デザイン好きのためのトラベルガイド:ウィーン建築めぐり
ウィーンを旅する機会があったらぜひ訪れてほしいスポットを、建築・デザインのみどころを中心にご案内します。
Miki Anzai
2016年6月3日
ハプスブルク家の繁栄のもと、オーストリアの首都として発展したウィーン。荘厳で華麗な宮殿や教会、きら星のごとく輝きを放つ「19世紀末ウィーン」建築の数々。実は、ミュージアム・クォーターや、ウィーン経済大学の新キャンパスなど、100年前と変わらぬ建築ブームが今でも続いている。
国立歌劇場や楽友協会へ足を運べば、さすがはモーツァルトやベートーベンが活躍した音楽の都だけあり、毎晩ハイレベルの演奏が聴ける。また、ふらりとカフェに立ち寄れば、その居心地のよさに、日頃の喧騒を忘れられるだろう。そんなさまざまな魅力が凝縮したウィーンを、建築をテーマにめぐることで、時代とデザインの変遷を体感しながら、心ゆくまで楽しんでほしい。
※文中、建築物の後の( )内数字は建築年
国立歌劇場や楽友協会へ足を運べば、さすがはモーツァルトやベートーベンが活躍した音楽の都だけあり、毎晩ハイレベルの演奏が聴ける。また、ふらりとカフェに立ち寄れば、その居心地のよさに、日頃の喧騒を忘れられるだろう。そんなさまざまな魅力が凝縮したウィーンを、建築をテーマにめぐることで、時代とデザインの変遷を体感しながら、心ゆくまで楽しんでほしい。
※文中、建築物の後の( )内数字は建築年
- 建築のみどころ (旧市街周辺)
所在地:Michaelerkuppel ウィーン1区
開館:毎日9~6月 9:00~17:30、7・8月 9:00〜18:00
おすすめポイント:13世紀後半から20世紀まで、増改築を繰り返したハプスブルク家の王宮(ホーフブルク)。各時代の様式が複雑に入り組んでいる。
最古の建物は、ハプスブルク家発祥の地スイスの衛兵が守っていたことから名づけられた、スイス宮(13世紀)。この一角にある王宮礼拝堂(15世紀)では、毎日曜日、ウィーン少年合唱団の歌声が聴ける。 ハプスブルク家の暮らしぶりがわかる皇帝の部屋、宮廷銀食器コレクションとシシィ博物館や、世界で最も美しいバロック式図書館のひとつとして知られる国立図書館(プルンクザール)は、見応えがある。特に約20万冊の蔵書がある図書館は、宮廷画家ダニエル・グランが描いた華麗なフレスコ画が天井に描かれており、それを8つの楕円窓から入ってくる光が、美しく照らし出している。
ロース・ハウス
所在地: Michaelerplatz 3 ウィーン1区
おすすめポイント:アドルフ・ロース設計の、装飾を排した建物(1911)。ミヒャエル広場を挟んで向かい合う王宮に対して、「不敬」と批判された直截的デザインの上部と、大理石の列柱を配した古典様式を引用した下部で構成されている。
現チェコ(ブルノ)出身の建築家ロースは、ウィーン分離派や、ウィーン工房が希求した装飾性を激しく批判し、「脱様式」を追求した。四角い窓が整然と並ぶ上部のアパート部分からは、あらゆる無駄を排したロースの建築哲学が感じられる。しかし現在、銀行が入っている下部は、列柱に大理石をふんだんに使用するなど、ギリシャ・ローマ建築様式の引用も見られ、彼がすべての装飾を嫌ったわけではなく、華美な装飾や、すぐに形骸化しやすい新様式を否定していたことがわかる。
おすすめの本: ロース著『装飾と犯罪』(中央公論美術出版)
他のロース作品: 住むための内部機能の充実を追求したシュタイナー邸(1910)、ショイ邸(1913)、ルーファー邸(1922)などの戸建住宅。
所在地: Michaelerplatz 3 ウィーン1区
おすすめポイント:アドルフ・ロース設計の、装飾を排した建物(1911)。ミヒャエル広場を挟んで向かい合う王宮に対して、「不敬」と批判された直截的デザインの上部と、大理石の列柱を配した古典様式を引用した下部で構成されている。
現チェコ(ブルノ)出身の建築家ロースは、ウィーン分離派や、ウィーン工房が希求した装飾性を激しく批判し、「脱様式」を追求した。四角い窓が整然と並ぶ上部のアパート部分からは、あらゆる無駄を排したロースの建築哲学が感じられる。しかし現在、銀行が入っている下部は、列柱に大理石をふんだんに使用するなど、ギリシャ・ローマ建築様式の引用も見られ、彼がすべての装飾を嫌ったわけではなく、華美な装飾や、すぐに形骸化しやすい新様式を否定していたことがわかる。
おすすめの本: ロース著『装飾と犯罪』(中央公論美術出版)
他のロース作品: 住むための内部機能の充実を追求したシュタイナー邸(1910)、ショイ邸(1913)、ルーファー邸(1922)などの戸建住宅。
シュテファン寺院とハース・ハウス
所在地: Stephansplatz ウィーン1区
おすすめポイント:旧市街心臓部に並んで建つ、歴史的建築と現代建築の見事なコントラストに注目。
「ウィーンの象徴」というべきシュテファン寺院(写真右)は、12世紀半ばからロマネスク様式として建てられ、14世紀以降、ゴシック様式で大規模に増改築された。直径約3mの束柱が林立する内部の天井には、樹の枝葉を広げたようなリブ・ヴォールトが採用されており、寺院内を歩くと、まるで壮大な森の中にいるような気分になるだろう。
