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屋外でティータイムや食事を。アウトドアダイニングのある暮らし
小さな庭やテラスでも、外でお茶や食事とともにくつろぐ時間は特別なもの。アウトドアダイニングを充実させるアイテムと、お手本にしたいレイアウトなどのアイデアをお届けします。
Yoko Ogino
2016年9月29日
インテリアショップオーナー。建築士の資格を持ち住宅及び庭のプラン、デザインまで手掛る。英国での生活体験から奥行のある文化や暮らしに感銘を受け帰国後イギリスのライフスタイルを提案するショップをオープン。英国のインテリアスタイルの中でも特にイングリッシュカントリーに共感し現在は緑豊かな鎌倉山でスローなライフスタイルを提案しています。
インテリアショップオーナー。建築士の資格を持ち住宅及び庭のプラン、デザインまで手掛る。英国での生活体験から奥行のある文化や暮らしに感銘を受け帰国後イギリスのライフスタイルを提案するショップをオープン... もっと見る
暑すぎず寒すぎず、さわやかな季節の到来です。晴れた日は外で過ごすのがとても気持ちいい今の時期、早朝の庭での朝食や午後のティータイム、夕刻のディナーを外でいただくのはとても素敵な時間。屋外で太陽や風を感じながら食事をすることは、家にいながらにしていつもと少し違う非日常を感じ、気分転換ができる方法として、私自身よくお客様におすすめしていることでもあります。屋外にダイニング空間や小さなキッチン設備があったら、もっと気軽に家族でアウトドアダイニングを楽しんだり、友人を招いてパーティをしたりできるはず。今回は、アウトドアダイニングを身近に楽しむためのおすすめアイテムや、レイアウトの工夫についてご紹介します。
- アウトドアダイニングの便利アイテム
ガーデンファニチャーは基本的に外に放置されるので、チーク材のような耐水性のある素材がおすすめです。近年はアルミの合金のような錆びにくく軽量な素材を使ったスタイリッシュなデザインのものも見かけるようになりました。
洋庭はもちろんのこと、和庭にも似合うデザインのベンチ。スリットになっていない面をテーブルとして使い、横並びに座れるので、縁台のような親しみやすさがあります。雨かかりの多い脚部に、錆びにくい合金属を使用しているので耐久性も優れています。
アウトドア用のテーブルはベンチやパラソルと合わせると意外にスペースが必要になるもの。スタイリッシュな三角形のピクニックテーブルにベンチがついたこんなタイプなら、全体がコンパクトにおさまります。
屋外仕様の可動式カウンター
大がかりなキッチンをつくらなくても、こんなコンパクトなカウンターを置いて中継地点にすれば、飲み物の用意や配膳などの機能を持たせることができます。ドリンクなどをサーブするカウンターとしても。
大がかりなキッチンをつくらなくても、こんなコンパクトなカウンターを置いて中継地点にすれば、飲み物の用意や配膳などの機能を持たせることができます。ドリンクなどをサーブするカウンターとしても。
アウトドアでの使用OKの素材でつくられた可動式ワゴン。屋外での食事に必要な食器や食器、料理などを運ぶのに便利なだけでなく、サイドテーブルとしても活躍します。
バーベキューコンロ
テーブルと一体になったバーベキューコンロは、アウトドアダイニングで大活躍するアイテムです。実はこちらはドラム缶と板を使って作ったDIY作品。ドラム缶の内部は耐火レンガと耐火コンクリートでファイヤーピットのような仕上げになっており、直接炭や薪を入れても外部へ火が回らないように工夫されています。使わないときはコンロ部分に蓋をするとテーブル面として普通に使用することができます。
テーブルと一体になったバーベキューコンロは、アウトドアダイニングで大活躍するアイテムです。実はこちらはドラム缶と板を使って作ったDIY作品。ドラム缶の内部は耐火レンガと耐火コンクリートでファイヤーピットのような仕上げになっており、直接炭や薪を入れても外部へ火が回らないように工夫されています。使わないときはコンロ部分に蓋をするとテーブル面として普通に使用することができます。
