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歴史と権威あるデザイン賞「コンパッソ・ドーロ賞」受賞作品に見る、イタリアデザインの力
世界で最も歴史と権威があるデザイン賞「コンパッソ・ドーロ賞」。6月14日に発表された受賞作品13作をHouzzイタリア編集部がレポートします。
Sabrina Sciama
2016年6月21日
1954年にジオ・ポンティの発案により創設され、1964年からはイタリア工業デザイン協会(ADI)が主催する「コンパッソ・ドーロ(黄金のコンパス)賞」は、デザイン大国イタリアが誇る、世界最古のデザイン賞である。これまで、300を超えるプロジェクトがこの賞を受賞し、若手向けのタルガ・ジョヴァニ賞は74名が受賞しているほか、105名のプロと2000を超える作品が佳作に選ばれている。これまで50年以上にわたり30,000点以上の作品を厳正に審査してきた、世界で最も権威あるデザイン賞である。
今年が第24回となるコンパッソ・ドーロ賞は、イタリアデザインのイノベーションを奨励する賞でもある。イタリア工業デザイン協会(ADI)の常任デザイン監視団による予選を行い、『ADIデザイン年鑑』に掲載するベスト・プロダクトを審査・選出する。常任デザイン監視団は、デザイナー、批評家、歴史家、デザインジャーナリスト、ADI協会員など150人の専門家により構成されている。
今年が第24回となるコンパッソ・ドーロ賞は、イタリアデザインのイノベーションを奨励する賞でもある。イタリア工業デザイン協会(ADI)の常任デザイン監視団による予選を行い、『ADIデザイン年鑑』に掲載するベスト・プロダクトを審査・選出する。常任デザイン監視団は、デザイナー、批評家、歴史家、デザインジャーナリスト、ADI協会員など150人の専門家により構成されている。
1954年に著名なグラフィックデザイナー、アルべ・スタイナーがデザインしたコンパッソ・ドーロのエンブレム。
6月14日にミラノのイシンバルディ宮で授賞式が行われ、各賞受賞作品は22日まで展示されている。
ADI会長のルチアーノ・ガリンベルティのコメント:「グローバル化が進む時代においても、イタリアデザインは卓越した存在として広く認知されている。今後もイタリアデザインの評価を揺ぎないものとするためにも、私たちは文化と市民社会に対し大いなる責任を負っている。」
6月14日にミラノのイシンバルディ宮で授賞式が行われ、各賞受賞作品は22日まで展示されている。
ADI会長のルチアーノ・ガリンベルティのコメント:「グローバル化が進む時代においても、イタリアデザインは卓越した存在として広く認知されている。今後もイタリアデザインの評価を揺ぎないものとするためにも、私たちは文化と市民社会に対し大いなる責任を負っている。」
ダニエル・リバッケンが〈ルーチェプラン〉のためにデザインした《アセント》テーブルとフロアランプ。ADIデザイン年鑑 2014、生活デザイン部門。
受賞理由:光の強さと量をスムーズに調節できて、なめらかに動く美しい照明。
より美しく、実際的で、官能的で機能的で、しかも人間と自然へへのオマージュにあふれる世界をつくりたい、というデザインコンセプトを体現した作品。コンパッソ・ドーロでは、生活デザインに加え、社会発展、モビリティ(移動性)、コミュニケーション、食品、仕事、個人、素材、サービス、事業、ヴィジュアルおよびディスプレイデザイン、理論・デザイン史・批評のコンセプトについても対象としている。
受賞理由:光の強さと量をスムーズに調節できて、なめらかに動く美しい照明。
より美しく、実際的で、官能的で機能的で、しかも人間と自然へへのオマージュにあふれる世界をつくりたい、というデザインコンセプトを体現した作品。コンパッソ・ドーロでは、生活デザインに加え、社会発展、モビリティ(移動性)、コミュニケーション、食品、仕事、個人、素材、サービス、事業、ヴィジュアルおよびディスプレイデザイン、理論・デザイン史・批評のコンセプトについても対象としている。
