世界のHouzzから:ニュージーランドの住まいと暮らしが快適な10の理由
5月にHouzzのニュージーランド版がスタートしました。自然を楽しみ快適に暮らすニュージーランド人の生活には、学べることがたくさんありそうです。
Catherine Smith
2016年6月9日
南半球は太平洋の片隅にある島国で、いちばん近い隣国から訪れるにも飛行機で数時間かかるニュージーランド。実は、いろいろな地域の要素を少しずつ合わせ持っている国だ。
たとえば、オーストラリア人のアウトドア好き、イギリスやアイルランドに似たなだらかな牧草地、アメリカから来た国民的料理のバーべキュー(ニュージーランド風にアレンジ)。それから、スイスの山々や、カリフォルニアの海岸部、熱帯の灌木林のような風景も見ることができる。
これらが混ざり合って、リラックスして気取りのない、ニュージーランド独特のライフスタイルを作り上げているのだ。そんなニュージーランドの暮らしを見ていこう。
たとえば、オーストラリア人のアウトドア好き、イギリスやアイルランドに似たなだらかな牧草地、アメリカから来た国民的料理のバーべキュー(ニュージーランド風にアレンジ)。それから、スイスの山々や、カリフォルニアの海岸部、熱帯の灌木林のような風景も見ることができる。
これらが混ざり合って、リラックスして気取りのない、ニュージーランド独特のライフスタイルを作り上げているのだ。そんなニュージーランドの暮らしを見ていこう。
都市部ではアパートメントが増えてきているが、それでもニュージーランドの人々の考える「家」とは、子どもたちが裸足で裏庭を走り回り、友達が約束なしにふらりとやって来て、留守にするときには近所の人がペットにえさをやってくれる、そんな場所。仕事とプライベートのバランスが、かなり重視されているのも特徴的だ。とにかくゆったりリラックスした暮らしが、ニュージーランド流。
1. 裸足で過ごせる家
広大な邸宅や、触るのを躊躇するような立派なインテリアは、ニュージーランド人の気質には合わない。ひとつながりのキッチン・ダイニング・リビングスペースから、さらに庭へと広がるオープンプランで、家の外にあるわずかな緑でも効果的に取り入れる工夫がされている。家とは、裸足の生活を楽しむ場所なのだ。
広大な邸宅や、触るのを躊躇するような立派なインテリアは、ニュージーランド人の気質には合わない。ひとつながりのキッチン・ダイニング・リビングスペースから、さらに庭へと広がるオープンプランで、家の外にあるわずかな緑でも効果的に取り入れる工夫がされている。家とは、裸足の生活を楽しむ場所なのだ。
郊外が急速に拡大した20世紀半ば、ニュージーランドのだれもが一軒家を所有していたころを思わせる、裸足の暮らしによく似合うカジュアルな家。ニュージーランドの若手建築家たちが試みている実験的なデザインだ。
2. 室内からも自然を楽しむ
ほとんどのニュージーランド人にとって、内と外のつながりが感じられない家なんて理解不能だろう。郊外ならたいてい木が植えられているか、木がなくても芝生はあるのが当たり前で、1年のうち8か月は暑すぎも寒すぎもしない穏やかな気候が続く……。こんな環境なら、デッキに寝そべって、のんびり外の空気を楽しむ習慣ができたのもうなずける。
ほとんどのニュージーランド人にとって、内と外のつながりが感じられない家なんて理解不能だろう。郊外ならたいてい木が植えられているか、木がなくても芝生はあるのが当たり前で、1年のうち8か月は暑すぎも寒すぎもしない穏やかな気候が続く……。こんな環境なら、デッキに寝そべって、のんびり外の空気を楽しむ習慣ができたのもうなずける。
家から見える理想的な眺めといえば、灌木林やビーチ、なだらかに広がる田園、そして山並み。ほとんどの人が町に暮らす現代でも、大地とともに生きる意識は根付いている。
3. 木を讃える住まい
ニュージーランドは、地球上でも人間が定住したのがもっとも遅い場所だ。それが森林を切り開いて作った土地だからこそ、自然の木材を大切にするようになったのも当然だろう。最近は、再生可能で、一切の無駄なく使うことができ、二酸化炭素を吸収してくれる、という木材のサステナブルな特性に世界が注目するようになっているが、ニュージーランドの人たちは、昔から木の温かみと美しさを愛してきたのだ。
ニュージーランドは、地球上でも人間が定住したのがもっとも遅い場所だ。それが森林を切り開いて作った土地だからこそ、自然の木材を大切にするようになったのも当然だろう。最近は、再生可能で、一切の無駄なく使うことができ、二酸化炭素を吸収してくれる、という木材のサステナブルな特性に世界が注目するようになっているが、ニュージーランドの人たちは、昔から木の温かみと美しさを愛してきたのだ。
古くからある家には、今では珍しい土着の木材がふんだんに使われている。一方、現代の建築家はサステナビリティに配慮して育てられた再生可能な木材に注目し、貴重な木材種を効率的に活用できる合板やベニヤをうまく取り入れている。
4. キッチンこそ家の中心
ニュージーランド人に堅苦しい形式は無用。玄関のドアがあっても、あえて裏口から入るのが常だ。パーティーでは、正式なダイニングルームはそっちのけでキッチンに集合。キッチンは、料理をしたり食器洗いをしたりするだけではない、特別な空間なのだ。
ニュージーランド人に堅苦しい形式は無用。玄関のドアがあっても、あえて裏口から入るのが常だ。パーティーでは、正式なダイニングルームはそっちのけでキッチンに集合。キッチンは、料理をしたり食器洗いをしたりするだけではない、特別な空間なのだ。
