コメント
ミラノサローネ 2016 で見つけた、9つのインテリアのトレンドとは?
世界最大の家具・インテリア見本市、ミラノサローネでHouzzイタリア編集部のエディターが見つけた、来るべき9つのトレンドは?
Leonora Sartori
2016年4月29日
ミラノ・サローネは毎年1度開催される、世界最大の家具・インテリアの見本市。 ミラノ近郊のロー会場では、キッチンメーカーから最先端のデザイナーまで、世界中の家具とインテリアデザインののプロが新製品を展示しており、プロだけでなくデザイン好きの一般人も観覧できる。一方で、ミラノ市内のフオーリサローネ会場(フオーリサローネは「見本市場外」という意味)では、旧市街や公園などを舞台に、新進気鋭のデザイナーや名門ブランドがイベントを行い、トレンドを発信する。4月12日から17日まで開催された今年のミラノ・サローネにも多数のプロとデザイン愛好者が来場、入場者数が37万人(2014年から4%増)、出展者数は2400社(うち33%がイタリア以外)と大成功を収めた。世界で最も重要とされる家具・デザイン見本市であり、次のトレンドがどこよりも早くキャッチできる場でもある。
そこでこの記事では、強い色彩、復古調、心地よい特大サイズのソファ(27万平方メートルのサローネ会場を歩きまわっている身には、ありがたいことこの上ない!)など、Houzzのグローバル編集チームがミラノサローネで見つけた最先端で最高にクリエイティブなトレンドをご紹介していこう。
そこでこの記事では、強い色彩、復古調、心地よい特大サイズのソファ(27万平方メートルのサローネ会場を歩きまわっている身には、ありがたいことこの上ない!)など、Houzzのグローバル編集チームがミラノサローネで見つけた最先端で最高にクリエイティブなトレンドをご紹介していこう。
1. マスタードイエロー
色のトレンドは、大胆なマスタードイエロー。今年のトレンドはビビッドな色だが、中でも最先端はマスタードイエローだ。〈ヴィトラ〉や〈ムート〉など多くのブランドがこの色の家具やプロダクトを展示していた。
写真はアンダーセン&ヴォルがデザインした〈ムート〉のソファ《レスト》
色のトレンドは、大胆なマスタードイエロー。今年のトレンドはビビッドな色だが、中でも最先端はマスタードイエローだ。〈ヴィトラ〉や〈ムート〉など多くのブランドがこの色の家具やプロダクトを展示していた。
写真はアンダーセン&ヴォルがデザインした〈ムート〉のソファ《レスト》
2. キッチンらしくないキッチン
キッチンはこれまでよりフラットになり、サイズも小さくなって、存在感を主張しなくなっている。キッチンというより、マルチ機能なワークトップという雰囲気で、使われるときだけキッチンらしくなる。IHコンロも素材もシンクも、ワークトップと一体化するデザインが主流になっている。
フオーリサローネの〈トム・ディクソン〉の展示会場より。威風堂々とした存在感の曲面加工の大理石キッチン《EARTH》
キッチンはこれまでよりフラットになり、サイズも小さくなって、存在感を主張しなくなっている。キッチンというより、マルチ機能なワークトップという雰囲気で、使われるときだけキッチンらしくなる。IHコンロも素材もシンクも、ワークトップと一体化するデザインが主流になっている。
フオーリサローネの〈トム・ディクソン〉の展示会場より。威風堂々とした存在感の曲面加工の大理石キッチン《EARTH》
トード・ボーンチェによる〈モロソ〉の《セネガル−O チェア》
3. ブレード素材
昔懐かしい籐の籠やエスニックポップスタイルが復活というわけではなく、とにかくチェアやテーブルやランプに、ブレード(編んだ素材)がたくさん登場している。屋内用・屋外用ともに、さまざまなアイテムに使われている。
ステファン・バークスが手がけた〈デドン〉の《アーンダ》シリーズのアームチェア
昔懐かしい籐の籠やエスニックポップスタイルが復活というわけではなく、とにかくチェアやテーブルやランプに、ブレード(編んだ素材)がたくさん登場している。屋内用・屋外用ともに、さまざまなアイテムに使われている。
ステファン・バークスが手がけた〈デドン〉の《アーンダ》シリーズのアームチェア
4. 新世代のミラー
光を反射したり、自分の姿をチェックするためだけでなく、テクスチャーや色や視覚的効果そのものに存在感のあるミラーが登場。中には、自分の姿を映すにはあまりおすすめできないもの(鏡映りは保証できないタイプ)も!
ロン・ジラッドがカッシーナのために手がけた芸術的なミラー《デッドライン》シリーズ
光を反射したり、自分の姿をチェックするためだけでなく、テクスチャーや色や視覚的効果そのものに存在感のあるミラーが登場。中には、自分の姿を映すにはあまりおすすめできないもの(鏡映りは保証できないタイプ)も!