寺院と対照的に、大きなガラス張りの円形張り出し部分が深い印象を残すポストモダ二ズム建築(写真左)は、店舗ビルのハース・ハウス(1990)だ。オーストリア人で初めて、1985年にプリツカー賞を受賞したハンス・ホラインの設計。挑発的な外観だけでなく、内部もアート感覚に満ちたデザインとなっている。6階のオニキス・バーからは、目の前の寺院のカラフルな屋根のモザイクを間近に堪能できる。
所在地: Stephansplatz ウィーン1区
おすすめポイント:旧市街心臓部に並んで建つ、歴史的建築と現代建築の見事なコントラストに注目。
「ウィーンの象徴」というべきシュテファン寺院(写真右)は、12世紀半ばからロマネスク様式として建てられ、14世紀以降、ゴシック様式で大規模に増改築された。直径約3mの束柱が林立する内部の天井には、樹の枝葉を広げたようなリブ・ヴォールトが採用されており、寺院内を歩くと、まるで壮大な森の中にいるような気分になるだろう。
寺院と対照的に、大きなガラス張りの円形張り出し部分が深い印象を残すポストモダ二ズム建築(写真左)は、店舗ビルのハース・ハウス(1990)だ。オーストリア人で初めて、1985年にプリツカー賞を受賞したハンス・ホラインの設計。挑発的な外観だけでなく、内部もアート感覚に満ちたデザインとなっている。6階のオニキス・バーからは、目の前の寺院のカラフルな屋根のモザイクを間近に堪能できる。
ウィーン分離派(セセッシオン)館
所在地: Friedrichstraße 12 ウィーン1区
料金: 9ユーロ
開館時間: 火~日 10:00~18:00(月・祝休)
おすすめポイント:1897年設立の芸術家グループ、ウィーン分離派の拠点として建設された展示館。キュビズムを先取りする立体幾何学的造形、表層を覆う神秘的彫刻、「金のキャベツ」と呼ばれる、金塗装された月桂樹の葉をモチーフにしたドームは、異教神殿的な雰囲気を醸し出す。
分離派初代会長、クリムトの思想「芸術のための神殿」を受け継いだJ.M.オルブリヒの設計。半年間という短い工期で建設された。正面入口上部には、「時代にはその芸術を、芸術にはその自由を」という分離派のスローガンが刻まれている。正面ロビーの内装は、後に〈ウィーン工房〉を主宰するヨーゼフ・ホフマンが担当。地下のクリプタにあるクリムトの連作壁画《ベートーベン・フリース》は必見だ。
ちなみに、日本で最初の近代建築運動である分離派建築会(1920年に結成)は、ウィーン分離派から多大な影響を受けた。
所在地: Friedrichstraße 12 ウィーン1区
料金: 9ユーロ
開館時間: 火~日 10:00~18:00(月・祝休)
おすすめポイント:1897年設立の芸術家グループ、ウィーン分離派の拠点として建設された展示館。キュビズムを先取りする立体幾何学的造形、表層を覆う神秘的彫刻、「金のキャベツ」と呼ばれる、金塗装された月桂樹の葉をモチーフにしたドームは、異教神殿的な雰囲気を醸し出す。
分離派初代会長、クリムトの思想「芸術のための神殿」を受け継いだJ.M.オルブリヒの設計。半年間という短い工期で建設された。正面入口上部には、「時代にはその芸術を、芸術にはその自由を」という分離派のスローガンが刻まれている。正面ロビーの内装は、後に〈ウィーン工房〉を主宰するヨーゼフ・ホフマンが担当。地下のクリプタにあるクリムトの連作壁画《ベートーベン・フリース》は必見だ。
ちなみに、日本で最初の近代建築運動である分離派建築会(1920年に結成)は、ウィーン分離派から多大な影響を受けた。
- 建築のみどころ(旧市街の外側)
所在地: Untere Weißgerberstraße 13 ウィーン3区
料金: 10ユーロ
開館時間: 毎日10:00~18:00
おすすめポイント:「ウィーンのガウディ」といわれた建築家で芸術家のフンデルトヴァッサー(1928~2000)が設計した美術館。彼の絵をそのまま立体化したような建物。
フンデルトヴァッサーの絵画を中心としたアート作品が、2・3階に展示されている。日本人女性と結婚していた時期もあり、名字を和訳した「百水」の雅号を持つ彼が、浮世絵の手法で制作した木版作品も観られる。
さらに、ここから500mほどの場所には、彼の設計したウィーン市内で最も奇抜な市営住宅、フンデルトヴァッサーハウス(全52戸)がある。現在も市民が生活しているので、内部は見学できないが、多くの観光客が外観を眺めに訪れる。
早くから自然との共生を提唱し、環境問題に取り組んでいたフンデルトヴァッサーは、ゴミ焼却場(ドナウ運河の遊覧船からよく見える)もデザインしている。エコロジーとアートを融合させ、古都ウィーンの街並みにモダンなアクセントを与えている。
詳細情報:奇抜なデザインのシュピッテラウ焼却場について
カール・マルクス・ホーフ
所在地: Heiligenstädterstraße 82-92ウィーン19区(U4ハイリゲンシュタット駅前)
おすすめポイント:ウィーン市が1930年に労働者向けに建てた集合住宅。モダニズムを意識した表現主義の影響を色濃くとどめた、記念碑的建物。
