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Houzzツアー:空間を巧みに区切って暮らしも仕事も満喫する1LDKを実現
築36年のマンションを1LDKにリノベーション。「セックス・アンド・ザ・シティ」のキャリーみたいな部屋には、壁や扉の色、タイル使いや棚の使い方など、こだわりがいっぱい。
栗原晶子|Akiko Kurihara
2016年5月11日
フリーの編集&ライターとしてインテリア誌やハウジング誌を中心に取材・執筆活動する傍ら、NPO法人ハウスキーピング協会認定の整理収納アドバイザーとして、コラムの連載やセミナーの企画に携わる。暮らしがラクに楽しくなる、整理収納アイデアを研究・発信中です。
また、エンタメ好きとして演劇や映画に関するライティングも手がけています。
フリーの編集&ライターとしてインテリア誌やハウジング誌を中心に取材・執筆活動する傍ら、NPO法人ハウスキーピング協会認定の整理収納アドバイザーとして、コラムの連載やセミナーの企画に携わる。暮らしがラクに楽しくなる、整理収納アイデアを研究・発信中です。... もっと見る
「条件に合う賃貸の部屋を苦労して探し続けるくらいなら、自分好みの家を持ちたい」--そう考えたときに、中古のマンションをリノベーションするという選択にいきついたMさん。
今回、リノベーションを依頼した〈リノベる。〉主催のセミナーに参加し、2015年5月から物件探しを始め、希望していた居住エリアで築36年のマンションに出会った。
決め手は、窓の多さ。夏もエアコンは使わない派のMさんにとって、風通しのいい住まいづくりが理想であり、譲れない点だった。
47.52平方メートル、2LDKの間取りから、1LDKにデザイン。そこには、暮らしも仕事も自分らしく過ごすためのアイデアとこだわりが詰まっている。
どんなHouzz?
居住者:40代女性
所在地:東京都目黒区
規模:延床面積47.52平方メートル
設計・施工:リノベる。
設計・施工期間:4か月
今回、リノベーションを依頼した〈リノベる。〉主催のセミナーに参加し、2015年5月から物件探しを始め、希望していた居住エリアで築36年のマンションに出会った。
決め手は、窓の多さ。夏もエアコンは使わない派のMさんにとって、風通しのいい住まいづくりが理想であり、譲れない点だった。
47.52平方メートル、2LDKの間取りから、1LDKにデザイン。そこには、暮らしも仕事も自分らしく過ごすためのアイデアとこだわりが詰まっている。
どんなHouzz?
居住者:40代女性
所在地:東京都目黒区
規模:延床面積47.52平方メートル
設計・施工:リノベる。
設計・施工期間:4か月
ワンルームにする場合、ベッドの位置をどこにするかというのが最初の悩みどころ。以前からhouzzユーザーでもあったMさんは、ベッドルームを中心にたびたびリサーチもしていたのだとか。そしてイメージとして参考にしたのは、人気海外ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」のキャリーの部屋。ベッドを壁際に配置するのではなく、フロアの中ほどに置くことが決まると、その他の配置や壁の色のイメージが決まっていった。
元は和室だったところに作られたバスルーム。もともと1間(約180センチ)の窓があったため明るく清潔感がある。「和室部分をバスルームにするというデザイナーさんからの提案にはいちばん驚かされました。窓が大きいというだけでとても贅沢な気分、気に入っています」とMさん。
手前の洗面室もシンプルな造り。モザイクタイルはやさしい暖色をセレクトした。
手前の洗面室もシンプルな造り。モザイクタイルはやさしい暖色をセレクトした。
バスルームの扉の色はやや濃いめのブルーグレーにし、グレーの壁とグラデーションに。ガラスは懐かしい雰囲気を漂わせる〈リストラル〉をはめ込んだ。
リビングに目を向けてみよう。L字に大きく窓があることで、明るく風通しが良い。南西に面した窓側にはバルコニーも設置されている。
ワンルームにしたことでリビング中央には梁がむき出しになっているが、圧迫感を感じないのは、窓の効果が大きい。梁や天井、壁など、コンクリート部分はオフホワイトで塗装したことや、カーテンボックスを造作し、レールが見えないようにするなど、部屋を明るくスッキリさせるアイディアが活かされている。
