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My Houzz:開放的な窓とデッキと庭。自然素材にこだわった、家族みんながのびのび楽しく暮らせる家
広々としたLDKと庭をつなぐのは、特注の大きな窓ガラス。開ければ外光と空気がたっぷりと入り、子供が遊ぶ姿を眺められます。フォーカルポイントの螺旋階段や自然素材づかいなど、見どころたっぷりの住まい。

chihiro suzuki
2016年12月5日
小学3年生と2歳の男の子を育てる山崎由基さん、由紀子さん夫妻が新居を建てるために選んだ土地は、海が近く、裏には畑もあり、毎日自然を感じられるのどかな場所。子供たちが外で元気に走り回っている姿をいつも見ていたいと、LDKの窓ガラスは贅沢に、特注で特大のサイズをオーダーした。窓の外には縁側として使えるようにと、ウッドデッキを設置。LDKとウッドデッキ、そして庭がひとつながりになっているので、子供たちは内と外の境界を気にすることなく、裸足で行ったり来たりしているそう。庭には芝生が植えられているので、万が一デッキから転倒したとしても安心だ。
こちらが、この家のためにつくられた窓。サッシが木製なので、インテリアの雰囲気を損なうことなく、外の風景をフレームのように切り取れるのも特徴だ。気になる窓のサイズは、2m×2mの正方形。これが3枚、横につながる。
どんなHouzz?
住まい手:山崎由基さん、由紀子さん夫妻、小学3年生と2歳の男の子
所在地:神奈川県中郡大磯町
面積:89.7平方メートル(約27.1坪)
構造:木造2階建て
竣工時期:2010年3月
設計:アトリエハコ建築設計事務所
どんなHouzz?
住まい手:山崎由基さん、由紀子さん夫妻、小学3年生と2歳の男の子
所在地:神奈川県中郡大磯町
面積:89.7平方メートル(約27.1坪)
構造:木造2階建て
竣工時期:2010年3月
設計:アトリエハコ建築設計事務所
窓を2枚開けば、4mの大開口に。南側に窓を設けたので、日中は温かな日差しが差し込む。デッキでは、七輪を置いて外ごはんを楽しむこともあるそう。家にいながらにして手軽にピクニック気分を味わえるとは最高だ。
LDKの広さは33平方メートルほど。〈TRUCK〉のソファが、ナラの無垢材をヘリンボーン張りにした床にお似合いだ。
キッチンは予算の関係からシステムキッチンを選び、それを隠すためにも、セミオープンタイプに。ただし、システムキッチンの吊戸棚をそのまま取付けると開口が狭くなってしまうので、吊戸棚はなしにして、開口を大きくとった。大きま開口部からは料理中でもお母さんの顔が見えるので、子供たちも安心して遊べる。また、散らかった手元が見えないなど、セミオープンならではの “特典” も、最近になってよく感じられるのだとか。
キッチンは予算の関係からシステムキッチンを選び、それを隠すためにも、セミオープンタイプに。ただし、システムキッチンの吊戸棚をそのまま取付けると開口が狭くなってしまうので、吊戸棚はなしにして、開口を大きくとった。大きま開口部からは料理中でもお母さんの顔が見えるので、子供たちも安心して遊べる。また、散らかった手元が見えないなど、セミオープンならではの “特典” も、最近になってよく感じられるのだとか。
ダイニングテーブルは地元の家具屋さんに特注し、それに合わせた椅子は〈ハーマンミラー〉で。空色の《イームズ サイドシェルチェア》が、白と木で構成されたナチュラルなダイニングに、さわやかな彩りを加えている。
ペンダントライトやオーディオ、ペンギンの人形で、ところどころに黒を投入しているのもポイント。たくさん使うと暗い印象になってしまうが、インテリアの引き締め役に黒のスパイスを少々追加するのは、ぜひ真似したいテクニックだ。
ペンダントライトやオーディオ、ペンギンの人形で、ところどころに黒を投入しているのもポイント。たくさん使うと暗い印象になってしまうが、インテリアの引き締め役に黒のスパイスを少々追加するのは、ぜひ真似したいテクニックだ。
ダイニング横の窓も正方形にして、リビングの窓の形とリンクするように工夫してある。カーテンではなく、〈ニチベイ〉の木製ブラインドを吊るすことで、よりすっきりとした印象に仕上げた。
また、リズミカルなヘリンボーンの床が、部屋の雰囲気のよさをぐんとアップさせているのも、この写真を見るとよくわかる。一般的なフローリングよりはコストがかかるが、上級インテリアを目指すなら、この張り方も検討してみるのもアリだ。
また、リズミカルなヘリンボーンの床が、部屋の雰囲気のよさをぐんとアップさせているのも、この写真を見るとよくわかる。一般的なフローリングよりはコストがかかるが、上級インテリアを目指すなら、この張り方も検討してみるのもアリだ。
