春が適期! 芝生のすすめ
庭を構成する重要な要素であるグランドカバー。最も身近なグランドカバーは芝生ではないでしょうか。芝生の基本から目からウロコの仕上げ方まで。
舩村佳織
2022年4月10日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
お庭に花壇を作ったり、アプローチを作ったりと、いろいろ計画するのは楽しいですね。でもお庭の大部分を占めるのは、花壇やアプローチ“以外”の場所。そのままにしては泥ハネするし、だからと言って舗装するのは息苦しいかも? そんなときに活躍するのがグランドカバーの植物です。グランドカバーの中で最も使われている植物は芝ではないでしょうか。芝張りの適期は春。根が活発に成長する時期なので、すぐに根を伸ばしてくれます。広々としたスペースに芝張りをするだけでなく、工夫次第でさまざまな楽しみ方ができます。
芝生とは?
イネ科の植物を刈り込みなどの管理を行い、広範囲に植えてあるものを芝生と言い、芝生に利用する植物のことを、芝もしくは芝草と言います。
芝草として利用できる植物は、刈り込みや踏圧に耐え、密集して生える特徴を持っています。
イネ科の植物を刈り込みなどの管理を行い、広範囲に植えてあるものを芝生と言い、芝生に利用する植物のことを、芝もしくは芝草と言います。
芝草として利用できる植物は、刈り込みや踏圧に耐え、密集して生える特徴を持っています。
芝草の種類
芝草は大きく暖地型と寒地型に分類されます。その名の通り、暖地型はもともと暖かい所に自生している芝草で、寒地型は寒い所に自生している芝草のことを指します。
暖地型でよく使われるものは、高麗芝と野芝です。高麗芝は最も一般的に庭に使われており、野芝は公園のような大面積の被覆に使われています。この2種類はもともと日本に自生しているもので、冬になると休眠し茶色になってしまいます。
寒地型ではケンタッキーブルーグラスがよく流通しています。寒地型のものは一年中緑を保つ常緑性で、葉も柔らかく美しいのですが、夏の高温多湿に弱いため、関東以南では管理は難しいとされています。北海道や東北などの冷涼な地域では生育可能です。
芝草は大きく暖地型と寒地型に分類されます。その名の通り、暖地型はもともと暖かい所に自生している芝草で、寒地型は寒い所に自生している芝草のことを指します。
暖地型でよく使われるものは、高麗芝と野芝です。高麗芝は最も一般的に庭に使われており、野芝は公園のような大面積の被覆に使われています。この2種類はもともと日本に自生しているもので、冬になると休眠し茶色になってしまいます。
寒地型ではケンタッキーブルーグラスがよく流通しています。寒地型のものは一年中緑を保つ常緑性で、葉も柔らかく美しいのですが、夏の高温多湿に弱いため、関東以南では管理は難しいとされています。北海道や東北などの冷涼な地域では生育可能です。
芝生の種類はいくつかありますが、育てやすいものはやはり日本
にもともと自生していた暖地型のものでしょう。高麗芝には姫高麗と言われる、葉が小ぶりなものもあり、手触りや雰囲気が変わります。野芝は高麗芝よりも素朴な仕上がりになります。
この3種類からイメージに合ったものを選ぶのが管理がしやすいでしょう。
芝生の管理は「刈り込み」「施肥」「潅水」 がメインとなります。暖地型の芝は冬の間は成長を止めるので、その間は基本的に刈り込み・潅水の必要はありません。施肥は生育期間と栄養を蓄える期間である、春と秋に行えば良いでしょう。
年間の管理を見ると、生育が活発な夏が一番大変な季節になりますが、その代わり休眠している冬は管理は楽です。
芝生の基本がわかったところで、芝生のお庭への取り入れ方を紹介していきます。
にもともと自生していた暖地型のものでしょう。高麗芝には姫高麗と言われる、葉が小ぶりなものもあり、手触りや雰囲気が変わります。野芝は高麗芝よりも素朴な仕上がりになります。
この3種類からイメージに合ったものを選ぶのが管理がしやすいでしょう。
芝生の管理は「刈り込み」「施肥」「潅水」 がメインとなります。暖地型の芝は冬の間は成長を止めるので、その間は基本的に刈り込み・潅水の必要はありません。施肥は生育期間と栄養を蓄える期間である、春と秋に行えば良いでしょう。
年間の管理を見ると、生育が活発な夏が一番大変な季節になりますが、その代わり休眠している冬は管理は楽です。
芝生の基本がわかったところで、芝生のお庭への取り入れ方を紹介していきます。
広々とした自由なスペースに
芝生といって思い描く光景は、広々とした庭ではないでしょうか。青々とした芝生の上で、誰の目を気にせず寝転んだり、子供と遊んだりという光景に憧れる方も多いのでは? プライベートな空間でそんな夢を叶えてみましょう。ただ芝生を一面に植えるのではなく、樹木やその他の植物と組み合わせれば、木陰や季節感も楽しめます。
広い面積に芝張りをする際は、地面にでこぼこができないように、整地をしっかりと行いましょう。でこぼこがあると水が溜まってしまう箇所ができてしまい、部分的に枯れてしまうことがあります。
芝生といって思い描く光景は、広々とした庭ではないでしょうか。青々とした芝生の上で、誰の目を気にせず寝転んだり、子供と遊んだりという光景に憧れる方も多いのでは? プライベートな空間でそんな夢を叶えてみましょう。ただ芝生を一面に植えるのではなく、樹木やその他の植物と組み合わせれば、木陰や季節感も楽しめます。
