世界のHouzzから:断捨離? それともミニマリストになる? 各国の片づけの達人たちに学ぶ、「整理された美しい空間のつくり方」
部屋の乱れは心の乱れ、といいますが、いつの間にか身の回りにモノが溢れかえるのが現実です。モノを減らし、快適に暮らす方法を、世界11ヵ国のHouzz編集部が取材しました。
Leonora Sartori
2016年1月27日
収納や整理整頓、片づけは、世界共通の悩み。そこで、Houzzでは世界各国の達人たちに、洋服の整理法から、レンタル倉庫の活用、著名ミニマリストのライフスタイルまで、役立つ考え方や方法を徹底取材。達人たちの結論によれば、やはり片付いていて気持ちのよい空間で暮らせば、忙しい毎日のなかにゆとりが生まれ、生活のクオリティが上がるよう。みなさんもぜひ、参考にしてみてはいかがでしょうか。
あらゆるモノが完璧に片づいた空間で心静かに暮らすことを夢見る人は少なくない。指の跡などどこにもないぴかぴかのキッチン、ほこりひとつない棚。大きくてゆとりのあるウォークインクロゼット。表紙の色別に本が並んだ書斎。でも、たいていの場合、狭い家に古びたおもちゃや靴、本、書類がごちゃごちゃと溢れかえっているのが現実だ。
時とともにモノは増えていく。でも、引っ越しや家の改装でもしない限りスペースは増えない。では、いったいどうしたらいいのだろうか? 過去を振り返らず思い切って断捨離する、7年ごとにアパートメントを住み替える、ネットオークションで売り払う、あるいはありのままの混沌を受け入れる?「1つ買ったら1つ捨てる」のルールを徹底するか、それとも「人生は短い、片づけに時間をかける暇はない」とあるがまま自由放任の道を進むべきか? これは世界共通の悩みなのだ。
達人たちの解決法は?
解決法を探すなら、整理整頓の達人に話を聞くのがベスト。実際に片づけや整理整頓の作業に取りかかる前に、まずは世界中の達人たちの声に耳を傾けてみよう。
日本はミニマリズムの最先端
ベストセラー『僕たちに、もうモノは必要ない』の著者でブログ Minimal & ismを共同主宰する佐々木典士(ささきふみお)さんは、著書の中でミニマリストのライフスタイルにたどり着いた経緯をつづっている。佐々木さんの場合、生活に必要なモノだけを身の回りにおいて生活しており、一般から見るとかなり過激なミニマリズム。読者の中心は20代から30代だそうだ。
「モノをいくらたくさん身の回りに集めても幸せにはなれないということに、多くの人が気づき始めていると思います。今の40代以上の人たちは、物質的な豊かさを追い求めたバブル時代を経験しましたが、僕たちの世代は経験していません。身の回りにあるモノが減ると、自由で解放された気持ちになれます。それに、日本は地震国ですが、もし地震がおきても、今の僕なら必要なモノを小さなスーツケースに詰め込んですぐに逃げられます。」
佐々木さんがミニマリストになったのは2013年のこと。「たまたまGoogleで『ミニマリスト』という言葉を検索し、たった15のアイテムで生活しているアメリカの有名なミニマリスト・ブロガー、アンドリュー・ハイドのことを知りました。そのころの僕は、人生に不満だらけで、生き方を変えたいと思っていましたので、ほとんど啓示のような瞬間でしたね」と佐々木さんは話す。
解決法を探すなら、整理整頓の達人に話を聞くのがベスト。実際に片づけや整理整頓の作業に取りかかる前に、まずは世界中の達人たちの声に耳を傾けてみよう。
日本はミニマリズムの最先端
ベストセラー『僕たちに、もうモノは必要ない』の著者でブログ Minimal & ismを共同主宰する佐々木典士(ささきふみお)さんは、著書の中でミニマリストのライフスタイルにたどり着いた経緯をつづっている。佐々木さんの場合、生活に必要なモノだけを身の回りにおいて生活しており、一般から見るとかなり過激なミニマリズム。読者の中心は20代から30代だそうだ。