ロン・ジラッドがカッシーナのために手がけた芸術的なミラー《デッドライン》シリーズ
ノルウェーのアンダーセン&ヴォルがデザインした〈ムート〉の《フレームド》シリーズは、彫刻的なフォルムが特徴
〈ネリ&フー〉が〈ポルトローナ・フラウ〉のために手がけた、多機能家具《レン》シリーズ
5. 伝統に学ぶ
イタリアでは、伝統は常にデザインのインスピレーションの源。といっても、ただ過去のものを再利用するのではなく、スタイルを取り入れながら、現代の住まいに合うようにリデザインしている。古き良き時代の記憶を感じさせる、ソフトな折りたたみ家具も、そうして誕生したものの1つ。
イタリア、ヴィチェンツァ市やパラディオの別荘にインスピレーションを得て〈ラーゴ〉が制作したバスルームのインテリア
イタリアでは、伝統は常にデザインのインスピレーションの源。といっても、ただ過去のものを再利用するのではなく、スタイルを取り入れながら、現代の住まいに合うようにリデザインしている。古き良き時代の記憶を感じさせる、ソフトな折りたたみ家具も、そうして誕生したものの1つ。
イタリア、ヴィチェンツァ市やパラディオの別荘にインスピレーションを得て〈ラーゴ〉が制作したバスルームのインテリア
典型的なアームチェアを再解釈するとしたら? 想像力を駆使すれば、定番のアイテムも、ユニークな個性を放つ家具になる。その場合、モノクロではだめ。例えば、写真は、アーティストのベルトイアン・ポットがデザインした、〈カッシーナ〉のアームチェア《ユトレヒト》(オリジナルは1935年に発表)。ボックスブロック柄の斬新なファブリックを張っている。名品アームチェアのバリエーションとして、今回270脚のみ限定販売される。
ミラノの〈Cq ストゥーディオ〉は「ビフォー・デザイン:クラシック」において、18世紀のアームチェアにプラスティックコーティングを施したり、トラディショナルなパントリーに蛍光灯による照明を使ったり、と伝統と現代的な解釈を並列して展示。会場では、イタリア人映画監督マテオ・ガローネがナポリ考古学博物館で撮影したショートフィルムも上映していた。
7. ノマドなライフスタイル
住宅がどんどん小さくなる昨今、終の棲家を持たず、ノマドのようにどんどん住み替えていく人たちのために、使わないときは収納できるテーブルやゲスト用ベッドなど、住まいで使うあらゆるものについて、柔軟に使えるデザインが開発されている。
リエヴォレ・アルテール・モリーナが〈アルパー〉のために柄ザインしたサイドテーブル《ヨップ》(写真:マルコ・コヴィ)
住宅がどんどん小さくなる昨今、終の棲家を持たず、ノマドのようにどんどん住み替えていく人たちのために、使わないときは収納できるテーブルやゲスト用ベッドなど、住まいで使うあらゆるものについて、柔軟に使えるデザインが開発されている。
リエヴォレ・アルテール・モリーナが〈アルパー〉のために柄ザインしたサイドテーブル《ヨップ》(写真:マルコ・コヴィ)
デニス・サンタキアラが〈カンページ〉のためにデザインしたゲスト用ベッド《カ・ミア》なら、ゲストのプライバシーもしっかり確保できる
ロベルト・ラッツオーニが〈ポルトローナ・フラウ〉のために手がけたテーブル《ナブッコ》
9. 花柄!
壁紙からカーペットにいたるまで、花柄、それも大きくて派手な花柄がたくさん登場。ブロールセン&ルカーチによる《リキッド・バーチ》をプリントした〈モーイ・カーペット〉の新作(写真)もその1つ。
壁紙からカーペットにいたるまで、花柄、それも大きくて派手な花柄がたくさん登場。ブロールセン&ルカーチによる《リキッド・バーチ》をプリントした〈モーイ・カーペット〉の新作(写真)もその1つ。
おすすめの記事
専門家向け情報
世界が注目するJapanブランドの照明。ミラノサローネ凱旋展で見た灯りの可能性
今年60周年記念だったミラノサローネ国際家具見本市。その晩餐会を飾ったのは、日本人アーティストによるコラボレーションでした。今秋、東京でもその夢の共演が実現しました。
続きを読む
カラー
2023年のトレンドカラーは深紅色!インテリアにどう取り入れる?
パントン社の2023年トレンド色は「Viva Magenta(ビバ・マゼンタ)」に決定。Houzzの専門家にインテリアに取り入れる方法を聞きました。
続きを読む
専門家向け情報
家具の最新トレンド【ハイポイントマーケット2022】
米ノースカロライナ州ハイポイントで今秋行われた家具見本市。そこで見つけたトレンドは、スパイシーカラー、光沢のあるメタル素材、伝統的なフォルムでした。
続きを読む
インテリア
イギリスのインテリア見本市「デコレックス2022」から読み解く8つのトレンド
ロンドンで開催された見本市で、クリエイターたちの注目を集めた最新の素材、スタイル 、デザインをご紹介します
続きを読む
インテリア
最新トレンド総括:循環型アップサイクルで、エコ・コンシャスに暮らしを楽しむ方法
文/あみむらまゆみ
国内外のトレンドに詳しいインテリアデザイナーの網村眞弓さんが、今秋発表された最新デザインの傾向を、まとめてご紹介します。
続きを読む