〈ジャンピエロ・カスタニョーリ・スタジオ〉のマルコ・ファジョーリとエマヌエル・ガルガノが〈ルビネッテリー 3M〉のためにデザインした5mmのシンク《ミキサー》。ADデザイン年鑑 2014、生活デザイン部門。
受賞理由:技術的ソリューションとデザイン言語とイノベーションのみごとな融合。新しい展開を予感させるコンパクトなソリューション。
ADI副会長のジョヴァンナ・タロッチのコメント:「時代の変化を巧みに取り入れ、新しい生活習慣にもスムーズによりそうプロジェクトを実現。誰にでもわかる普遍的な言語で、かけはなれた領域を結びつけている。」
受賞理由:技術的ソリューションとデザイン言語とイノベーションのみごとな融合。新しい展開を予感させるコンパクトなソリューション。
ADI副会長のジョヴァンナ・タロッチのコメント:「時代の変化を巧みに取り入れ、新しい生活習慣にもスムーズによりそうプロジェクトを実現。誰にでもわかる普遍的な言語で、かけはなれた領域を結びつけている。」
アルベルト&フランチェスコ・メダ、カイミ・ブレヴェッティによる吸音パネル《フラップ》。ADデザイン年鑑 2014、ワークデザイン部門。
受賞理由:音やノイズといった目に見えない問題に新たなソリューションをもたらした、万能にして自由なシステム。
第24回の受賞作品数は、コンパッソ・ドーロ賞受賞作品が13作品、名誉賞が56作品、若手を対象とするタルガ・ジョヴァニが3作品、認証作品9作品となった。コンパッソ・ドーロ・プロフェッショナル賞は12組で、うち9組がイタリア、3組が国外のデザイナーおよび起業家だった。
受賞理由:音やノイズといった目に見えない問題に新たなソリューションをもたらした、万能にして自由なシステム。
第24回の受賞作品数は、コンパッソ・ドーロ賞受賞作品が13作品、名誉賞が56作品、若手を対象とするタルガ・ジョヴァニが3作品、認証作品9作品となった。コンパッソ・ドーロ・プロフェッショナル賞は12組で、うち9組がイタリア、3組が国外のデザイナーおよび起業家だった。
コンスタンチン・グルチッチが〈フロス〉のために手がけた《OK サスペンション・ランプ》。ADIデザイン年鑑 2015、生活デザイン部門。。
受賞理由:名作(アキーレ・カスティリオーニとピオ・マンズが手がけた《パレンテシ》)のもつエレガンスを大切にしながら、新しい進化形を提示してみせた。
受賞理由:名作(アキーレ・カスティリオーニとピオ・マンズが手がけた《パレンテシ》)のもつエレガンスを大切にしながら、新しい進化形を提示してみせた。
リエヴォレ・アルテール・モリーナが〈テクノ・オフィス・チェアズ〉のために手がけた《ヴェラ》。ADIデザイン年鑑 2015、ワークデザイン部門。
受賞理由:人間工学に基づく優れた快適さと美しさを兼ね備えた、エレガントで軽量ながらも技術力の高いプロダクト。
受賞理由:人間工学に基づく優れた快適さと美しさを兼ね備えた、エレガントで軽量ながらも技術力の高いプロダクト。
マリオ・トリマルキが〈アレッシ〉のためにデザインした《オッシディアーナ・エスプレッソ・コーヒーメーカー》。ADIデザイン年鑑 2015、生活デザイン部門。
受賞理由:もはや手を加えるところがないと思われるイタリアならではのアイテムにイノベーションをもたらし、新たな伝統をつくりだした。
受賞理由:もはや手を加えるところがないと思われるイタリアならではのアイテムにイノベーションをもたらし、新たな伝統をつくりだした。
〈テクノジム・デザイン〉による《OMNIA ファンクショナル・トレーニング》。ADIデザイン年鑑 2014、個人デザイン部門
受賞理由:フィットネスと社会的交流を通して、人間の幸福をサポートするコンパクトなシステムを開発した。