「モノをいくらたくさん身の回りに集めても幸せにはなれないということに、多くの人が気づき始めていると思います。今の40代以上の人たちは、物質的な豊かさを追い求めたバブル時代を経験しましたが、僕たちの世代は経験していません。身の回りにあるモノが減ると、自由で解放された気持ちになれます。それに、日本は地震国ですが、もし地震がおきても、今の僕なら必要なモノを小さなスーツケースに詰め込んですぐに逃げられます。」
佐々木さんがミニマリストになったのは2013年のこと。「たまたまGoogleで『ミニマリスト』という言葉を検索し、たった15のアイテムで生活しているアメリカの有名なミニマリスト・ブロガー、アンドリュー・ハイドのことを知りました。そのころの僕は、人生に不満だらけで、生き方を変えたいと思っていましたので、ほとんど啓示のような瞬間でしたね」と佐々木さんは話す。
スウェーデン人は「実用的で美しい空間」を求める
ポーリーナ・ドラガンヤさんはスウェーデンでは右に出る人のいない、整理整頓の達人。ブログやTV番組、セミナーなどで人気を集めており、近々、収納や整理整頓に関する本を出版する予定もある。
ドラガンヤさんによると、スウェーデン人のものの見方は、かなり現実的で実用的。料理やファッション、デザインなどあらゆる分野にそれが表れているそう。「見た目はセンスよく、でも手間をかけずに、というのが共働きカップルのライフスタイルにあった整理整頓方法。洗練されたシンプルなシステムで、むだのないすっきりした印象の空間をつくるようにしています。」
「スウェーデンの家では、整理整頓に悩むのは廊下のスペースのようです。収納に一番工夫がいるのは衣類ですね。冬が長いため、スウェーデン人は厚くてかさばる服をたくさん持っていますから」
ポーリーナ・ドラガンヤさんはスウェーデンでは右に出る人のいない、整理整頓の達人。ブログやTV番組、セミナーなどで人気を集めており、近々、収納や整理整頓に関する本を出版する予定もある。
ドラガンヤさんによると、スウェーデン人のものの見方は、かなり現実的で実用的。料理やファッション、デザインなどあらゆる分野にそれが表れているそう。「見た目はセンスよく、でも手間をかけずに、というのが共働きカップルのライフスタイルにあった整理整頓方法。洗練されたシンプルなシステムで、むだのないすっきりした印象の空間をつくるようにしています。」
「スウェーデンの家では、整理整頓に悩むのは廊下のスペースのようです。収納に一番工夫がいるのは衣類ですね。冬が長いため、スウェーデン人は厚くてかさばる服をたくさん持っていますから」
スペイン人はモノを手放すのが苦手
マリア・ガライさんは個人を顧客とする収納コンサルタントとして、15年前から活動しているベテラン。ガライさんいわく、スペインでは思い出の品や古い写真、本を捨てずにとっておく人が多く、ミニマリスト的な志向はまだあまり浸透していないとのこと。
「スペインでは、古いモノの多くを捨てず、家に置きつづけている人が多いんです。たとえ狭いアパートメントに暮らしていてもそう。処分するのはせいぜい服だけで、それもクローゼットがいっぱいになったら減らす程度。ユーズド品の売買も、あまり大きな市場になっていませんし、人とモノを交換したり、ガレージセールを開いたりする文化もありません。クライアントと話すと、みんなやりたいというんですけれどね。」
スペインとイタリアは家族の結びつきが強く、家族にまつわるモノにも深い愛着をもつ。そうしたモノは、当然のことながら、なかなか手放せないもの。「スペインの親の中には、子どもたちが関心をなくしたモノでも、とにかくなんでも捨てずにとっておく人もいます。ベッドリネンやカーテン、ランプ、ベッドなどの家具類もとっておく人はとても多いですね。将来子どもが独立したときに家で使うかもしれないから、と考えるんですね」とガライさん。
