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ディテールにこだわる家づくり:フローリングの模様編
ヘリンボーンや市松模様などの寄木張り、古材を使ったヴィンテージ風、シンプルなフローリングのバリエーションなど、木の床の模様に注目してみました。
Motoko Sasaki
2016年6月25日
Houzzコントリビューター。フリーランスの編集&ライター。10才頃からインテリア雑誌の定期購読をはじめる。1999〜2007年、出版社にて雑貨&インテリア誌編集部に在籍。旅好きが嵩じ、2008年に旅するライターユニット「auk」を立ち上げ、毎年オランダとベルギーに滞在。2015年現在までに3冊のガイドブックを出版。菓子研究家いがらしろみ主宰、romi-uni booksの編集も担当。
Houzz contributor, Editor and Writer of Books and Magazine in JAPAN.Specialty is Interior,Lifestyle,Cooking,Handmade,Travel,Fasion.....and more.and,I'm staying in Netherlands and Belgium every year.I published the Netherlands and Belgium guide book.
【Book】2015/『Holland Short Trip オランダ・ショート・トリップ』(スペースシャワーブックス) 2011 /『Belgium Bruxelles Promnade Classique ベルギー・ブリュッセル クラシックな街歩き』(産業編集センター) 2009 /『Holland Travel Book オランダ・トラベル・ブック』(現マイナビ、元東京地図出版)
Houzzコントリビューター。フリーランスの編集&ライター。10才頃からインテリア雑誌の定期購読をはじめる。1999〜2007年、出版社にて雑貨&インテリア誌編集部に在籍。旅好きが嵩じ、2008年に旅するライターユニット「auk」を立ち上げ、毎年オランダとベルギーに滞在。2015年現在までに3冊のガイドブックを出版。菓子研究家いがらしろみ主宰、romi-uni... もっと見る
イギリス旅行中のホテルで出会って以来、ヘリンボーン張りの床に憧れています。それまで床を、板張りの模様に注目して見たことはありませんでしたが、今はフローリング材とその模様がとっても気になる存在になりました。特に寄木張りの床が大好きで、旧岩崎邸など昔の洋館に採用されている美しい寄木張りのフローリングは、うっとりと魅入ってしまうほどすばらしいです。
無垢の木ののフローリングといっても、バリエーションは無限にあります。木材の種類、板の幅と長さ、組み合わせ方、仕上げのオイルの色、などなど。カーペットやラグのように簡単に張り替えができないからこそ、気に入ったものを見つけたいですよね。理想の家づくりには、床はとても大切な要素です。
無垢の木ののフローリングといっても、バリエーションは無限にあります。木材の種類、板の幅と長さ、組み合わせ方、仕上げのオイルの色、などなど。カーペットやラグのように簡単に張り替えができないからこそ、気に入ったものを見つけたいですよね。理想の家づくりには、床はとても大切な要素です。
存在感のある、人気のヘリンボーン張り
私が憧れてやまないヘリンボーン張りの床。細長い板を山形に連続させた模様が魚の骨に見えるので、“herring bone”(ニシンの骨)と呼ばれているのはおなじみですね。これだけで存在感があるので、置く家具やインテリアはシンプルにするのがいちばんだと思います。かごや植物をぽつんと置くだけでも、床の美しさでじゅうぶんに絵になる風景です。
私が憧れてやまないヘリンボーン張りの床。細長い板を山形に連続させた模様が魚の骨に見えるので、“herring bone”(ニシンの骨)と呼ばれているのはおなじみですね。これだけで存在感があるので、置く家具やインテリアはシンプルにするのがいちばんだと思います。かごや植物をぽつんと置くだけでも、床の美しさでじゅうぶんに絵になる風景です。
バスルームの床にヘリンボーン張りを採用したおしゃれな空間。リビングなど広範囲に敷くのもいいですが、バスルームやトイレなど、小さなスペースを贅沢にヘリンボーンなどの模様張りにするととても素敵だと思います。
古い洋館などで見かける、美しい寄木張りの床