もともとウィーンで集合住宅が急速に発展したのは、深刻な住宅難に見舞われた第1次世界大戦から第2次世界大戦の間のこと。「赤いウィーン」、すなわち社会民主党の政権下、6万戸以上の大規模な市営住宅が建設された。その中で最も代表的なのが、ワーグナーの弟子のカール・エーンが設計した、この市営住宅(1926~30)だ。全長1kmほどある巨大な集合住宅の中に、1382戸を収容。各部屋は、30平方メートルから最大でも60平方メートルと比較的狭いが、当時としては画期的な「スーパーブロック」方式を採用している。この方式は、中庭を取り込みながら、託児所、郵便局、歯科診療所、薬局、図書館といった共有施設を入れて、ひとつの街として機能させるやり方。当時のウィーン市が、人民建築のモニュメントとする意気込みで、「人民の宮殿」と名付けたのもうなずける。
その他の集合住宅: ヨーゼフ・フランクが組織したウィーン工作連盟住宅団地(1930~32)、19世紀末に建築された4基のガス貯蔵タンクを住居、ショッピングセンター、イベントホールなどを収用する複合建築に改築したガソメーター(1999~2001)、ザハ・ハディドによる市街電車高架線跡を利用したシュピッテラウの集合住宅 (2005)。
所在地: Heiligenstädterstraße 82-92ウィーン19区(U4ハイリゲンシュタット駅前)
おすすめポイント:ウィーン市が1930年に労働者向けに建てた集合住宅。モダニズムを意識した表現主義の影響を色濃くとどめた、記念碑的建物。
もともとウィーンで集合住宅が急速に発展したのは、深刻な住宅難に見舞われた第1次世界大戦から第2次世界大戦の間のこと。「赤いウィーン」、すなわち社会民主党の政権下、6万戸以上の大規模な市営住宅が建設された。その中で最も代表的なのが、ワーグナーの弟子のカール・エーンが設計した、この市営住宅(1926~30)だ。全長1kmほどある巨大な集合住宅の中に、1382戸を収容。各部屋は、30平方メートルから最大でも60平方メートルと比較的狭いが、当時としては画期的な「スーパーブロック」方式を採用している。この方式は、中庭を取り込みながら、託児所、郵便局、歯科診療所、薬局、図書館といった共有施設を入れて、ひとつの街として機能させるやり方。当時のウィーン市が、人民建築のモニュメントとする意気込みで、「人民の宮殿」と名付けたのもうなずける。
その他の集合住宅: ヨーゼフ・フランクが組織したウィーン工作連盟住宅団地(1930~32)、19世紀末に建築された4基のガス貯蔵タンクを住居、ショッピングセンター、イベントホールなどを収用する複合建築に改築したガソメーター(1999~2001)、ザハ・ハディドによる市街電車高架線跡を利用したシュピッテラウの集合住宅 (2005)。
ウィトゲンシュタイン邸
所在地:Parkgasse 18 ウィーン3区
料金: 12ユーロ
開館時間: 平日(予約制)
おすすめポイント:哲学者ウィトゲンシュタインが、姉のために設計した住居(1928)。
当初、ロースの弟子のパウル・エンゲルマンが図面や模型を作成。それを見たウィトゲンシュタインが強い関心を示し、やがて完全に自分のプロジェクトとして完成させた。すべての窓と扉、窓や扉の把手を、精密に計画したことが今日でも見て取れる。1975年からブルガリア文化協会が所有しており、事前にメールで予約をしておけば、内部を自由に見学できる。地下鉄U3のロフス・ガッセ駅から徒歩数分の場所にある。
おすすめの本: バーナード・レイトナー 著『ウィトゲンシュタインの建築 新版』(青土社)
所在地:Parkgasse 18 ウィーン3区
料金: 12ユーロ
開館時間: 平日(予約制)
おすすめポイント:哲学者ウィトゲンシュタインが、姉のために設計した住居(1928)。
当初、ロースの弟子のパウル・エンゲルマンが図面や模型を作成。それを見たウィトゲンシュタインが強い関心を示し、やがて完全に自分のプロジェクトとして完成させた。すべての窓と扉、窓や扉の把手を、精密に計画したことが今日でも見て取れる。1975年からブルガリア文化協会が所有しており、事前にメールで予約をしておけば、内部を自由に見学できる。地下鉄U3のロフス・ガッセ駅から徒歩数分の場所にある。
おすすめの本: バーナード・レイトナー 著『ウィトゲンシュタインの建築 新版』(青土社)
ヴィラ・ワーグナーI・II
所在地: Hüttelbergstraße 26, 28, ウィーン14区
料金: 11ユーロ
営業時間: 火~日10:00~16:00(月・祝休)
おすすめポイント:19世紀末のウィーンの代表的建築家オットー・ワーグナーが設計した2つの別荘。建てた時期に四半世紀の隔たりがあるので、彼の作風の変遷が読み取れる。
写真上の別荘(1888)は、現在、ウィーン幻想派画家エルンスト・フックスの個人美術館として公開されている。ウィーン市内から郊外へと広がる丘陵地帯にあるため、U4ヒュッテルドルフ駅からバスかタクシーを利用する必要があり、アクセスはよくないが、その分混雑も少なく、落ち着いて見学できる。ワーグナーの建築と、かなり個性的なフックスの芸術作品が響き合い、邸内・庭園とも独特の雰囲気を醸し出している。