マリア・ガライさんは個人を顧客とする収納コンサルタントとして、15年前から活動しているベテラン。ガライさんいわく、スペインでは思い出の品や古い写真、本を捨てずにとっておく人が多く、ミニマリスト的な志向はまだあまり浸透していないとのこと。
「スペインでは、古いモノの多くを捨てず、家に置きつづけている人が多いんです。たとえ狭いアパートメントに暮らしていてもそう。処分するのはせいぜい服だけで、それもクローゼットがいっぱいになったら減らす程度。ユーズド品の売買も、あまり大きな市場になっていませんし、人とモノを交換したり、ガレージセールを開いたりする文化もありません。クライアントと話すと、みんなやりたいというんですけれどね。」
スペインとイタリアは家族の結びつきが強く、家族にまつわるモノにも深い愛着をもつ。そうしたモノは、当然のことながら、なかなか手放せないもの。「スペインの親の中には、子どもたちが関心をなくしたモノでも、とにかくなんでも捨てずにとっておく人もいます。ベッドリネンやカーテン、ランプ、ベッドなどの家具類もとっておく人はとても多いですね。将来子どもが独立したときに家で使うかもしれないから、と考えるんですね」とガライさん。
フランス人は書類の整理に悩む
フランスのポーリーヌ・ルヴァスールさんは家庭の整理整頓コンサルタントになって6年。独自のメソッドを考案し、プロを育成している。
「フランスには特有の問題といえば、とにかくびっくりするほど紙の書類が多いこと。フランスでは持ち家のある人を『紙の王様』と呼ぶのですが、なぜかというと、契約関係の書類がとにかく大量(欧州でいちばんでしょう)で、しかも全部保管しておかないといけないから。そんなわけで、紙の書類はフランスの家が散らかる最大の原因の1つになっています。」
ルヴァスールさんの観察によれば、散らかった部屋に住む人は、実は人生における重要な危機(病気、離婚、死など)に直面している場合が多い。「人生の危機にさしかかると、人は整理整頓する時間的余裕がなくなり、『あとでやろう』と考え、結局そのままにしてしまう。新しい一歩を踏み出す時期になると、ようやくプロの片づけアドバイザーに依頼して、そろそろ家を片づけなくちゃ、と動き出す人が多いんですね」とルヴァスールさんは言う。
「フランス人はモノを捨てるのが苦手。いつかきっと使うから、と考えがち。それに、お土産や記念の品など思い出の品にも愛着が強いので、モノを処分するときにも、思い入れに左右されるんですね」とルヴァスールさんは分析する。
フランスのポーリーヌ・ルヴァスールさんは家庭の整理整頓コンサルタントになって6年。独自のメソッドを考案し、プロを育成している。
「フランスには特有の問題といえば、とにかくびっくりするほど紙の書類が多いこと。フランスでは持ち家のある人を『紙の王様』と呼ぶのですが、なぜかというと、契約関係の書類がとにかく大量(欧州でいちばんでしょう)で、しかも全部保管しておかないといけないから。そんなわけで、紙の書類はフランスの家が散らかる最大の原因の1つになっています。」
ルヴァスールさんの観察によれば、散らかった部屋に住む人は、実は人生における重要な危機(病気、離婚、死など)に直面している場合が多い。「人生の危機にさしかかると、人は整理整頓する時間的余裕がなくなり、『あとでやろう』と考え、結局そのままにしてしまう。新しい一歩を踏み出す時期になると、ようやくプロの片づけアドバイザーに依頼して、そろそろ家を片づけなくちゃ、と動き出す人が多いんですね」とルヴァスールさんは言う。
「フランス人はモノを捨てるのが苦手。いつかきっと使うから、と考えがち。それに、お土産や記念の品など思い出の品にも愛着が強いので、モノを処分するときにも、思い入れに左右されるんですね」とルヴァスールさんは分析する。
整理整頓の悩みに達人が答える!
1. 収納と整理整頓において、いちばん重要なことは?