ワンルームにしたことでリビング中央には梁がむき出しになっているが、圧迫感を感じないのは、窓の効果が大きい。梁や天井、壁など、コンクリート部分はオフホワイトで塗装したことや、カーテンボックスを造作し、レールが見えないようにするなど、部屋を明るくスッキリさせるアイディアが活かされている。
リビングのソファ側からみたキッチンの右手に、ボックスを置くようにして仕切った書斎がある。少しくすんだようなイエローがブルーを基調にしたキッチンと相性が良く、アクセントカラーにもなっている。
家具は増やしたくなかったため、キッチンは収納力のあるⅡ列式のシステムキッチンを採用し、シンクのあるカウンターは、ナラ材の木パネルを貼って造作。立ち上がりを15センチほど取り、シンクや天板部分など手元が隠れるようにしている。
家具は増やしたくなかったため、キッチンは収納力のあるⅡ列式のシステムキッチンを採用し、シンクのあるカウンターは、ナラ材の木パネルを貼って造作。立ち上がりを15センチほど取り、シンクや天板部分など手元が隠れるようにしている。
ダイニングテーブルと椅子は以前から使っていたものを持ち込んだ。カウンターの木パネルには薄い白の塗装をすることで、ユーズド感を出している。カウンターにニッチ収納を作る案も出たが、テーブルの配置を想定してため、あえて作らないことを選択した。
コンロ側の壁もMさん厳選のタイルを使用。ブルーグレーを基調に、窓の位置にホワイトを貼った。サイドには、棚柱で高さが調整できる可動棚を埋め込み、家電や食器を収納。「隠す収納より、使いやすさを重視します。でもリビングから見ると程よく隠れる設計になっているのもプロの技だなぁと思いました」とMさん。
フロアデザインの段階でもう1つMさんがこだわったのが、書斎を作ること。自宅で仕事をすることも多いため、集中できるクローズドなスペースを確保することが必要だった。約1.4帖の書斎は、両脇に飾り棚を設け、カウンターテーブルを造作。書類や書籍など仕事の資料を収納したり、一時置きする場所にしている。壁はMさんのお気入りのブルーを選んだ。
「一人暮らしだから誰に邪魔されるわけでもありませんが、書斎があることで場所も時間も区切りやすくなりました。仕事とプライベート、どちらの時間も大切にできるのがいいですね」
「一人暮らしだから誰に邪魔されるわけでもありませんが、書斎があることで場所も時間も区切りやすくなりました。仕事とプライベート、どちらの時間も大切にできるのがいいですね」
そのほかにも注目したい区切りのテクニックがある。ベッドの上方にあるL字の飾り棚に注目しよう。
スクリーンウォールを設置するにあたり作ることになった飾り棚。
木の棚板をプラスすることで、メリハリが出た。洋書やグリーンを収納&ディスプレイしている。
木の棚板をプラスすることで、メリハリが出た。洋書やグリーンを収納&ディスプレイしている。
この棚は、上吊り式のスクリーンウォールのレールの役割を担っている。
L字の2方向から3枚ずつスクリーンウォールを引き出すと、リビングとベッドを仕切ることができる。来客があるときなど、ベッドまわりを見せたくないときは、目隠しにもなる。
また冬場は仕切りを入れることで暖房効率をあげる効果も。床面にはレールや段差がなく、床に埋め込んだマグネットガイドピンが扉を固定する仕組みなので、開け放していてもまったく気にならない。
手づくりのタッセルは雑貨店で見つけたカウベルと紐でMさんが手作りしたもの。太陽の光で目覚め、カーテンを開けるとき、なんともやさしく心地よい音がリビングに響く。
窓から入るさわやかな風を感じながら、ヨガでゆっくり体を起こす。そんな時間も手に入れることができたというMさん。
築年数のある物件をリノベーションするときに大切なのは、自分らしくいられるためのこだわりをしっかり見つめ、ていねいに伝えること。そこに設計者の技術とアイディアが加わることで、叶えたかった暮らしが生まれる。
築年数のある物件をリノベーションするときに大切なのは、自分らしくいられるためのこだわりをしっかり見つめ、ていねいに伝えること。そこに設計者の技術とアイディアが加わることで、叶えたかった暮らしが生まれる。
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