写真下は、数メートル先の隣地に建てられたワーグナー第2の別荘(1913)。内部は見学できない。建物からは派手な装飾的要素が省かれ、形は現代的なキューブ型になり、左右対称の構成も姿を消している。しかし、軒天井などには、彼が初期に影響を受けたルネサンス様式の名残が見て取れる。
市内のワーグナー作品:ウィーン市内のいたるところで観られるワーグナー作品の中でも、彼が施主となって建てたシュッテンリンク23番地の集合住宅(1877)、オーストリア連邦銀行(1884)、カールスプラッツ駅舎(1898)、バラの花模様のマジョリカ焼タイルを壁面に使った、通称マジョリカハウス(1899)、その隣の集合住宅で上部に金のメダル装飾があるメダイヨン館(1899)、後期代表作のウィーン郵便貯金局(1912)、アム・シュタインホーフ教会(1907)、ドナウ運河水門監視所(1907)などがおすすめだ。
日本でも観られる作品: ワーグナー作品に魅せられた写真家の関谷正昭氏による、ワーグナーの建築写真展が開催中。
おすすめの本: 川向正人著、関谷正昭写真『オットー・ワーグナー建築作品集』(東京美術)
所在地: Hüttelbergstraße 26, 28, ウィーン14区
料金: 11ユーロ
営業時間: 火~日10:00~16:00(月・祝休)
おすすめポイント:19世紀末のウィーンの代表的建築家オットー・ワーグナーが設計した2つの別荘。建てた時期に四半世紀の隔たりがあるので、彼の作風の変遷が読み取れる。
写真上の別荘(1888)は、現在、ウィーン幻想派画家エルンスト・フックスの個人美術館として公開されている。ウィーン市内から郊外へと広がる丘陵地帯にあるため、U4ヒュッテルドルフ駅からバスかタクシーを利用する必要があり、アクセスはよくないが、その分混雑も少なく、落ち着いて見学できる。ワーグナーの建築と、かなり個性的なフックスの芸術作品が響き合い、邸内・庭園とも独特の雰囲気を醸し出している。
写真下は、数メートル先の隣地に建てられたワーグナー第2の別荘(1913)。内部は見学できない。建物からは派手な装飾的要素が省かれ、形は現代的なキューブ型になり、左右対称の構成も姿を消している。しかし、軒天井などには、彼が初期に影響を受けたルネサンス様式の名残が見て取れる。
市内のワーグナー作品:ウィーン市内のいたるところで観られるワーグナー作品の中でも、彼が施主となって建てたシュッテンリンク23番地の集合住宅(1877)、オーストリア連邦銀行(1884)、カールスプラッツ駅舎(1898)、バラの花模様のマジョリカ焼タイルを壁面に使った、通称マジョリカハウス(1899)、その隣の集合住宅で上部に金のメダル装飾があるメダイヨン館(1899)、後期代表作のウィーン郵便貯金局(1912)、アム・シュタインホーフ教会(1907)、ドナウ運河水門監視所(1907)などがおすすめだ。
日本でも観られる作品: ワーグナー作品に魅せられた写真家の関谷正昭氏による、ワーグナーの建築写真展が開催中。
おすすめの本: 川向正人著、関谷正昭写真『オットー・ワーグナー建築作品集』(東京美術)
ウィーン経済大学
所在地: Welthandelsplatz 1 ウィーン2区
おすすめポイント:国際コンペを勝ち抜いた建築家が競うように設計した、奇抜なデザインの建物が見られるウィーン経済大学の新キャンパス(2013)。
日本人の阿部仁史氏のアトリエが設計したD2棟と学習センターもさることながら、ザハ・ハディドによるLC棟(図書館と学習センター)は、その斬新な多辺形の外観と、曲線と斜めの壁で構成された内部空間で、圧倒的な存在感を示している。
所在地: Welthandelsplatz 1 ウィーン2区
おすすめポイント:国際コンペを勝ち抜いた建築家が競うように設計した、奇抜なデザインの建物が見られるウィーン経済大学の新キャンパス(2013)。
日本人の阿部仁史氏のアトリエが設計したD2棟と学習センターもさることながら、ザハ・ハディドによるLC棟(図書館と学習センター)は、その斬新な多辺形の外観と、曲線と斜めの壁で構成された内部空間で、圧倒的な存在感を示している。
シェーンブルン宮殿
所在地: Schönbrunner Schlossstraße ウィーン13区
開館時間: 毎日4・5・6・9・10月 8:30~17:30、11月~3月 8:30~17:00、7・8月 8:30~18:30
おすすめポイント:ウィーンで最も観光客が訪れるユネスコ世界文化遺産に指定されているシェーンブルン宮殿。建築的に興味深いのは、本館の心臓部である大ギャラリー。
幅40m、奥行き10mの大広間からはマリア・テレジア自慢の大庭園が一望できるが、この部屋には設計上の仕掛けがみられる。広間の中央奥には、続きの間といった様相で小ギャラリーが誂えられており、その壁に、巧妙に計算されたいくつもの大きな窓が設けられている。訪問客は、まず大ギャラリーのスケールに圧倒され、その後に小ギャラリーという小さい空間にいったん視線が絞り込まれ、それから窓の外の美しい丘を眺めるため、広大な庭園がより広く感じられる構造になっている。
その他のオーストリア風バロック建築: 壮大なドームを戴くカールス教会、クリムトの代表作《接吻》をはじめ、ウィーン世紀末の画家の作品が展示されているベルヴェデーレ宮殿。
所在地: Schönbrunner Schlossstraße ウィーン13区