ポーリーナ・ドラガンヤさんの答えは以下のとおり。「家にあるモノ1つひとつにすべて、置く場所、しまう場所を決めること。私は本当に好きで使うモノだけを持つことを心がけると同時に、何か新しく欲しいモノが出てきたら、収納場所があるかを考えます。収まるスペースがイメージできなければ、買わないことが多いですね。」
「すでに持っている好きなモノに目を向けて大事にすること。そして、それをきちんとしまい、丁寧にあつかうことが、整理整頓につながるのです。」
1. 収納と整理整頓において、いちばん重要なことは?
ポーリーナ・ドラガンヤさんの答えは以下のとおり。「家にあるモノ1つひとつにすべて、置く場所、しまう場所を決めること。私は本当に好きで使うモノだけを持つことを心がけると同時に、何か新しく欲しいモノが出てきたら、収納場所があるかを考えます。収まるスペースがイメージできなければ、買わないことが多いですね。」
「すでに持っている好きなモノに目を向けて大事にすること。そして、それをきちんとしまい、丁寧にあつかうことが、整理整頓につながるのです。」
デザインスタジオ〈キュリオシティ〉を運営するデザイナーのグエナエル・ニコラさんは、Houzz日本版の記事「My Houzz: 陰影の中にデザインしたタイムレスでプリミティブなくつろぎの家」の中で、家をつくるときには「収納は想定される2.5倍つくったほうがいい」と話している。
2. 収納スペースを増やすより、断捨離をすべき?
一般家庭を対象に家事全般のアドバイスを行うコンサルタント〈ダニ&コルフ〉のダニエラ・モスカさんにきいてみた。
「私自身は断捨離派。少ないモノを組み合わせるほうが、新しい発想がわいてきますから。私は機能性を重視しています。箱や仕切りをたくさん使って工夫しているようで実はモノをたくさん詰めこんでいるだけ、という収納法もありますが、それよりも機能的なクローゼット1つを上手に活用したほうがいいですよ。」
「といっても、倉庫の在庫管理のようにシステマティックはルール(後入れ先出し、先入れ先出しなど)は家庭内のモノの整理整頓法には向いていないと思います。それより、モノごとにすべてあるべき場所を決めておけば、きちんと片づくのだということを、小さいうちから子どもに教えこんでいくことが大事ですね。」
一般家庭を対象に家事全般のアドバイスを行うコンサルタント〈ダニ&コルフ〉のダニエラ・モスカさんにきいてみた。
「私自身は断捨離派。少ないモノを組み合わせるほうが、新しい発想がわいてきますから。私は機能性を重視しています。箱や仕切りをたくさん使って工夫しているようで実はモノをたくさん詰めこんでいるだけ、という収納法もありますが、それよりも機能的なクローゼット1つを上手に活用したほうがいいですよ。」
「といっても、倉庫の在庫管理のようにシステマティックはルール(後入れ先出し、先入れ先出しなど)は家庭内のモノの整理整頓法には向いていないと思います。それより、モノごとにすべてあるべき場所を決めておけば、きちんと片づくのだということを、小さいうちから子どもに教えこんでいくことが大事ですね。」
3. 「部屋の乱れは心の乱れ、散らかった部屋に暮らしていると幸せにはなれません」と言われますが本当ですか?