古いファームハウスのキッチンでも、現在のオープンプランの多機能スペースでも、カジュアルなダイニングテーブルが必ず用意されている。テーブルの代わりにバー(または両方)があることも。
5. バーベキューは生まれついての権利
ガス、木炭、(特にこだわりのある人は)薪と、火の好みは分かれるものの、ニュージーランド人はとにかくバーベキューが好き。春から秋にかけて、どこの家でも裏庭で肉をあぶる光景が見られる。アメリカ南部料理のように、たれをかけながら長時間焼いたり、ゆっくり煮込むことはないけれど、野菜もたっぷり焼いてバーベキューにしてしまう。
ガス、木炭、(特にこだわりのある人は)薪と、火の好みは分かれるものの、ニュージーランド人はとにかくバーベキューが好き。春から秋にかけて、どこの家でも裏庭で肉をあぶる光景が見られる。アメリカ南部料理のように、たれをかけながら長時間焼いたり、ゆっくり煮込むことはないけれど、野菜もたっぷり焼いてバーベキューにしてしまう。
どんなに小さな裏庭や、アパートメントのバルコニーだって、バーベキュースペースを作ることは可能。ホームセンターで手に入る持ち運び可能なバーベキューセットでも十分だが、完全装備のアウトドアキッチンを導入するお宅がかなり増えているようだ。
庭と、照明と、屋外暖炉。これに素敵なバーベキューエリアが加わって家が完成。
6. 庭は遊び場
公共の公園や緑地は郊外や小さい町にも必ずあるが、ニュージーランド人にとっては、それよりも自分の家の裏庭がいちばん。一般的には、土着の灌木林や海岸線をモチーフにしたスタイルが多いが、フランス風の刈り込まれた生垣、イタリア風の中庭、イギリス風のカントリーガーデン、アジアのトロピカルアイランド風など、ほかの地域のガーデニングスタイルを取り入れることも多い。
公共の公園や緑地は郊外や小さい町にも必ずあるが、ニュージーランド人にとっては、それよりも自分の家の裏庭がいちばん。一般的には、土着の灌木林や海岸線をモチーフにしたスタイルが多いが、フランス風の刈り込まれた生垣、イタリア風の中庭、イギリス風のカントリーガーデン、アジアのトロピカルアイランド風など、ほかの地域のガーデニングスタイルを取り入れることも多い。
走り回る子どもたちを眺めるのは楽しいもの。ニュージーランドの庭には、子どもがいれば必ずと言っていいほどトランポリンがある。でも残念ながら、幼少期からのトレーニングにも関わらず、今のところ体操の金メダル選手は輩出されていない模様。
土着の植物を使った庭が、自然のままの風景に溶け込むさまは、本当に美しい。
7. アクティブ万歳
ニュージーランド人にとって、スポーツはかなり重要。チームスポーツをプレーしたり観戦したり、ランニングに水泳、大自然の中でのウォーキング……。アクティブでありたいという意識は高い。
ニュージーランド人にとって、スポーツはかなり重要。チームスポーツをプレーしたり観戦したり、ランニングに水泳、大自然の中でのウォーキング……。アクティブでありたいという意識は高い。
白と黒でまとめたインテリアは人気のスタイル。ニュージーランドのスポーツチームが世界大会で着るユニフォームには、黒地にシルバー・ファーン(ニュージーランドの象徴でもあるシダ植物)が描かれているが、この誇り高いモチーフがインスピレーションになっているのかも。
8. DIY精神
昔も今も、家づくりに関してはアマチュアDIY精神が旺盛なニュージーランド人(テレビのリノベーション番組も非常に人気が高い)。写真のように、古いバーベキュー用バーナーを熱源にしたお風呂を裏庭に設置している……という人はそれほどいないかもしれないが、これを見るとつい「おっ、いいな。自分もやってみようかな?」と考えてしまうのが、DIY好きニュージーランド人というもの。
昔も今も、家づくりに関してはアマチュアDIY精神が旺盛なニュージーランド人(テレビのリノベーション番組も非常に人気が高い)。写真のように、古いバーベキュー用バーナーを熱源にしたお風呂を裏庭に設置している……という人はそれほどいないかもしれないが、これを見るとつい「おっ、いいな。自分もやってみようかな?」と考えてしまうのが、DIY好きニュージーランド人というもの。
9. 隣人の知恵を借りる
広大な海の片隅に位置するニュージーランドは、近隣の環太平洋地域のさまざまなところから、家や庭づくりのヒントを拝借している。
広大な海の片隅に位置するニュージーランドは、近隣の環太平洋地域のさまざまなところから、家や庭づくりのヒントを拝借している。
ニュージーランドに最初に住みついたマオリ人がそれまで用いていたのは、太平洋の島々に特徴的なわらぶき屋根の住まいだったが、これに編み細工の壁や細かな彫刻や装飾を加えてより頑丈にし、涼しい気候に適応させた。トゥホイ族のために作られた「テ・ウル・タウマトゥア」のような現代の公共施設建築では、環境への配慮にも優れた豊かな伝統文化が引き継がれている。
19世紀から20世紀にかけてはイングランド風やカリフォルニア風スタイルの住宅が一般的だったが、現在はちょっと違った地域に目が向いている。太平洋諸島のモチーフが取り入れられることが増え(室内外のつながりもそうだ)、スライド式ドアや、木材など質実な素材が好まれている背景には、アジア(特にインドネシア・バリ島や日本)風のインテリアの影響も大きい。
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