開館時間: 毎日4・5・6・9・10月 8:30~17:30、11月~3月 8:30~17:00、7・8月 8:30~18:30
おすすめポイント:ウィーンで最も観光客が訪れるユネスコ世界文化遺産に指定されているシェーンブルン宮殿。建築的に興味深いのは、本館の心臓部である大ギャラリー。
幅40m、奥行き10mの大広間からはマリア・テレジア自慢の大庭園が一望できるが、この部屋には設計上の仕掛けがみられる。広間の中央奥には、続きの間といった様相で小ギャラリーが誂えられており、その壁に、巧妙に計算されたいくつもの大きな窓が設けられている。訪問客は、まず大ギャラリーのスケールに圧倒され、その後に小ギャラリーという小さい空間にいったん視線が絞り込まれ、それから窓の外の美しい丘を眺めるため、広大な庭園がより広く感じられる構造になっている。
その他のオーストリア風バロック建築: 壮大なドームを戴くカールス教会、クリムトの代表作《接吻》をはじめ、ウィーン世紀末の画家の作品が展示されているベルヴェデーレ宮殿。
- おすすめのアート&エンターテインメント
所在地: Museumsplatz 1 ウィーン7区
インフォメーションセンター営業時間: 毎日10:00~19:00
おすすめポイント:かつて王宮の厩舎だった6万平方メートルの敷地に、10以上のモダンな美術館やギャラリー、イベントホールを増改築して、2001年にオープンした大規模なカルチャーエリア。
写真右奥が、エゴン・シーレ、クリムトやココシュカなど、ウィーン世紀末を代表する画家の作品を所蔵するレオポルド美術館。屋外に置かれたマーメード色のラウンジ家具は、地元の建築家集団〈PPAG〉が、2002年にデザインし、2005年にアドルフ・ロース・デザイン賞を受賞した人気作品である。2010年まで毎年、違う色で登場していた。現在まで2度のデザイン改変を経た通称MQファニチャーは、ミュージアム・クォーターに憩いの場を提供している。
詳細情報:ミュージアム・クォーター
その他の美術館: 今年開館125周年を迎えた美術史博物館。ブリューゲル《バベルの塔》《雪中の狩人》や、建物の正面階段を上がった壁面上部にクリムトの壁画を鑑賞できる。オーストリア応用美術館などデザイン関連の美術館、デュラー《野うさぎ》を所蔵し、ほぼ常時、大規模な特別展を開催しているアルベルティーナ。
ウィーン国立歌劇場
所在地: Opernring 2 ウィーン1区
おすすめポイント:音楽の都ウィーンを象徴するオペラ座。ネオ・ルネッサンス様式で1869年に完成した。
フランツ・ヨーゼフI世がウィーンの近代都市化を推進するため、一般公募で建造した第1号の建物。こけら落としには、皇帝とエリザベート皇妃臨席のもと、モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」を上演。このオペラ座が超一流としての地位を確立したのは、かのグスタフ・マーラーが総監督を務めた時期で、建物の中に置かれたロダン作のマーラー像がその貢献を讃えている。6層馬蹄型で、客席数は立ち見席を含む2284席。
詳細情報:歌劇場の建築について
7~8月には公演はないが、内部は見学できる。
その他の劇場:気軽にオペレッタやミュージカルが楽しめるフォルクスオーパー、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の本拠地でニューイヤーコンサート会場として有名な楽友協会、ウィーン交響楽団の本拠地コンツェルトハウス、古典から現代劇まで多彩な演出で上演するブルク劇場。
所在地: Opernring 2 ウィーン1区
おすすめポイント:音楽の都ウィーンを象徴するオペラ座。ネオ・ルネッサンス様式で1869年に完成した。
フランツ・ヨーゼフI世がウィーンの近代都市化を推進するため、一般公募で建造した第1号の建物。こけら落としには、皇帝とエリザベート皇妃臨席のもと、モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」を上演。このオペラ座が超一流としての地位を確立したのは、かのグスタフ・マーラーが総監督を務めた時期で、建物の中に置かれたロダン作のマーラー像がその貢献を讃えている。6層馬蹄型で、客席数は立ち見席を含む2284席。
詳細情報:歌劇場の建築について
7~8月には公演はないが、内部は見学できる。
その他の劇場:気軽にオペレッタやミュージカルが楽しめるフォルクスオーパー、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の本拠地でニューイヤーコンサート会場として有名な楽友協会、ウィーン交響楽団の本拠地コンツェルトハウス、古典から現代劇まで多彩な演出で上演するブルク劇場。
- おすすめのホテル
所在地: Wiedner Hauptstraße12 ウィーン4区
おすすめポイント:数々のホテルをプロデュースしているテレンス・コンラン卿が手がけた、初期のデザイナーズホテル。
重厚でクラシカルな印象の建物とは対照的に、全72室の客室は、シンプルで機能的なインテリアでまとめられている。旧市街のオペラ座まで歩いて10分程度。すぐ近くにナッシュマルクト市場もあり便利だ。食事もできる中庭は、落ち着ける雰囲気で、料理もおいしい。