「片付いていないと幸せではない、というわけではありません。でもきちんと整理された空間なら気持ちも落ち着きますし、物事を管理できているという充実感がわいてきます。それに、片付けに時間をとられないのでやりたいことに時間をかけられます」と話すのは、オーストラリアの片づけの達人で収納や整理整頓法の著書もあるメアリーアン・ベニーさん。
「整理された空間では、自分のしたいことをすぐにスムーズに実行できるので、目の前の『今』を楽しめるようになります。それに対して片付いていない状態に、本人が問題を感じている場合には、心理的に立ち往生になり前に進めません。片付けに時間をとられるということは、『今』と『未来』に目を向けるよりも「過去」を把握し整理するのにエネルギーを費やすことになるわけです。その意味でミニマリズムはやはり幸せに結びつくといえますね」
インテリアとホームステージング(不動産業者向けの物件のスタイリング)を手掛ける〈コーラル・インテリア〉を営むイギリスのヘレン・ウィンターさんは「昔から、机の乱れは心の乱れ、といいますが、間違いありません。どこに何があるか把握できていなかったり、ごちゃごちゃ散らかったり汚れたりしている場所で暮らすのは生活に悪影響を及ぼします。大切な精神的エネルギーをむだに消費しているわけですから」と言い切る。
「片付いていないと幸せではない、というわけではありません。でもきちんと整理された空間なら気持ちも落ち着きますし、物事を管理できているという充実感がわいてきます。それに、片付けに時間をとられないのでやりたいことに時間をかけられます」と話すのは、オーストラリアの片づけの達人で収納や整理整頓法の著書もあるメアリーアン・ベニーさん。
「整理された空間では、自分のしたいことをすぐにスムーズに実行できるので、目の前の『今』を楽しめるようになります。それに対して片付いていない状態に、本人が問題を感じている場合には、心理的に立ち往生になり前に進めません。片付けに時間をとられるということは、『今』と『未来』に目を向けるよりも「過去」を把握し整理するのにエネルギーを費やすことになるわけです。その意味でミニマリズムはやはり幸せに結びつくといえますね」
インテリアとホームステージング(不動産業者向けの物件のスタイリング)を手掛ける〈コーラル・インテリア〉を営むイギリスのヘレン・ウィンターさんは「昔から、机の乱れは心の乱れ、といいますが、間違いありません。どこに何があるか把握できていなかったり、ごちゃごちゃ散らかったり汚れたりしている場所で暮らすのは生活に悪影響を及ぼします。大切な精神的エネルギーをむだに消費しているわけですから」と言い切る。
4. 捨てるべきモノとそうでないモノを分ける方法は?
「モノを所有するということは、小さなボタンから大きなカウチまで、何であっても自分の時間をそれに費やすことになるんだ、という認識をもつこと。これが私の片づけ法の根本ルールです。掃除する、しまう、動かす、修理する、なくす、探す、洗う、拭くなど、モノがあればそれに手間と時間がかかることになるわけです。だから、処分するかしないか迷うときには、『このモノは、それにかかる手間と時間の価値があるか』を考えてみてください。あると思えばとっておく。思えなければ処分する。シンプルなことです。もちろん、感情的な思い入れがあるモノの場合はまた別ですが」と話してくれたのは、『The House That Cleans Itself』(自然ときれいになる家)の著書があるアメリカのライター、ミンディ・スターンズ・クラークさんだ。
5. 「1つ買ったら1つ捨てる」ルールは有効?
「いつも忘れず実行できる人ならいいと思います」とミンディ・スターンズ・クラークさんは言う。「でも私のように本来は家の片づけがが苦手なタイプだと、このルールはうまく機能しないような気がします。それより、定期的にモノを処分する日を決めてはどうでしょうか。例えば毎シーズン、年4回、季節の変わり目に時間を取って、定期的にモノを整理するのはおすすめです」
「モノを所有するということは、小さなボタンから大きなカウチまで、何であっても自分の時間をそれに費やすことになるんだ、という認識をもつこと。これが私の片づけ法の根本ルールです。掃除する、しまう、動かす、修理する、なくす、探す、洗う、拭くなど、モノがあればそれに手間と時間がかかることになるわけです。だから、処分するかしないか迷うときには、『このモノは、それにかかる手間と時間の価値があるか』を考えてみてください。あると思えばとっておく。思えなければ処分する。シンプルなことです。もちろん、感情的な思い入れがあるモノの場合はまた別ですが」と話してくれたのは、『The House That Cleans Itself』(自然ときれいになる家)の著書があるアメリカのライター、ミンディ・スターンズ・クラークさんだ。
5. 「1つ買ったら1つ捨てる」ルールは有効?
