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ミラノ・サローネで見つけた「これからのキッチン」8のトレンド
世界最大の家具・インテリア見本市、ミラノサローネでHouzzイタリア編集部が見つけた、キッチンの8つのトレンド。

Laura Molteni
2016年5月6日
これからのキッチンはどうなる? サローネ国際キッチン見本市には明快な答えがあった。テクノロジーがキッチンにとってますます不可欠な要素となっていく一方で、ぬくもりのあるナチュラルな素材へ回帰する傾向が明らかに。プロのようなステンレスのキッチンは、もはや遠い過去の記憶のよう。キッチン全体の構造にはラスティックなテイストも含めて木が、ワークトップは大理石または複合材料が主に使われるようになってきている。
ワークトップはシンクも含め一体成型し、コンロなどキッチン周りのアクセサリをどんどん目立たない形にデザイン・配置することにより、全体がスリムに見える形になっている。また、ラグジャリーなキッチンに最先端のテクノロジーを搭載したモデルも増えている(例えば、〈ボッシュ〉と〈シーメンス〉による《ホームコネクト・アプリ》は、冷蔵庫内の品をビデオで確認し、足りないものをチェックできる)。
そこで、この記事では、今年のサローネに出展されたキッチンの中から、普通の家にもやがて到来しそうな8つのトレンドをご紹介していこう。
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ミラノ・サローネ 2016 で見つけた、9つのインテリアのトレンドとは?
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1. アイランドにさまざまな工夫をプラス
各社がもっとも工夫をこらしていたのがアイランドのレイアウトだ。キッチンのスペースを広々ととることが可能だとしても、プルアウト(引き出す)タイプのエクステンションテーブルがあって、必要に応じて長さを変えられるとしたら、便利なことこの上ない。
アイランドタイプのキッチンにつきものの水はねについては、フードとカウンタートップの間に透明なガラスのバックスプラッシュを設置して、しっかり解決している。
〈エルネストメダ〉が提案するキッチン《アイコン》シリーズ。エクステンションテーブル《エヴォルーション》とアイランドフード《ミストラル》を組み合わせ、ガラスのパーティションをつけている。デザインはジュゼッペ・バヴーソ
各社がもっとも工夫をこらしていたのがアイランドのレイアウトだ。キッチンのスペースを広々ととることが可能だとしても、プルアウト(引き出す)タイプのエクステンションテーブルがあって、必要に応じて長さを変えられるとしたら、便利なことこの上ない。
アイランドタイプのキッチンにつきものの水はねについては、フードとカウンタートップの間に透明なガラスのバックスプラッシュを設置して、しっかり解決している。
〈エルネストメダ〉が提案するキッチン《アイコン》シリーズ。エクステンションテーブル《エヴォルーション》とアイランドフード《ミストラル》を組み合わせ、ガラスのパーティションをつけている。デザインはジュゼッペ・バヴーソ
2. 統一感が大事
キッチンメーカーがリビング用家具も提案し、キッチンとリビングを統一感のある空間とするのが、今や揺るぎないトレンドだ。スタイルや素材などを含め、すべてトータルにコーディネートするのがポイント。
〈スナイデロ・システーマ・コレクション〉が提案する《ルック》。ミケーレ・マルコンによるデザイン
キッチンメーカーがリビング用家具も提案し、キッチンとリビングを統一感のある空間とするのが、今や揺るぎないトレンドだ。スタイルや素材などを含め、すべてトータルにコーディネートするのがポイント。
〈スナイデロ・システーマ・コレクション〉が提案する《ルック》。ミケーレ・マルコンによるデザイン
3. キッチンを隠す
リビング・キッチンを一体化させる場合、クローゼットの中に機能をすべて隠してしまう、というのも1つの方法だ。こちらの例では、調理と水場を1つのクローゼットに収納し、置きたい場所に置く、という提案をしている。他に、壁付きキッチンをパネルで覆ってしまう、という提案もたくさん目にした。
〈ヴェネタ・クッチーネ〉の《クレデンツァ》。デザインはミケーレ・デ・ルッキ(2015年)
リビング・キッチンを一体化させる場合、クローゼットの中に機能をすべて隠してしまう、というのも1つの方法だ。こちらの例では、調理と水場を1つのクローゼットに収納し、置きたい場所に置く、という提案をしている。他に、壁付きキッチンをパネルで覆ってしまう、という提案もたくさん目にした。
〈ヴェネタ・クッチーネ〉の《クレデンツァ》。デザインはミケーレ・デ・ルッキ(2015年)
隠して一体感を見せるという方法としては、シンクやレンジに蓋をして隠す、という手も。ぴったりとカバーしてしまえば、キッチンの存在感が消えるから不思議!