受賞理由:フィットネスと社会的交流を通して、人間の幸福をサポートするコンパクトなシステムを開発した。
エマヌエレ・ピッツォロルッソが〈パロマー〉のためにデザインした《ルチェッタ・マグネティック・バイク・ライト》。ADIデザイン年鑑 2014、個人デザイン部門。
受賞理由: 小さいながらも偉大なプロダクト。ニーズに対してインテリジェントに応えた作品。
受賞理由: 小さいながらも偉大なプロダクト。ニーズに対してインテリジェントに応えた作品。
〈グリベル〉とマウリツィオ・ギャロが共同デザインした《ツイン・ゲート・カラビナ》。ADIデザイン年鑑 2014、個人デザイン部門。
受賞理由: フォルムのシンプルな美しさを維持しつつ、安全性を大きく改善した専門性の高い作品。
受賞理由: フォルムのシンプルな美しさを維持しつつ、安全性を大きく改善した専門性の高い作品。
ジョバンニ・アルヴェディ&ルチアーナ・ブスキーニ財団のためにジョルジョ・パルーとミケーレ・ビアンキが設計した《ジョバンニ・アルヴェディ・オーディトリアム》。ADIデザイン年鑑 2015、コミュニケーションデザイン部門。
受賞理由: 1つの大きな楽器のようにすばらしいハーモニーを奏でる美しくエレガントなホールを実現。
受賞理由: 1つの大きな楽器のようにすばらしいハーモニーを奏でる美しくエレガントなホールを実現。
発展途上国のためのデザイン指向の方法論:国連工業開発機関(UNIDO)の《開発ツールとしてのデザイン》。デザインはジュリオ&ヴァレリオ・ヴィナッチャ。ADIデザイン年鑑 2015、ソーシャルデザイン部門。
受賞理由: リソースの限られた現実の環境において、ローカルな素材とリソースを活用するプロジェクトを実現。
これまで、いくつかの部門が追加されてきたコンパッソ・ドーロ賞。社会的デザインを対象とするソーシャルデザイン部門もその1つだ。「移動するデザイナー」として知られるジュリオ&ヴァレリオ・ヴィナッチャは、スペイン、ブラジル、コロンビア、エジプト、中国を旅しながら、「伝統をただ受け入れ、繰り返していくだけだったローカルな職人たちに、デザインという言語をもたらしている」。
ジュリオ&ヴァレリオ・ヴィナッチャは、多様な地域・文化出身の生産者にさまざまな技術を使用を促し、新しい交流が生み出すことで、イノベーションにあふれるプロダクトをつくりだすという手法を提供してしる。
受賞理由: リソースの限られた現実の環境において、ローカルな素材とリソースを活用するプロジェクトを実現。
これまで、いくつかの部門が追加されてきたコンパッソ・ドーロ賞。社会的デザインを対象とするソーシャルデザイン部門もその1つだ。「移動するデザイナー」として知られるジュリオ&ヴァレリオ・ヴィナッチャは、スペイン、ブラジル、コロンビア、エジプト、中国を旅しながら、「伝統をただ受け入れ、繰り返していくだけだったローカルな職人たちに、デザインという言語をもたらしている」。
ジュリオ&ヴァレリオ・ヴィナッチャは、多様な地域・文化出身の生産者にさまざまな技術を使用を促し、新しい交流が生み出すことで、イノベーションにあふれるプロダクトをつくりだすという手法を提供してしる。
フラヴィオ・マンゾーニ率いるフェラーリデザインとヴェルナー・グルーバーによる〈フェラーリ FXX K〉。ADIデザイン年鑑 2015、モビリティデザイン部門。
受賞理由:フェラーリ社、そしてイタリア製ならではの価値を反映し、すばらしい職人技によってつくりだされた自動車。伝統あるブランドの価値を体現する、すばらしいチームワーク。
受賞理由:フェラーリ社、そしてイタリア製ならではの価値を反映し、すばらしい職人技によってつくりだされた自動車。伝統あるブランドの価値を体現する、すばらしいチームワーク。
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