「いつも忘れず実行できる人ならいいと思います」とミンディ・スターンズ・クラークさんは言う。「でも私のように本来は家の片づけがが苦手なタイプだと、このルールはうまく機能しないような気がします。それより、定期的にモノを処分する日を決めてはどうでしょうか。例えば毎シーズン、年4回、季節の変わり目に時間を取って、定期的にモノを整理するのはおすすめです」
6. モノにあふれたカオスから抜け出す方法を教えてください。
一度、家の中にあるすべてのモノを見なおしては、と話すのはメアリーアン・ベニーさんだ。「愛着というのはとても個人的な感覚。どうしても愛着があるモノなら、自分がそれを本当に大切に扱っているかどうか、振り返ってみてください。しまいこんだままで手に取ることなどない、ということなら、写真があれば十分で、モノ自体は処分して手元になくなっても大丈夫なのかもしれませんよ」
「次の世代に受け継ぐべきモノなら、そのための収納場所を確保すること。オーストラリアでは最近、貸し倉庫や環境に配慮した廃棄サービスの需要が高まっています」
ホームステージングを手掛ける〈フロイライン・オルドナン〉の代表で、『Seven Days for a Tidy Life』(7日間でできる片づいた暮らし)の著書もあるデニス・コルホーンさんの提案は次のとおり。「床はいつもきれいにしておくこと。床の上に置いてあるモノがあるなら、毎日1回は片づけるようにします。考えながら分けていくんです。これは洗濯物? 捨てるべきモノ? クロゼットにしまうべきモノ? 別の部屋にあるべきモノ? 処分すると決めた服を放り込んだ箱が何か月も廊下に置いたままになっているなら、すぐにアクションを起こしましょう。寄付したりリサイクルショップで処分すれば、肩の荷が下りて気分もすっきりします。」
一度、家の中にあるすべてのモノを見なおしては、と話すのはメアリーアン・ベニーさんだ。「愛着というのはとても個人的な感覚。どうしても愛着があるモノなら、自分がそれを本当に大切に扱っているかどうか、振り返ってみてください。しまいこんだままで手に取ることなどない、ということなら、写真があれば十分で、モノ自体は処分して手元になくなっても大丈夫なのかもしれませんよ」
「次の世代に受け継ぐべきモノなら、そのための収納場所を確保すること。オーストラリアでは最近、貸し倉庫や環境に配慮した廃棄サービスの需要が高まっています」
ホームステージングを手掛ける〈フロイライン・オルドナン〉の代表で、『Seven Days for a Tidy Life』(7日間でできる片づいた暮らし)の著書もあるデニス・コルホーンさんの提案は次のとおり。「床はいつもきれいにしておくこと。床の上に置いてあるモノがあるなら、毎日1回は片づけるようにします。考えながら分けていくんです。これは洗濯物? 捨てるべきモノ? クロゼットにしまうべきモノ? 別の部屋にあるべきモノ? 処分すると決めた服を放り込んだ箱が何か月も廊下に置いたままになっているなら、すぐにアクションを起こしましょう。寄付したりリサイクルショップで処分すれば、肩の荷が下りて気分もすっきりします。」
7. 「モノが多すぎ」になるモノの量はどのくらいでしょうか?