その他のお値打ちホテル: コンサートホールだった歴史的なゾフィエンザール内に2014年にオープンした、ルビー・ソフィー・ホテル。
ホテル・ザッハー・ウィーン
所在地: Philharmonikerstraße 4 ウィーン1区
おすすめポイント:1876年創業のウィーンの高級ホテルの代表格。オペラ座隣の6階建ての建物の屋根を外し、1フロア分を2012年に増築し、眺望のよい屋上テラス付きスイートルームを誕生させたばかりだ。
ホテルの86部屋と63のスイートルームの内装は、豪華な空間づくりで有名な、仏インテリアデザイナーのピエール=イヴ・ロションが担当。写真上のスイートルームからは、同ホテルのドームやシュテファン寺院の塔が望める。写真下は、地上階にあるホテル自慢のレストラン、アンナ・ザッハー。煌くシャンデリアは、ロブマイヤーが、トーマス・エジソンと制作した世界初の電気式シャンデリア・シリーズのひとつである。
その他の高級ホテル: オペラ座の並びにある気品あふれる内装のホテル・ブリストル。2014年4月にシェーンブルン宮殿の東棟にオープンした宮殿スイートルーム。
所在地: Philharmonikerstraße 4 ウィーン1区
おすすめポイント:1876年創業のウィーンの高級ホテルの代表格。オペラ座隣の6階建ての建物の屋根を外し、1フロア分を2012年に増築し、眺望のよい屋上テラス付きスイートルームを誕生させたばかりだ。
ホテルの86部屋と63のスイートルームの内装は、豪華な空間づくりで有名な、仏インテリアデザイナーのピエール=イヴ・ロションが担当。写真上のスイートルームからは、同ホテルのドームやシュテファン寺院の塔が望める。写真下は、地上階にあるホテル自慢のレストラン、アンナ・ザッハー。煌くシャンデリアは、ロブマイヤーが、トーマス・エジソンと制作した世界初の電気式シャンデリア・シリーズのひとつである。
その他の高級ホテル: オペラ座の並びにある気品あふれる内装のホテル・ブリストル。2014年4月にシェーンブルン宮殿の東棟にオープンした宮殿スイートルーム。
- おすすめのレストラン&カフェ
所在地:Wollzeile 38 ウィーン1区
営業時間: 毎日11:30~24:00
おすすめポイント:ウィーンで最も評判の高い料理店のひとつ。市内に6店舗の系列店を展開しているが、立地場所と料理内容に合わせ、インテリアに変化をつけている。
写真の《Plachutta Wollzeile》を含む、計4店舗の設計と内装を、地元の建築設計事務所〈アトリエ・ハイス〉が手がけている。1区にあるこの店は、天井、テーブルクロス、カーテンを薄い黄色で統一し、壁、窓枠、椅子のクッションに深緑色を採用。アットホームな空間をつくり出している。同じ1区だが、オペラ座すぐそばにある《Plachutta Gasthaus zur Oper》では、受付台と、ダイニングテーブルのメタル脚に注目してほしい。交差した脚は、オペラ座で華麗に舞うバレリーナから着想を得ているため、金属製ながら、今にも踊り出しそうな、エレガントな「脚つき」をしている。レストランの看板メニューは、フランツ・ヨーゼフI世の好物だったウィーン名物、ターフェルシュピッツ。
Photo/Fotostudio Andorfer
ヴァインツィール
所在地:Am Heumarkt 6 ウィーン3区
営業時間: 月~土17:30~、日12:00~15:00(夏季は不定休)
おすすめポイント:コンツェルトハウス内にある、上品で繊細にアレンジされたウィーン料理店。内装は、ウィーン在住26年、現地で活躍する日本人女性建築家、筒井ナイルツ美矢子氏が手がけている。
1913年に建てられた世紀末様式の建物のため、大幅改修ができないという制約がある中、バーカウンター背面にフレーム付きの鏡をレイアウトしたり、ヴィヴィッドな赤を配したカウンターチェアを置くことで、モダンな空間に仕上げている。フラワーアレンジメントも筒井氏監修のもと、知人の日本人女性が担当。写真はバーエリア。レストランの店内も、以前は薄暗かったが、壁面の照明を現代的なワイヤーアートでカバーするなどして、軽快で居心地のよいダイニングルームに仕上げている。
ヴァインツィール
所在地:Am Heumarkt 6 ウィーン3区
営業時間: 月~土17:30~、日12:00~15:00(夏季は不定休)
おすすめポイント:コンツェルトハウス内にある、上品で繊細にアレンジされたウィーン料理店。内装は、ウィーン在住26年、現地で活躍する日本人女性建築家、筒井ナイルツ美矢子氏が手がけている。
1913年に建てられた世紀末様式の建物のため、大幅改修ができないという制約がある中、バーカウンター背面にフレーム付きの鏡をレイアウトしたり、ヴィヴィッドな赤を配したカウンターチェアを置くことで、モダンな空間に仕上げている。フラワーアレンジメントも筒井氏監修のもと、知人の日本人女性が担当。写真はバーエリア。レストランの店内も、以前は薄暗かったが、壁面の照明を現代的なワイヤーアートでカバーするなどして、軽快で居心地のよいダイニングルームに仕上げている。
プファールヴィルト