2階につながる螺旋階段も、山崎さんの家のフォーカルポイントの1つ。ここには設計を担当した〈アトリエハコ建築設計事務所〉の七島幸之さんの思いがある。「内外が連続する自由な空間だからこそ、その拠り所となる、焦点となるべき垂直要素が必要だと考え、この螺旋階段を設置しました。単なる移動手段としての階段ではなく、1階のオープンな空間に浮かぶ、オブジェ的な存在になっていると思います」。
玄関から、螺旋階段越しにLDKを見たところ。階段の支柱は基礎で固定しているが、一段目や側板は床についていないので、宙に浮いているような浮遊感のあるデザインで、すっきりとした印象に仕上がっている。また、階段の踏み面までアイアンにするのではなく、床と同じナラの無垢材を使用しているのもポイント。階段全体が黒いアイアンでは重たくなりすぎてしまうが、この程度の分量なら空間の引き締め役になり、見た目のバランスもちょうどいい。
螺旋階段を上った先は、子供のためのオープンスペース。階段が2階フロアに到達したところで終わるのではなく、4段だけさらに上まであるのも、七島幸之さんからの楽しい提案。「ちょっと腰掛けて本を読んだり、ぼーっとしたり。観葉植物を置いてもいいですね。家具の延長のような、ちょっとした居場所として使ってもらえたら」。
ピクチャーウィンドウになるように、デスク横の窓を横すべり出し窓にしているのもポイント。桟が窓の真ん中に入ってしまう引違い窓とは違い、視界を遮るものなく庭が見えるこの大きな四角い窓なら、勉強中でもちらりと外を見るだけでリラックスできるだろう。
ピクチャーウィンドウになるように、デスク横の窓を横すべり出し窓にしているのもポイント。桟が窓の真ん中に入ってしまう引違い窓とは違い、視界を遮るものなく庭が見えるこの大きな四角い窓なら、勉強中でもちらりと外を見るだけでリラックスできるだろう。
寝室は、1面だけシックな色づかいのベルギーの壁紙を使って、落ち着いた雰囲気に。この壁紙を貼った壁は、らせん階段を上がったところから見たときにちょうど目に入る、アイストップとなる壁。ほかの壁と同じ白い壁ではなく、アクセントとなる濃い色を使うことで、部屋が重層している様子がよりはっきりと感じられ、奥行き感が強調されるようになっている。
静かな田園地域にあるので、天気のいい日は外で食事をすることが増えたという山崎さん家族。この日は、縁側&ガーデンで食事をするために、親子で仲良く準備中。庭のすぐ横にダイニングテーブル横の窓があるので、キッチンで料理したものをすぐに外に渡せ、便利だとか。楽しい外ごはんのためならと、息子さんも率先して手伝ってくれるそうだ。
「切妻屋根の建物とも、片流れ屋根の建物ともちょっと違った不思議な印象の、オブジェ的なユーモラスな外観にしたくて、長方形の平面に対して、切妻屋根を少し回転させたような建物形状にしました」と、外観の説明をしてくれた七島幸之さん。写真では少しわかりづらいが、屋根の斜めのラインが印象的な外観に仕上がっている。
海に近い敷地で、塩害の心配があるので、耐候性に定評のあるコロニアル材で屋根と壁を仕上げているのもこの家ならでは。木製のフェンスは、リビングの延長にあったウッドデッキと同じイタウバ材を使ったものでオーダーした。
海に近い敷地で、塩害の心配があるので、耐候性に定評のあるコロニアル材で屋根と壁を仕上げているのもこの家ならでは。木製のフェンスは、リビングの延長にあったウッドデッキと同じイタウバ材を使ったものでオーダーした。
横から見た姿も、三角屋根がかわいくて素敵だ。七島幸之さんが言う「切妻屋根を少し回転させたような建物形状」は、上の写真と一緒に見比べてみるとイメージできるだろう。
ライトアップされた夜の外観も、温かみがあって、家族団らんの風景が想像できる。この家で暮らし始めて、周りの人たちとのごく自然なコミュニケーションが増えたという山崎さん。近隣の子供たちもみんな、我が子のように接しているのだとか(もちろん、叱るときも!)。
家族4人、ウッドデッキで仲良く記念撮影。子供たちはこの家に引っ越してから、育っている土地に対する愛着度が強くなったそう。「2人とも『ずっとここに住む!』と言うほど、この家が気に入っているみたいです。親としては外の世界も経験してほしいのですが(笑)」と由紀子さん。晴れの日は庭で走り回って、雨の日は大きな窓から外を眺めて。近隣とのつながりが濃く、自然を感じながら暮らせるこの家は、子育てにきっとプラスなことばかりなはず。都会っ子がうらやむような豊かな環境が、この家には備わっている。
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