ちなみに、このバーベキューコンロの後ろには水場が配置されていて、洗い物もこちらで済ませることができます。この例のように、必ずしもキッチンとして完全な形でなくても、火と水を使う場所が準備されるだけで、アウトドアキッチンとして十分に機能させることができます。
ピッツァ窯、石窯
最近人気の石窯は、デザインも仕上げ材も多様になりました。薪を燃やすことで内部の温度を400度以上に上げることができ、一気にカリッと焼きたいピッツァには最適な温度なので、おいしいピッツァを焼きたい方には魅力的なアイテムです。
レンガを積んで作るDIYキットも販売されていますね。注意点としては、石窯の内部は大変高温になるため、下地に耐火レンガや耐火コンクリートを使用し、加熱に耐えられる仕様が必要であること。また、雨水が侵入しないように、使わないときは蓋をするなどの配慮も欠かせません。火を使う道具にはやはりいくつか注意点がありますが、アウトドアダイニングで楽しめるアイテムになること請け合いです。
最近人気の石窯は、デザインも仕上げ材も多様になりました。薪を燃やすことで内部の温度を400度以上に上げることができ、一気にカリッと焼きたいピッツァには最適な温度なので、おいしいピッツァを焼きたい方には魅力的なアイテムです。
レンガを積んで作るDIYキットも販売されていますね。注意点としては、石窯の内部は大変高温になるため、下地に耐火レンガや耐火コンクリートを使用し、加熱に耐えられる仕様が必要であること。また、雨水が侵入しないように、使わないときは蓋をするなどの配慮も欠かせません。火を使う道具にはやはりいくつか注意点がありますが、アウトドアダイニングで楽しめるアイテムになること請け合いです。
こちらはもっと手軽に楽しめる石窯。耐火コンクリートの型枠でつくられたコンパクトな仕様です。ドームの外側にカバーをつけると蓄熱効果が上がり、長い時間温度を高く保てるのでピッツァはもちろんのこと、パンも焼くことができる優れものです。
クッキングストーブ
コンパクトなクッキングストーブも便利なアイテムです。こちらは可動タイプなので、設置場所を決めなくても臨機応変に移動して使えます。機能性とデザインを兼ね備えたスタイリッシュな形が、庭のフォーカルポイントにもなりそうです。
コンパクトなクッキングストーブも便利なアイテムです。こちらは可動タイプなので、設置場所を決めなくても臨機応変に移動して使えます。機能性とデザインを兼ね備えたスタイリッシュな形が、庭のフォーカルポイントにもなりそうです。
ファイヤーピット
レンガで囲んだ焚き火台、ファイヤーピット。庭の暖炉であり、料理用コンロとしても機能します。大がかりなキッチンがなくても、ファイヤーピットがあれば簡単な料理もできるうえ灯りも暖もとれます。
レンガで囲んだ焚き火台、ファイヤーピット。庭の暖炉であり、料理用コンロとしても機能します。大がかりなキッチンがなくても、ファイヤーピットがあれば簡単な料理もできるうえ灯りも暖もとれます。
こちらではファイヤーピットと同素材で、まわりにテーブル兼ベンチを設置しています。ファイヤーピットの魅力は、真ん中に燃える炎を見ることで、身も心も温まることにもあると思います。火の周りをぐるりと囲んでおしゃべりしたり、食事したりして楽しむ、素敵な時間が過ごせそうです。
- アウトドアダイニングのレイアウトプラン
ルーフ付きダイニングテラス
広々としたウッドデッキの一部に配置されたルーフ付きテラスは、室内のDKと一体になったアウトドアダイニングです。室内と屋外のテーブルの大きさや高さが揃っているので、違和感なくスムーズにつながり、内外が見事に調和しています。
LDKと一体になるテラス
コンロや水場というキッチンに必要なものが庭になくても、キッチンの延長にダイニングスペースのとれる場所をつくれば、食事のための動線が一体になり便利です。このお宅のように、扉を開け放すと室内のLDKとひとつながりになる広いウッドデッキは、キッチンからのアクセスもしやすく、ダイニングの延長として自然に家族がくつろぐ場所になるでしょう。