ヘリンボーンもその一種ですが、小さな木片で模様をつくった床の総称を「寄木張りの床」または「パーケットフローリング」といいます。明治・大正の時代に建てられた日本の洋館を思わせる、モザイクのような凝ったつくりの寄木張りの床は、いつまでも眺めていたくなるような美しさです。日本の技術はすばらしいですね。
ヘリンボーンもその一種ですが、小さな木片で模様をつくった床の総称を「寄木張りの床」または「パーケットフローリング」といいます。明治・大正の時代に建てられた日本の洋館を思わせる、モザイクのような凝ったつくりの寄木張りの床は、いつまでも眺めていたくなるような美しさです。日本の技術はすばらしいですね。
こちらは縦横に木を並べた市松張りの床。光を反射すると、木の表情が浮かび上がります。和の空間にも、洋の空間にも似合う模様です。
市松のバリエーションでしょうか、渦を巻くように木を組み合わせているのがおもしろい。木の微妙な色の違いや木目によって柄が浮き出て見えます。カーペットを選ぶように、この部屋にはこの柄、この部屋にはこっちの柄とフローリングを変えた贅沢な家をつくってみたいですね。
こちらは、さまざまな樹種をモザイクのように組み合わせた、遊び心いっぱいの市松模様。まるでチェス盤やゲームボードのようです。天然の無垢材の色の豊富さ、自然な風合いの美しさを味わえる逸品です。
異素材の組み合わせを楽しむ
色と質感のコントラストでいえば、木と大理石など、異なる素材を組み合わせるのも素敵。それぞれの色や素材感がより際立ち、存在感のある床になります。
色と質感のコントラストでいえば、木と大理石など、異なる素材を組み合わせるのも素敵。それぞれの色や素材感がより際立ち、存在感のある床になります。
古材の醸し出す温かみとヴィンテージ感
こちらは、運搬用の木製パレットを解体した木材をフローリング材として使用しています。無垢の質感、風合いを残す色合いが、やさしい雰囲気を醸し出しています。
こちらは、運搬用の木製パレットを解体した木材をフローリング材として使用しています。無垢の質感、風合いを残す色合いが、やさしい雰囲気を醸し出しています。
こちらは建築現場などで使われていた「足場材」を使った床。ここ数年、ヴィンテージスタイル好きの間では足場材を使ったインテリアも人気を集めています。傷やペンキ跡など、新品の木材にはないラフな風合いが味わい深いです。
動きと広さを強調する、斜め張り
もともと変形の部屋ではありますが、板の目を斜めに配置したフローリングがユニーク。平行に張るよりも動きが出るうえ、視線が奥にのびていくので、部屋が広く見えますね。壁も天井も木を使い、まるで木に包まれているような空間です。
もともと変形の部屋ではありますが、板の目を斜めに配置したフローリングがユニーク。平行に張るよりも動きが出るうえ、視線が奥にのびていくので、部屋が広く見えますね。壁も天井も木を使い、まるで木に包まれているような空間です。
木の色、板の幅と長さ、ずらし方で表情も自在に
同じ木の板を並べたフローリングでも、色や幅、継ぎ目のずらし方で雰囲気ががらりと変わります。こちらは、同系の木の色の幅広タイプを、一定の間隔にずらして張った例。リビングがゆったりと安定した印象に見えます。
同じ木の板を並べたフローリングでも、色や幅、継ぎ目のずらし方で雰囲気ががらりと変わります。こちらは、同系の木の色の幅広タイプを、一定の間隔にずらして張った例。リビングがゆったりと安定した印象に見えます。
ヴィンテージ感のある風合いの幅広の床板を、こちらも規則的なずらし方で張っています。使いこまれたような色と質感にリラックスした雰囲気があり、床に寝転がってごろごろしたくなりそうな気持ちのよい空間。
こちらは、色の濃淡のある細めの床材を、ランダムにずらして張ることでニュアンスを出したフローリング。規則的ではないずらし方で張ることを「乱尺張り」といいます。モダンな表情があるので、デザイナーズチェアやモダンな家具との相性もよさそうです。
節のある無垢材が、あたたかみを感じさせるリビング。板の継ぎ目がほとんどないため、長い幅広の板を張り合わせているようです。そのせいか、とても奥行きを感じる空間になっています。
こちらは板の継ぎ目をずらさずに揃えた張り方で「すだれ張り」といいます。濃淡がミックスされた板を並べて張っているので、床に柄が描かれたように見えておもしろいですね。造り付けの家具に濃い茶色の木を使うことによって、空間を引き締めています。
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