広い面積に芝張りをする際は、地面にでこぼこができないように、整地をしっかりと行いましょう。でこぼこがあると水が溜まってしまう箇所ができてしまい、部分的に枯れてしまうことがあります。
芝草はどんどん広がる習性を持っています。そのため、植栽スペースにも根を伸ばしてしまうことがあります。それを防ぐために、植栽スペースよりも芝生をほんの少し高くし、段差をつけるとよいでしょう。そうすることにより、伸びた芝の根が乾燥し、拡がりにくくなります。しかし、やはり少しずつ伸びていってしまうので、芝生の刈り込みをする際に、植栽スペースのふちにシャベルを差し込むようにして土に切れ込みを入れていくと、植栽スペースと芝生をきっちりと分けることができます。
そういった根切りの作業をしたくない場合は、芝張りの段階で仕切り材できっちりと芝生面を囲んでしまうのがよいです。仕切り材にはたくさんの材料があります。樹脂製のものやプラスチック製のものはホームセンターなどで簡単に見つける事ができます。庭に馴染む木材を使うこともありますが、土に直接触れる場所のため、耐久性が心配です。木材の場合は2〜3年に一度のメンテナンスをおすすめします。輸入のハードウッドであれば腐食に強いので、高価ではありますが交換の回数を減らすことができます。
石と組み合わせて
頻繁に人が行き来する動線のある芝生は、踏まれることが多いためその部分だけ薄くなってしまいます。そんな場所には石と組み合わせてみてはいかがでしょうか。石と石の間を広めにして、その部分に芝を植えます。そのまま大面積の芝生へ、舗装へとつなげる中間地点としてデザイン上の役割を持たせることもできます。
芝生はコンクリート平板のようなシンプルなデザインとも、素朴な自然石とも相性が良いです。
芝生の刈り込みがしにくくなってしまいますので、小回りの効くハサミなどで対応するとよいでしょう。
頻繁に人が行き来する動線のある芝生は、踏まれることが多いためその部分だけ薄くなってしまいます。そんな場所には石と組み合わせてみてはいかがでしょうか。石と石の間を広めにして、その部分に芝を植えます。そのまま大面積の芝生へ、舗装へとつなげる中間地点としてデザイン上の役割を持たせることもできます。
芝生はコンクリート平板のようなシンプルなデザインとも、素朴な自然石とも相性が良いです。
芝生の刈り込みがしにくくなってしまいますので、小回りの効くハサミなどで対応するとよいでしょう。
車が通る場所にもグリーンを
コンクリートだけの駐車場は殺風景で少し寂しいと感じる方には、タイヤが乗らない場所を芝生にしてしまうのがおすすめです。ただし、芝生には日照が必要なので、車を使う機会が多い方に向いています。
舗装面積を減らすことは夏の気温を下げることにもつながり、ヒートアイランド現象への対策の一つにもなります。庭から離れた場所の場合は水やりを忘れないようにご注意を。
コンクリートだけの駐車場は殺風景で少し寂しいと感じる方には、タイヤが乗らない場所を芝生にしてしまうのがおすすめです。ただし、芝生には日照が必要なので、車を使う機会が多い方に向いています。
舗装面積を減らすことは夏の気温を下げることにもつながり、ヒートアイランド現象への対策の一つにもなります。庭から離れた場所の場合は水やりを忘れないようにご注意を。
階段の踏面に
庭の中や外構の中に、敷地の都合上段差ができてしまうことがありますが、そんなスペースにも芝生を活用することが可能です。芝生を使ったステップなら、庭の連続性を途切れさせないので、空間を広く感じることができます。
庭の中や外構の中に、敷地の都合上段差ができてしまうことがありますが、そんなスペースにも芝生を活用することが可能です。芝生を使ったステップなら、庭の連続性を途切れさせないので、空間を広く感じることができます。
雑木風の庭に
低木や高木が入り混じった、林のような植栽の地被として芝生を利用することもできます。自然とそこに生えている、という風情を持つ野芝がおすすめです。
芝生は日当たりが悪いと枯れてしまうことがあるため、この場合は一面青々とした芝生は望めません。芝生が生育出来る箇所でのみ、拡がっていくことになります。あまり神経質にならず、自然に任せるような気持ちで見守っていくのが良いでしょう。
低木や高木が入り混じった、林のような植栽の地被として芝生を利用することもできます。自然とそこに生えている、という風情を持つ野芝がおすすめです。
芝生は日当たりが悪いと枯れてしまうことがあるため、この場合は一面青々とした芝生は望めません。芝生が生育出来る箇所でのみ、拡がっていくことになります。あまり神経質にならず、自然に任せるような気持ちで見守っていくのが良いでしょう。
和の庭に
芝生というと洋風のイメージですが、和風の庭に使うこともできます。近代日本庭園の先駆けと言われる明治時代の作庭家・小川治兵衛も、芝を取り入れた日本庭園を作庭しています。
和の庭というと、コケや砂利をイメージする方も多いと思いますが、芝を用いることによって牧歌的な暖かい風景を作ることができます。灯籠や石組みとも違和感無く馴染みます。芝生を取り入れた気軽な和風の庭はいかがでしょうか?