この家のHouzzツアーを読む
コンロや水場というキッチンに必要なものが庭になくても、キッチンの延長にダイニングスペースのとれる場所をつくれば、食事のための動線が一体になり便利です。このお宅のように、扉を開け放すと室内のLDKとひとつながりになる広いウッドデッキは、キッチンからのアクセスもしやすく、ダイニングの延長として自然に家族がくつろぐ場所になるでしょう。
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こちらも同様に、大きな窓をはさんで庭と隣接したキッチンが、窓を開けるとテラスと一体になり、テラスもダイニングの一部になります。床材を同じタイルにしていることも、外への広がりを感じる理由のひとつです。テラスや庭に近い場所に水まわりを配置するだけでも、アウトドアダイニングがより身近になります。
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アウトドアダイニングとつながる窓付きキッチン
室内のキッチンと屋外のダイニングをつなげる目的で窓を設置した、オーストラリアで最近増えているというこのタイプのキッチン。外に向かったキッチンから、窓越しに食事やドリンクを出せるよう、窓台にカウンターをつくり、その下にスツールを置いています。大きなアウトドア用のテーブルや椅子がなくても、ここで食事を楽しめるように工夫されています。
アウトドアダイニングとキッチンをつなぐ、新しい窓付きキッチンの形
室内のキッチンと屋外のダイニングをつなげる目的で窓を設置した、オーストラリアで最近増えているというこのタイプのキッチン。外に向かったキッチンから、窓越しに食事やドリンクを出せるよう、窓台にカウンターをつくり、その下にスツールを置いています。大きなアウトドア用のテーブルや椅子がなくても、ここで食事を楽しめるように工夫されています。
アウトドアダイニングとキッチンをつなぐ、新しい窓付きキッチンの形
夢のダブルキッチン
窓を開け放すとインドアとアウトドアの境界がなくなり、室内ダイニングの床と外のデッキがつながるのはこれまでの例と同じですが、違いはテラス側にもキッチンがあること。とても贅沢ですが、屋外のキッチンは煙の出る料理などに利用し内外を使い分けることもできます。
もし屋外に本格的なキッチンをつくるなら、専用の機器を使用し、風雨や陽射し、湿度の変化を考えた耐久性のある素材を選ぶことが必要です。また、劣化しにくく掃除がしやすく、また通気性のよいデザインを考えなくてはなりません。たとえばカウンタートップはステンレスや人工大理石のような素材で、継ぎ目なく一体につくることをおすすめします。
窓を開け放すとインドアとアウトドアの境界がなくなり、室内ダイニングの床と外のデッキがつながるのはこれまでの例と同じですが、違いはテラス側にもキッチンがあること。とても贅沢ですが、屋外のキッチンは煙の出る料理などに利用し内外を使い分けることもできます。
もし屋外に本格的なキッチンをつくるなら、専用の機器を使用し、風雨や陽射し、湿度の変化を考えた耐久性のある素材を選ぶことが必要です。また、劣化しにくく掃除がしやすく、また通気性のよいデザインを考えなくてはなりません。たとえばカウンタートップはステンレスや人工大理石のような素材で、継ぎ目なく一体につくることをおすすめします。
アウトドアダイニングの最大の魅力は、自然光や風を感じる空間の中で食事やお茶などを楽しみながら過ごせることです。いろいろなアイテムやアイデアをご紹介しましたが、今すぐにできることとして、窓際にテーブルを移動し、窓を開け放してみるだけでも、アウトドアダイニング気分を盛り上げることはできます。気候のよい季節には、屋外と室内をつなぐそんな工夫を取り入れて、日々の暮らしを豊かに楽しく彩りたいものです。
家の中でも大活躍、ピクニックテーブル&ガーデンテーブル
いつかベランダで朝食を。小さなアウトドアリビングの変身プラン
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