所在地: Pfarrplatz 5 ウィーン19区
営業時間: 毎日12:00~24:00
おすすめポイント:12世紀に建てられた山荘を、17世紀にバロック様式に改修しているため、端正なスタッコ(漆喰)仕上げの内装を観ることができる。
1817年の夏にベートーベンが滞在し、『第九』を作曲したといわれる家をホイリゲにしたマイヤーの隣に位置する姉妹店。入口付近のバーの奥が、1872年につくられ、1904年に拡張されたウッドベランダ(90席)、14世紀のゴシックスタイルを色濃く残したカジュアルな部屋(すべて禁煙の30席)、そして17世紀に増築したバロック調で天井画が美しい優雅な部屋(40席)がある。どの部屋からも緑あふれる外の風景が楽しめる。
また、ここから数分のところには、ベートーベンが聴覚を失い絶望感から弟に遺書を書いたといわれるハイリゲンシュタット遺書の家や、『エロイカ』を書いたエロイカハウスなど、ベートーベンゆかりの住居が点在しているので、立ち寄ってみるのもよいだろう。
その他のレストランやバー:レストラン界に新風を吹き込んでいるウィーンの建築事務所〈BEHF〉が手がけたクスマウル、ウィーンの建築家コンビ、アイヒンガー・オーダー・クネヒトルによる波打つような長いワイン棚が圧巻のワイン専門店兼バーのウンガー・ウント・クライン。
所在地: Pfarrplatz 5 ウィーン19区
営業時間: 毎日12:00~24:00
おすすめポイント:12世紀に建てられた山荘を、17世紀にバロック様式に改修しているため、端正なスタッコ(漆喰)仕上げの内装を観ることができる。
1817年の夏にベートーベンが滞在し、『第九』を作曲したといわれる家をホイリゲにしたマイヤーの隣に位置する姉妹店。入口付近のバーの奥が、1872年につくられ、1904年に拡張されたウッドベランダ(90席)、14世紀のゴシックスタイルを色濃く残したカジュアルな部屋(すべて禁煙の30席)、そして17世紀に増築したバロック調で天井画が美しい優雅な部屋(40席)がある。どの部屋からも緑あふれる外の風景が楽しめる。
また、ここから数分のところには、ベートーベンが聴覚を失い絶望感から弟に遺書を書いたといわれるハイリゲンシュタット遺書の家や、『エロイカ』を書いたエロイカハウスなど、ベートーベンゆかりの住居が点在しているので、立ち寄ってみるのもよいだろう。
その他のレストランやバー:レストラン界に新風を吹き込んでいるウィーンの建築事務所〈BEHF〉が手がけたクスマウル、ウィーンの建築家コンビ、アイヒンガー・オーダー・クネヒトルによる波打つような長いワイン棚が圧巻のワイン専門店兼バーのウンガー・ウント・クライン。
カフェ・シュペール
所在地: Gumpendorferstraße 11 ウィーン2区
営業時間: 月~土7:00〜23:00、日11:00~20:00(7・8月は日休)
おすすめポイント:1880年創業の、今でも19世紀末の雰囲気を色濃く残す歴史的カフェ。
店内には、古きよきウィーンのカフェ文化の象徴である大理石のテーブルや、トーネットの曲げ木椅子、帝政時代に作られたクラシックなビリヤード台が置かれている。ヨーゼフ・ホフマンらは、ここで分離派を結成した。ぜひこのカフェと、ロースが設計したシンプルなカフェ・ムゼウムとを比較してほしい。カフェ・ムゼウムは経営難により、地元の大手外食産業に買い取られ、2010年秋に新装オープンしている。しかし、わずかに湾曲する真っ白な天井や、すっきりとした壁からは、装飾に背を向けたロースの意識を感じ取れるだろう。
昔のカフェの様相を堅持するシュペールと、21世紀的な経営効率を追求した新生ムゼウムの両店を体験すれば、ウィーンにおけるカフェ文化・建築の変遷の一面をのぞけるだろう。
その他の伝統的カフェ: 19世紀に建てられたフェルステル宮殿の一部を利用して作られているカフェ・ツェントラル、アンティーク店が軒を連ねる一角にあるカフェ・ブロイナーホーフ。
21世紀を代表するカフェ: 1919年創業の伝統的カフェを、コンラン卿がトレンディに全面改装し、2007年に再オープンしたカフェ・ドレクスラー。仏建築家アン・ラカトンとジャン・フィリップ・ヴァッサルがミニマリズムに徹しつつ、最大のアクセントして天井にトルコのタイルをはりめぐらせたミュージアム・クォーター内ウィーン建築センターにあるカフェ・レストラン コルバチ。
所在地: Gumpendorferstraße 11 ウィーン2区
営業時間: 月~土7:00〜23:00、日11:00~20:00(7・8月は日休)
おすすめポイント:1880年創業の、今でも19世紀末の雰囲気を色濃く残す歴史的カフェ。
店内には、古きよきウィーンのカフェ文化の象徴である大理石のテーブルや、トーネットの曲げ木椅子、帝政時代に作られたクラシックなビリヤード台が置かれている。ヨーゼフ・ホフマンらは、ここで分離派を結成した。ぜひこのカフェと、ロースが設計したシンプルなカフェ・ムゼウムとを比較してほしい。カフェ・ムゼウムは経営難により、地元の大手外食産業に買い取られ、2010年秋に新装オープンしている。しかし、わずかに湾曲する真っ白な天井や、すっきりとした壁からは、装飾に背を向けたロースの意識を感じ取れるだろう。
