような楽しいフォルムでもあります。こういった特徴はすべて、手で作る陶器にまさにぴったりなんです。」
最近では、アトリエの裏にデッキを追加してつなげ、さらにスペースを広げた。このデッキも、もとはカーポートだった場所だ。こうして、敷地の裏手に広がる灌木林の美しい眺めが楽しめるようになった。「作業をしながらこの眺めを見るのが大好き。創造力も湧いてきます」とローレンスさんは言う。
この屋根付きデッキは、陶芸クラスを開いたり作業するためのスペースになるだけではない。友人が遊びに来ると、おもてなしの場所にもなる。家族とのクリスマスディナーをここで開いたことも。このデッキから、もともと裏にあったポーチを通り、母屋のリビングルームへとつながっている。
デッキ側からアトリエを眺めると、以前は仕切られていた部分がわかる。カーポートの奥の壁だった部分だ。新しく付け加えられたスペースには、高い位置に窓があり、さらに明るい光が入る。窓の下にはダイニングテーブルが置かれ、陶芸クラスでは作業台として使われている。
かなり古びてみえるテーブルだが、ローレンスさんが購入したときは新品だった。置くスペースができるまで、義理の妹さんに預かってもらっていたのだが、「こんな大きなテーブルだから、彼女も置き場所がなくて、外の庭に数年間出しっぱなしだったんです。今ではいい感じに風合いが出て、ちょうどよかったわね」とローレンスさんは笑う。
かなり古びてみえるテーブルだが、ローレンスさんが購入したときは新品だった。置くスペースができるまで、義理の妹さんに預かってもらっていたのだが、「こんな大きなテーブルだから、彼女も置き場所がなくて、外の庭に数年間出しっぱなしだったんです。今ではいい感じに風合いが出て、ちょうどよかったわね」とローレンスさんは笑う。
どんなものを作るアトリエでも、作業しやすく整理しておくためには、十分な棚スペースが不可欠だ。こちらの棚には、釉薬用の筆や成形に使う道具が入った容器が並び、いつでもローレンスさんや生徒たちが使えるようになっている。
これといって目を引くアイテムではないが、このローラー台は、ローレンスにとって作業を楽にしてくれる大切な宝物。このアトリエの中でも、とくになくてはならないものの1つだ。
そのほか大切な宝物のなかには、壁に掛かったモニカ&デヴィッド・アッシャーの油彩画がある。新しく取り付けた、折り戸式の窓まわりを彩っている。
作品を焼き上げる窯なくして、陶芸工房は成り立たない。ローレンスさんの窯は、中庭の片隅、アトリエ正面入口のすぐ近くに建てた小屋の中だ。この場所なら、アトリエの戸口からすぐに作品を出し入れできる。
ローレンスさんは、自分で作り上げたこの創作スペースを心から愛している。長年にわたり、ここでたくさんの作品を生み出し、数多くの展覧会に出品してきた。コレクションやシリーズのひとつひとつを作り出すごとに、大きな達成感を感じると、ローレンスさんは語る。
教えてHouzz
自宅にアトリエがありますか? あるいは、アトリエをもってみたいと思いますか? ご感想もお待ちしています。
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