家にあっていいモノの量については、明確で無理なく実行できるルールを決める、というのが片づけの達人とHouzzユーザーに共通する考え方。
ミンディ・スターンズ・クラークさんのアドバイスは「自宅の収納スペースを基準にするやり方がおすすめです。例えば、思い出の品はこのキャビネットに入る分は好きなだけとっておいてOK、といった感じに決めておく。昔の手紙や書類、子どもが描いた絵ならふたの閉まる大型の箱2つまではOKとか、好きな本は本棚3つに収まる分は手元に置いていい、という風に。」
「無理のない上限を決めるには、現実的なレベルにすること。最初のうちは特にそう。そして、決めたことは守ること。そうすれば決めたスペースに入らなくなったら、何を減らすか考えればいいわけです。」
イタリアの片づけの達人ダニエラ・モスカさんもアドバイスをくれた。「15歳のころ着ていたトレーナーや、最初の子の妊娠中に履いていたパンツを保存しておく必要ってあるでしょうか? もちろん思い入れがあるモノはあるでしょうし、末永く子どもにもっていてもらいたいと思うモノもあるでしょう。でも、その場合もよく吟味して、いくつまでと数を決めたほうがよいでしょう。例えばもう着ないけれど思い出があるからとっておきたい服は5着までOK、とするとか」
家にあっていいモノの量については、明確で無理なく実行できるルールを決める、というのが片づけの達人とHouzzユーザーに共通する考え方。
ミンディ・スターンズ・クラークさんのアドバイスは「自宅の収納スペースを基準にするやり方がおすすめです。例えば、思い出の品はこのキャビネットに入る分は好きなだけとっておいてOK、といった感じに決めておく。昔の手紙や書類、子どもが描いた絵ならふたの閉まる大型の箱2つまではOKとか、好きな本は本棚3つに収まる分は手元に置いていい、という風に。」
「無理のない上限を決めるには、現実的なレベルにすること。最初のうちは特にそう。そして、決めたことは守ること。そうすれば決めたスペースに入らなくなったら、何を減らすか考えればいいわけです。」
イタリアの片づけの達人ダニエラ・モスカさんもアドバイスをくれた。「15歳のころ着ていたトレーナーや、最初の子の妊娠中に履いていたパンツを保存しておく必要ってあるでしょうか? もちろん思い入れがあるモノはあるでしょうし、末永く子どもにもっていてもらいたいと思うモノもあるでしょう。でも、その場合もよく吟味して、いくつまでと数を決めたほうがよいでしょう。例えばもう着ないけれど思い出があるからとっておきたい服は5着までOK、とするとか」
収納スペースと必要なモノの量について、万人にあてはまる不動のルールは存在しない。「人によって、家族によって、ふさわしい上限を決めること。数を決めてもいいですし(タオルは家族1人につき3枚までとゲスト用の予備2枚など)、割り当てるスペースを決めてもいい(レシピ本はこの棚に入る分だけと決め、いっぱいになってしまったら、1冊増やすときは1冊減らす)。期間を決めてもいいですね(好きな雑誌のバックナンバーは1年分まで、など)。アイテムごとに上限を決めておけば、いちいち悩まなくてよくなります」とメアリーアン・ベニーさんも話す。
日本のミニマリストの佐々木さんは、身の回りのモノの数をかなり絞って暮らしている。実際のモノのリストを見ると、普通の人は、驚かれるかもしれない。
「靴は5足(サンダル、白いスニーカー、雨用のブーツ、スリッポン、黒のフォーマル用の革靴)。本は家に置かないようにしています。紙の本は、読書中の1冊を手元にあるだけですし、読み終わったらすぐに処分します。キンドルは便利なのでよく使っていますね。ミニマリストになる前は、積ん読の本がたくさんあって、いつも罪悪感がありました。でも、今はそういう気持ちからも解放されました。キッチンの道具はだいたい20アイテムくらい、Tシャツは20枚、下着は4セット、シャツは4枚です。」
日本のミニマリストの佐々木さんは、身の回りのモノの数をかなり絞って暮らしている。実際のモノのリストを見ると、普通の人は、驚かれるかもしれない。
「靴は5足(サンダル、白いスニーカー、雨用のブーツ、スリッポン、黒のフォーマル用の革靴)。本は家に置かないようにしています。紙の本は、読書中の1冊を手元にあるだけですし、読み終わったらすぐに処分します。キンドルは便利なのでよく使っていますね。ミニマリストになる前は、積ん読の本がたくさんあって、いつも罪悪感がありました。でも、今はそういう気持ちからも解放されました。キッチンの道具はだいたい20アイテムくらい、Tシャツは20枚、下着は4セット、シャツは4枚です。」
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