昔のカフェの様相を堅持するシュペールと、21世紀的な経営効率を追求した新生ムゼウムの両店を体験すれば、ウィーンにおけるカフェ文化・建築の変遷の一面をのぞけるだろう。
その他の伝統的カフェ: 19世紀に建てられたフェルステル宮殿の一部を利用して作られているカフェ・ツェントラル、アンティーク店が軒を連ねる一角にあるカフェ・ブロイナーホーフ。
21世紀を代表するカフェ: 1919年創業の伝統的カフェを、コンラン卿がトレンディに全面改装し、2007年に再オープンしたカフェ・ドレクスラー。仏建築家アン・ラカトンとジャン・フィリップ・ヴァッサルがミニマリズムに徹しつつ、最大のアクセントして天井にトルコのタイルをはりめぐらせたミュージアム・クォーター内ウィーン建築センターにあるカフェ・レストラン コルバチ。
- おすすめのショッピング
所在地: Stephansplatz 5とLobkowitzplatz 1 ウィーン1区
営業時間:月~金 10:00~19:00、土10:00~17:00(日・祝休)
おすすめポイント:美しい色と繊細な模様が特徴の、ウィーンならではの、エナメルアート・ジュエリー店。
シュテファン寺院に面した店舗(写真)と、アルベルティーナ広場横のショップともに、内装は筒井ナイルツ美矢子氏が担当している。把手をすべて排除し、鍵のロック箇所が外からでは判別できない、意匠性と安全性を兼ね備えた、純白のディスプレイ用ショーケースやキャビネット、商品を美しく照らし出すライティング手法などにも注目してほしい。
ナッシュマルクト
所在地: Nachmarkt ウィーン6区
おすすめポイント:18世紀から存在する食品市場。レストランやバーなど約120店がひしめきあい、味覚の探訪だけでなく、新しいインテリア・デザインにも出会える。
全長600mのこの市場の周辺には、ワーグナー作の集合住宅や、若者が集うアジア料理店ONマーケットなどがあるので、ぜひチェックしてほしい。後者の店内は、ビルギット・エッシェンローアによるモダンな内装で、とりわけロベール・ティエリーのデザインした巨大な花の照明がアクセントとなっている。少し南に歩くと、リューディガー・ ホーフ(1902)など、アールヌーヴォー建築が点在している。
所在地: Nachmarkt ウィーン6区
おすすめポイント:18世紀から存在する食品市場。レストランやバーなど約120店がひしめきあい、味覚の探訪だけでなく、新しいインテリア・デザインにも出会える。
全長600mのこの市場の周辺には、ワーグナー作の集合住宅や、若者が集うアジア料理店ONマーケットなどがあるので、ぜひチェックしてほしい。後者の店内は、ビルギット・エッシェンローアによるモダンな内装で、とりわけロベール・ティエリーのデザインした巨大な花の照明がアクセントとなっている。少し南に歩くと、リューディガー・ ホーフ(1902)など、アールヌーヴォー建築が点在している。
ロブマイヤー
所在地:Kärntner Straße 26 ウィーン1区
営業時間: 月~金10:00~19:00、土10:00~18:00(日・祝休)
おすすめポイント:1823年創業、シェーンブルン宮殿やオペラ座などを飾る超一流のクリスタル製品を扱ってきた老舗。
市内で最も古いショールームのひとつ。繊細なカットのワイングラスや豪華なシャンデリアが輝く店内に入ると、ガラスの城に迷い込んだかのようだ。3階は、ミュージアム(無料)になっていて、ビーダーマイヤー期から近代までの製品サンプル、およそ2500点が年代順に展示されている。
詳細情報:その他のウィーン工房の伝統をたどるショッピング
コメント大歓迎!
ウィーンの街を歩いていると、さまざまな建築様式の建物に遭遇し、まるでヨーロッパ建築史を外観できる展示場にでもいるよう気分になります。みなさんも、お気に入りの場所があればぜひ、コメント欄にご投稿ください。
所在地:Kärntner Straße 26 ウィーン1区
営業時間: 月~金10:00~19:00、土10:00~18:00(日・祝休)
おすすめポイント:1823年創業、シェーンブルン宮殿やオペラ座などを飾る超一流のクリスタル製品を扱ってきた老舗。
市内で最も古いショールームのひとつ。繊細なカットのワイングラスや豪華なシャンデリアが輝く店内に入ると、ガラスの城に迷い込んだかのようだ。3階は、ミュージアム(無料)になっていて、ビーダーマイヤー期から近代までの製品サンプル、およそ2500点が年代順に展示されている。
詳細情報:その他のウィーン工房の伝統をたどるショッピング
コメント大歓迎!
ウィーンの街を歩いていると、さまざまな建築様式の建物に遭遇し、まるでヨーロッパ建築史を外観できる展示場にでもいるよう気分になります。みなさんも、お気に入りの場所があればぜひ、コメント欄にご投稿ください。
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素敵な記事ですね!母が夏にウィーンに旅行するようですので、おすすめしてみます!余談ですが、クリムトの作品をめぐる実話を描いた「黄金のアデーレ 名画の帰還」という映画が2015年に上映されていましたが、ウィーンに行かれる方はぜひみてみてください〜。