〈バラッツァ〉から《ラボ》コレクションのシンクとコンロ
〈バラッツァ〉から《ラボ》コレクションのシンクとコンロ
4. 一瞬で蒸気を吸い取るワークトップ埋込み型換気扇
必要なときだけ姿をあらわす換気扇のことは、もうご存じのはず。時代はさらにすすみ、各社のカタログには、ワークトップのコンロの脇にさりげなく埋め込むように設置され、蒸気を瞬く間に吸い込んでいくタイプの換気扇が登場。
静かで、パワフルで,見た目にも美しい(埋め込みタイプなので存在感がほとんどない)換気扇だが、使う鍋の高さ、換気扇のマシン部分を収納する下部キャビネット内のスペース、換気パイプの取り回しには配慮が必要だ。
ワークトップ埋込み型の換気扇、鉄板焼き用パネル、IHコンロを搭載した〈ネフ〉のワークトップ
必要なときだけ姿をあらわす換気扇のことは、もうご存じのはず。時代はさらにすすみ、各社のカタログには、ワークトップのコンロの脇にさりげなく埋め込むように設置され、蒸気を瞬く間に吸い込んでいくタイプの換気扇が登場。
静かで、パワフルで,見た目にも美しい(埋め込みタイプなので存在感がほとんどない)換気扇だが、使う鍋の高さ、換気扇のマシン部分を収納する下部キャビネット内のスペース、換気パイプの取り回しには配慮が必要だ。
ワークトップ埋込み型の換気扇、鉄板焼き用パネル、IHコンロを搭載した〈ネフ〉のワークトップ
5. 素材
ステンレスのキッチンが一掃され、今回のコレクションでは、木と大理石を組み合わせたタイプが大多数を占めた。
もちろん、何事にも例外はつきもの。〈アルクリネア〉はトレンドのカッパーとゴールドを使ったキッチンを提案している。
〈アルクリネア〉の《リグヌム》
ステンレスのキッチンが一掃され、今回のコレクションでは、木と大理石を組み合わせたタイプが大多数を占めた。
もちろん、何事にも例外はつきもの。〈アルクリネア〉はトレンドのカッパーとゴールドを使ったキッチンを提案している。
〈アルクリネア〉の《リグヌム》
6. アイランドの上のスペースを活用
アイランドキッチンの流行の次に到来したのが、その上方のスペースを活用するデザイン。いわゆるフードをなくしたら、照明や食器収納スペースをつくろう、と考えるのは自然な発想だ。写真のモデルはLEDライトやローシェルフ(ハーブや調味料を置ける)を搭載した、建築的なデザインになっている。
〈アルノ〉の《アルノアトラクト》
アイランドキッチンの流行の次に到来したのが、その上方のスペースを活用するデザイン。いわゆるフードをなくしたら、照明や食器収納スペースをつくろう、と考えるのは自然な発想だ。写真のモデルはLEDライトやローシェルフ(ハーブや調味料を置ける)を搭載した、建築的なデザインになっている。
〈アルノ〉の《アルノアトラクト》
7. すべてのものに居場所を
プロのキッチンの仕様が、家庭用キッチンにもどんどん搭載されるようになっている。従来のコンロやシンクに加え、ナイフホルダー、まな板ホルダー、iPadフォルダー、電源、洗剤とスポンジなど、あらゆるものの居場所をしっかりとつくりつけた、カスタムメイドなカウンタートップが家庭用でも当たり前になりつつある。
〈キッチンエイド〉のカスタムデザインできるステンレススチール製ワークトップ
プロのキッチンの仕様が、家庭用キッチンにもどんどん搭載されるようになっている。従来のコンロやシンクに加え、ナイフホルダー、まな板ホルダー、iPadフォルダー、電源、洗剤とスポンジなど、あらゆるものの居場所をしっかりとつくりつけた、カスタムメイドなカウンタートップが家庭用でも当たり前になりつつある。
〈キッチンエイド〉のカスタムデザインできるステンレススチール製ワークトップ
8. キッチンはますます暮らしの中心に!
アイランドにちょっとした食事のできるスペースがプラスされる……ということは、キッチンがどんどんテーブルそのものになっている、ということ! 写真のテーブルは、IHコンロがビルトインされており、まさにいんなが集まるためのテーブルだ。家族もゲストも、一緒に料理をつくって食べてくつろぐ方向へと、これからのキッチンは向かっている。
〈ラーゴ〉の《エア・キッチン》。デザインはダニエレ・ラーゴ
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