芝生というと洋風のイメージですが、和風の庭に使うこともできます。近代日本庭園の先駆けと言われる明治時代の作庭家・小川治兵衛も、芝を取り入れた日本庭園を作庭しています。
和の庭というと、コケや砂利をイメージする方も多いと思いますが、芝を用いることによって牧歌的な暖かい風景を作ることができます。灯籠や石組みとも違和感無く馴染みます。芝生を取り入れた気軽な和風の庭はいかがでしょうか?
ユニークな形でデザインを楽しむ
庭の形状に芝を貼るだけではなく、デザインにこだわって緑のアートを作ることもできます。きっちりと仕切りを作ったら、あとはそこに合わせて芝をハサミでカットしながら貼っていくだけです。直線も曲線もどちらも自在に作れます。
自然な風景ではなく作り込まれたお庭がお好みの方には最適の仕上げ方です。樹木でトピアリーを作るには数年かかることもザラですが、芝生の場合は施工の段階で形が出来上がるので、すぐにデザインを楽しむことができます。思い描いたデザインの完成度を徐々に高めていくのも楽しみのうち。思う存分手をかけてみてください。
庭の形状に芝を貼るだけではなく、デザインにこだわって緑のアートを作ることもできます。きっちりと仕切りを作ったら、あとはそこに合わせて芝をハサミでカットしながら貼っていくだけです。直線も曲線もどちらも自在に作れます。
自然な風景ではなく作り込まれたお庭がお好みの方には最適の仕上げ方です。樹木でトピアリーを作るには数年かかることもザラですが、芝生の場合は施工の段階で形が出来上がるので、すぐにデザインを楽しむことができます。思い描いたデザインの完成度を徐々に高めていくのも楽しみのうち。思う存分手をかけてみてください。
芝刈りで楽しむ
綺麗な芝生の維持には欠かせない芝刈り。夏は思ったよりも早く伸びる芝生にげんなりした経験のある方もいるのでは? 時には面倒に感じる芝刈りで、遊んでみるのも芝生を楽しむアイディアの一つです。刈るところと刈らないところを決めて模様を浮かび上がらせてみましょう。芝刈り機には芝草の仕上がり長さを調整できるものもあるので、そういった機能を使ってみても良いですね。
縞々模様や渦巻きなど……芝はすぐに伸びるので、失敗を恐れずにどんどん挑戦してみましょう。
芝生は植物なので、コンクリートやタイルと違って手がかかる素材です。しかし、その部分に芝生の醍醐味があると言えます。手をかければかけるほど、美しく育ってくれるのが芝生。これから庭づくりを考えている方、リフォームを考えている方、芝生をお庭の計画に入れてみてはいかがでしょうか?
綺麗な芝生の維持には欠かせない芝刈り。夏は思ったよりも早く伸びる芝生にげんなりした経験のある方もいるのでは? 時には面倒に感じる芝刈りで、遊んでみるのも芝生を楽しむアイディアの一つです。刈るところと刈らないところを決めて模様を浮かび上がらせてみましょう。芝刈り機には芝草の仕上がり長さを調整できるものもあるので、そういった機能を使ってみても良いですね。
縞々模様や渦巻きなど……芝はすぐに伸びるので、失敗を恐れずにどんどん挑戦してみましょう。
芝生は植物なので、コンクリートやタイルと違って手がかかる素材です。しかし、その部分に芝生の醍醐味があると言えます。手をかければかけるほど、美しく育ってくれるのが芝生。これから庭づくりを考えている方、リフォームを考えている方、芝生をお庭の計画に入れてみてはいかがでしょうか?
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